天龍ちゃんと狩娘   作:二度三度

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テオ・テスカトルの攻撃を根性で耐えて、そのまま逃げようと思ってテオの横を通り抜けたら龍炎でウルトラ上手に焼けました。てへぺろ(・ω<)


ちょっとくらい通してくれたっていいじゃん、このケチ!




天龍ちゃんと初めての緊急クエスト2

 

 

 

 

 

青く穏やかな海、雲1つなく晴れ渡る空。今日は間違いなく絶好の狩り日和である。

しかしそんな気持ちのいい天気とは裏腹に、天龍はガチガチに緊張していた。

 

昇格が掛かった大事な緊急クエスト、もしも負ければすっからかんになる有り金、初見では歯が立たなかったドスイ級。

様々な要素が重なった結果がこの有り様である。

 

 

 

 

 

「う、うーし!やるぞ、やってやるぞ!今日のオレは調子がいいんだ、やれるハズだ!」

 

「旦那サン大丈夫カー?」

 

「コレジャア先ガ思イヤラレルヨー。」

 

うぐぐ、空元気はオトモにも通用しねーのか。

 

「ちょっと天龍ちゃん、大丈夫?いつもの自信はどうしたの~。」

 

付き合いの短いオトモにすら緊張を見抜かれているんだから、勘のいい龍田相手では誤魔化しきれるはずもなく当然のように気付かれる。

 

「そんなに緊張しなくても大丈夫よぉ。緊急や昇格テストっていう普段使わないような言葉に緊張しちゃうっていうのは分からなくもないけど、やることは至って単純よぉ。ドスイ級と戦って勝てばいいの、それだけよぉ。それにお金のことも気にしているみたいだけど、2回までならやられても報酬金は減っちゃうけど貰えないわけじゃないし、それに契約金も倍になって返ってくるから、アイテムの無駄使いでもしない限り損はしないはずよぉ?」

 

うーん、そう言われてもなぁ。

 

「何よりそんなの天龍ちゃんらしくないわよぉ。天龍ちゃんはもっと強敵相手にも怯まず堂々と戦う狩娘でしょ?」

 

……そうだよな、弱気なんてオレのキャラじゃねえ。龍田に言われるまで自分を見失っちまうなんて本当にらしくないぜ、オレは世界水準超えの天龍様だ!

 

「サンキュー龍田、お陰で目が覚めたぜ。今度は本気で負ける気がしないぜ!」

 

「それでこそ天龍ちゃんよ!(ふふっ、落ち込むのが早ければ立ち直るの早いわねぇ。)」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「いいえ、なーんにも。それより今回のクエストは天龍ちゃんの本格的な腕前の審査と、ドスイ級へのリベンジも兼ねてるから悪いけど私は直接手を貸すつもりはないわぁ。だけどその代わりにオトモとしてノブヒコを連れて行っていいわよぉ。ノブヒコのトレンドは回復だからきっと役に立つと思うわ。それに支給品も私のことは考えずに全部持って行っていいわよぉ。」

 

「えっ、ノブヒコ貸してくれんのか?」

 

「えぇ、そうよぉ。雇ったばかりのオトモでも、いるといないとじゃ大違いでしょ?それに今回のノブヒコは………………ふふっ、やっぱり秘密♪」

 

……何だ?何を言おうとしたんだ龍田のやつ?

まぁとにかく平和主義のマサムネだけだと戦力としては微妙だったが、ノブヒコという心強いオトモがメンバーとして加わったってワケだ!

 

 

 

 

 

 

「それでね、本当は良くないんだけど私はベースキャンプ司令塔としてここから天龍ちゃんにアドバイスを出してあげるからよろしくねぇ。」

 

「ベースキャンプ司令塔?何だそれ?ここに塔なんてあったか?」

 

ここの小島にあるのはベッドのあるテントと支給品と納品のボックスだけで、他に目立つものはせいぜい小さな茂みと船着き場ぐらいか?塔なんてどこにも見当たらねぇぞ。

 

「あっ、勘違いしてるのね?ベースキャンプ司令塔っていうのはね、ベースキャンプにこもって自分は戦おうとせず、そのくせ他人には偉そうにああしろこうしろと一方的に指図を出してくる狩娘のことよぉ。その様子がまるで司令塔みたいだからそう呼んでいるだけで、本物の司令塔があるわけじゃないの。」

 

あぁ、そういうこと。でもそれってなんだか腹が立つな。本物の司令官が指示を出しているのならともかく、一方的に注文だけ付けられたらお前も戦えってなるもんな。

確かそういう時は……頑張ってじゃねぇよ、おめぇも頑張んだよ!……って言えばいいんだっけ?

