猛り爆ぜるブラキディオス!激昂したラージャン!
現在は実装されるかまだ不明だけど、ワンチャンありそうな錆びたクシャルダオラ!
続々と追加されるモンスターにワクワクが止まりませんね!
ところで自分の好きなラギアクルスと、ついでに水中戦が実装されるまで後何年、何作品と待つ必要があるんですかね?
技術力と表現力の壁とは厚いものだなぁ……。
えっ?水中戦はあんまり人気がないだろだって?(∩゚д゚)アーアーキコエナーイ
今回もコンガの生態にオリ設定が加わっております!
というかコンガって絶対にこんな生き物じゃないよね……。
茂みを揺らしながらこちらに近付いていた者。
その正体は意外な、しかしよく見知ったものだった。
「待ってくれ、私を置いていくな!お前達進むの早過ぎるだろう!?お前達にすら見放されたら私はどうすればいいんだ!?」
茂みから飛び出してきたのは胸と腰に葉っぱとツルを組み合わせた粗末で簡単な作りの蓑を身に着けただけの、大事なところを隠しただけでほとんど裸といっても過言ではない野性味に溢れる長い黒髪が特徴的な長身の女性だった。
うん?土とかで汚れているけど、この人の顔どこかで……というかほぼ毎日見ていたような?
「うげぇ、コンガの大群の次は痴女かよ!?一体この森はどうなってんだ!?」
「痴女とはなんだ、痴女とは!?ん?お前天龍か!?それに電に雷も!そうか、私を探しに来てくれたのだな!」
「あん?オレに痴女の知り合いはいねーぞ?」
「だから私は痴女じゃないッ!まさか私のことが分からないのか?私だ、長門だ!!」
「「「長門?……えっ?ぇぇぇぇぇええええええええええ!!!???」」」
野生的な女性が発した衝撃的な発言に、揃って悲鳴を上げる私達。
「えっ?えっ?だって長門さんはそこにいるじゃない!?」
「ウホ。」
私はすぐ横にいるコンガの長門さんを指差しながら思わず叫ぶ。
「そいつが私なワケあるかッ!?どこからどう見てもサルじゃないか!?長門は私だぁ!!」
私の叫びに負けず劣らずの声量で叫び返す女性、ということは……?
「じゃあこっちの長門さんはただのコンガで、そっちの女の人が本物の長門さん!?」
「さっきからそう言っているだろう!?というかそいつが私に見えるのか?ちょっとショックだぞ!?」
壮大にショックを受ける痴女改め本物の長門さん。
「やっぱりこっちのコンガは本物の長門さんじゃなかったのですね。」
「でも初めて会ったときに長門さんに長門さんかどうか聞いたらそうだって言ってたじゃない!」
「だからそれは偶然だって電は言ったのです。最初から長門さんカッコカリにそんな意図はないのです。」
思わず電に反論するものの、すぐさま論破されてしまう。
「それじゃあつまり……。」
「そうなのです、雷ちゃんが早とちりしてこっちの長門さんを本物の長門さんと思い込んだだけなのです。」
「とはいえオレらにも責任はあるぜ。半信半疑だったとはいえ、最終的に雷に賛同してこの長門を受け入れることに決めたのはオレ達自身だ。だから雷だけが悪いワケじゃないんだぜ。」
天龍さんが庇ってくれたお陰で少しだけ気分が軽くなったわ。
というか二人ともコンガの長門さんのことをそのまま長門さんと呼ぶことにしたのね……。
「まぁそれもそうなのです。そもそも本当に悪いのは……。」
そう言うと電は本物の長門さんをジロリと睨んだ、流石の長門さんも電に睨まれると思っていなかったのかビクリとたじろぐ。
電って本気で睨むと結構迫力があるのよね。
「雷ちゃんは本気で長門さんがコンガになったと思って責任を感じていたのですよ!?それなのにどうして長門さんはコンガの群れに混ざってターザンごっこに興じているのです?」
「ま、待ってくれ!こっちにも事情があるんだ!」
長門さんは電に詰め寄られ、後ずさりしながらも必死に事情を説明し始めた。
「昨日私がドキドキノコを食べたのは覚えているだろう?そして……えっと……彼らのことはコンガというんだな?それで私はこの山から随分と離れた場所にあったコンガの群れの真ん中に丸裸で放り出されたのだ。」
「「「はい?」」」
ちょっと何を言っているのか分からないわ。
「ドキドキノコには不思議な効果があると説明しただろう?何の因果か私がキノコを食べる時と完全に同じタイミングで、そっちのコンガもドキドキノコを食べたらしい。冗談抜きでコンマ秒レベルまで一致していたのだろう。それで装備やアイテムといった持ち物は残したまま、お互いの位置だけが入れ替わってしまったんだ!」
そんなことってありえるのかしら?
