天龍ちゃんと狩娘   作:二度三度

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双魚竜
サンドのメシよりドスガレオス
燃えさかる大河

魚竜種の2頭クエは難しいという謎の法則。




天龍ちゃんと楽しい採集3

 

 

 

 

 

「それじゃあ改めて納品について説明するわね。ベースキャンプに赤い箱があったのを覚えているかしら?あれを納品ボックスといってね、納品クエストでは指定された物をその箱の中に納めることでノルマ達成と見なされるのよ。今回のノルマは黄金魚5匹の納品だから私の釣った黄金魚と天龍ちゃんの釣った黄金魚を無事に持って帰ればそれで終わり、簡単でしょ?」

 

「ようするに来た道を戻ればいいだけなんだろ?そんぐらい楽勝だぜ。んじゃ、このマグロをポーチに仕舞ってから行くとするか。」

 

釣りを続けて数十分、結局オレはあれ以降黄金魚を1匹も釣ることが出来なかった。

一方で龍田はあっという間に黄金魚を3匹釣り上げ、後は適当に釣りを楽しんでいた。

誰だよ、オレに釣りの才能があるって言ったヤツは?

 

その代わりサシミウオとはじけイワシって魚が数匹に、大食いマグロっていう魚が1匹釣れた。

マグロって高級魚の代名詞のハズなのにここではそんなに珍しくないし、高くも売れないんだとさ。釣った瞬間のワクワクを返せ!

 

しかしポーチに生魚をそのまま入れて大丈夫か?途中で腐ったり生臭くなったりしねぇだろうな?

 

 

 

 

 

とりあえず釣ったばかりのマグロをポーチに入れてみる……が手応えが妙だ。マグロがポーチの中にグイグイと引っ張られているような?

異常に感じてすぐさまポーチからマグロを引っこ抜いてみるとあら不思議、あれだけ大きかったマグロが頭と尻尾を残して骨になってるじゃありませんか……って、えええぇぇぇ!?

 

「なんじゃこりゃあああぁぁぁ!?オレの大トロが無くなってるじゃねーか!!」

 

マグロの骨と一緒に出てきたのは一回り大きくなった緑のタコと骨のイカ、どことなく満足そうな表情をしているような気がする。

よく見たら大きくなったんじゃなくて腹が膨らんでいるだけか…………ってことはお前らが犯人かっ!?オレのマグロを喰いやがったな!!まさか黄金魚まで喰ってねぇだろうな!?

 

慌ててポーチを漁ってみるが、黄金魚とサシミウオにはじけイワシ、その他採集したアイテムは無事に出てきた。

良かった、黄金魚まで喰われたらオレがコイツらをタコ焼きとイカ飯にして喰うところだったぜ……。

 

 

 

 

 

タコとイカはマグロのお詫びと言わんばかりに薬を1つ、短い触腕を使ってこちらに差し出してきた。

えっ、くれるの?っていうかこれどっから持ってきたんだ?

 

「大食いマグロをこの子達に食べられちゃったんだぁ。見た目に寄らず健啖なのねぇ、まるで空母や戦艦の狩娘みたい。狩娘になってもあの手の艦は大食いだものねぇ。」

 

周りに空母娘や戦艦娘がいないのをいいことにさらっと酷いことを言う龍田。

 

「大食いマグロは目についたものを何でも食べちゃう魚でね、食べ物じゃないものでも平気で呑み込んじゃう性質があるの。だから解体してみるとお腹の中からアイテムが出てくることがあるのよぉ。今回マグロの中から出てきたその薬は秘薬ねぇ。秘薬はすごいわよぉ、飲むと体力が満タンになる上に最大値が増える効果もあるの。更に上位互換のいにしえの秘薬っていう薬もあってね、こっちは秘薬の効果に加えてスタミナまで満タンになるの。どっちも頼れる狩娘の切り札よぉ。」

 

何その修復バケツ涙目な薬は……。まぁ艦娘と狩娘って全然違うからそう簡単には比べられんねぇけど、もし修復バケツがマグロの腹の中か出て来たら間違いなく絶滅まで乱獲されるな。

 

 

 

 

 

それにしてもこの軟体動物ども、さっきまで散々威嚇してきやがったくせに何だか急に馴れ馴れしくなってきたな。

まるで手乗り文鳥のようにマグロの骨からオレの手に移動してきやがった。

イカはそのままオレの二の腕にしがみ付き、タコの方は……オレの顔の横でプカプカと浮いてる……え、コイツ飛べんの?

