ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
ようやくできたよ、菖とつぼみだけのエピソード(-_-;
けどそんなに設定を詰めてないから、自己採点で100点満点中45点くらいかね。
それはともかく、今日のア・ラ・モード、あきゆか回でしたねぇ……
この話をネタに高校生組の話をもう一回作ろうかしら?
休日。
今日のつぼみは、一人で花畑を巡っていた。
花畑は、つぼみにとってのパワースポット。
だから、時々、シプレとこうして花畑を巡っているのだ。
だが。
「……どうしましょう……」
「すっかり降られちゃったですぅ……」
この季節、天候は不安定になりやすく、運が悪ければ、出先で豪雨に襲われるということも稀にある。
今日のつぼみとシプレは、どうやら運が悪いらしい。
雨に降られたうえに、傘もないため、身動きがとれなくなってしまったのだ。
今は大きな木の下で雨宿りをして、雨が止むのを待っていた。
「……こんなときに雨が降るなんて、ついてません」
「けど、予報でもこうなるとは言ってなかったらかしかたないですぅ」
つぼみのぼやきに、シプレが慰めるようにそう返してきた。
そんなシプレに、つぼみは何も言わずにそっと抱き寄せて、ただ頭をなでるだけだった。
ふと、自分たちの方へ向かってくる足音に気づいた。
ハートキャッチミラージュの試練を乗り越え、少しだけ、変われたような気がしているが、やはりまだ見知らぬ人が怖いつぼみは、少しばかりびくびくしながら、足音が聞こえてきている方向へ目を向けた。
だが、つぼみとシプレはその人物があまりにも意外だったので、目を見開いた。
「ふぅ……参った参った……って、つぼみにシプレ?」
「「しょ、菖さんっ??!!な、なんでここにいるんですか?!」」
「いや、近くに遺跡があったから探検してたんだよ」
やってきた人物は、つぼみが淡い想いを抱いている相手であり、頼りになる味方の菖だった。
彼が遺跡探検という、同年代の人間とは思えない意外な趣味を持っていることは、先刻承知だったが、まさかこんなところで会うことになるとは思わず、つぼみもシプレも驚いてしまった。
「あ、相変わらずですね……」
「そういうつぼみとシプレは……花畑巡りか」
「「はい/はいですぅ」」
「……で、途中で雨に降られて雨宿り、と……災難だな、お互い」
苦笑しながら、菖がそう話すと、つぼみもシプレもつられて微苦笑を浮かべた。
「それはともかく、もう少し、雨をしのげる場所に行こうか」
「あるんですか?そんなところ」
「そこの洞窟」
菖が指をさす方向へ視線を向けると、そこには確かに少し小さいながらも十分に雨を避けられる洞窟があった。
さすがに、立っているのも疲れたつぼみは、菖の提案に乗ることにした。
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洞窟に入った菖は、持って来ていたレジャーシートを地面に敷き、真ん中に明かり代わりのランタンをつけてくれた。
「でも、よくここに洞窟があるって……」
「前にもここには来たことがあったからさ」
「けど、なんでここを?多少は濡れるけど、あの木の下でも問題なかったように思えるんですが……」
「うん。レジャーシートを雨具代わりにしようと思って木の下に立ち寄ったんだけど、つぼみがいたからさ。さすがに、女の子の体を冷やさせるわけにはいかないし」
苦笑しながら、菖はそう答えた。
一人であれば、濡れても気にすることなく帰ることもできるが、どうやら、つぼみに気を遣ってくれたらしい。
なんだかんだと紳士的な対応をしてくれている菖に、つぼみは頬を赤くしながら、もじもじとくすぐったそうに小さく身をよじっている間に、菖は簡易コンロを用意して、お湯を沸かしてくれていた。