確かにドキドキノコはモドリ玉の原料になったりするんだから位置の入れ替わりくらいなら起きても不思議ではないとはいえ。
いえ、それよりももっと気になることがたった今出来たんだけど……。
「長門さん、どうしてこっちの長門さんがドキドキノコを食べたことを知ってるの?」
「そりゃこいつらから聞いたからな。」
そう言って長門さんが親指で指差したのは当然のようにコンガの群れ。
「聞いたって、長門さんコンガの言葉が分かるの!?」
私からしたらウホウホ鳴いているようにしか聞こえないわ……。
「何となくだがな。多分ドキドキノコの効果だろう、そっちのコンガもお前達の言葉を理解したりしなかったか?」
言われてみれば心当たりがあるわね。
つまりこっちの長門さんが私の言うことや話を聞いてくれたのは本物の長門さんだったからじゃなく、ただ単に話が分かるようになったからだったのね。
コンガと私達とで知能レベルに差があるから流石に全てを理解したようには見えないけど、少なくともニュアンスとかは間違いなく伝わっていたと感じるわ。
「それでな、この群れのボスはもういい年で、そろそろボスの座を降りようとしていたらしい。そして次期ボス候補だったのがそいつだ。」
そう言って長門さんが指さしたのはこっちの長門さん。
「ところがその次期ボス候補が急にいなくなったんだ。これは群れの存亡に関わる事態だろう?だから群れはそいつを探し始めたんだ。」
なーるほど、だから連絡を取り合うために遠吠えをしていたのね。
「それで無事が分かったから、互いに合流するために山を移動していたんだ。」
長門さんが突然山を目指して走り始めたのにはそう理由があったのね。
「ちなみにもしそいつが見つからなかった場合、私が次の群れのボスを務めるところだった。」
「「「は?」」」
ど、どうしてそうなるのかしら?
「話すと長くなるのだが………………。」
「ゲホッ、ゴホッ……。す、済まない雷、心配を掛けたが私は無事だ……ん?」
「ウホ?」 「ウホ?」 「ウホホ?」
「は?」
緑の煙が晴れてみればそこは見知らぬ景色、雷の代わりにいたのは初めて目にする2メートル前後のピンクのゴリラ、それも大群。
流石の私も展開に付いていけずに唖然となった。
だが驚いたのは彼らも同じだったのだろう、なにせいきなり次期ボス候補が見知らぬ女に変わっていたのだから。
ちなみにこの時の私はまだこのコンガという生き物の正式名称どころかどんな生き物なのかすら知らない初見状態であり、当然私が次期ボス候補と場所が入れ替わったということも知らなかった。
「ウホ?」 「ウホホ?」
「いきなり誰だとは何だ、とんだご挨拶だな!しかも全然毛が無いだと、失礼な!?私はクロオビ鎮守府の狩娘、長門だぞ!どこをどう見たら私のことがハゲに見える!?………………あれ、何で私は普通にゴリラと喋ってるんだ?」
私は当然コンガ達に奇異の目で見られた。