 

「お前、蛸じゃなくて凧だったのか?」

 

「全然面白くないわよ~。」

 

うぐっ、今のはオレでもスベったと思ったよ!しかし何でこんなに態度が変わったんだ?

 

「タコやイカは見た目よりも知能が高いっていうからねぇ、天龍ちゃんのことをマグロをくれた優しい人だとでも思ったんじゃないかしらぁ?」

 

自分で勝手に食べたくせにそのまま餌付けられるとかなんて自分勝手な奴らだ!ぜってー優しい人じゃなくてエサを持って来てくれた便利なヤツ程度にか思ってねぇぞコイツら!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく黄金魚の無事も確認出来たし、何だかよく分かんねーけどタコやイカとも(一方的に)仲良くなったオレ達は黄金魚の納品の為に来た道を戻り始めた………………が、その道中で行き掛けには無かったものを見つけた。

 

「「「「「「ダヨーダヨー。」」」」」

 

「あっ、見ろよ!あんなところに連装砲ちゃんがいっぱいいるぜ。」

 

目に前に群れているのは間違いなく連装砲ちゃんだ。ぜかましと書かれた浮き輪を背負っていたり、片手に小さなピッケルを持っていたりと鎮守府にいる連装砲ちゃんとは若干装備に違いがある。

働いている奴は浮き輪もピッケルも持ってねーし、店の制服やコック帽にエプロン着けてんだよな。

 

「あれは野良連装砲ちゃんねぇ、鎮守府で働いていない連装砲ちゃん達は独自のコミュニティを作って野外で生活しているの。」

 

野良連装砲ちゃん……?何だそりゃ、野良犬や野良猫か?せめてポ○モンみたいに野生のって言えよ。野良の連装砲って嫌過ぎるだろ。

あれ?よく考えたら野生の連装砲ちゃんがいること自体に何の疑問を感じなくなってる?普通に考えておかしいだろ、野良の艤装とか。オレも狩娘の常識って奴に毒されてきたのかな?

 

 

 

 

 

そのまま連装砲ちゃんの群れを眺めていると、少し外見の違う個体が混ざっていることに気が付いた。

連装砲ちゃんに比べてニヤついたような特徴的な笑顔、背中に担いだ艦首型のリュック、そして片手に持ったピコピコハンマー。

 

「「「「「ダゼーダゼー。」」」」」

 

「よく見たら連装砲くんもいるじゃん!連装砲くんも天津風無しで生きてんのか、つーことは長10㎝砲ちゃんや二式大艇ちゃんも自立した奴がいるのかな?」

 

「いるわよぉ。二式大艇ちゃんは基本的にどこに鎮守府にも1体は必ずいて、当然うちの鎮守府にもいるわぁ。」

 

「えっ、オレ鎮守府で二式大艇ちゃんを見たこと1回もねぇぞ?」

 

「それはそうよ、だって普段は執務室の机の下で寝てるもの。」

 

あぁそう、そんなところにいたのか。あの真面目な神通が仕事している机の下にそんなものがいるとか何か意外。

 

「鎮守府の二式大艇ちゃんを撫でてご機嫌にさせると1日の運勢が良くなるっていう噂があるのよぉ。それでね、神通さんは仕事の始まりと終わりに必ず二式大艇ちゃんをニコニコしながら撫でるの。きっと癒しが欲しいんでしょうねぇ。だって提督の代わりに全部の執務をやってるんだもの、疲れもするしストレスも溜まるわよぉ。ちなみにこのことはクロオビ鎮守府にいる人なら狩娘、連装砲問わずみんな知ってるんだけど、本人は隠しているつもりだから秘密にしといてねぇ。もしもうっかり神通さんにしゃべっちゃったら、神通さんはきっとビックリして天龍ちゃんのことを…………うふふふふ。」

 

フフフ、怖ぇ~。オレは何も聞いてないぞ!神通の痴態なんて知らないからな!

