天龍ちゃんと狩娘   作:二度三度

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~前回のあらすじ~

天龍「モガ提督?木曾の姿なのに……何だ、男か。」

提督「木曾が男の性別で何が悪いんだ!俺は男だよ!」ボコー

天龍「エンブッツ!」

提督「こういう奴は生かしておいちゃいけないって、みんなには分かるハズだ!」ドゴー

天龍「ヤブルク!」





天龍ちゃんと一泊二日の旅3

 

 

 

 

 

モガ鎮守府にて木曾とそっくりの提督に出会った天龍、しかしこの出会いにより天龍はふとあることを思い出す。

 

「んー?そういや木曾に斧って、この組み合わせどっかで見たことあるぞ?それも割と最近。」

 

「アタシ知ってる、それテレビで見たんでしょ?」

 

ふとこぼした呟きなのに、すぐさま北上に特定された。

 

「そうそうテレビだ、テレビで見たんだ。えっと、確か番組名は……。」

 

「風翔剣士クロス・ダオラ!」

 

またしても北上に特定される。すげぇな、お前エスパーか?

 

「それだそれそれ……って何でオレがクロス・ダオラを見ていることを北上が知ってんだ?ひょっとしてお前も見てるのか?」

 

「まーね。ここの鎮守府じゃ、アタシだけじゃなく全員の狩娘が見てるよ。」

 

北上の発言に再びうんうんと頷く多摩と大井。

鎮守府全員で見てるなんていいな、大井とかそういうのに興味なさそうなのに以外だなぁ。

オレんとこだと龍田は付き合ってくれねぇんだもん。

大体電と雷と長門とオレの四人で談話室のでかいソファーに座って見るんだが、たまに電や雷がオレの膝の上に座ろうとして長門が暴走するんだぜ。テレビくらい大人しく見せてくれねーもんかな?

後は一部の連装砲ちゃんやジョニーとスミスが見にくるんだが、果たしてタコとイカにテレビが分かんのかね?

 

「あの場組面白いもんな!それに主役のコモンドの太刀捌き、これがまたスゲーカッコいいんだ!聞いた話によれば、あの番組の殺陣シーンはほとんど無編集なんだろ?つまり実際に出来る動きってことだ。だからオレも暇なときはあの動きを真似しながら太刀の練習をしてるんだぜ?いくぜ!狩技・風翔雷撃気刃斬……って感じでな。」

 

「テレビの真似をするなんて子供だねー。」

 

「悪いことは言わん、アイツの動きの真似だけはやめとけ。お前じゃ体壊すぞ。」

 

コモンドの凄さを熱く語るが、北上には呆れられ、提督には釘を刺された。

子供って言うなよ、ごっこ遊びじゃなくて本気でやってんだって!

 

「それで天龍が思い出そうとしてるのって、剣斧のウェポンである爆砕のフルブラキでしょ?」

 

「それだ、自称記憶喪失の少女エクス!!コモンドにネオウェポンズの被害者のフリして近付いて、コモンドの行く先々で爆破テロを起こしたネオウェポンズの刺客!そんでコモンドとの直接対決で武器のエネルギー管理ミスで負けそうになるけど、自爆することで無理矢理拘束から抜け出して敗走した、卑怯で無様なキャラ!そいつのことを思い出したんだ!」

 

「うん。それねー、演じたのアタシ達の提督。」

 

「え……?」

 

思わず首を動かすと、そこには腕組みをしながら舌打ちをする提督の姿があった。

 

「卑怯で無様なキャラで悪かったな。」

 

「すいませんでしたーーーっ!!!」

 

本日二度目の土下座である。

本人の演じたキャラを本人の目の前で貶してしまったァ!

 

「まぁ、いいけどよ。悪役だし、実際そういうキャラだったしな。だけどこれだけは言わせてもらう、ありゃお芝居だ。本当の俺は卑怯な手なんか絶対に使わないし、スラッシュゲージの管理ミスなんて死んでもありえねぇ。」

 

「アッハイ。」

 

「総合戦闘力では流石にメゼ……コモンド役のアクターには勝てねぇが、スラアクの腕前だけならカリュード諸島で俺の右に出るヤツなんていないぜ。これは自惚れでも勘違いでも何でもない、純然たる事実だ!」

 

どうやらスラッシュアックスの腕前に相当の自信があるようである。

以前にカリュード諸島の提督は基本的に狩娘と同等かそれ以上に強いって話を聞いたけど、その中でも最強を名乗るってどれだけ強いんだ?

そして総合戦闘力でこのモガ鎮守府を上回るコモンド役、一体何者なんだ?