そして私はコンガの言葉が分かることを不思議に思いながらも、自分の置かれた状況も忘れてコンガ達に反論していた。
ここでコンガ達に敵対されなかったのは不幸中の幸いなんだろうな。
「ブモオオォォ!!」
「うおっ、今度は何だ!?」
だが、突然木々を掻き分けながら現れたドスファンゴにそんなことはどうでもよくなったよ。
「ウホ!?」 「ウホッ!!」
現れたドスファンゴは最小金冠という程ではないが、そこそこ小さな個体だ。
しかしそれでも分類上は中型モンスターであり、体格が小さいからと言って弱いということにはならない。
小型モンスターであるコンガは自分達より格上であるドスファンゴの突然の出現に驚いたのか、慌てて木に登り始めた。
ドスファンゴに対抗出来そうなババコンガが丁度群れを留守にしていたのも理由の一つだろう。
「ブルルッ!!」
「ほう、私に戦いを挑むつもりか?いいだろう、この長門受けて立つ………………ん?……あれ、私の大剣は?」
唯一地上に残った私をターゲットにしたドスファンゴ。
とはいえ私は既にドスファンゴの狩猟経験があるし、ドスファンゴ如きに舐められたままでいるのも面白くないのでここは臆せず立ち向かう。
そう考えた私は売られた喧嘩を買うべく背中の大剣に手を伸ばした……のだが、しかし手は空しく宙を切った。
ここで異常を感じた私は自分自身の姿をよく見てみる、すると………………。
「なっ!?丸腰どころか全裸ァ!?インナーすら着ていない!?」
私は生まれたままの姿でコンガの群れの真ん中に放り出されていたことにようやく気付いたのであった。
バルバレ鎮守府の提督だってインナーは着ていたんだ、全裸でモンスターに対峙したアホなんて私が世界初じゃないだろうか?
鎮守府の仲間達や陸奥にすら見せたことのない全裸をこんなところで、それもサル相手に晒すとは……。
しかし今はそれどころじゃない、全裸でドスファンゴを相手にするなんて勝てるとか勝てないとかそういう次元の話じゃない。
レンタクを使えない今、ヘタすれば本当に殺される!!
このままではどうしようもない。
私は恥も外聞もかなぐり捨てると、コンガ達と同じように慌ててすぐ近くに生えていた木によじ登った……全裸で。
偉そうに啖呵を切っておきながらこのザマだ、非常に情けない。
しかしコンガとは違い、爪も短ければ器用な尻尾も強靭な肉体も持たない私が登れる木などたかが知れている。
私が登ったのは低くて細い、見るからに頼りない木。
登ってから気付いたが、とてもじゃないがドスファンゴ相手に持ち堪えられそうにはない。
「ブモーーーッ!!!」
ドスファンゴは私を叩き落そうと思ったのか、それとも木をへし折ろうと思ったのか、とにかく木に向かって突進をしてきた。
「うおおっ!?」
激しく揺れる木。
折れこそしなかったものの、私は抵抗空しく木から落ちた……全裸で。
「うっ!?」
「ブモッ!?」
しかも落ちた場所はなんとドスファンゴの背中の上!