「つぼみ、座って待ってて。今、お茶淹れるから」
「は、はい……」
いわれるまま、つぼみはレジャーシートに座り、お茶が注がれるのを待った。
三分ほどして、つぼみの目の前にアルミ製のカップが置かれ、その中にほかほかと湯気の立った紅茶が注がれた。
ふと、生姜の香りがつぼみの鼻腔をくすぐってきた。
「ジンジャーティー、ですか?それに、シナモンも入っているような」
「うん。濡れちゃったからね、風邪引かないように体が温まる効能がハーブをブレンドしておいたよ」
なお、菖は遺跡探検に行くときは、乾燥させた生姜とシナモンスティックを必ず持参すると話してくれた。
遺跡と一口に言っても、地面の下に埋まっているものから洞窟の中にあるものまでさまざまあるらしく、昼間でもかなり冷えることもあるそうだ。
そのため、体を温めるためのものは常備しているのだ。
「そうだったんですね……」
「まぁそこはそれ、念には念をってね……雨具を持ってこなかったのは、失敗だったけど」
「あ、あはははは……くちゅん!」
菖も自分と同じミスをしたことがなんだかおかしくて、つぼみは苦笑を浮かべると、可愛らしいくしゃみを出した。
それに気づいた菖は、荷物から着替え用に持って来ていたのだろう、青いシャツを取りだして、つぼみにかけてくれた。
「ふぇっ?!」
「羽織ってなよ。さすがに冷えるからさ」
「は、はい……あ、ありがとう、ございます」
顔を赤くしながら、つぼみは菖にお礼を言って、受け取ったハーブティーに口をつけた。
が、思った以上に熱かったため。
「……あちっ!」
と、小さく悲鳴を上げた。
その様子を、菖は穏やかな笑みを浮かべながら見守りつつ、自分もハーブティーを飲もうとしたのだが。
「……くしゅんっ!!」
「菖さん?!だ、大丈夫ですか?!」
「大丈夫、大丈夫……さすがに、冷えてきたか……」
どうやら、菖も体を冷やしてしまったらしい。
体を温める効能があるとはいえ、限界はあるようだ。
だが、菖は荷物から新しいシャツを出す気配がない。
どうやら、つぼみに羽織らせたもので最後だったようだ。
「……」
少し、鼻をすすっている菖を見ていたつぼみは、意を決して、菖に身を寄せて、羽織らせてもらっていたシャツの右半分を菖の背中にかけ、左半分を自分の背中にかけた。
「ちょ、つぼみ?!」
「こ、こうしたほうが、少しは暖かくなるはずです!」
「いや、年頃の女の子が安易にそういうことしちゃだめだって!」
いきなりのつぼみの行動に、菖は驚愕しながら、気にしないでいいから、と伝えたが、意外にも頑固なつぼみは、顔を赤らめながら。
「……菖さんだから、平気なんです」
と、つぶやいた。
もっとも、その声はあまりにも小さかったので、菖は何を言ったのかわからなかった。
だが、つぼみの意思の固さはわかったので、つぼみの好きなようにさせておこうということにした。
菖に寄り添うつぼみは、どこか満足そうな微笑みを浮かべていたのだが、それを知るのは静かにしていたパートナーの妖精だけだった。
あとがき代わりの後日談(スキット風)
つぼみ「菖さん!この間はごちそうさまでした!」
菖「お粗末さま。ほかのバリエーションは、今度のお茶会のときでいいかな?」
つぼみ「はい!」
えりか「なになに?つぼみ、菖さんに何かごちそうしてもらったの?」
つぼみ「はい!菖さん特製のハーブティーを!」
えりか「ふ~ん……どこで?」
つぼみ「雨の日の洞窟で……はっ?!」Σ(///□///
えりか「ほほ~?どんなラブエピソードがあったのかな~?あたしゃ気になるよ~」(・∀・
ゆり「……つぼみ、そのときの話、少し詳しく聞かせてもらえるかしら?」(-言-
つぼみ「ひぃっ??!」(((;ω; )))
菖「おいおい、あんまりいじめt……」
ゆり「菖は黙ってて!!」(-言-#
菖「……はい、すみません」(・_・;