ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
といっても、三部構成の第一部ってやつですが(汗
ちなみに、名前はかなり適当です!どっかからもじったのもあれば、オリジナルのもありますので、へんな勘繰りはご容赦ください(-▽-;
ちなみにしばらくあとがきはありません
配役が決定し、菖たちは練習に打ち込み始めた。
むろんその最中には、練習であるというのにきわどいシーンがあったり、明とももかを中心とした数名のクラスメイトがからかってきたり、と様々なことがあったわけだが、残念ながら割愛。
そうして数日が経過し、いよいよ。
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「うぅ……き、緊張してきましたぁ……!」
「まぁ、ランウェイを歩くのとはまた違うだろうしな」
「けど、ここまできちゃったらもう楽しむしかないよ?」
「そうそう!多少のミスはアドリブでどうにかしちゃえばいいし!」
「いや、ミスるの前提なのか?」
本番当日。
舞台袖では衣装に着替えた菖たちがスタンバイした状態で、始まるまでの間、雑談をしながら緊張をほぐしていた。
そのおかげか、つぼみの緊張もある程度はほぐれたようだ。
「そんじゃ!いっちょやりますか!」
「あぁっ!」
「「「はいっ!」」」
「「えぇっ!」」
明の号令で、役者一同、再び気合を入れると、開幕を告げるブザーが鳴り響いた。
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ここではない時間、ここではない場所。
そこには一人の有名なお姫様がいました。
そのお姫様、ルーナ姫が有名だった理由は、その美貌だけではありません。王国最強とさえ言われている近衛騎士団長とも互角に渡り合える力を持っていながら、常に民草を思いやる優しさを持ち合わせていました。
そして何より、その知恵と教養で、兄王子と共に王国の発展に大きく貢献してきました。
そんな彼女の楽しみの一つが、森の中にある天然の花畑を散歩することでした。
ですが、その道中、一人の旅の騎士が何人もの盗賊に囲まれている光景を目撃しました。
騎士は、襲ってくる盗賊を、ちぎっては投げちぎっては投げと、次から次へと倒していました。
しかし、それでも数の暴力には敵わず、騎士は徐々に苦戦を強いられていきました。
ルーナ姫は、これ以上、彼が戦っている姿をただ見ているわけにはいかず、乗っていた馬から飛び降り。
「名も知らぬ騎士よ!加勢いたします!!」
「ご助力、感謝する!」
ルーナ姫の助力に感謝しながら、騎士はなおも襲ってくる盗賊を蹴散らしていきました。そして、ルーナ姫もまた、騎士に負けず劣らずの実力で盗賊たちを薙ぎ払い、ついに盗賊を全員捕らえることができました。
盗賊たちを憲兵のもとへ護送するため、ルーナ姫は騎士に随伴してもらうことになり、その間、色々な話をしました。
「それでは、騎士様は修行のために旅を?」
「修行のため、というのもあるのですが、私の一番の目的はこれなのです」
そう言って、騎士は一冊の本をルーナ姫に見せました。
それは、この世界にあるすべての遺跡についての記録が記されている、と言われている見聞録でした。
もちろん、ルーナ姫もその本のことは知っていました。
そして、その中身を読んだこともあったので。
「騎士様もその本を?!」
と驚愕していました。
「もしや、姫様も?」
「えぇ!わたしも以前、その本を読んで歴史の勉強をしたことがあるのです」
そうして、ルーナ姫は騎士に語り始めました。
見聞録を読んで、自分も実際に世界中にある遺跡を見て回ってみたいということ。色々な国へ行って、色々な人と出会い、話をしてみたいということ。
そして、彼らと分かり合い、平和な世界にしていけるようにしたいということを。
「……素晴らしい目標ですね」
「そうでしょうか?世界はいまだ、戦争の火種に満ちている。人は絶えず争い、己の利権しか求めない……こんな世界に、希望はあるのでしょうか……それこそ」
「それこそ、伝説の導師がいてくれない限り」
伝説の導師。
それは、かつて世界を平和に導き、戦争を終焉へと導いたという伝説の人物で、彼、あるいは彼女が訪れたとう遺跡はすべて、騎士が手にしている見聞録に記されています。
そして、その人物は、騎士にとってもあこがれの人物であったらしく。
「私……いや、俺も、できることなら導師のような人物にすがりたい。けど、きっと、それじゃいけない」
騎士は、まっすぐな瞳でルーナ姫にそう返しました。
ルーナ姫はその瞳に吸い込まれそうになっていました。
「伝説の導師が本当にいたのかどうか、それはわからない。けれど、かつてのように導師だけに頼って、平和な時代へ導いてもらうのは間違ってる気がする」
導師ばかりに、いや、誰か一人の人間に頼りきりってしまうということは、その人間にすべてを背負わせてしまうということ。
その重圧にそして、導師がその重圧に耐え続けることができるという保証はありません。
それを、騎士は本能的に理解しているようでした。
誰もが救世主の存在を願っているというのに、それとは正反対の考えを口にした騎士に、ルーナ姫は驚き、目を丸くしました。
そうこうしているうちに、一向は城下町の入口へと到着しました。
「では、私はこれで」
「あ、あの、騎士様」
憲兵に事情を説明しなければならないため、騎士はその場から離れようとしましたが、ルーナ姫は騎士を呼び止めました。
「まだ名乗っていませんでしたわね。わたしはルーナと申します……あなたのお名前は?」
ルーナ姫にそう頼まれた騎士は、今まで自分が同行していた女性がこの国の姫であったという事実に驚き、目を見開きましたが、すぐに春風のようなさわやかな笑みを浮かべ。
「私の名はシャルルと申します。知らぬこととは申せ、姫様には多大なるご無礼、どうかご容赦いただきたく」
恭しくお辞儀をし、シャルルと名乗った騎士は憲兵とともにその場を立ち去っていきました。