ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
とはいえ、かなり短めですが
ひかりと舞は短めになってしまいそうだな、これ……
あ、なんか甘い雰囲気になってそうだけど、付き合ってませんので悪しからず
まぁ、ひとまず本編どうぞ
その日、菖とひかりは珍しく一緒に行動していた。
二人の遭遇は、本当に偶然だった。
たまたま、ひかりがアカネのお使いで小泉学園を離れて、たまたま、ひかりの目的地に菖がいた、という。
もはや作為的な何かすら感じるほど偶然が重なった結果なのだが、ひかりはどこか、その結果に満足そうだった。
「ご機嫌だな?ひかり」
「はい♪だって、菖さんと一緒に知らない街を歩くのがとっても楽しいですから♪」
満面の笑みを浮かべながら、ひかりはそう答えた。
なぎさのような明るく元気な笑顔でも、ほのかのように静かで穏やかな笑顔とも違う、ひかりだからこその無邪気な愛らしい笑顔に、菖は優しいまなざしをひかりにむけていた。
そんなことには気づかないまま、ひかりは菖の隣を歩いていた。
ふと、なにか気になるものでも見つけたらしく、ひかりはぱたぱたとそちらの方へ走っていった。
その後ろを、優しい微笑みを浮かべながらゆっくりと追いかけた。
「菖さん!見てください、この子たち!」
「ん?」
はしゃいでいるひかりが指さす方へ目を向けると、そこには子猫や子犬がじゃれ合う姿があった。
その奥では、お茶を飲みながら、動物たちと戯れている人たちの姿があった。
いわゆる、ふれあいカフェ、というものらしい。
「……入ってみるか?」
「え?い、いいんですか?!」
「あぁ。てか、なんか、すごく触りたそうな顔してたぞ?」
「うぅ……はうぅぅぅぅ……」
恥ずかしそうに顔を赤らめ、ひかりはうつむいてしまった。
そんなひかりの頭を、優しく撫でながら、菖はひかりと一緒にふれあいカフェへと入っていった。
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店内に入り、指定された席に座ると、その瞬間に元気のいい子猫や子犬たちがぞろぞろとひかりの方へ集まってきた。
「はわわわわ……」
「ははは、大人気だな、ひかり」
「ちょっ?!わ、笑い事じゃ……きゃっ?!ま、待って!!く、くすぐった……あははははは」
光のクイーンの生まれ変わりであるためか、それとも、ひかりが本来まとっている穏やかな雰囲気に引き寄せられているためか。
いずれにしても、カフェにいる動物たちの大半がひかりの下へ集まっていった。
くすぐったそうに微笑むひかりの様子を、愛おしそうに見守りながら、菖はティーカップを口元に運ぼうとした。
「……うん?」
足元に違和感を覚え、視線を足元に向けた。
そこには、ひかりの方へむかっていった子猫たちよりも、明らかに成長している猫がうずくまっていた。
「……来るか?」
菖は猫に問いかけながら、膝を軽く叩いた。
すると、猫はするりと菖の膝の上に乗っかり、うずくまって寝息を立て始めた。
「お、おいおい……」
「うふふふ……やっぱり、菖さんのそばって安心するんですね」
「ひかりのそばもそうなんじゃないか?」
「え?……そ、そうでしょうか?」
予想もしなかった返しに、ひかりは若干照れながらすり寄ってきた猫をなでていた。
なお、二人の様子を見ていた他の客が。
――なんか、あっちのほうが癒される……
と思っていたことは言うまでもない。
あとがき代わりのその頃の話
~なぎさとほのか~
なぎさ「あ~ぁ、今頃、ひかりは菖さんとデートかぁ」
ほのか「なぎさ、もしかして藤村くんとしてみたい、とか思ってるでしょ?」(-▽-
なぎさ「なっ??!!ほ、ほのか!そういうのはわかってても言わないでよ!!」Σ(///□///
ほのか「うふふふ♪」
~咲と舞~
舞「……はぁ……」
咲「舞、いくらひかりと菖さんがデートだからって落ち込まなくても……」
舞「……だってぇ……咲だってお兄ちゃんがほかの女の子とデートしてるって思ったらショックで凹むじゃない。それと同じよ」
咲「うぐっ……ご、ごめんなり……」(-ω-;
~ゆりとつぼみ~
つぼみ「菖さんとひかりさん、今頃はどうしているでしょう?」
ゆり「さぁ?案外、ふれあいカフェとかでのんびりしているかもね?」
つぼみ「ゆりさん、ちなみにゆりさんだったら過ごします?」
ゆり「そうね……図書館デートも楽しそうだし、森林浴なんてのもいいかもね……つぼみ、あなたの場合、お花畑巡りかしら?」
つぼみ「はいっ!」
ゆり「うふふ♪なら、菖にお弁当作ってもらえるかもしれないわね?」