ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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リクエストにお応えして、今回は菖と菖のクラスメイトのお話。
なお、ゆりとももかは出てきません。
必然的につぼみたちも出てきません。
なお、今回は許可をいただき、偉大なる先人様の作品に登場しているキャラクターに出演してもらっています。
どなたが出ているのかは、本編をどうぞ!


とある昼休みの菖とクラスメイト

ある日の昼休み。

菖は珍しく、ゆりとももかとは一緒に行動していなかった。

ももかはいつも通り、一日中仕事でいないのだが、ゆりのほうは法事があるということらしく、今日は忌引きとなっていた。

とはいえ、いつもの二人がいなくとも、菖はぶれることなく、いつものように研究書に没頭し始めた。

のだが。

「お~いっ!春川~!!」

一人の眼鏡をかけた男子が声をかけてきた。

その声に気づいた菖は顔を上げて、声をかけてきた男子のほうへ視線を向けた。

「……ん?なんだ四月一日(わたぬき)か」

「なんだとはなんだよ……って、珍しいな、来海はともかく、月影もいないのか」

「ももかはいつも通り、ゆりは法事だとさ」

なるほど、と四月一日と呼ばれた青年は納得したようにうなずいた。

彼は四月一日君尋(きみひろ)。菖とゆりのクラスメイトであり、通称「明堂学園のオカン」である。

「誰がオカンだっ!!」

「……いや、どうしたよ?」

「……すまん、なんか突っ込まないといけないような気がしたんだ」

「はははは……今の時間、そうそういない(・・・)だろ、声かけてくるやつ」

突然の叫びに、菖が問いかけると、君尋は、そうなんだけどさ、とつぶやき、謝罪しながらそう返した。

「にしても珍しいよな、春川が一人でいるなんて」

「まぁ、基本的にゆりかももかが一緒だからなぁ……そういうお前だって、百目鬼(どうめき)九軒(くのぎ)といつも一緒じゃないか」

「ひまわりちゃんはともかく、百目鬼のやつとは好き好んで一緒にいるわけじゃない!!」

「ははは……相変わらず、毛嫌いしてるのな」

明堂学園高等部には、いくつか名物が存在している。

菖とゆり、そしてももかの三人も、『学園の有名人三人組』として有名なのだが、それと同じくらい有名なのが、『夫婦漫才コンビ』とまで呼ばれている四月一日君尋と百目鬼静の組み合わせだ。

理由はわからないが、君尋は静を見ているとイライラしてくるらしい。もっとも、最初のうちは理由なく苛立っていたのだが、最近では自分が作った弁当を勝手に食べたり、『次はあれを作ってくれ』と要求してきたりと、君尋からして見れば傍若無人にもほどがある態度に苛立ちを覚えるらしい。

静の印象については、君尋曰く、『傍若無人にして無愛想、何を考えているかわからない腹立たしい奴』なのだそうだ。

だが、実のところ、静は明堂学園でもかなりの人気を誇っている。

君尋は、おそらくそこも気に入らないのだろう。

明堂学園男子を全校生徒の投票でランキングにした結果、一位には「明堂学園一のイケメン」と呼ばれているクラスメイトの御剣明(みつるぎあき)が、二位には菖と君尋、そして静と君尋の遠縁にあたる李小狼(りしゃおらん)が、それぞれランクインしている。

この五人の人気は中等部の頃からのもので、五年近く、揺らいだことがない。

ちなみに、女子の部では一位にはももかがランクインし、二位にはゆりとクラスメイトの九軒ひまわり、木之本桜(きのもとさくら)の三人がランクインしているという結果だ。

この四人についても、中等部の頃からランキング順位が揺らいだことはなく、「明堂高校の美少女四人組」とさえ呼ばれている。

閑話休題(それはそれとして)

「で、どうしたよ?わざわざ四月一日のほうから来るなんて」

「あぁ、珍しくお前一人だろ?だから、小狼と明誘って、一緒に飯食わないかと思ってな」

「百目鬼はいないんだな」

「当たり前だ!!てか、あいつは黙ってても来るから呼ぶ必要すらない!!」

もはや確信しているらしい。

そう思っているあたり、君尋は静のことを理解していると言えなくもない。

「ははは……なら、お言葉に甘えようかな」

「おぅ!甘えろ、甘えろ!!」

「……なぜに、上から目線……」

君尋の言い方に苦笑を浮かべながら、菖は君尋のあとについていくのだった。

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屋上に到着すると、すでに明と小狼が場所を取って待っていた。

