天龍ちゃんと狩娘   作:二度三度

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アイスボーン第3回ベータテストで『凛冽のイヴェルカーナ』が配信されましたね。
皆さんは上手に狩れましたか?

私はソロでは狩れませんでした。(半ギレ)

マルチでなら安定して勝てるけど、ソロ討伐報告いくつも上がってんのヤベェな。(素)
壁ドンが上手く出せないのでクラッチしても傷付けてばっかりです。
スラアクや双剣での撃破報告が多いみたいですね。
私のメイン武器もスラアクなんですけど、きっと私のスラアクと討伐組のスラアクは性能が違うのでしょう。(現実逃避)




雷ちゃんとピンクの長門さん1

 

 

 

 

 

あれから何度もヘ級を討伐し、天龍シリーズの装備を揃えるのに必要な素材を手に入れた天龍は、そのまま工廠で装備を作成し、いわゆる天龍らしい外見となった。

そんな天龍は現在、新装備の試運転として海に……ではなく何故かクロオビ鎮守府近くにある山の麓に来ていた。

 

 

 

 

 

「ったくよぉ、何でこんなところまで来なきゃなんねぇんだよ?オレは深海棲艦と戦う狩娘だろ?そんでもって山に深海棲艦はいないじゃん。山は蚊とかヘビとか出そうだから来たくねぇんだけどな。それに山登りに必要な道具なんてないぞ、遭難したらどうすんだよ?」

 

よぉみんな、天龍だ。

オレは昨日完成させた天龍シリーズを着込んで、何故か山までやって来ている。

本当はすぐにでも海に行きたかったのだが、ある事情があって山までやって来た。

元が船だからなのか山ってあんまり好きじゃねぇんだよな、さっさと海に出たいぜ。

 

「もう、そんなこと言っちゃ駄目よ!それに山でしか手に入らない物だってあるんだから!第一狩娘だからって海にしか出ないなんていけないわ、山の新鮮な空気を吸えば気分もリフレッシュするわよ!」

 

愚痴るオレを叱るのは雷。

以前から山でしか手に入らない素材を取りに行く予定があったようで、オレが山に行くということを知ると同行してくれることになった。

 

「それにカリュード諸島の山に生息している動物は蚊やヘビなんて生易しいものじゃないのです。時には深海棲艦よりも強い野生動物も現れるのです。海と同じか、それ以上に注意して進まないと危険なのです!」

 

オレに釘を刺すのは電。

電は雷の付き添いであり、オレにとっては付き添いの付き添いである。

 

「まぁ今回は我々が付いているからな、道に迷うことはないだろう。それと狩娘たるもの、登山道具なんかには頼らんぞ。いつも通り武器と防具があればそれでいい!難には己の実力で立ち向かうものだ!」

 

そして適当なことを偉そうにそれっぽく言っているのが長門。

最初は山に行く気なんてさらさらなかったクセに、電と雷が行くと知った途端に同行を申し出た。

要するに付き添いの付き添いの付き添いである、コイツ必要か?

 

見ての通り、オレ達は4人で山に来ている。

海だけでなく山だろうが平原だろうが、狩娘が集団行動をする際は4人行動が基本らしい。

ジンクスってめんどくせぇなぁ……。

しかも全員が海に行く時と同じように武器を背負っている、物々しいったらないぜ。

 

 

 

 

 

「それでこの山に龍殺しの実っていうのが生えてんのか?」

 

「そうよ、龍殺しの実は海では手に入らない素材なの!この山に自生しているから採集すれば天龍さんの骨を天龍刀に強化出来るわ!」

 

そう、オレが山に来たのは龍殺しの実を手に入れるためだ。

前日にオレは集めたヘ級の素材で念願の天龍シリーズの防具を作成した。

そしてそのまま続いて太刀も天龍刀に強化………………しようとして挫折した。

素材が足りなかったのである。

お陰でオレの今の格好は骨を担いだ天龍だ、画竜点睛を欠いてやがる。

 