 

「あれ?でもエクスって作中では女の子だったと思うんだけど……。」

 

清楚な白のワンピースを着た美少女で、その儚げな雰囲気と言動でコモンドを騙したシーンは今でも覚えてる。

正体がバレると豹変して口が悪くなるのもお約束。

とはいえ外見が木曾だから、丁寧な口調より乱暴な口調の方が違和感がなかったけどな。

 

「うん、作中のエクスは間違いなく女の子だよ~。それで演じた提督は男性だけどこの見た目だからね。特にメイクすることもなく、そのまま女の子役として出たんだよ。あの時の提督可愛かったなぁ~。」

 

「マジで!?」

 

あっけらかんと語る北上。

ここまで言われても未だに男性の提督じゃなくて本物の女性の木曾が演じていたとしか思えない、そのくらい女の子ムーブしてた。

でも考えてみれば、当時エクスってどう見ても木曾なのに胸が無いよなーって思いながら番組見てたの思い出したな。

つまりあの時点で気付こうと思えば気付けたのか……。

 

「役でやってただけだ、好きで女装してたワケじゃない……。この外見で男性役っていうのは流石に無理があるって言われたからな。」

 

またしても不機嫌そうに腕組みしつつ語る提督。

女装は不服のようだけど女性の演技に全く違和感がなかった辺り、役作りには真剣なんだな……。

 

「それにフルブラキの鎧は男性用のデザインのものを用意してもらったからな。」

 

「えっ、アレって男性用と女性用があんの!?」

 

作中でエクスが対決時に変身したのは、青く艶めく石で作られたトゲトゲのカブトムシみたいな外見のフルフェイスの全身鎧だ。

あれ男性用だったのか……。

 

「あぁ、あるぞ。女性用のデザインは胸元と背中が大きく空いた青い石製のドレスみたいな外見のヤツだが、そんな格好じゃクロス・ダオラとの戦いが映えないからな。だから男性用のフルフェイスの全身鎧になったのさ。」

 

衝撃の事実である。

もしかしたらクロス・ダオラとドレス姿で戦う提督が見られたのかもしれないのか……。

 

「提督のドレス姿、見たかったなー。絶対可愛いのに……。」

 

「同感です。」

 

「にゃあ……。」

 

「お前らな……。」

 

 

 

 

 

しかしこの提督若い見た目してるよなぁ~。

オレんとこの提督は何歳か知らないけど、どう見てもオッサンだろ?(※彼は35歳です。)

そんでこの前教えてもらったバルバレの提督は大体20歳前後か。

20代でも若いのに、この提督は外見が外見だから20歳にすら達していないように見える。

実際のところ何歳なんだろう?

ひょっとして老けない体質で、実際は30代だったりして?

ちょっと聞いてみるか。

 

「あのさー、提督ってお幾つ?」

 

「会ったばかりの相手に年齢を聞かれたのは初めてだな。まぁいいか、別に隠しているワケじゃないし、教えて困ることでもないしな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は17だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ?今なんて???」

 

「だから俺の年齢は17だって言ったんだ。」

 

「へー、17ねー。ふーん………………ぇぇぇぇぇええええええええええ!!!???

 

「うるせぇ!?いきなり大声だすな!」

 

「いやだって今17って!?」

 

「何だ、俺が17で不都合でもあるのか?」

 

17歳というと高校3年生から大学1年生辺りの年齢である。

その年齢で提督という立場を任されて、しかも最強の実力とかどんだけエリートなのさ……。

 

「俺の若さに驚いているみたいだが、カリュード諸島じゃそんなに珍しいことじゃないぞ?アタリハンテイ力学に適用出来る人材は貴重だからな。年齢問わず雇用されるのさ。そして力学に適用出来る人間は基本的に常人どころか狩娘よりも強くなる傾向にある。俺はその中でも特に強くなった、それだけさ。」

 

そういやバルバレ鎮守府には一度、ガキンチョが提督として派遣されてきたんだっけ?

それにバルバレの現提督は、特に鍛えもせずに丸腰で超巨大深海棲艦と戦ったんだよな……。

改めて提督の異常さを思い知らされるな。

 

「……つーか、提督は北上とマジモンのケッコンしてんだろ!?その若さで!どれだけ肉食系なんだ!?」

 

「あー、そのことか。それはだな……。」

 

一度はその若さに納得しそうになるものの、この提督が既婚者であることを思い出し、思わずビシッと指差ししながら問い詰める。

日本の法律でも17歳での婚姻は駄目だったろ、カリュード諸島は治外法権なのか!?

