ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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謹んで、新年お慶び申し上げます
というわけで、カウントダウンなので0:00ちょうどに今年最初の投稿を
あ、あとがきのほうに戯れで描いた年賀画像を貼り付けときます
誰が出るかはお楽しみということで

では、本年もよろしくお願いいたします


年越しカウントダウンは境内で

大晦日。

それは、一年が過ぎ去り、新しい一年を迎える前日。

この日、特に寺と神社は翌日の正月にむけて昼も夜もせわしない。

むろん、希望ヶ花神社の管理を任されている春川家も例外ではない。

だが、この年は何人かの心強い助っ人がいた。

 

「こ、こっちのお守りのノルマ、達成しました~」

「破魔矢の準備も終わった~」

「護符も作り終わったよ~」

「……わたし、小狼くんと君尋くんの手伝いに行ってくる」

「あ、それなら一緒に行きましょ?」

 

社務所の中で大量のお守りや破魔矢を作っていたのは巫女服を着たつぼみたち三人組と小羽とひまわりだった。

仲がいいため大抵は一緒に行動しているので、当然、菖がこの時期になるととてもせわしないうえに、その忙しさゆえに不機嫌になる姿を何度か目撃している。

それを不憫に思ってか、それとも、好きな人の助けになりたいからなのか。

ゆりとつぼみは自発的に手伝いに来るようになり、その話を聞きつけた君尋たちも手伝いに来たようだ。

 

なお、ももかは仕事のためこの場にいない。明もこの場にいないのだが、その理由がまた珍妙なもので、なぜかももかが所属する事務所からももか専属のSPとして扱われているため、仕事に行くももかに同行しているからであった。

静も静で、実家がお世話になっている寺の手伝いを檀家一同で行うことになり、若い衆の一人として駆り出されたため、この場にはいなかった。

そんなわけで手伝いに来ているのは、ゆりとつぼみ、えりか、いつきのほかに、君尋、小狼、さくら、ひまわり、小羽の五人だった。

 

それは置いておいて。

 

君尋と小狼は夜に参拝客に提供するため、急きょ境内に作ったかまどで甘酒を作っていた。

ちなみに、使っている酒粕は仁頼が秘蔵していた大吟醸のものである。

 

「あぁ……いい香りしてきた」

「さすが大吟醸だな」

 

君尋と小狼は鍋に酒粕が焦げ付かないよう、ゆっくりとかき混ぜながら漂ってくる香りを楽しんでいると、背後からか細い声が聞こえてきた。

 

「……いい匂い」

「あ、小羽ちゃん。お守りのほうは終わったの?」

「うん。こっちのお手伝いしようかなって」

「わたしも来たよ~」

「ひまわりちゃんも?それはありがたいな」

「なら、あと二つ三つは作っておきたいから、そっちをお願いするよ」

 

小狼がそう話し、少し離れたところに作られたかまどのほうへ視線を向けた。

まだ火をくべていないので今見ている鍋ができたら、取り掛かる予定だったのだろう。

特に打ち合わせをしたわけでもないはずなのに、小狼が君尋に目配せすると君尋はもう一つのかまどのほうへ向かっていき、火をつけた。

 

「水と酒粕は入れてあるから、焦げ付かないようにかき混ぜててほしいんだ。あ、砂糖もあるから、二人の好みで味を調整してくれないかな?」

「わかった」

「うん、了解」

 

火を入れ終わると、君尋が二人にそうお願いをした。

二人はその指示に従って時折、ゆっくりと鍋の中身をかき混ぜながら、火に当たって暖を取っていた。

傍から見ると姉妹のようにも見えるその光景に、小狼と君尋は笑みを浮かべ、甘酒の追加分を作り始めた。

 

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一方そのころ、菖とゆりは拝殿や本殿の周囲の掃除を終わらせ、賄いを作っていた。

ちなみに作っているのはトン汁とぶり大根、里芋の煮っ転がしである。

神事の前というとできる限り、生臭さは控えるという印象があるが、仏教の影響を受けている神社ではないため、別に問題ないとのことらしい。

実際、捧げものの中にはアユやカツオ、スルメといった魚介が並ぶこともある。

 

まぁ、それは置いておいて。

 

「よし、こんなもんかな」

「それじゃ、四月一日くんたちの手伝いに行きましょうか」

「だな」

 

