前作から選別したポケモンを連れてきて、理想のパーティを組んで冒険してたら交換補正で経験値が増えてあっという間にレベルが上がってしまった。
このままじゃ言うことを聞かなくなっちゃう、ヤバイヤバイ!
好きなポケモンと全アローラを支配しようとした俺の計画も、何もかもおしまいだぁ。
暑いアローラの夜、加速したレベルは、遂に危険な領域へと突入する。
…………んがっ…………あれっ、私は一体?
そうだ、私は確かお風呂場で電の風呂桶攻撃を喰らって、倒れたところでジョニーとスミスに襲われて…………。
「あっ、長門さん。目が覚めた?」
目を開けるとそこには天使がいた……じゃない、そこにいたのは雷。
ここはまだ風呂場か、私は風呂場の床で寝かされていたのだな。
風呂場のフローリングは硬い上に濡れていて寝心地は最悪だ……駄洒落じゃないぞ?
さっさと起き上がるとしよう………………って動けない?
「やっと気が付いたのですか?今の長門さんは洗濯紐で縛ってあるから動けないのです。」
首だけを動かして身体を確認すると、確かに私の身体は身動きが取れないように縛られている。
それにしても胸を強調し、股間に食い込むようなこの独特の縛り方。
この縛り方は確か亀甲「菱縄縛りなのです。」しば…………菱縄縛りだ。
クソッ、何故気絶なんかしてしまったんだ!?気絶さえしていなければ、電に縛ってもらえる感覚が味わえたというのに!!
「長門さんを縛ったのはジョニーとスミスなのです。縛り方は電が口頭で教えたのです。」
……ま、まぁいい。
「それじゃあ電達は着替えてくるから、もう少しそこで頭を冷やしているといいのです。全く、扉が壊れたから修理しないといけないのです。」
「電から聞いたわよ。長門さん、よく分かんないけど頭の病気なんですって?頭の病気だなんて大変じゃない、体調悪いのに気付かないでゴメンね。天龍さんも倒れちゃったみたいだし、長門さんも健康には気を付けてよね。それじゃあね!」
そう言うと電と雷は風呂場から出て行ってしまった。頭の上にそれぞれタコとイカを乗せたまま……。
さぁて一人風呂場に取り残されてしまったワケだが、どうしたものか……。
「「きゃあ~~~っ!?」」
こっ、この悲鳴は雷と電!?
一体何があった!?二人が脱衣所に向かってから、まだ一分も経っていないんだぞ?
まさかあの二匹が淫獣の本性を現わして、幼い二人の未熟な肢体に触手を這わせたとでもいうのか!?
うおおっ!こうしちゃおれん!!
幼くて可愛い駆逐艦の子供達よ!待っていろ、この長門が助けに行くからな!!
とはいえ未だに縛られたままなので、芋虫のように這いつくばって濡れた床を進んでいく。
痛たっ、顔にアクリル板が刺さった!?
誰だ、こんなところにアクリルの破片をばら撒いた奴は?危ないじゃないか!?
壊した扉は雷と電が外しておいたらしく、扉に邪魔されることなく風呂場から脱衣所へたどり着く。
ついでに床のアクリルの破片も掃除しておいてほしかったな……。
「大丈夫か!?私が来たからにはもう安心しろ!悪党は私が粉砕してやるからな!」
「「…………。」」
あれぇ?二人の窮地に現れたハズの私に突き刺さるのは疑念を孕んだ視線。
二人は軟体動物に襲われてなんかいなかった、だとしたらさっきの悲鳴は一体?
「ひょっとして長門さんなのですか?」
「えっ、何がだ?」
「私達のインナーを盗んだ犯人が長門さんなのかと聞いているのです。」
「着替えようと思ってカゴを覗いたら、パンツが無くなってたのよ!」
な、何ィ!?誰がそんなうらやまけしからんことを!?
私はずっと我慢してきたというのに、あっさりと一線を越えおって!許さんぞ!!