提督もそのことについては話しにくいのか、気まずそうに目を逸らしながら頬を指で掻く。

この仕草とほんのり朱に染まった顔を見ると、やっぱり女性にしか見えない。

 

「そりゃアタシから申し込んだんだよ。」

 

そんな困った様子の提督を助けるかのように、左手を揚げながらこれまた気だるげな雰囲気でそう発言したのは北上。

恥ずかしがる様子もなければ、誇る様子もないその姿は見ての通り平常運転である。

 

「は?お前から?」

 

「うん。そりゃこんな素敵な人が身近にいたら迷わずケッコンするでしょ?」

 

同意を求めてくる北上だが、あいにくオレにはその考え方はよく分からん。

 

「アタシってさ初期艦で秘書艦だから提督との付き合いも長けりゃ距離も近いし、何より見た目が木曾そっくりで絡みやすいから常日頃からベタベタしてたんだよ。そしたら『こりゃこの人とケッコンするしかねぇ!』って本能が言い始めたから、それに従ってガンガンアプローチしたんだ………………会って三日目くらいで。」

 

三日ァ!?そんなの口が裂けても付き合いが長いとは言えねぇだろ。

 

「それで俺が根負けしてケッコンを受け入れたんだ……。」

 

「またまたー、そんなこと言っちゃって本当は提督だってアタシのこと好きなくせにー。」

 

「ぐっ、そもそも嫌いなヤツとケッコンなんかしない!」

 

ニヤつきながら肘で軽く提督をつつく北上と、それに照れる提督。

はいはい、ごちそーさまでした。

何で年齢の話をしただけで、惚気話を聞かされるハメになっているんだろう?

 

「それと提督がこの若さでケッコンしたことが気になってるみたいだけど、したのはケッコンであって結婚じゃないからねー。アタシも結婚したかったけどそれは無理みたいだし、さっきも言った通りここカリュード諸島じゃ結婚自体が出来ないからねぇ。まぁとにかくここじゃ年齢なんてあってないようなもんだよ。」

 

結婚とケッコン、分かるような分からんような……。

つまり本物の結婚が出来ないから、事実上の結婚であるケッコンで妥協したってことか?

うーん、我ながら自分で何言ってるのか分からんな。というか口に出したら同じじゃん、文章じゃないと伝わんねーぞコレ。

 

「もう俺についての話はいいだろう!?お前の目的は研修であって俺の身辺調査じゃないハズだ!」

 

恥ずかしくなってきたのか、話を切り上げようとする提督。

とはいえその通りである、気になることが多過ぎて目的から脱線してた。

 

「そう言われてもよぉ、本来の目的である研修に入れてないんだけど。待ってるだけってヒマじゃん。」

 

肝心の球磨と木曾は未だに来ない、バックレたか?

 

「そうでもないよ、噂をすれば影だね。木曾が戻って来たよ。」

 

そういう北上の声と同時に、オレの耳にもこちらへと近付いて来る足音が聞こえてきた。

 

ズシッ……ズシッ……。

 

やっとって感じだな。何か足音がおかしい気もするけど、多分気のせいだろ。

そういやここの鎮守府にはマジモンの木曾と、木曾みたいな提督がいるのか。ややこしいな。

とにかく結構待たされたんだ、これは文句の一つや二つくらい言っても許されるだろ。

 

「よう、お前が木曾か。散々待たせやがってよぉ、オイ。遅くなったワケでもあんのか?」

 

敢えて今の私は不機嫌ですアピールをしながら振り返ったオレの目に飛び込んできたもの、それは……。

 

「グルルルル……。」

 

「ゑ?」

 

 

 

 

 

 /|_________ _ _

〈  To BE CONTINUED…//// |   (例の音楽)

 \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ ~  ̄

 

 

 

 

 








おまけ:北上さんの装備

武器:ムーファイア
頭:スカラーベレー
胴:スカラーベスト
腕:スカラーカフス
腰:スカラーフリル
脚:スカラーサンダル
護石:城塞の護石
スキル:回避性能+1、ブレ抑制+1、 砲術師

ご存じアイシャちゃんことMH3シリーズのギルドガールズの制服。
北上さんは徹甲榴弾をブッパしたり、睡眠弾で深海棲艦を眠らせてから大タル魚雷で爆破する戦法がお好み。雷巡特有の爆殺特化である。
武器も防具もスキルも全然戦法と噛み合ってないと言ってはいけない。





多摩ちゃんの装備

武器:ねこ?ぱんち
頭:どんぐりヘルム
胴:どんぐりメイル
腕:球磨アーム
腰:球磨フォールド
脚:球磨ブーツ
護石:騎士の護石
スキル:オトモへの采配、ボマー

球磨型の次女多摩ちゃんの装備。本人曰く猫じゃないが、その割にアイルー関連のものを多く装備している。
この世界にはアイルーもメラルーもいないが、そこは気にしてはいけない。
ちなみにどんぐりシリーズは頭部と胴体しか防具が存在しない上に、その隙間を埋めるように残りの部位に球磨シリーズを装備しており、何より装備同士に全くシナジーがないのでロクにスキルが発動していない。
見た目を優先した故の弊害である。





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