強化に必要な龍殺しの実は山でしか手に入らないと龍田に教えられ、オレは渋々山に行くことに決めたが、龍田は既に予定が入っていたので今回はオレに同行は出来なかった。

しかし龍田は自分が同行出来ないのにオレ一人で山に入るのは危険だと言い出し、世話焼きで尚且つ山に用事のある雷にオレと同行するように頼み、雷はアッサリと了承した。

そしてそれを聞き付けた電も同行を申し出て、更に三人で出掛けようとするオレ達を見つけた長門も無理矢理付いてきたというワケだ。

 

 

 

 

 

山と軽く言ったが、オレの想像していた山とは全然違う。

山登りなんてハイキングみたいなものだと思っていたが、この山は人の手がほとんど入っていない。

生えている木々も樫や杉に松みたいな日本で見掛けるようなものではなく、熱帯に生えているような見慣れないものばかりだ。

そして山そのものもかなりデカい。鎮守府のすぐ近くにあっていいような山じゃないな。

日本じゃ考えられないような光景だ、これもカリュード諸島ならではってことか。

 

それにしても艦娘の服装とほぼ同じデザインの狩娘の防具だと山道がキツイ。

ブーツで山なんかに来るんじゃなかった、つーか装備新調するんじゃなかった。

前の足装備のままなら、少なくとも足元は安定していたからな。

 

「しかしやっぱり山は海とは大違いだなぁ。」

 

「急にどうしたんだ?山と海が違うのは当たり前だろう。」

 

「いや、まぁその通りなんだけどさ。ホラ、海は基本的に視界が開けてるし、波はあっても上り坂や下り坂なんて無いじゃん。山に入るの初めてだから、それが新鮮に感じてさ。」

 

海は波間や岩礁に身を潜めることが出来るが、陸地だと岩場に草むらに木陰と隠れる場所がたくさんある。それが物陰から何か出てきそうに感じて何だか落ち着かない。

その一方でしっかりと踏みしめて歩くことが出来る地面というのはとても落ち着く、常に揺れている海上とは大違いだ。

何より海では当たり前のように見掛ける深海棲艦が陸地では全く見当たらない、代わりに見掛けるのは今まで見たことのない動植物ばかり。

最初は山登りなんて気が進まなかったけど、歩いてみると案外面白い。

何でもやってみるもんだな。

 

 

 

 

 

「おっ、見ろよ!あんなところに恐竜がいるぜ!すげぇ!恐竜なんて生まれて初めて見た!話には聞いていたけど本当に恐竜がいるんだなぁ。実物を見た今でも信じられねぇ。」

 

オレ達が歩いている山道から少し離れた平地に大きな恐竜が数匹の群れで草を食んでいるのが見えてきた。

灰色の皮膚に立派なトサカを生やした大柄な四足歩行の草食恐竜だ。

 

「あの特徴的なトサカは……えっと、パラ……パラ……確かパラサイトサウルスだったっけ?」

 

「それを言うならパラサウロロフスよ。そしてあれはアプトノス、パラサウロロフスじゃないわ!」

 

「アプトノス?」

 

オレの疑問に雷から訂正が入る、アプトノスって聞いたことないな。

 

「アプトノスはカリュード諸島全域に生息している草食種の生き物よ。お肉が美味しいのでたまに狩猟対象になるわ!雷も狩ったことあるのよ。」

 

「へぇ~。しかしあんなデカい恐竜を狩るなんて大変なんじゃないのか?よく狩れたな。」

 

「アプトノスは見た目に対して弱いのです。イ級が狩れる実力があるのならアプトノスも狩れるのです。それにさっきから恐竜って言ってるけどアプトノスは恐竜じゃないのです。」

 

雷がアプトノスを倒したという事実に感心していると、次は電から訂正が入る。

ああ見えて実は弱いらしい、マジかよ。

 

「え、アレ恐竜じゃないのか?」

 

「厳密には良く分からない生物というのが正解らしいな。確かに外見は恐竜に似ているが解剖の結果、何に使うのか良く分からない器官が見つかったようで、既存の生物に当てはめるのが難しいらしい。その結果、草食種というフワッとした分類になったそうだぞ。まぁ眠魚やハレツアロワナなどもそこらの魚類とは違った体のつくりをしていたという報告があるし、カリュード諸島の生物特有の特徴なのかもな?」

 

