ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
クリスマスネタはやらなかったけど、年明けネタはやるかも?
まぁどうでもいいかな
今年中にもう一本出せるように頑張りたいなぁ……
ともあれ、本編どうぞ
「菖さん!お、お願いがあります!!」
「ん?どうした??」
ある日の放課後。
菖とつぼみが並んで下校していた。
ちなみに、ゆりは
「こ、こここ、今度の日曜日に、わたしとお、おおおおおおでかけしてくだしゃい!!」
「ん?いいよ」
意外にあっさりと、菖はつぼみのお願いを承諾した。
あまりに簡単に承諾されたため、つぼみは唖然としていたが、次の日曜日は菖と二人きりになれることを大いに喜び、小躍りしていた。
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そして日曜日。
菖とつぼみは近所の花畑に来ていた。
咲き誇る花々に、菖はすっかり圧倒されていたのだが、つぼみはその光景に元気をもらっているらしく、ご機嫌な笑みを浮かべていた。
いや、あるいはその理由は、想い人を独占できているから、なのかもしれないが。
「すっかりご機嫌だな?つぼみ」
「はい!こんなにたくさんのお花さんたちに囲まれてるんですよ!!もう素敵すぎですっ!!」
「……それ、はるかのセリフなんじゃないかなぁ?」
聞いたことがあるようなセリフに、菖は苦笑を浮かべつつ、花を折らない場所にレジャーシートを敷き、持ってきていた携帯ガスコンロや、やかん、水が入ったペットボトル、紅茶の葉を置き始めた。
「さてと……こんな開けた場所でってのもなかなかないからな」
心なしか嬉しそうに微笑みを浮かべながら、菖は携帯コンロに火を入れ、お湯を沸かし始めた。
つぼみが花畑の中をくるくると一人で踊っている光景を、いとおしそうに眺めながら、傍らにいくつかの瓶を広げ、鼻歌交じりにその蓋を開けた。
ふわり、と花畑を駆け抜ける風に乗って、瓶の中に入っているものの香りがふわりと香ってきた。
どこか心が落ち着く感じがする優しい香りは、ラベンダー。
リンゴのような甘い香りは、カモミール。
甘いが、どこか辛さのようなものを感じる香りは、シナモン。
すっと鼻の奥を突き抜けていくすっきりとした香りは、ペパーミント。
そして、レモンのようだが酸っぱさを感じない香りは、レモンマートル、レモンバーベナ、レモンバーム、そしてレモングラス。
すべて、菖が気に入っているハーブだった。
普段は緑茶や紅茶、あるいはコーヒーを飲んでいるのだが、こうした外出時はハーブティーを飲むことの方が多い。
その主な理由がハーブの薬効にあった。
持ってきているものは、どれも鎮静効果があったり、精神をリラックスさせる効果があるもので、趣味である遺跡探検で、いつもとはまったく違う環境に身を置くことが多い菖にとって、うまくストレスをコントロールするために必要な効能のものばかりだった。
とはいえ、今回の場合はつぼみと一緒にいることにストレスを感じているというわけではなく、つぼみが菖が淹れたハーブティーを気に入っているから持ってきたのだが。
ちなみに、ゆりも菖が淹れるハーブティーを気に入っているが、気に入っているブレンドはつぼみのものとは違い、甘い香りが強いものなのだが。
菖はハーブをブレンドし、ポットに入れて、沸いたばかりのお湯をその中に注ぎ込んだ。
その瞬間、ベースとなっているレモンマートルやレモングラスの香りがふわりと漂い始めた。
その香りに気づいたのか、つぼみは花畑から戻ってきて、菖の隣に腰かけた。
「菖さん!今日のブレンドはなんですか?」
「レモンマートルを中心に、グラス、バーベナ、バームをちょっと多めに。そこにカモミールとほんのちょっとのシナモンを混ぜた感じだから……ちょっと甘めかな?」