 

全く何でオレがこんな気苦労しなきゃなんねぇんだよ、オレも癒しが欲しいぜ。タコやイカよりも可愛くて愛想もいい動物とかいねーかな……。

 

 

 

 

 

その時……!圧倒的閃きっ………!!

 

 

 

 

 

よく考えたら目の前に連装砲ちゃんがいるじゃん。連装砲ちゃんは見た目も可愛いし愛想もいい、癒しを求める相手としてはピッタリだ。ちょっと撫でるくらいならいいよな?

 

試しに連装砲ちゃんの群れに近付いてみる。連装砲ちゃんはオレに対して無関心のようだが、連装砲くんはオレに気付くとテクテクと近寄って来た。連装砲ちゃんより連装砲くんの方が愛想が良くて人懐こいのか?

 

「あー天龍ちゃん、連装砲くんが可愛いからって油断しない方がいいわよぉ。」

 

「は?それってどういう……?」

 

目前まで来た連装砲くんを撫でようと屈んで手を伸ばした瞬間、急にそんなことを言い出す龍田。

それに対してオレが疑問を感じる間もなく、連装砲くんは鮮やかな手際でオレのポーチから黄金魚を取り出すとそのまま背負っている艦首型のリュックに納めてしまった。

 

へぇ~、器用なもんだな……ん?

 

「貰ッタゼー♪」

 

「ああーーーっ!!テメェオレの黄金魚盗みやがったな!?チクショー返しやがれ!それ釣るのにどんだけ苦労したと思ってんだ!?それが無いとクエスト終わらねーだろうが!!」

 

慌てて連装砲くんを捕まえようとするが軽快な動きで上手く捉えられない。そんなことをしている間に2体目、3体目と次々に連装砲くんがやって来た。

 

「「「「ダゼーダゼー。」」」」

 

「あーもう、うっとおしい!お前らあっち行ってろ!!」

 

足元まで来た連装砲くんを蹴飛ばして追い払う。ちょっと可哀想な気もするが、ドロボー相手に慈悲はねぇ!

 

しかし連装砲くんを蹴飛ばした瞬間、今まで無関心を貫いていた連装砲ちゃん達が一斉にこちらへ向き直ってきた。こちらに突き刺さる大量の視線。

 

「「「「「…………。」」」」」

 

「なっ、何だよ?オレに何か用事でもあんのか?今忙しいから後にしてくれ!」

 

相変わらず見た目は可愛らしいが、小さい体に似合わないプレッシャーを発している。

むしろ表情がそのままなせいで逆に怖い。

 

そして………………。

 

 

 

 

 

BGM:猫汁大作戦

 

 

 

 

 

「「「「「ダヨーダヨー!!」」」」」

 

「うわあああぁぁぁ!何だよコイツら!?」

 

連装砲ちゃん達が一斉に襲い掛かって来やがった!?次から次へとピッケル片手に殴りかかってくる連装砲ちゃん、そしてどさくさに紛れてアイテムを盗もうと試みる連装砲くん。もう滅茶苦茶だ!

 

「うおおおぉぉぉ、邪魔をするなぁぁぁ!!」

 

隙を見て連装砲ちゃんの包囲網を突破し、盗っ人連装砲くんに飛び付くとコメカミに渾身のグリグリをお見舞いする!

 

「オラッ、どうだ!降参しろっ!そして黄金魚を返しやがれ~!」

 

グリグリグリグリ~~~!!

