臆病者は今すぐにでも逃げだしたいみたいですよ? 作:ぱいんあっぷる
何か…ずっと誰かに見られてるような…?
《中の奴》
ほう…?気付いたか、敵意は無いようだが気を付けろ、お前が落ちてくる時からずっと見張っていたぞ、我々を呼んだ存在の可能性が高い何としてでも生かして捕らえろ
《臆病者》
いやいや!そんな力を持ってる存在を捕まえる何て僕には絶対に無理だからね!?
「…私達全員がそれぞれ違う時間から呼び出されたという事?」
飛鳥の導きだした答えは、その場にいた四人全員が同じように導きだした答えだった
「ああ、どうやらそうみたいだな」
初めに飛鳥の問いに答えたのは十六夜だった
「私も、その結論に辿り着いた」
続いて、耀が
「僕もそれが正解だと思う…でも問題は」
人一倍臆病な能義は、人一倍臆病だからこそ、心配する事がある、そうそれは…
「ああ、俺たちが何のために呼ばれたかだ」
十六夜は此処に来る前に自分に届いた、この世界への通行書とも言える手紙を取り出しながら言った
「私達に何かをさせようとしてる?」
耀も同じように自分に届いた手紙を取り出し、改めて内容を見ていた
「私の所に届いた、この手紙には特に何かをしろっていう事は書かれてないわね」
飛鳥も同じように自身に届いた手紙を確認した
「僕のところに届いた手紙にも書かれてるのは招待の台詞だけだよ」
能義も一人クシャクシャになっている手紙を丁寧に引き延ばしてから手紙に書かれている内容を再度確認するが特に何かをしろというような指定は書かれていない
その場にいた全員が八方塞がりだと考えていると突然、十六夜が口を開いた
「しょうがねえ、そこに隠れているやつにでも聞くとするか」
次の瞬間、物凄い勢いで十六夜が背後の森に突っ込んだ
十六夜が着地したところの地面が抉れ掘り起こされ、樹齢50年は経っているであろう木が、ただの着地だけで掘り返された
そして、そこから隠れてこちらを伺っていた何者かがそこから飛び出した
「あら?貴方も気付いてたの?」
そんな、非現実的な光景を見ても全く動じることもなく飛鳥は意外そうに言った
「当然、隠れんぼじゃ負けなしだぜ、春日部も柳も気付いてたんだろ?」
「風上に立たれれば嫌でも分かる」
耀も独特の表現だが、どうやら気付いていたようだ
「いや、僕は誰かに何処かからか見られてる程度にしか分からなかったよ…」
能義は当然、人一倍怖がりなだけの素人なので視線にこそ敏感だが、どこから見られてるのかまでは分かっていなかったようだ、これがもし敵意のある視線なら間違いなく場所まで見抜いていたであろうが…
「ちょ、ちょっと待って欲しいのでございますよー!」
木陰から十六夜に強制的に出ざる得なくされた者の姿を見て全員が少なからず衝撃を受けた
どこぞの高級カジノにいそうなバニーガールが両手を上げて言わずと知れた降参ポーズを取りながら出てきたのだから、何にしても此処に来て初めて会えた人?だ、常識的に考えればやる事は1つであろう
「い、いきなり、ごめんなさい!その…僕達、今困ってまして…あの…此処はどこで「えい」
此処が何処かを聞こうとした能義の質問は、耀の耳触りたい欲求に負けた、というかあれは触るというよりは引き抜きにかかっているような…
「ふぎゃっ!?い、いきなり何をするんですか!?いきなり黒ウサギのステキ耳を引き抜きにかかるなんて」
必死に抗議の声をあげる黒ウサギだったが、このマイペース少女にはそんなものは通用しない
「あら、この耳本物なの?」
そう言うと今度は飛鳥が黒ウサギと名乗った少女の耳を片方鷲掴みにする
「それじゃあ俺も」
その逆の耳を十六夜が同じように鷲掴みにし…
左右に同時に引っ張った
そして、先程まで静かだった森に、一人の少女の悲鳴が響き渡った
《臆病者》
バニーガール…?何でだろうこの子凄く、苦労人の予感がする
《中の奴》
オマエの勘は良く当たるからな、あの娘も苦労をしてるのだな