天龍ちゃんと狩娘   作:二度三度

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4月1日だけど初投稿です(正直)。


天龍ちゃんと新たな世界1

 

 

 

 

 

深海棲艦に対しては、艦娘の装備している艤装を使わないと効果的なダメージを与えることが出来ない。それがこの世界の常識である。

通常兵器では深海棲艦に大きなダメージを与えることが出来ない。その理由については諸説あるものの、一説においては通常兵器だと深海棲艦が身にまとう怨念のオーラを貫くことが出来ないからとされている。

そして怨念のオーラを突破する為には妖精さんの加護が必要であり、その加護を受けた艦娘と艤装ならば深海棲艦にダメージを与えることが出来るという訳である。

 

 

 

 

 

しかしそんな常識が通用しなかったら?謎の力学により、妖精さんの加護のある艤装を使っても深海棲艦にダメージが与えられなかったら?

その一方で、何故か謎の力学に対応している大剣やハンマー、ボウガンで深海棲艦にダメージが与えられたら?

これはそんな謎の力学が働く不思議な海域にて戦う狩娘(ハンむす)達の物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オレの名は天龍。フフフ、怖いか?」

 

たった今建造されたばかりのオレの名は天龍。天龍型1番艦の軽巡洋艦だ。

出来立てホヤホヤのオレだが、艦娘っていうのは建造された時点で既に最低限の知識を持って生まれてくる。だから艦娘っていうのは自分がかつて船だった頃のことを覚えているし、艦娘となった自分の存在にも疑問を持たない。

 

もしも建造されたばかりの艦娘に知識が無かったら一般常識どころか言葉や歩き方すら分からない身体だけデカい赤ん坊が生まれてくることになる。

だけどこの知識のおかげでいきなり実戦にも出られる兵士として生まれてくるってワケさ。

 

え?なんで会ったばかりの提督を怖がらせるのかだって?そんなことしたら第一印象が最悪になる?

おいおい、考えてみろよ。オレは世界水準超えの天龍だぞ?貧弱な提督よりも豪胆な提督の指揮を受けたいだろ。ヘボな提督には使われたくねぇ、だからオレは真っ先に提督の根性を確かめさせてもらうってわけさ。

 

まぁヘタレな提督でもオレはそんなに厳しく当たるつもりはねぇが、世の中にはダメ提督更生機って呼ばれる提督に対して厳しい艦娘もいるらしい。

そんでもってそんなダメな提督を一人前にするのも艦娘としての立派な仕事の一つだけど、個人的には艦娘に怒られて更生する前に提督としての訓練を受けた時点で一人前になっていてほしいもんだぜ。

 

 

 

 

 

「ヌハハハハ!よく来たな、我輩が提督だ!」

 

工廠にある建造マシンの中から出てきたばかりのオレを出迎えたのは、日焼けした黒い肌にヒゲ面が特徴的な提督を名乗る偉そうな態度のおっさんだった。

若干態度がムカつくが、オレの挨拶に対してビビるわけでもなく、怒るわけでもないこの提督ならこのオレに相応しい世界水準の戦場を用意してくれるかもしれねぇ。

大体先に挑発したのはオレだからな、別に挑発し返されたって怒りゃしねぇし、この程度で怒るような天龍様でもねぇよ。

 

……それにしてもこの提督は妙な服を着てんだな。提督といえば基本的に海軍仕様の白い軍服を着てるもんだろ?

だけど目の前にいるこの提督は黒のインナーにオレンジ色の軽鎧みたいなのを着こんでいる……っていうかこいつ本当に提督か?

いくらなんでもこの格好はおかしいだろ!?角の生えたヘッドギアまで着けてるし。

 

艦娘だって変わった服装の奴らが多いけどよ、あの服はただのオシャレじゃなくて艦娘が受けたダメージを肩代わりする効果があって、生存率を上げる意味があるからな。

だからダメージを受けても服が破れたり艤装が破損するだけで艦娘本人が大きな怪我をすることは少ないのさ。

え、季節限定グラフィックで違う服に着替えてる?あっちの衣装にも同じ機能があるんだよ……多分あるよな?