このまま地面に落ちてドスファンゴに叩き潰されることだけは避けたかった私は、急いでドスファンゴの毛皮を両手両足の指でがっしりと握り込む……全裸で。
「ブモーッ!!」
「うおっ、どうした!?」
突然興奮し始めたドスファンゴ、興奮の理由は全裸の美女が背中に乗ったから……ではない。
よく見れば私が掴んだ場所はヤツの両耳であり、流石のドスファンゴも耳を掴まれたことには驚いたようで私を振り落とそうと激しく走り回り始めたのだ。
当然私も落とされるわけにはいかず、更に力を込めて耳を握る……ぜん、そろそろやめるか。
とにかくここに私とドスファンゴのロデオ勝負が始まったのだ。
「ブルルッ!!ブルルッ!!」
「コラ暴れるな、痛たたたっ!?頼む、大人しくしてくれ!!」
ドスファンゴはそこら中の木や岩に身体をぶつけながら走り回る。
奴が巨体だったことで私の身体はそれらにぶつからずに済んだが、むき出しの胸の先端やデリケートゾーンといった敏感な部位がドスファンゴの剛毛に擦れて物凄く痛い。
それにスタミナも消耗してきた、今にも振り落とされそうだ。
剥ぎ取りナイフでもあれば背中にぶっ刺して隙を作ってやれるんだが、丸裸の現在は堪えるしかない。
「ブモモォォォ!!!」
「お、おいっ!止まれっ!そっちは崖だって……あぁ、もう!!」
前を見ていないのか、それとも頭に血が上って判断力が落ちているのか、崖に向かって走り出すドスファンゴ。一緒に心中するのはゴメンなので落ちる直前に背中から飛び降りる。
「ぐっ、いだだっ!?うぅぅ……。」
「ブルルッ!?ブモオオオォォォォォォ!!!???」
ドスファンゴは崖から足を踏み外し、そのまま崖下へと消えていった。
一方の私は全裸で地べたを転がるハメになったが、何とか崖から落ちることだけは避けられた。
「はぁはぁ、助かった……。」
本気で死を覚悟したぞ。狩娘が陸上で、それも全裸でドスファンゴに乗ったまま崖から落ちてお陀仏なんて笑い話にもならない。
ダーウィン賞受賞なんて不名誉、貰うくらいなら死んだほうがマシだ!
あれ?ダーウィン賞貰いたくなさ故に自害したら、それこそ受賞ものではないだろうか?
まぁ、関係ない話は今はいい。
「ウホ!」 「ウホ!」 「ウホ!」
私がドスファンゴを倒したのを見て、次々とコンガ達が木から降りてくる。
そしてぐるりと私を囲み始めた、今度は一体なんだ?
「ウホッ!」 「ウホッ!」 「ウホホッ!」
「え?毛もなきゃ尻尾もないヒョロヒョロの身体のくせに一人でドスファンゴをやっつけるなんて大したもんだ、見直しただと?そんでもってアイツが戻ってこなかったら、代わりに群れのリーダーをやらせてやるだとぉ!?ちょっと待て、私はそんなのやるなんて一言も言ってないぞ、そもそもアイツって誰だ……って滅茶苦茶デカいゴリラがやって来た!?」
実力があるからって初対面で、しかも異種族の相手をいきなりリーダーの座に据えようとするなんてどういう思考回路をしているんだ!?
そうこうしているうちに、森の奥からのんびりと現れたのは群れのリーダーであるババコンガ。
顔中に刻まれた深い皺と、身体のところどころに見られる白くなった体毛が、彼が高齢の個体であるということを物語っている。
「ウホォ?」
「ウホウホ。」 「ウッホホ。」 「ウホウッホ。」
状況を呑み込めないババコンガに事情を説明するコンガ達。
私は群れのボスなんてやりたくないぞ、頼むからその提案は却下してくれよ。
「ウホォ!!ウホウホ、ウッホー!!」
「群れはお前を歓迎する!第1ボス候補はアイツのままだが、お前は第2ボス候補にしてやる……だとぉ!?このボス物分かりが良すぎるだろう!?そこは断ってくれ!!」
「ウホウホ!」
「もしお前がボスになったらその頭の黒くて長い毛をワシ自らがトサカにしてやろうだって!?笑えない冗談はやめろォ!!」
「こうして群れに認められた私は次期ボス候補の一人となったのだ。コンガの考えることは発想がぶっ飛んでいて私にはよく分からん。私はコンガのボスになんかにはなりたくなかったからな、そいつが見つかって本当に良かったよ。」
な、何だか色々あったみたいね……。
全裸でドスファンゴと戦った狩娘なんて、カリュード諸島初なんじゃないかしら?