「この間、ごちそうになったのはちょっと辛かったですもんね……」
「あれは冬用のブレンドだよ。ジンジャーにシナモンをたっぷり使って、そこに隠し味程度にペパーミントとフェンネル、レモングラスをくわえたんだ……ちなみにこのブレンドは発汗作用を持っているだけじゃなくて、消化不良の改善や脂肪燃焼の補助もしてくれるぞ」
要するに、ダイエットには心強い味方となるブレンド、ということである。
もっとも、一番よく食べるえりかですら、細い体をキープしているのだから、おそらく彼女たちにはしばらくの間、無縁のブレンドなのだろうけれども、と菖は勝手に思っていた。
いくつかのハーブの混ざり合った香りを楽しみにながら、菖はティーポットにお湯を注ぎ入れ、小さな砂時計をひっくり返した。
「あとは、砂が落ちるまで待てばいいんですよね?」
「そういうこと。おいしい料理とお茶は時間が大事!慌てず、焦らず、じっくり構えることが大切なんだ」
いつだったか、ハートキャッチ組の面々にハーブティーを淹れたときは、えりかが待ちきれずにポットを揺らしてしまったため、本来の半分もおいしさを引き出すことができなかった。
だが、今回はえりかがいないため、ハーブのおいしさを百パーセント引き出すことができるはず。
何より。
――ゆりとつぼみには、美味しいやつを淹れてやりたいからな
祖父の仁頼といつきはどちらかと言えば緑茶が好きだし、えりかは紅茶やコーヒーよりもジュース一択な性格をしているため、滅多にハーブティーの腕を振るうことができないでいた。
そのため、少なからず興味があるゆりとつぼみにはおいしいものを、と思うのも当然のことだった。
「さて、そろそろかな?」
「菖さん、まだあとちょっとです!」
わくわくしている気持ちを抑えながら、つぼみが菖にそう告げてきた。
むろん、菖もそれをわかっていると考えなかったわけではないのだろうが、言わずにはいられなかったのだろう。
それだけ、つぼみは菖の淹れたハーブティーを楽しみにしている、ということだった。
「さて、と。それじゃ、注ぐよ」
「はい!」
こぽぽ、と優しい音を立てながら、つぼみの持っているカップにお茶が注がれていった。
つぼみのカップにお茶を注ぎ終えると、菖は自分のカップにお茶を注ぎ始めた。
少しして、カップにハーブティーを注ぎ終えると。
「それじゃ」
「はい!ちょっと作法は違いますけれど……乾杯、です♪」
カップをぶつけあうことはなく、互いにカップを掲げ、菖とつぼみはささやかなお茶会を始めるのだった。
あとがき代わりのその頃の話
~アカネとひかり~
アカネ「へ~?てことは、今日は愛しの騎士様はほかの女の子のお相手をしてるってことかい?」
ひかり「き、騎士様って!……しょ、菖さんはそんなカッコイイ感じじゃ……」
アカネ「にしても、許せないねぇ……うちの看板娘っていい女がいるってのにさ」
ひかり「あ、あの!わたしはあんまり気にしてないので……というか、菖さんはみんなの菖さんですから!!」
~咲と舞~
舞「…………はぁ…………」
咲「これで何度目のため息なのよ……はぁ……なぎささんじゃないけど、ぶっちゃけありえないなり~」
~ゆりとももか~
ももか「あれ?今日つぼみちゃんは」
ゆり「菖とデート」
ももか「あらら……ゆり、もしかして失恋?」
ゆり「なんでそうなるのよ?個人的に、つぼみとなら浮気してもいいって思ってるわよ?わたしは」
ももか「おっとまさかの愛人公認宣言……ていうか、ゆり」
ゆり「…………あによ?」
ももか「ぶっちゃけ、菖くんもつぼみちゃんも大好きだからよね?そういうこと言えるってことは」
ゆり「……(ぷいっ)……」
ももか「ふふふっ♪照れちゃって、かわいい~♪」