 

そもそもオレだって他人の服装に文句言える程立派な人間(っていうか艦娘)じゃねぇし、他人に迷惑が掛かってないってんのなら服装なんて個人の自由だと思うけどよ。

だからといって鎧を着た提督なんて聞いたことねぇよ。しかもよく見たら歯も総金歯になってるし趣味が悪いな。

 

 

 

 

 

豪胆だが妙な服装の提督カッコカリに対して、淡い期待と若干の不安を抱えながらも早速オレは自分のやる気をアピールしてみることにした。

ここで使えない奴だと思われて出撃させてもらえなかったら目も当てられないしな。

 

「戦闘なら任せろよ!練度だってあっという間に上げてみせるからな。なんなら死ぬまで戦い続けてもいいぜ、大戦果を挙げてやる!」

 

「ふーむ、やはり貴様も勘違いをしているようだな。」

 

「勘違い?貴様も?一体何の話だよ?」

 

「ヌハハハハ!説明してやってもいいのだがな昔の我輩ならいざ知らず、今のリッチでセレブな我輩はとっても忙しいのだ。貴様のような新人でへっぽこなヒヨッコ狩娘(ハンむす)相手に使う時間などありゃせんのだ!」

 

なんだよこの提督!?態度は悪いが豪胆な奴かと思ったらただのクソ提督じゃねーか!!1人で納得しやがって、そもそも()()()()ってなんだよ?

 

 

 

 

 

「ほれ、貴様の着任祝いだ!ありがたく思えよ貧乏人、ヌハハハハハハハハ!!」

 

提督はそう言いながら、若干の怒りと疑問で動きの止まっていたオレに向かっていきなり小銭を1枚放り投げた後、そのままどっかに歩いて行ってしまった。

チクショー、クッソ腹立つな。口も悪いし態度も悪い、そんでもって性格まで悪いとかとんでもない提督の下に来ちまった!?

これが噂に聞くブラック鎮守府ってヤツか?このままじゃ戦果を挙げるどころか、どんな目に遭うか分かったもんじゃねぇ!?

 

しかもよく見たらこれ日本円じゃねぇな、1z?1ぜっと?見たことのないお金だが外国のお金か?まさかとは思うがニセ金じゃねぇよな?

 

 

 

 

 

大体なんの説明も受けてないし、これから何をすりゃいいんだよ?

確かに艦娘は最低限の知識を持って生まれてくるとはいえ、所詮それは自分が艦娘であるということや深海棲艦と戦うってことに一般常識ぐらいのもので、文字通り本当に最低限の知識しか持っていない。

 

自分が生まれた鎮守府のことなんて分かるワケがないし、これからどこに行けばいいのか、何をすればいいのかだって説明が無ければ分からない。

もういっそのこと勝手に出撃しちまうか?でも後で始末書とか書かされるだけならまだしも、ここが本当にブラック鎮守府なら最悪解体だってありえるかもしれない。戦って死ぬならともかく解体されて終わりだなんてゴメンだぜ!!

 

それに世の中には艦娘相手に、えーっとその……え…えええエッチなことをする提督もいるっていうし……本当に好きになった……じゃなくてオレ様の御眼鏡に合うような相手となら……かかか考えてみてもいいけどよぉ……っていやいやそうじゃなくて!!

 

認めたくはねぇが天龍型っていうのは、軽巡の中でも旧型なんで残念ながら性能は低い。だからオレのことを役立たずのポンコツ扱いするんだろ!?

そんでもって使えない貴様にはせめてこっちで役に立ってもらおうとか言ってイヤらしいことをするんだろ!?そんなの絶対に嫌だーーーっ!!

 

 

 

 

 

……ちったぁ冷静になれ、大体なんでこんな変なこと考えてんだ?こんなのオレのキャラじゃねぇだろ。あー、滅茶苦茶恥ずかしい。そんなことよりもっと真面目にこれからのことを考えなきゃダメだろ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着任早々にしていきなり立ち込めた暗雲を前に、1人で百面相をしつつも途方に暮れる天龍なのであった。自分自身に起きていた1番の異常に気付きもせずに……。

 

 

 

 







天龍「やめろ!オレに乱暴する気だろ?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!」



別に海軍だからといって必ずしも白い軍服を着ているって訳じゃないけど……まぁそれはそれ、これはこれということで。

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