 

「こういうのは寄生行為って呼ばれていて、自分はまともに戦わず全部他人にやらせておきながら報酬だけは手に入れようっていう特に嫌われる行為の1つなの。こんなことをしたら他の狩娘の迷惑になるのは当然として、本人の信用も無くなるし所属する鎮守府の評判も落ちるから絶対にやっちゃ駄目よ。」

 

「なるほどな、そりゃ嫌われて当然だ。オレだってそんなことされたら嫌だ。」

 

「そうでしょう?だけど今回は不慣れな天龍ちゃんの為にここでアドバイスをあげるから聞きたい事があったらどんどん言ってねぇ。それに万が一のことがあるかもしれないから、その為にもここでスタンバイしておくわよぉ。」

 

万が一のことって……出撃直前に嫌なフラグ立てるのやめて下さい、マジで。

 

 

 

 

 

 

「それにしてもどうやってここから現場の様子を見るんだ?流石に距離があり過ぎるぞ。それにこんなところから指示出しても絶対に聞こえねぇぞ?」

 

「それも大丈夫、このインカムを着けておけば離れていてもお互いの声が聞こえるから安心よぉ。」

 

そう言って龍田がオレに渡してきたのは補聴器サイズの小型インカム。

 

早速左耳に着けてみる。

 

「うんうん、よく似合ってるわねぇ。それでちゃんと聞こえるかしら?」

 

補聴器が似合うって言われてもなんだかなぁ。

それはともかく至近距離とはいえちゃんと龍田の声は聞こえるみたいだな。

 

「問題無いみたいねぇ。そのインカムは、クエスト中に狩娘同士が離れ離れになっても連絡が取り合えるように開発された物よ。2人以上で出発する時は必ず着けるものなんだけどぉ、今まで離れて行動することがなかったから渡すのを忘れてたわ。ゴメンね♪」

 

軽く舌を出してウィンクしながら謝る龍田。これが噂に聞くてへぺろってヤツか。

うーんあざとい、それに反省しているように全く見えないどころかバカにされてる気までする。でも可愛いから許す!

それにオレも存在を知らなかったとはいえ、今まで無くて困ったことないしな。

 

「通信ログも残るから聞き逃しても後で確認出来るけど、失言も取り消せないから変なことを言うと恥ずかしいわよぉ。それとおしゃべりに夢中になって深海棲艦にやられたらダメよ~、チャット死はみっともないものねぇ。」

 

「チャ、チャット死?電話に夢中になって交通事故を起こす的なことか?分かった、気を付けとくって。」

 

 

 

 

 

「それとこれを使って現場の様子も見ておくから安心してねぇ。」

 

インカムに続いて龍田が取り出したのは連装砲ビジョンモニター、天津風から貰ったあのVRゴーグルだ。

 

「これを着けておけば自分のオトモ連装砲の視界を共有することが出来るのよぉ、凄いでしょ?今回はこれを使ってノブヒコの視界から天龍ちゃんの様子を見るからねぇ。(本当はもう1つの機能の方が重要だけどねぇ♪)」

 

なーるほど、これならベースキャンプにいても声が聞こえるし、現場の様子も分かるってワケだ。

……なんか視界ジャックみたい。屍人相手ならともかく他人の目を通して見るのって、ちょっと悪い気もするけど。

 

「ノブヒコもまだ雇ったばっかりでレベルが低いから、お世辞にも頼りになるとは言えないし、やられちゃったときはどうしようもないけど、少なくとも当てずっぽうな指示は出さないハズよぉ。」

 

なるほど、2体のオトモだけでなく龍田のアドバイス付きか。これなら大丈夫そうだな、むしろこれで負けたら恥ずかしいぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦果を期待してるわよぉ~。天龍ちゃんもノブヒコに負けないくらい戦ってねぇ~。」

 

「何言ってんだ、いくら何でも今日雇ったばかりのオトモには負けねぇぜ!」

 

とはいえ龍田がそこまで言うってことは実はノブヒコって強いのか?オトモより活躍出来なかったら流石にヘコむな……。

 

「マサムネ、お前はどうすんだ?つい勢いでクエストに連れて来ちまったけど、ここで龍田と一緒に待っていてもいいんだぜ?」

 

そう提案してみるが、マサムネは意外な言葉を返してきた。

 

「マサムネノコトハ気ニシナクテモ大丈夫ダゾ、旦那サンハ自分ノ戦イニ集中シテ欲シイゾー。」

 

おおっ、頼もしいセリフ。これで戦ってくれりゃあ言うことないんだが、それは流石に無理か。

うーん、やっぱり戦ってくれる子の方が良かったかな~?

 

「話はまとまったみたいね。それじゃあ行ってらっしゃい、頑張ってねぇ。」

 

そうだ、あのセリフ言ってみよう!言うならこのタイミングしかないからな!

