ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
まぁ、ぶっちゃけ、雨宿りネタです。
なお、つぼみたち中学生組は出てきません。
にしても、シエル……やっぱり日本語以外は完璧なのね(苦笑
とある雨の日の菖とゆり
何事もない、平日の放課後。
菖は特に片付けなければならない用事もないため、少しばかり、商店街を散策していたのだが、突然、雨に降られてしまった。
あいにくと、傘を準備していなかったため、仕方なく、近くの公園にある屋根付きのベンチに飛びこみ、雨宿りをすることにした。
――この強さだと、通り雨だろうから、すぐに止むだろうな……それまで、少し雨宿りしてるか
幸いにして、濡れたのは制服と靴の中だけで、カバンの中までは大した被害は受けていない。
暇を潰す、という点において、困ることはなかった。
困ることはなかったのだが。
「……へっくし!!……うぅ……さすがに、濡れたままは冷たいわなぁ……」
ぬれねずみのままであるため、徐々に体温は奪われていく。
菖は周囲に誰もいないことを確認すると、もぞもぞと制服のシャツとインナー、靴下を脱いで、水気をできる限り搾り取ってから、インナーとシャツを着た。
さすがに、靴下と靴を履くのはためらわれたため、しばらくの間、菖は雨が止むまで、カバンの中に忍ばせていた本を読んで過ごすことにした。
しばらくの間と、雨の中、こちらに向かって走ってくる影があった。
菖はそれに気付くことなく、読書を続けていた。
だが、駆け寄ってきた人物の声を聞いて、そうも言っていられなくなってしまった。
「……はぁ……よりにもよって、傘を用意してないんて……困ったわ、ね……」
聞き覚えのある声に、菖が視線を上げると、そこには、菖と同じく、ぬれねずみになってしまっているゆりの姿があった。
「しょ、菖?!な、なんであなたがここに??!!」
「いや、雨宿りしてるんだから、当然だろ……ほれ。これ使って」
菖にしては珍しく、視線をそらしながら、ゆりにまだ濡れていないタオルを手渡してきた。
その態度に、ゆりは不思議そうに首をかしげ、タオルを受け取りながら問いかけた。
「ありがとう……けど、なんで目をそらすのよ?」
「……自分で自分の状況をわかっててそれを聞くのか?」
そう言われ、ゆりは自分の制服に視線を落とした。
そこには、雨に濡れて肌と下着が若干、透けて見えてしまっている自分のブラウスがあった。
菖が視線をそらした理由を理解すると、ゆりは羞恥心で顔を真っ赤に染め、菖の背後に腰かけた。
「見たの?」
「……黙秘権は」
「認めないわよ?正直に言いなさい」
「見ないように努力しました」
背後から、威圧感を垂れ流しながら問いかけるゆりに、菖はできる限り平静さを保ちながらそう答えた。
その答えに満足したのか、ゆりはそれ以上追及することはなかった。
それからしばらくして、ようやく雨脚が弱まり、傘を差さなくてもいいくらいになると、菖は本を閉じてカバンにしまった。
「ゆり、上がったみたいだぞ、雨」
「そうね……それじゃ、行きましょうか。タオルは洗って返すわ」
「気にしなくていいのに……」
苦笑を浮かべながら、義理堅い幼馴染の発言に、菖が返したが、その動きはぴたりと止まった。
乾いていたとはいえ、さすがにあのタオル一枚だけで完全にブラウスの水気を取ることはできなかったらしい。
ましになったとはいえ、まだ少しばかり透けていることに気づいてしまったのだ。
「……ゆり、これ羽織って」
そう言って、菖は持って来ていた青いシャツを手渡した。
だが、その意図がわからず、ゆりはどうしたのか問い返してきた。
「ど、どうしたのよ、いったい」
「……いっても殴るなよ?」
「え?えぇ……」
「……まだ若干透けてる」
言質を取ってから、菖はシャツを差し出した理由を伝えると、ゆりは顔を紅くしてシャツを奪い取り、ブラウスの上に羽織った。
「……約束だから、殴らないけど、何か埋め合わせはしてもらうわよ?」
「覚悟の上さ」
「……なら、最初の一つ」
そう言って、ゆりはまだ若干顔を赤くしながら、菖に手を伸ばした。
「手、つないで一緒に帰ってくれる?」
「……お安い御用さ」
菖は少しばかり顔を赤くしながら、ゆりの手を取った。
埋め合わせ、とは言ったが、まさか本当にやってくれるとは思わなかったゆりは、うつむきながら菖の手を握り、立ちあがった。
「……さ、行きましょう?」
「あ、あぁ……そうだな」
ゆりに促され、菖はゆりの歩調に合わせて歩きだし、二人で一緒に家路についた。
なお、その時の二人を見かけた町の人達は、そのほとんどが似合いのカップルだ、と思ったのだそうな。
あとがき代わりの後日談(スキット風)
~翌日の教室にて~
ゆり「菖。これ、昨日借りてたものよ」
菖「わざわざ学校で返さなくてもよかったに……けど、ありがとう」
ももか「むむ?!ゆりが菖くんに借り物……しかも、タオルとシャツ??!!」
クラスメイト全員『…………っ??!!』
女子全員『つ、月影さん!いったい、春川くんとどんなロマンスが?!』(///▽///
男子全員『春川、ちょっと屋上まで付き合え』(^言^メ
ゆり「あら?ロマンスなんてものじゃないわ。昨日、急に雨に降られて困ってたところに菖がタオルと
菖「残念ながら、お前たちが思ってるような展開はなかったから、付き合う義理なし……というか、お前ら、そんなこと言ったら卒業まで何か頼ってきても全部断るぞ?」(^言^
女子全員『なぁんだ、残念……』(-ω-
男子全員『なっ?!……それはご勘弁を!』Σ(○△○lll
ももか「……で、ゆり。本当のところは?」
ゆり「本当も嘘もないわ。事実だもの」
ももか「ふ~ん?」(・∀・
ゆり「……な、なによ?」(-ω-;
ももか「べつに~?その割には嬉しそうな顔してるなぁって思っただけよ?」
ゆり「……っ??!!」Σ(///△///
ももか「ふふふっ……冗談よ。ゆりったら、ほんと可愛い!!」(^^*