こんなことになるくらいなら私が盗って、それを煮出してお茶にして飲むべきだった!!
「し、知らん!私は知らんっ!私は犯人じゃない!!」
「本当に知らないのですか?」
「知らんったら知らん!イチゴパンツと紐パンの行方なんて私は知らないぞ!!」
「犯人じゃないというわりに、どうしてパンツの柄を知っているのですか?」
「………………あっ。」
「実質自白したのも同然なのですが、今のところは保留にしておいてやるのです。」
マズい、このままでは下着泥棒の濡れ衣を着せられてしまう。
どうにかして誤解を解かなければ……。
しかし弁解をする暇すらなく、電に片足を掴まれてそのまま引きずられて行く。
逃げたりしないから、せめて足の拘束を解いてくれないか?そこら中に身体がぶつかって痛いんだ。
一体私をどこに連れて行くつもりなんだ?
現在私がいるのは執務室だ。
あの後そのまま工廠に連れていかれて解体でもされるのかとヒヤヒヤしたが、雷と電は私を連れて執務室に行くと事情を神通に話した。
すると神通は何故か執務室に鎮守府のメンバー全員を集め始めた。
執務室には現在気絶している天龍を除いた狩娘が勢揃いしており、更には連装砲ちゃん達や、あの不真面目な提督までいる。
ついでに何故かタコとイカまでいる、言葉は通じるんだろうか?
「ふわぁ……眠いよぉ。まだ夕方になったばっかじゃん……。もう少し寝かせてよ……。23時くらいになったら話聞くから……。」
眠たそうに目をこすっているのは川内だ、なんだか久しぶりに顔を見たような気がするな。
「姉さん、今から大事な話をするのでもう少し我慢して下さい。元気ドリンコあげますから。」
「ふぁい……。」
これじゃあ川内というより加古だな。
「えー、それでは一人いませんが始めます。皆さんに集まってもらったのは、ここ数日続いている盗難事件についてです。」
途端にざわつく室内、全員何かしら心当たりがあるようだ。……というか盗難???
「現在、我々の鎮守府では全員何かしら物が無くなるという事件が多発しています。無くなった物は全員バラバラですが、いずれも盗まれる現場を目撃した人はいません。全て目を離した隙に無くなっています。最初はただ紛失しているだけかと思っていましたがこうも立て続けに、それも目を離している隙に無くなったとなれば誰かに盗まれていると考えるのが自然です。」
そ、そんなことが起きていたのか……。私は全然知らなかったぞ?
「電と雷ちゃんはインナーを盗られたのです。」
「私達がお風呂に入っている間に無くなっていたのよ!」
途端に私に刺さる全員の視線、だから私は犯人じゃないって!!
ちなみに雷と電は一回部屋に戻って別のパンツを穿いてきたので、現在はノーパンではない。
「ふぅん?そういえば私もいつの間にかぁ、部屋に置いていた小物がいくつか無くなっていたことがあったわねぇ。」
「ふぁぁ……そういやまだ飲み掛けのジュースが、ペットボトルごと無くなってたんだっけ?てっきり神通が片付けたとばかり思ってたんだけど。考えてみれば他にも色々無くしてるかも?」
「いくら姉さんの部屋が散らかっているからといっても、他人の私物を勝手に捨てたりはしませんよ。」
ふーむ。狩娘とはいえ、うら若く見た目麗しい女性達の私物だ。
盗んで売れば高い値が付くのかもしれない。
「我輩も歯ブラシが無くなっていたのだ!あれは柄のところにセクメーアパールを埋め込んだセレブな一品なのだぞ。全く、人のセレブリティに手を出すとはこれだから貧民は……。」
汚い!?いくら宝石があしらってあるとはいえ、使い古しの歯ブラシなんて私だったら盗らないぞ?
そもそも使い捨てる道具である歯ブラシに高価な宝石を埋め込むなんて、どういう感性をしているんだ?
この他にもあれが盗まれた、これが無くなったという報告が相次いだ。
こんなに物が無くなっているなんて全く気付かなかったな。
ひょっとして私も気付かない内に何か無くしているのか?