 

「頑張ってじゃねぇよ、おめぇも頑張んだよ!」

 

「は?(威圧)」

 

「ひっ!」

 

「フ?」

 

「ヘホ。」

 

「何か言ったかしらぁ?」

 

「スイマセンナンデモナイデスガンバリマス。」

 

空気を読もうね、天龍との約束だぞ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁて、そろそろいいかしらねぇ。レンターモード、スイッチオーン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ォーン!」

 

「ん?ノブヒコどうかしたか?」

 

「ナンデモナイワァ……ジャナクテナンデモナイヨー。…………フフフ。」

 

「???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍田をベースキャンプに残し、オレとマサムネとノブヒコの3人で意気揚々と出発……と行きたいものの、まだルートを覚えてないのでマップを頼りに進んでいく。

しかし道中にてワ級やクンチュウは見掛けるものの、肝心のドスイ級はどこにもいない。

 

「うーん、ドスイ級はどこにいやがるんだ?」

 

ドスイ級を探しながら海原を彷徨っていると、突如としてオレの耳に直接声が響いてきた。

 

『しっぽきって、やくめでしょ。』

 

「うおっ!何だ今のは!?」

 

まるで子供どころかインコが発したような、たどたどしいカタコトの声が聞こえてきたんだけど一体誰だ!?

 

『うふふっ、私よ。龍田よ、天龍ちゃん。』

 

何だ、龍田がワザと変な声を出していただけか。そういやインカム預かってたんだっけ。

 

「今のは何だよ?尻尾を斬るって何の話だ?誰の尻尾を斬りゃいいんだ?」

 

『今のセリフ1回言ってみたかったのよねぇ~。ちなみに今のセリフはベースキャンプ司令塔定番のセリフの1つなのよ。深海棲艦には尻尾が生えている種類もいて、そういった尻尾は大剣や太刀といった切断属性の武器で切り落とすことが出来るのよ。切った尻尾からは貴重な素材が剥ぎ取れることも少なくないわ。そしてハンマーやボウガンといった武器種だと尻尾の切断は少し難しいから、切断系の武器を持ってる仲間に頼るのは普通のことなの。だけどこのセリフの場合だと自分は戦いたくないけど、尻尾の剥ぎ取りだけはしたいっていう自己中心的な思考から生まれたセリフなのよ。』

 

「そりゃあマトモな狩娘なら、そんなゆとり全開のセリフ言う機会なんかあるワケねーよなぁ。しかし尻尾のある深海棲艦ねぇ?レ級以外に尻尾のある深海棲艦なんていたっけ?」

 

オレもまだ建造されて日が浅いから全ての深海棲艦を知ってるわけじゃねぇが、尻尾がある深海棲艦に心当たりはねぇなぁ。

 

『あら、天龍ちゃん忘れたの?ここの海域の深海棲艦はみんなアタリハンテイ力に適応した変異種ばかりなのよぉ。ほら、ドスイ級に角が生えていたのを覚えてない?あれも変異によるものよ。だからレ級以外にも尻尾の生えた深海棲艦がいてもおかしくはないのよぉ?』

 

ヲ級とかタ級とかにも尻尾があるってことなのかね?例えて言うならリザードマン的な……。

 

『ちなみにイ級にも短い尻尾はあるし、ドスイ級にも尻尾はあるけど残念ながら切り落とすことは出来ないから、そこは気にしなくていいわよぉ。』

 

そういえば部位破壊ってのが起きない限りは表面的には傷付かないんだっけ?知らないで尻尾の切れない相手の尻尾を切ろうとしたら逆に戦いが長引く可能性もあったのか……。

 

『前にも言ったと思うけど、ここの深海棲艦はアタリハンテイ力に適応した戦い方をしてくるから油断しない方がいいわよぉ。この深海棲艦はこういう艦種だからこういう攻撃をしてくるに違いない……な~んて思い込みをしていると痛い目を見るわ、いいわねぇ?』

 

はい、思い込んでました。しっかり肝に銘じておきます。

 

『ふふっ、大丈夫。今ので油断も緊張も無くなったでしょ?今の天龍ちゃんならきっと勝てるわぁ!それじゃあ今から私が迷子の天龍ちゃんの為にドスイ級の住処にナビゲートしてあげるわねぇ、心の準備はいいかしら?』

 

「そんなもんとっくの昔に出来てらぁ!あとオレは迷子になってねぇぞ?ただ敵がオレにビビッて現れねぇだけだ!」

 

『ふふっ、そう言うことにしといてあげる。それじゃあ行くわよぉ~。』

 

「……行クワヨォ~。」

 

「おうナビゲートは任せるぜ………………ってノブヒコどうした?」

 

「オット、心配シナイデ。タダノ独リ言ダヨー。」

 

「そ、そうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

可愛いオトモと頼りになる龍田のナビゲートがあればもう何も怖くない……と思っていたけど、どことなく挙動不審なノブヒコにむしろ恐怖を覚え始める天龍なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………。」

 

 

 







龍田「天龍ちゃんゴメンねぇ~。てへぺろ(・ω<)」 ← かわいい

電「調合失敗しちゃった。てへぺろなのです(・ω<)」 ← かわいい

長門「うっかり空きビンを握り潰してしまった。てへぺろ(・ω<)」 ← うーん……。

提督「ホットドリンクと鬼人薬を間違えたぞ!てへぺろ(・ω<)」 ← ヴォエ!!



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