ゆりの言葉にうなずき、菖は前掛けを取り、君尋たちがいるであろう境内へと向かっていった。

ゆりも三角巾と割烹着を脱いで菖の後を追いかけていった。

二人が境内に出ると、君尋と小狼だけでなく、ひまわりと小羽、えりかといつき、さくらもいた。

つぼみだけがいないことに気づいた菖は、近くにいた君尋に問いかけてみた。

 

「あれ?つぼみがいないけど」

「つぼみちゃんなら、まだ社務所の方じゃないかな?作ったお守り、箱に入れてたと思う」

「ん、了解。なら、俺はそっちを手伝いに行ってくる」

「それじゃ、わたしも一緒に行くわ。あぁ、そうそう。みんな、お夕飯の準備できたから、食べて頂戴ね?」

 

つぼみが一人でいることを聞いて、つぼみを気遣ったのか、菖とゆりは社務所の方へ向かうことにした。

ゆりから夕飯ができていることを聞いたえりかは、我先にとばかりに台所へ向かっていき、そのうしろを苦笑を浮かべながらいつきが追いかけていた。

 

「冬なのに、元気いっぱいだね」

「ま、まぁ、えりかちゃん、見た目の通りだから……」

「子供ってこと?」

「ぷっ……くくっ……こ、小羽ちゃん、それはちょっとストレートすぎ……」

 

その様子をみていた小羽の感想に、ひまわりがフォローを入れると、的を得たツッコミが返ってきたことに、君尋は笑いをこらえるのだった。

なお、台所にまっさきに突撃したえりかは、居合わせた仁頼から、手洗いうがいをしていないことやマナーが悪いことを怒鳴られ、委縮していたのだが、それについては割愛。

 

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菖とゆりが社務所に到着すると、つぼみが一人でせっせとお守りを箱に詰めて片付けたり、包み紙の準備や確認をしていた。

 

「つぼみ、お疲れさん」

「手伝いに来たわよ」

「あ、菖さん、ゆりさん」

 

声をかけると、疲れた様子をみせることなく、つぼみは菖とゆりのほうに顔を向けてきた。

 

「けど、あとこれだけで終わりなので大丈夫ですよ」

「そうか。それじゃ、終わるまで待ってるよ」

「え?で、でもいいんですか??」

「お夕飯ができあがっているの。みんなで食べましょう?」

 

ゆりが微笑みながらそう返すと、つぼみはさらにやる気が出てきたらしく、四十秒、というわけには行かなかったが、十分とかからずに残りの作業を終わらせた。

単に食いしん坊だからではない。大好きな二人が炊事係であることを知っていたため、二人が作った料理を温かいうちに食べたい、という欲求があったからである。

 

「あ、ちなみに献立は?」

「トン汁とぶり大根、それから里芋の煮っ転がし」

「ちなみにご飯はしめじとマイタケの炊き込みご飯よ」

「お、おいしそうです……早く行きましょう!」

「これこれ、慌てなさんなって」

 

今にも走り出しそうな勢いのつぼみに苦笑を浮かべながら、菖とゆりはつぼみを伴って台所へと向かっていった。

なお、到着した時はちょうど、えりかが仁頼からお説教を受けている真っ最中で、君尋たちと一緒に遠巻きに仁頼の雷がえりかに集中している様子を見ながら、嵐が過ぎ去るまで待っていたのだが、それは別の話。

 

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夕食のあと、菖たちは正月の初詣の準備を終わらせると、今度は大晦日に行われる大祓式の準備に入った。

といっても、そちらの方は仁頼と菖の両親がほとんど終わらせていたので、特に何もすることはなかった。

むしろ、神社の境内で年越しカウントダウンしても問題ないとすら言われてしまい、菖たちはその言葉に甘えて、普段着に着替え、境内に集まっていた。

 

「結局、明とももかは間に合わなかったか」

「さすが、カリスマモデルとその専属SPね」

「年明けギリギリまでお仕事とは……さすがもも姉ぇっしゅ」

「……いいや、そうでもないみたいだぞ?」

 

小狼がそう言って鳥居のほうに視線を向けた。

すると、手を振りながら参道を歩いてくる二人の男女の姿があった。

言わずもがな、明とももかである。

 