 

「ウギャー!ゴメンナサイナンダゼー!!」

 

連装砲くんは堪らずリュックから黄金魚を放り出す。

オレが慌てて黄金魚を受け止めると、その隙に連装砲くんは海の中に潜っていきそのまま姿が見えなくなってしまった。何はともあれ無事に取り戻した黄金魚をポーチの中に仕舞う。

 

「どうだ龍田?バッチリ取り返したぜ!」

 

「エリック上田……じゃなくて天龍ちゃん、後ろよーっ!!」

 

「ゑ?」

 

龍田の唐突な発言に思わず変な声を出しながらも言われた通りに振り向くと、巨大な魚雷を担いだ連装砲ちゃんが目と鼻の先にまで迫っていた……って自爆特攻する気か!?冗談はよせ!!

 

「やめろバカっ、それはシャレになんねーぞ!?うわっ、うわああ!!」

 

しかしいくら焦ってもここまで近付かれたらもはや避ける術などあるわけもなく………………そして遂にその瞬間は訪れた。

 

 

 

 

 

ドッガアアアァァァン!!!

 

 

 

 

 

「うわらば!!」

 

「ああっ、天龍ちゃんがまるで中破した妙高さんみたいなポーズで吹き飛んだ~っ!!えっと確か、こういう時はこう言うのよねぇ……もりさきくん ふっとばされた!」

 

本人がいないのを良いことに再び酷いことを言う龍田だが、それ以上にオレの状態はもっと酷い。魚雷の直撃で体中が痛いし、相変わらず連装砲ちゃん達に取り囲まれてるし、未だにピンチは継続中。

その一方で一緒に吹き飛んだはずの連装砲ちゃんはススだらけだが特に目立った傷もなく、先程の連装砲くんと同じように海に潜って何処かへ行ってしまった。

それとオレと一緒に吹っ飛んだと思っていたタコとイカはいつの間にか龍田の方に移っていて無事だった……うぐぐ、抜け目のない奴らめ。

 

「龍田ぁ~、助けてェ~。」

 

「もうしょうがないわねぇ~。」

 

青ダヌキに頼るメガネの少年のように思わず龍田に助けを求めると、龍田は連装砲ちゃんの顔が描かれた小さな魚雷を取り出して、それを連装砲ちゃん達の群れの中心で爆破させた。

先程の大型魚雷とは違い爆炎は上がらず、その代わりに小さな魚雷は不思議な匂いのする粉を周囲にまき散らす。

その途端、まるで酔っぱらったかのようにフラフラと歩き始める連装砲ちゃん達。焦点が合っておらず、どこを見ているかも不明だ。そしてオレへの敵意もスッカリ忘れてしまったようだ。

その隙に急いで包囲網から抜け出し、応急薬を飲んで一息つく。

 

「ふぅ、助かった。深海棲艦と戦って負けるってんならまだしも、連装砲ちゃんに囲まれて袋にされるとか冗談じゃねぇ。それにしてもオレは何で襲われたんだ?そんでもってお前は一体何をしたんだ?」

 

「もう質問が多いわよぉ、まぁいいわ。連装砲ちゃんは普段はおとなしいんだけどとっても仲間意識が強くてね、自分や仲間が傷付けられると逆上して我が身も顧みずに反撃してくるのよぉ。連装砲くんはとっても好奇心旺盛でね、狩娘を見掛けるとアイテムを盗んでいくの。そしてね、連装砲くんも連装砲ちゃんにとっては大事な仲間なの。だからさっき天龍ちゃんが連装砲くんを蹴っ飛ばした途端に連装砲ちゃんに襲われたのよぉ。」

 

「なーるほど。」

 

「そして連装砲ちゃん達の動きを止めたのは、このマタタビ魚雷のおかげよぉ。」

 

そう言って龍田が取り出したのは先程の連装砲ちゃんの顔が描かれた謎の魚雷。それにしてもマタタビって連装砲ちゃんはネコじゃねぇだろ。そもそもマタタビ魚雷って何だよ?