「私も那珂ちゃんドンドルマスペシャルライブのブルーレイディスクを盗まれました。あれは初回限定品なのでもう手に入りません。」
そういう神通の表情は一見冷静だが、目が笑ってないどころか目の奥に怒りの炎さえ見える。
これはいつ爆発してもおかしくない。
「盗られたのは観賞用のBDです。幸い使用用と保存用のは残っていますが、盗られたことに違いはありません。」
使用用……?使用用のBDって何だ?
保存用ってのはまだ分かるが、BDは鑑賞することが使用するということではないのか???
「無くなったのなら私の未開封のBDあげるからさ~、もう帰っていい?」
「そういう問題じゃありません!そもそも姉さんのBDは私があげた物じゃじゃいですか!?それに他にもいくつかの那珂ちゃんグッズが無くなっているんですよ!!」
……そういえば那珂は最初はここの鎮守府に所属していたんだったな。
まだ建造されてから日が浅い雷や電に天龍は、かつてここに那珂がいたこと自体知らないだろう。
ある日唐突に『那珂ちゃんは本格的にアイドルを目指すよ!艦隊のアイドルじゃない、正真正銘のアイドルにね!』とか言って、神通が止めるのも聞かずに鎮守府からいなくなったんだった。
私はそういった業界には疎いから知らなかったが、本当にアイドルになっていたのか……。
そして神通はそんな那珂をいちファンとして応援していたのか。
美しい姉妹愛だな、肝心の川内はあまり興味が無さそうだが……。
「今までの話を統合すると、盗まれた物に統一性はありません。特定の物を狙って盗んでいるワケではなく、特定の個人を狙って盗んでいるというワケでもないようです。そして盗まれた場所もバラバラで、強いて言えば全て鎮守府の中というだけです。犯人の目的は現状では分かりません。しかし一つだけ、ある可能性が浮上してきました。」
ある可能性?
「それは犯人が鎮守府の中にいるのではないかということです。我々の中の誰かが犯人であるということも十分に考えられます。」
神通の衝撃的な発言に全員がざわつく。
それはそうだろう、ひょっとしたらこの中に犯人がいるかもしれないのだからな。
「飽くまで可能性です。それに私も身内を疑うようなことはしたくありません。ですが、鎮守府というのは仮にも軍の施設です。部外者の出入りがあればすぐに分かりますし、そもそも手続きも無しに入れるような場所ではありません。もちろん犯人が単独とは限りませんし、それに外部の人間と結託している可能性もあります。ですがどちらにせよ姿を見せることなく鎮守府内ならどこでも犯行を行うことが出来るとすれば、それは鎮守府の構造に詳しくなければいけません。ハッキリ言って私もこういった捜査に対しては畑違いなので、推理については穴も多いでしょう。ですが誰にでも出来る様な犯行ではないということだけは確かです。」
なるほど、確かに逃走ルートを確保していないと見つかる可能性が高まるからな。
とはいえ鎮守府の構造に詳しいだけで、全く見つかることなく犯行が可能なのだろうか?
「そういえばぁ……少し前に天龍ちゃんが変なものを見たって言ってたわねぇ。」
ポツリとこぼした龍田だが、状況が状況なだけに全員が反応する。
「変なもの……ですか、龍田さん?」
「ええ、そうよぉ。私も今の今まで忘れていたんだけどぉ、こんなことがあったのぉ……。」
龍田が始めたその話、それは何とも反応に困る妙な内容なのであった……。
想定以上に長門が変態になってしまった。
おかしいなぁ?ここまで変態にするつもりはなかったんだが???
書いていて、気が付いたらいつの間にかパンツを食べるキャラになってしまった……。
ちなみに僕も叢雲ちゃんのタイツを茶こしにして煮出したお茶が飲みたい……なんて思ったことはありません。
僕は変態ではありません。これだけはハッキリと真実を伝えたかった。(必死)