「ちなみに崖から落ちて弱っていたドスファンゴは、そのままババコンガがトドメを刺してコンガ達全員の晩御飯になった。ドスファンゴを瀕死にまで追い込んだ功労者である私は取り分を一番多く貰う権利があるらしく、もの凄い量の生肉を貰ったんだが、お肉大好きでも何でもない私に生肉を食べることは出来なかったから適当に言いくるめて群れの奴らに配ったら、なおさら第2ボス候補として持ち上げられてしまったのだ。」
そういう長門さんからは、定期的にグゥ~っとお腹の音が鳴っている
きっと昨日から何も食べてないのね。
「せめてドスファンゴの毛皮で簡単な服でも作ろうと思ったんだが、刃物も無しに毛皮を剥ぎ取るのは無理だったよ。だから私の服はこの葉っぱだ。」
そう言って葉っぱで作られた服(?)を見せつけてくる長門さん。
長門さんって背は高いし、スタイルもいいからこういう最低限のところだけ隠した格好をされると目のやり場に困るのよね。
「そいつが見つかった場合、当然私は用済みになるのだが、それでも群れから追い出したり邪険に扱ったりせず群れの一員として認めるということになっていたらしい。野生的な見た目と違って懐深いところはありがたいが、だとしてもコンガとして余生を過ごすなど認められるか!そもそも生のキノコも生肉も私は食べられんぞ!だからといって一人で鎮守府に帰ろうにも丸腰で土地勘もない場所じゃどうしようもないからな、お前達に見つけてもらえて本当の本当に良かった!助かった!!私は人として、狩娘として生き返ったぞぉぉぉ!!!」
喜びを噛み締めているのか、拳を震わせながら感極まったようにポロポロと涙をこぼす長門さん。
そんなにコンガの生活が嫌だったのかしら?
「ふーん、そんなことがあったのですね。てっきりコンガの大群に『くっ殺』からの『んほぉ!』のコンボでも決められたのかと思ってたけど、ある意味それよりも面白いことになっていたのですね。」
「くっころ?んほお?電、何を言ってるの?」
「お前にはまだ早い、というか一生知らんでいい。」
長門さんのコンガ生活のエピソードを聞いての電の感想がこれ。
聞いたことのない単語を言い始めたから、意味を聞こうと思ったら天龍さんに止められちゃった。
私が小さいからってバカにしないでよね?電が知ってるのなら私が知っていたっていいじゃない。
ふと横眼でもう一人の長門さんの方を見てみると、仲間のコンガ達に囲まれてワイワイとしていた。
長門さんもコンガ達も無事に再会出来たことが嬉しいようだ。
私達が長門さんを迎え入れたように、コンガの群れももう一人の長門さんを迎え入れようとしているのだろう。
「そっか。長門さん、帰るのね。」
長門さんが鎮守府に帰ってくるのと同様に、もう一人の長門さんも仲間と共に故郷の森に帰らなきゃいけない。
私達とはこれでお別れ、そのことを理解すると少しずつ悲しくなってきた。
たった一日だけの付き合い、それも勘違いによるもの。だけど間違いなく私と長門さんは心を通わせていた。
長門さんが本物のコンガだったなんて思いもしなかったから、お別れになるなんて思いもしなかったわ。
「ウホ……。」
「な、長門さん?」
長門さんも別れを惜しんだのか、それとも悲しんでいる私を元気づけようとしてくれたのか、私のことを優しく抱きしめて、尻尾を使って頭を撫でてくれた。
「「「「「ウーホッ!ウーホッ!!ウーホッ!!!」」」」」
「や、やめろ!私は別れを惜しんでなんかいない!く、臭いから放してくれ!!」
私と長門さんが別れの挨拶をしているように、長門さんもコンガの大群に揉みくちゃにされている。
彼らも別れが惜しいのね。
「ありがとう、長門さん。これ持って帰っていいわよ、私達からの贈り物。大切にしてね!」
長門さんとのハグを終えた私は、地面に突き刺さっていたブレイズブレイドを引き抜くと長門さんへと手渡す。
「おっ、おい待て!その武器は私の……ムグッ!?」
「今いい所なんだから空気読んで黙ってろ。」