 

「マタタビ魚雷っていうのは連装砲ちゃんや連装砲くんの好む匂いの粉末を大量に詰めた時限式爆弾のことよぉ。殺傷力は無いんだけど、爆発することによってその粉末を周囲に撒くの。そしてその粉末を大量に吸い込むことで連装砲ちゃんは酔っぱらったようにフラフラになっちゃうの。その様子がマタタビに酔っぱらうネコに似ているからマタタビ魚雷って名前になったのよぉ。」

 

へぇ~、話だけ聞くとなんか危ない薬でもヤッてるみたいだな。

 

 

 

 

 

「それにしても天龍ちゃんって優しいのねぇ。」

 

「へっ、何が?」

 

オレが優しい?そりゃあオレは世界水準の天龍様だからな、心の広さも世界水準さ。だけど今までのやり取りの中で優しい要素なんてあったっけ?

 

「だって連装砲くんに軽くお仕置きするだけで許しちゃったでしょ?」

 

「そりゃ黄金魚を盗まれたことはムカつくけど、連装砲くん相手だしそんなもんだろ?」

 

「それがそうでもないのよ、基本的に狩娘は連装砲くん相手に容赦なく武器を振り回して戦っているのよぉ。」

 

「えぇ~、やり過ぎじゃねぇ?相手は連装砲くんだぞ?」

 

「でも天龍ちゃん、さっき大型魚雷で自爆したにも関わらず無傷だった連装砲ちゃんを見たでしょ?連装砲ちゃんや連装砲くんは武器で斬り付けたくらいじゃ死なないのよぉ。例え斬れ味紫の大剣で抜刀会心溜め3斬りをお見舞いしても傷1つ付かないんだからぁ。だけどやっぱり痛いものは痛いから、ある程度ダメージを受けると海に潜って撤退しちゃうの。そしてアイテムを盗んでくる連装砲くんや、魚雷で特攻してくる連装砲ちゃんは場合によってはヘタな深海棲艦より厄介な相手だからみんな武器を使って追い払っちゃうのよぉ。」

 

ひえ~っ!連装砲ちゃんや連装砲くんを深海棲艦と同じように武器で倒すっていうのか!?抜刀会心溜め3っていうのは何のことかはさっぱり分かんねーけど、とりあえずヒデェことをしてるってのだけは分かるぞ!

狩った相手を解体したり、連装砲ちゃんをボコったり、狩娘って思った以上に恐ろしい職業なんだな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、無事に黄金魚を納品することに成功し、鎮守府に帰って来たオレ達が向かったのは鎮守府の工廠。

龍田が言うにはここにいる竜人妖精さんに集めてきた素材とゼニーを渡すことで武具を作ってくれるらしい。オレも眼帯と下着だけっていう裸同然の装備じゃなくて、いい加減まともな防具が欲しいからな。

 

「ってなワケで妖精さん、お願いします。」

 

「マカセロー!」

 

頭の防具は既に竜王の隻眼があるので、他の部位の防具が欲しい。そこで今日集めてきた素材を竜人妖精さんに差し出すと、妖精さんはその中から幾つかを抜き取り、手にしたハンマーでそれらをガンガンと叩き始めた。

こんな乱暴なやり方で本当に防具が出来んの?そんな疑問とは裏腹に、あっという間に出来上がっていく防具。そして自信満々に出来上がった防具を渡してくる妖精さん。

さっそく装備してみるが……。

 

「……何だこれ?」

 

「ふふっ、天龍ちゃん似合ってるわよぉ~。」

 

まず足の装備はチェーンパンツ、ジーパンみたいで悪くはねーな。

腰の装備も同じくチェーンベルト、地味だが実用的なデザインだ。

胴装備はユクモノドウギ、あのユクモの木からどうやって作ったかは分かんねーがノンスリーブに立った襟が中々にオシャレだ。

そして腕用装備はというと……。

 

 

 

 

 

「なぁコレ本当に装備しなきゃダメか?」

 

「その防具はね、今日作った防具の中でも一番防御力が高いのよ。駆け出し狩娘の天龍ちゃんなら頼りになるはずよぉ。」

 

なるほど、確かに強力なんだろう。見た目からして硬そうだしな。だけど、だけどよぉ……。

 

「だけど見た目がクンチュウそのまんまじゃねーか!!」

 

妖精さんが作ってくれた腕用装備はどこからどう見てもクンチュウそのものなクンチュウアーム。これを着けると腕にクンチュウが取り付いているみたいで嫌なんだけど……。

ブラやパンツは見えなくなったわけだし、別に腕装備の1つや2つくらい無くてもいいよな?

