ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
と思いつつ、投稿します。
だって、どこまでが規制に引っかかるボーダーなのか、わからなかったし(汗
まぁ、「歌詞」は出してないから大丈夫だと……思いたい……
とある日曜日。
いつもなら、ぬいぐるみ館でお茶会をしている五人だが、今回は違う場所にいた。
そこは、希望ヶ花駅前にある比較的おおきなカラオケ。その一室に、いつもの五人はいた。
現在マイクを握っているのは、えりかだった。
いまえりかが歌っている曲は、「スペシャル*カラフル」だった。
曲が終わり、えりかは満足そうなため息をつきながら、ソファに座った。
「ふぃ~……歌った歌った~」
「上手でしたよ、えりか」
「えっへへ~♪」
つぼみに褒められ、えりかはにやけ顔になりながら、最初に注文していたコーラを飲んだ。
そんな様子を見ながら、菖とゆりは。
――どうしたこうなった/なったのかしら?
と疑問符を浮かべていた。
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ことの始まりは、えりかがカラオケに行こうと誘ったことが始まりだった。
どういう経緯で、カラオケなのか、その本当のところはついぞ語られることはなかったが、えりか曰く。
「いつも、植物園ばっかりでつまらない。たまには別の場所に行ってみんなで遊ぼう!」
ということらしい。
が、別の場所といっても、ゆりは基本的に遠出はしないほうだし、菖は休みの日になればどこかへふらっと出かけていくか、自室に引きこもるかの二つの一つ。
ある意味、高校生らしからぬ高校生なので、遊びに行く場所といわれても、ピンとくるものがなかった。
それを知っていたからなのか、えりかは五枚のチケットを取りだした。
「最近、希望ヶ花にもカラオケボックスができたんだよ!もも姉ぇが無料券六枚もらったから、みんなで一緒に行こうって!」
「……なるほど、ももかの差し金か」
「ある意味、ももからしいやり方ね。直接誘ってくれればいいのに」
「仕事で忙しいから、誘えなかったんじゃないか?」
だからといって、えりかにおつかいを任せるのもどうかと思うけれど。
と菖は心中でつぶやいた。
もっとも、大好きな姉におつかいを頼まれて、ご機嫌な状態になっているえりかにその一言を言ったらどうなるかわかったものではないので、口にはしなかったが。
「で、菖さんとゆりさんも行かないかって」
「……行かないって選択肢はないんだろうな」
「そうね。それにいいんじゃないかしら?たまには」
菖とゆりは自分たちに拒否権がないことを知っていたので、一緒に行く以外の選択をできなかった。
結局、つぼみといつきも一緒に行くことになり、いつもの五人組にももかが加わった六人で新しくできたカラオケボックスに向かうことになった。
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そうして場面は戻り。
えりかが歌い終えると、ディスプレイに「ムーンライト伝説」という、数年前に流行した美少女アニメの主題歌のタイトルが表示された。
「……誰だよ、これ選んだの……」
「あ、わたし!」
菖が苦笑しながら呟くと、ももかが元気よく立ちあがって返した。
その手には、なぜかマイクが二つ握られていた。
なぜ二つ?、と菖が疑問に思っていると、ももかはゆりにマイクの片方を手渡した。
どうやら、ゆりと
その意図を理解したゆりは、微笑みを浮かべてそのマイクを受け取り、立ち上がった。
「「ごめんね、素直じゃなくって……」」
ゆりとももかは歌詞が流れ始めたと同時に、示し合わせたわけでもないのに寸分たがうことなく、見事なデュエットを披露し始めた。
――うわぁ……親友同士だから当たり前かもだけど、だからってすぐにできるもんじゃないだろ、これ……
ゆりとももかの歌声がまったくずれることなく、歌い続けている二人の様子に、菖はなぜか納得できてしまっている自分に苦笑を浮かべていた。
一方のつぼみたちは、ゆりとももかの歌う姿に頬を少しばかり紅くしていた。
「「信じているの、ミラクル・ロマンス!」」
ゆりとももかが歌い終えると、つぼみたちは呆然としたまま拍手するのを忘れてしまい、菖の拍手だけがむなしく響いていた。
だが、それも長くは続かず、いつの間にか新しい曲が画面に表示された。
その題名は、「紫月の葬送詩」だった。
葬送詩、とあるだけに、鎮魂歌の類なのではないかと思われたが、つぼみたちを驚かせたのは、それを選んだ人物だった。