「遅ぇぞ、四月一日。まさか、春川の趣味に付き合ってたんじゃねぇだろうな?」

「遅かった。君尋、春川」

黒い長髪をポニーテールにまとめた明が不敵な笑みを浮かべながらそんな皮肉を言うと同時に、琥珀色の癖っ毛をした小狼が微笑みながら同じようなことを口にした。

二人の言葉に、悪い悪い、と同時に返しながら、菖と君尋は座り、持ってきた弁当箱を開けた。

なお、ここにいる全員、料理のスキルはそれなりに高いが、あえて順序をつけるとすれば、君尋=明>小狼>菖、といったところだろう。

そのため、ふたが開いた弁当箱の中身はそれなりのできとなっている。

ちなみに、今日の弁当の中身はそれぞれ、次のような感じになっている。

 

君尋=中華

明=中華+和食

小狼、菖=和食

 

ふと、明が四月一日の弁当をのぞき見て、にやり、と笑みを浮かべた。

「お、今日の四月一日弁当は中華か」

「……また大家さんからのお達しか?」

「てことは、今日の四月一日家の夕食は中華三昧だな」

「そういう春川の弁当は今日も和食じゃないか」

「和食は正義!……って言いたいけど、じぃじが和食以外あまり食べないからさぁ。脂っこいものは胃にくるし」

「そういう意味じゃ、俺らみたいな一人暮らしは気楽でいいな。好きなもんを好きなように作って食える!」

どや顔になりながら明が自慢そうに言うと、菖は苦笑を浮かべながら。

「だからって、毎日スイーツなんてのは骨に優しくないからな?」

と返した。

それについては大丈夫だ、と明は反論したが、その場にいた全員が心中では、どうだか、とつぶやいていた。

この場にいる男子全員、料理が得意なのだが、趣味がお菓子作りであるのは唯一、明だけだ。

『甘いものは正義』とすら言ってのけるこの美青年は、それほどスイーツ好きである。

下手をすれば三食スイーツでも大丈夫だ、と言ってしまいそうで、菖たちは気が気ではないのだ。

ふと、君尋は背後から気配を感じ取り、牙をむいて振り返った。

「くぉら!百目鬼!!まぁたてめぇは人の弁当を勝手に……」

「……ん、んまい……腕を上げたんじゃないか?春川」

「ははは……そりゃどうも。けど、せめて一言、言ってくれ」

いつの間にか現れた静が、ひょい、と菖の弁当箱に入っていただし巻き卵を一つつまみ、口の中に放り込んで感想を口にした。

その様子に、君尋は目くじら立てて説教を始めたが、静は指で耳をふさぎ、聞く耳もたぬ、という様子だった。

そんな二人の漫才を見ながら、菖たちは自分の弁当の残りを片付け始めるのだった。




というわけで、今回は葵つばめさんの「花を護る騎士 ブレイドナイト」から、主人公、御剣明さんに出演していただきました。
設定としては、スペックと性格はそのままに、ブレイドナイトとしての能力だけがない、という感じです。
とはいえ、持ち前の鋭さで「菖には何かしらの秘密がある」とは感じている、という具合です。追求しないのは藪をつついて蛇を出すつもりがないから。
つばめさんにはこの場にて御礼申し上げます。許可をいただき、ありがとうございました。
なお、他のキャラクターは、CLAMP作品の中でも五指に入る傑作(と私は勝手に思っている)である「ツバサ」(あるいは「カードキャプターさくら」)と「xxxHolic」の主要登場人物に出ていただきました。
まぁ、小狼とさくらはどちらかといえば「ツバサ」寄りの方ですが。
どっちかといえば、「堀鍔学園」に近いのかな?
キャラのブレは……このさい気にしないでください!(半泣
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あとがき代わりの後日談(スキット風)

~数日後~
明「よ、春川」
菖「御剣。どうした?」
明「いんや?今日は少し生き生きしてるなと思ってな。やっぱ、月影と来海がいるからか?」
菖「ははは、どうだろう?まぁ、けどあの二人がいると自然と元気になるのは間違いないかなぁ」
君尋「あぁ、小狼も似たようなこと言ってたかなぁ」
菖「ほぉ?」
明「ほほぉ?」
君尋「ほら、小狼、木之本と付き合ってるだろ?『桜がいないと、なんだか調子が狂う』ってぽろっとこのあいだ」
菖「あぁ、なるほど……ちなみに、四月一日と御剣はそういう人っているのか?」
君尋「俺はひまわりちゃん~♪」
明「ん?そうだなぁ……んぁ~……」
菖、君尋「「……」」
明「……やめろ、なんでそんな憐れむ視線を向けるんだ」
菖「いや、なんというか……」
君尋「……不憫な」
明「……よぉし、先にゴングを鳴らしたのはお前らだからなぁ……?肚ぁ括れよ!」(-言-メ
菖「ちょっ?!それはパス!!」Σ(0□0;
君尋「逃げるぞ、春川!!」Σ(0ω0;
明「待ちやがれ!!」(0言0メ
ゆり「……何やってるのかしら、まったく……」(-□-;
ももか「まぁ、いつものことでしょ」(^ω^;
ひまわり「うふふ、なんだか楽しそう♪」
桜「うんうん!」(^▽^*
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