ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

63 / 347
ぶっちゃけ、やらせてみたいと思ったのでやりました。
思い返せば、この小説、二人がドンパチやらかしたことないんですよね……
あ、時間軸はムーンライトとユグドセイバー復活後ですので、あしからず。


とある日のセイバーとムーンライト~大樹の前でドンパチ~

とある休日。

菖とゆりは、ユグドセイバーとキュアムーンライトに変身した状態で心の大樹の前で向かい合っていた。

「……いくわよ、セイバー」

「……あぁ」

二人の手には、自分たちの得意とする武器が握られている。

そして、二人の瞳には、明らかに闘志が宿っていた。

どうやら、これから二人は手合わせ(ドンパチ)行う(やらかす)つもりのようだ。

「始め!!」

審判役を頼まれたコロンは、試合開始の合図を叫んだ。

それと同時に、セイバーとムーンライトは地面を蹴り、互いの間合いを詰めた。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「せやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

互いの間合いに入った瞬間、セイバーとムーンライトは激しい剣劇を繰り広げた。

両手でタクトを持ったムーンライトが、タクトを垂直に振り下ろ(唐竹割を)してくれば、セイバーは体をそらして回避し、エターニアハートを逆手に持ち直して振りあげた。

だが、ムーンライトはそれを読んでいたらしく、危なげもなく回避すると、セイバーの胸にむかって蹴りを入れてきた。

「ぐっ!!」

「プリキュア!シルバーリフレクション!!」

蹴られたタイミングとほぼ同時に、セイバーは後ろに下がり、ダメージを最小限に抑えたが、ムーンライトは、シルバーリフレクションで追撃をしかけてきた。

むかってくる銀色の円盤を、エターニアハートではじき飛ばし、セイバーは着地と同時に、持ち直したエターニアハートを再び逆手に構えた。

その瞬間、セイバーの体は黄色の光を放つ陽炎に包まれた。

「其は堅牢なる大地、彩るは咲き誇る花――早咲きの大地(ハクディム・ガリア)!!」

すでに失われた古代語を口にした瞬間、セイバーは白い光に包まれた。

光そのものは一瞬で収まったが、セイバーの姿が変化していた。

手にしていたエターニアハートは姿を消し、代わりに武骨な篭手がセイバーの腕にまとわれていた。

「姿を変えたところで!!」

ムーンライトはそう叫びながら、心の花の光をボールのようにまとめて、投げつけてきた。

セイバーはそれを涼しい顔ではじき返したが、はじき返されたボールは、シルバーリフレクションへとむかっていった。

シルバーリフレクションに命中したボールは、霧散することなく跳ね返り、再びセイバーへと向かっていった。

「……あぁ、そういやそういう技(反射技)だったな、それ」

そうつぶやきながら、セイバーは跳ね返ってきたボールを回避し、同時に反対方向から向かってきたムーンライトの拳を受け止めた。

拳を止められたムーンライトは、それでも止まることなく、連撃(ラッシュ)を繰り広げてきた。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

だが、セイバーはその連撃を涼しい顔で受け流し、見つけたわずかな隙を狙って攻撃をしかけた。

ムーンライトはその攻撃を反射的に回避し、ダメージを受けずにすんでいた。

しかし。

「っ?!しまった!!」

「せいっ!!」

攻撃の回避に専念していたムーンライトは、手首をつかまれ、一本背負いの要領で投げ飛ばされてしまった。

だが、プリキュアのでたらめな身体能力で空中で受け身を取り、タクトを振るった。

その瞬間、タクトが描いた軌跡から、心の花の光が刃となってセイバーにむかって飛んでいった。

だが、セイバーはその刃をなんなくはじき飛ばした。

すると、セイバーはフォルムチェンジを解除し、普段の姿に戻った。

「……次で決めよう」

「えぇ……」

時間も体力もそろそろ限界と判断したのだろう。セイバーがそう提案すると、ムーンライトはそれに同意し、タクトを構え、心の花の力を込め始めた。

セイバーも、エターニアハートを構え、心の花の力をその刃に込めた。

互いに、一歩も動くことなく、にらみ合いが続いたが、風が吹き抜けていくと、それを合図に、二人は間合いを詰めた。

「プリキュア!フローラルパワー・フォルテッシモ!!」

「心よ、吼えろ!エターニア・ブレイドダンス!!」

二人の必殺技が同時に炸裂し、ぶつかり合い、せめぎ合った。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

互いに一歩も引くことない状態が続くかと思われたが、ムーンライトは忘れていた。

セイバーには、いや、菖には志を同じくした異国の武人から託された、獅子の名を持つ技があるということを。

「獅子戦吼っ!!」

「なっ?!きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」

セイバーはムーンライトとせめぎ合いながら、エターニアハートを持っている反対の掌底を突き出した。

すると、掌底から青白い獅子がムーンライトに襲い掛かった。

当然、至近距離からのその攻撃に対抗できず、ムーンライトは吹き飛ばされてしまった。

「くぅっ!!」

「そこまで!!」

ムーンライトがはじき飛ばされ、地面に落ちた瞬間、コロンは試合終了の合図を出した。

「……負けちゃった……」

そっとため息をつきながら、ムーンライトはどこか残念そうな、しかし、すっきりとした顔で呟いた。

なお、その後、セイバーに助け起こされたムーンライトの顔は、どこかうっとりしていたそうな。




あとがき代わりの後日談(スキット風)

~植物園帰還後~
ゆり「……まさかあそこであれを使ってくるなんて……」
菖「いや、あぁでもしないと勝てないだろ?」
ゆり「だからってずるいわ」
菖「持てる力の全部を使ってこそ、意味があるんじゃないのか?」
ゆり「ぐっ……そ、そうだけれど」
コロン「……いつも以上に会話が弾んでるね……僕はちょっと席を外させてもらうよ」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。