 

「……天龍ちゃん、せっかく妖精さんが作ってくれたっていうのに使わないつもりなの?」

 

「えっ?いやそれは……。」

 

クンチュウアームをどうにか使わずに誤魔化そうとしたところ、龍田が不満げな様子でそう聞いてきた。そりゃ妖精さんには悪いと思うけどよ、こんなの使いたくねーんだよな。

 

そう考えた次の瞬間……。

 

「 つ か わ な い つ も り な の ? 」

 

「ひぃっ!?ハイッ、誠意をもって使わせていただきます!」

 

「そう、良かったわぁ。」

 

笑顔のままなのに物凄い剣幕で迫ってくる龍田の前につい頷いてしまった。

フフフ、怖い……。この一瞬だけでめっちゃ汗かいた。しかもいつの間にかパンツも少し湿っている気がする……うん、これも汗だな。ちびってなんかいないぞ!本当だぞ!

ああもう龍田、そんな生暖かい目でオレを見るんじゃない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

防具も大事だけど、まずはパンツを大切にしよう。そう心に誓う天龍なのであった……。

 

 

 

 






※今作における防具のいわゆるシリーズ分けについて
MH本編では防具はハンターシリーズやクックシリーズなどカテゴリ毎にシリーズ分けされているけど、艦娘ごとに防具を考えるのは流石に面倒(笑)なので基本的に似た格好の装備は同じものとして扱います。

例として金剛型はスカートの色が異なるものの、シンボルカラー変更で対応しているので基本的に全員同じ金剛シリーズを装備しているとします。

他にもブーツなど細かい点は異なりますが、そこは妖精さんによる見た目の調整がされています。スカートの長さだって変えられる!(ご都合主義)

それに対して長門と陸奥の腕部分など誤魔化せないレベルで異なる部位は防具を装備していない(あるいは三眼装備)か、そこの部分のみ異なる防具を身に着けています。

天龍型や吹雪型の叢雲のように姉妹艦でありながら明らかに衣装が違う場合は最初から違う防具として扱います。



連装砲ちゃん:みんなご存じ島風の艤装。カリュード諸島では艤装としてではなくれっきとした生物として存在しており、独自の暮らしを営んでいる。
狩娘と共に過ごすものもいるが、野外にて気ままに生活するものも多い。
普段は大人しいが非常に仲間意識が強く、仲間を傷つけるものには勇敢に、そして若干向こう見ずに立ち向かう。
モデルは言うまでもなくモンハンのマスコットその1アイルー。

連装砲くん:みんなご存じ天津風の艤装。こちらも艤装としてではなく生物として存在している。
非常に好奇心が強く狩娘を見掛けると物を盗まずにはいられないという厄介な性質を持つ。しかし連装砲ちゃんと同じように狩娘と共に過ごすものもいるようだ。
モデルはモンハンのマスコットその2メラルー。

二式大艇ちゃん:みんなご存じ秋津洲の艦載機。連装砲ちゃん達と同じようにやっぱり生きている。
連装砲ちゃん達と違い戦闘力らしい戦闘力は持っておらず、基本的に鎮守府内でのんびりと過ごしている。
鎮守府内においてはペットのように扱われており、狩娘達に可愛がられている。
撫でられることを好むが、余りにも長く撫でられ続けると不機嫌となるのか猛烈な体当たりで狩娘を弾き飛ばしてしまう。
モデルはモンハンのマスコットその3プーギー。



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