思った以上にしっかりとした解説をしたのは長門。

普段はアホな言動ばかり目立つが、マジメモードの時はしっかりとしているらしい。

またこう見えてかなり博識である。思えば初対面のときも未確認生物に対して多くの知識を持っていたし、案外そういった方面に興味があるのかもしれない。

 

そういうのに興味のありそうな年少の狩娘の気を引くためにわざわざ調べたんじゃないだろうな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ、ここで道が二手に分かれているな。どっちに進めばいいんだ?」

 

歩いていると分かれ道に辿り着いた。

この山は初めてで地理には詳しくない、というかそもそも鎮守府敷地内以外の陸地を探索するのすら初めてだ。

こういう時は他のメンバーを頼った方がいいだろう。

 

「右手に進めば森林地帯に、左手に進めば水辺に出るのです。天龍さんの欲しい龍殺しの実は水辺に生えているのです。」

 

「じゃあ左の道に進めばいいのか?」

 

しかしそこに雷が待ったをかける。

 

「でも雷が欲しい鬼ニトロダケは森林地帯に生えているわ。」

 

「ふーん、それじゃあ片方を採集した後に戻ってくることにするか?とはいえ往復するのは流石に大変だな。」

 

「だったら二手に別れればいいだろう、簡単なことだ。」

 

「それもそうね。じゃあ雷が右手で、天龍さんが左手に別れましょ。」

 

 

 

 

 

ということで二手に別れることになったのだが……。

 

「それじゃあ電が雷ちゃんに付いていくのです。」

 

「じゃあ私も雷と一緒に行くことにしようか。」

 

「いや、ちょっと待て。それだとオレが一人になるじゃねぇか!」

 

いきなり何を言い出すんだ、このアホ戦艦は?

 

「それがどうかしたか?子供ではないんだ、一人だからといって寂しいとか言い出す年齢ではないだろう?」

 

「いや、そういうことじゃなくて……。あのさぁ、オレこの山初めてなの、道分かんねぇの!道案内として龍田の代わりに同行するってんで付いて来てんのに、オレ以外の全員が右の道に行ったら来た意味無いだろ!」

 

「そうなのです。長門さんは先輩狩娘として、天龍さんのお手伝いをしてあげるべきなのです。」

 

「やだやだーっ!!私も雷と電と一緒がいい!!」

 

ジタバタと駄々をこねながら抗議する長門。子供はどっちだよ……。

しかしこれでは埒が明かないな。

 

「ハァ、仕方ないのです。電が天龍さんに付いていくのです。」

 

「えっ、私と電と雷の三人で行くんじゃないのか?」

 

「そんなワケないのです。電達が何のために山に来たのか分かってるのですか?龍田さんの依頼で山初心者の天龍さんを助けるために来てるのです、ピクニックしに来たワケじゃないのです。少しは常識的に物を考えるのです!」

 

「げふぅ!?」

 

電が行かないと知り戸惑う長門だが、電に一喝され大破轟沈。

論破された長門が這い蹲っている間に電は雷に近付くと、何かを手渡し始めた。

 

「これは音爆弾と閃光玉なのです。そしてこっちが射出用のスリングショットなのです。これは信号弾の代わりなのです。もし何か起きたらこれを空に向かって撃つのです、そしたらすぐに駆け付けてあげるのです!」

 

電が雷に渡したのは見ての通り普通のパチンコ、鹿の角と頭骨で作られていたりはしない。

卯月が持っていたスリンガーはまだまだ一般には普及していないようだ。

 

「もう、電は心配性ね。雷の方がお姉さんなのよ。それに長門さんも一緒だから心配いらないわ!」

 

「その長門さんと一緒という点が一番心配なのです……。」

 

それにはオレも同意見だぜ。

 

 

 

 

 

こうして二手に別れて山を探索することになったオレ達。

しかしその結果あんなことになるなんて、この時点では誰一人として予想すらしていないのであった。

 

 

 

 






変態長門さんは書いてて楽しいけど、それと同時にマトモな長門に申し訳なくなる。
そして長門の変態化が進めば進むだけ電の性格のキツさも悪化していくという事実。
だけどキツい性格の電も書いてて楽しい。(反省の色なし)

こういった改変キャラに頼らないと話を進められない非力な私を許してくれ。



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