「「「「「って、いつき/いつきちゃん??!!」」」」」
「へっ??!!」
つぼみたちの驚きの声に、いつきは驚愕の声を上げた。
だが、イントロが終わると、いつきはすぐに歌い始めた。
「闇に惑う、魂よ……さぁ、行きなさい」
葬送、とついているから、もう少しおどろおどろしいものかと思っていたが、思ったよりも美しい旋律といつきの歌声に、その印象はすっかり変わってしまった。
いや、そもそも
「この手にかざし……行く!」
歌い終えると、いつきはそっと息をついて、注文していたウーロン茶を口に運んでいた。
「……少し、意外だったわね」
「あぁ……まさか、鎮魂歌が出てくるとは思わなかった……」
ゆりの感想に、菖がそう返すと、画面のほうへ視線を向けた。
そこには「White Light」と書かれていた。
「……あ、俺の番か」
「いってらっしゃい」
「あぁ」
ゆりに見送られて、菖はマイクを手に取り、歌い始めた。
「何も言わず、白になれ!」
まさか菖がロックミュージックを歌うとは思えなかったらしく、つぼみたちは目を丸くしていた。
おまけに、それなりに美声であるのだから、なおのことだ。
慣れているゆりとももかはともかく、菖にホの字になっているつぼみは、すっかり顔を真っ赤にしていた。
「しょ、菖さん、かっこいいっしゅ……」
「うん……少し、意外だったかな……」
「うふふ、つぼみちゃん、菖くんにすっかり惚れこんでるわね」
「そうね」
つぼみ以外の観客となっている少女たちは思い思いの感想を口にしていた。
そうしているうちに、菖の歌も終盤へとさしかかった。
「Wanna be the White, White Light!」
菖が歌い終えると、いまだ呆然としているつぼみ以外から割れんばかりの拍手が送られた。
その拍手に、菖は少しばかり照れたように頬をかきながら、マイクを置いた。
「……さて、こんどはつぼみの番だけど……」
「……これはすこし無理そうね」
「お~い、つぼみ~?帰っておいで~?」
菖とゆりはつぼみの様子を見つながら、苦笑を浮かべていた。
そんな視線を向けられているつぼみは、えりかといつきに心配されながら、呆然としていた。
少しして、つぼみが気がつくと、画面に「No Limit」の表示があった。
「……もしかしなくても、これってつぼみの?」
「はっ!!そうでした!!」
本来、かなりの恥ずかしがり屋で人前で歌うことに抵抗するのが常だったのだが、みんなと思いっきり楽しみたいという想いが、その羞恥心を克服することに一役買ってようだ。
急いでマイクを手に取ると、つぼみはその隠れた才能を披露した。
「Touch and Go!Catch the Sun!」
普段のおとなしい声と違い、凛とした雰囲気すら感じさせる歌声がカラオケボックスに響いた。
同時に、つぼみの歌には、どこか人を引きつけるようなものすら感じられた。
さながら、人々を引きつけてやまない歌姫、といったところだろう。
もし、つぼみに内気なところがなければ、たちまちその歌唱力で人気者になれたかもしれない。
そんなことを思っていると、つぼみの歌も終盤にさしかかった。
「Touch and Go!Catch the Sun!」
だが、歌い終えると、つぼみは全身全霊を使いきったかのように真っ白になり、へたり込んでしまった。
「ははは……お疲れ、つぼみ。かっこよかったよ」
「は……はい……ありがとうございます……」
つぼみは菖に褒められたことで、再び顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
なお、このあとも時間いっぱいまでカラオケで歌い続け、翌日、中学生組はのどを枯らしてしまったことは言うまでもない。
もっとも、高校生組は翌日ののどを心配し、のどのケアができる効能を持っているお茶やのど飴を使っていたため、それほどひどい被害は受けなかったそうな。
あとがき代わりのその後の話(スキット風)
~翌日~
つぼみ「お゛ばよ゛う゛ござい゛ま゛ず」
えりか「お゛ばよ゛~」
いつき「ばばば……ぶだり゛ども゛びどい゛
えりか「い゛づぎも
菖「おはよ~……って、ひどい声だな、三人とも」
ゆり「ちゃんとのどのケアしないとだめよ?ただでさえのどを酷使したんだから」
ももか「ま、その点あたしたちはぬかりなし、ね」
中学生組「「「びどい゛でず/っじゅ……」」」
菖「ま、これを教訓に、以後気を付けような。はい、のど飴」
中学生組「「「あ゛、あ゛り゛がどう゛ござい゛ま゛ず!!/あ゛り゛がどう゛っじゅ!!」」」