「静かにするのです。」
「ンー!?ンンー!!」
長門さんが何か言おうとしているけど、天龍さんに後ろから拘束されて右手で口を塞がれる。
「ウホ。」
長門さんはブレイズブレイドを尻尾で受け取るとこちらに向かって軽く手を振る、そしてババコンガの号令に合わせて群れと共に森の奥へと消えていった。
「長門さん、さよーーーならーーー!!」
私は長門さん達の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
「……行っちまったな。」
「いなくなって清々する……と言いたいところですが、ちょっと寂しくもあるのです。」
天龍さんと電も長門さんとの別れにしんみりとした様子を見せる。
「また逢えるかしら?」
「逢えるさ。」
「個人的にはもう逢いたくないですけどね。」
「それよりも早く私を鎮守府に連れ帰ってくれないか、もう全身ボロボロのクタクタでひっくり返りそうなんだが……。」
「「「あっ!」」」
あっちの長門さんが山に帰り、こっちの長門さんが鎮守府に帰ってきた。
だけどそれで全て解決というワケにはいかなかった。
鎮守府のみんなにあっちの長門さんが本物の長門さんじゃなかったことの説明をしたり、汚れ切った長門さんがお風呂を使おうと思ったけどあっちの長門さんのオナラの影響で使用禁止になっていたことに落ち込んだり、お腹を空かせた長門さんがコンガ並にたくさんご飯を食べたり、装備を全部失った長門さんだったけど素材の在庫に余裕があったのですぐに元の装備を作成したりと色々あったわ。
当然といえば当然だけど、全部長門さん絡みね。
「うーん、清々しい朝ね。昨日の騒動が嘘みたい。」
窓を開けてみれば、今日は気持ちのいい晴れ模様。空気もいいし、きっと最高の一日になるわね!
「雷ちゃん、雷ちゃん!」
外の空気を堪能していると、先に部屋を出ていた電が慌てた様子で戻ってきた。
「どうしたの?」
「大変なのです!」
「え、何?どうかしたの?」
ひょっとしてまた長門さんに何かあったのかしら?
例えば今度はカエルになっちゃったとか?
「いいから、早く来るのです!」
電に手を引かれてどんどん進む。
「これを見るのです!」
「これって!?」
連れて来られたのは鎮守府の入り口である、敷地と外を隔てる門。
そこにあったのは大人一人が寝そべられるくらい大きな葉っぱ、そしてそこにドッサリと山積みにされた様々な種類のキノコ!
「わぁ!」
「凄いのです!」
よく見ればそこら中に獣の足跡がある。
間違いない、これは長門さん達が置いて行ってくれたのよ!
「ありがとう長門さん!本当にありがとーーーう!!!」
長門さんが遠吠えをしていたのを思い出し、私は空へ向かって思いっきり大声でお礼を言った。
きっと長門さん達に届いたわよね?
カリュード諸島のとある山、そこには一際変わったコンガの群れが住んでいる。
群れのコンガ達は汚らしい通常のコンガの生態からは想像もできない程に綺麗好きであり、葉っぱを使って歯を磨き、小川で身体を洗う行動が確認されており、これにより他の群れより明らかに病に侵される個体が少ないのだという。
そして狩りの際には尻尾で掴んだ枝や骨に石を武器として利用することで、効率よく食料を手に入れ、外敵にも立ち向かう力を得たとされる。
そんな群れをまとめ上げるボスの若きババコンガは二本の角のような特徴的な頭飾りを身に着け、明らかに人工物である大剣を常に持ち歩いており、それを使いこなすことで群れを守り抜いた。
そしてその群れの結束は厳しい大自然の中でも揺らぐことなく、末永く繁栄したのだという。
MHライダーズがもうすぐ解禁!
……そんなことよりMHストーリーズのネタバレ禁止令はいつ解かれるんだろう?
ストーリーズの割と深い設定もこの作品に使いたいんだけどなー。
ポケマスのオーキド博士のバディはミュウでしたね。
個人的にはマグカルゴが良かった……。
オーキド博士「マグカルゴーン!!お前のそれもカラカ=ゾーイ!?」