「いやぁ、間に合った間に合った」

「もぉ、マネージャーもギリギリまで仕事入れるなんて、ぶっちゃけあり得ない!!」

 

どこかで聞いたようなセリフを口にしながら文句を言うももかに、明はどこか隙のない笑みを浮かべながら、落ち着け、と諭していた。

 

「お疲れ様、ももか、御剣くん」

「お疲れ、二人とも」

「ありがとう、ゆり~」

「おぅ、ありがとさん……で、もう特にやることはない感じか?」

 

状況がまったくわからないため、明がそう問いかけると、菖はほとんどの作業が終わったことを説明した。

 

「まぁ、そうだな。年越しカウントダウン終わったら俺は着替えて手伝いするけど」

「あ、わたしも手伝います!」

「当然、わたしもよ」

「……君尋くん、一緒にお手伝い、しよう?」

「そう、だな。小狼、さくらちゃん、悪いんだけど、百目鬼のほう、頼んでいいか?」

「あぁ、構わない。九軒もそうするだろ?」

「そうね……それじゃ、小狼くんたちと一緒に行こうかな」

 

なお、いつものメンバーが勢ぞろいしている状態ではあるのだが、その場に静だけがいなかった。

手伝いが終われば、駆けつけるとは言っていたが、この時間になってもいない、ということは、参拝客の対応なども手伝わされているのだろう。

それならば、と小狼とさくら、ひまわりの三人は静が手伝いに行っている寺の方へとむかうことにした。

 

そうこうしているうちに、参拝に来ていた周囲の人々が時計や携帯電話を取り出していた。

間もなく、午前零時。

新しい年がやって来る時間になったようだ。

それにつられたのか、つぼみは愛用のカメラを取り出し。

 

「みなさん!年越し第一号の写真撮影、しませんか?」

「お、いいな、それ」

「よし、撮ろう撮ろう!」

 

当然、その提案に反対するものはおらず、全員が快く賛成してくれた。

が、ここでひとつ、問題があった。

その場にいるのは合計十一人。どれだけぎゅうぎゅうに詰めても、全員が入るかどうか微妙なところである。

だが、その問題に気付く間もなく、周囲からカウントダウンの声が聞こえてきた。

 

「と、とにかく詰めろ詰めろ!」

「やんっ!明くんのエッチ♪」

「……なんでさ……」

「……し、菖?なんだったら、腰に手を回しても大丈夫だから」

「え?……あ、あぁ……うん……」

「しゃ、小狼くん……も、もうちょっと詰めていい?」

「あぁ、大丈夫だ」

 

慌てながらどうにか全員が入ろうと密集したころには、年明けまで残り十秒を切っていた。

なぜかピンク色の空気が漂っていたような気がするのは気のせいである。

どうにか入りそうであることがわかると、菖たちは周囲に合わせてカウントダウンを始めた。

 

『五、四、三、二、一!!あけましておめでとうございます!!』

 

その声と同時に、ぱしゃり、とつぼみのカメラからシャッター音が聞こえてきた。

デジカメの画像には、数名、顔を赤くしているものはいるものの、満面の笑みを浮かべているメンバーがいた。




おまけ

菖、湊「「新年、明けまして」」
オールスターズ全員『おめでとうございます!』
はぐたん「あけおめ~」
斗真「旧年中はたくさんのお気に入り登録、ご感想、ありがとうございました。本年もどうか、拙作をよろしくお願い申し上げます」
ほまれ「で、あいさつがおわったのはいいけど……」
はな「なんで、ハリーはそんな格好(※挿絵参照)してるの?」

【挿絵表示】

ハリー「斗真に無理やり着せられたんや!俺は着たくない言うたのに!!」
斗真「まぁ、子年だからな、仕方ない仕方ない」
ハリー「ねずみちゃうわ!ハリハム・ハリーや!!もう何べんこのネタ使えば気ぃ済むんや!!」
菖「……なぁ、作者。来年はゆりとつぼみの晴れ着を……」(ひそひそ
斗真「……頑張って描くよ~」(ひそひそ
つぼみ、ゆり「「菖/さん?作者/さん?」」
菖、斗真「「なんでもない」」

改めまして、本年もよろしくお願いいたします
なお、Pixivにも「kazama」の名前でほかのあけおめ画像と一緒に掲載しております
良ければ、探してみてください
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