モンハンストーリーズに登場するシモーヌ隊長、彼女を初めて見たとき普通に男だと思いました。
だっておっぱ……この書き込みはロックラックの狩娘により削除されました。
シュッとしたスレンダーなスタイルに、皮肉気にも見える鋭い目付きのお陰でイケメン風の男性だと勘違いしました。(棒)
『パオォォォオオオォォォォォ!!!』
「うっ!?」
魚雷で大打撃を受けたソ級だが、ダメージを感じさせない力強い咆哮を上げた。
大型深海棲艦の放つ咆哮は恐怖という生命にとって抗いようのない本能を刺激する。
熟練の狩娘ですら対抗策無しではその恐怖に打ち勝つことは不可能であり、当然そんなものを真正面から浴びせられた天龍達は身動き一つ出来ない。
その隙を見逃さずソ級は海中へ潜っていってしまった。
「おい、どうすんだ?海の中に逃げられたぞ。」
天龍は足元を見ながら焦った声を出す。
モガの海は非常に澄んでおり、天龍の足元の海中に身を潜めるソ級の姿は丸見えだ。
しかし見えていてもこれでは手の出しようがない。
狩娘は艦娘ではないので艤装は持っておらず、ましてや今回集まった狩娘は全員近接武器装備である。
大タル魚雷は名前こそ魚雷だが実際は火薬が詰まっただけのタルであり、当然迫撃砲なんて気の利いたものも存在しない。
つまり水中の相手に水上から攻撃をお見舞いする方法を今の天龍達は持っていないということである。
狩人の使っていた武器と同様のものを装備している狩娘に対潜戦など無理な話であった。
「そんなの考えるまでも無いクマ。相手が潜ったのならこっちも潜ればいいクマ、簡単なことクマ!」
「え?潜る?オレが?」
困惑の表情を見せる天龍に対し、当然と言わんばかりに頷く球磨。
「いやいやいや、ちょっと待て。オレ軽巡!潜水艦じゃねぇぞ!?」
「そのくらい知ってるクマ、球磨だって同じ軽巡クマ。」
「だったらお前も分かるだろ!?船は海には潜れねぇんだ、無茶言うな!船が沈むのは沈没したときだけなんだよ!」
「ひょっとして天龍ってカナヅチクマ?」
「バカにすんな、泳げるわ!!」
「なら問題ないクマ。球磨達は艦娘じゃなくて狩娘、艦娘の常識は通用しないクマ!」
「そうは言っても着衣水泳だぜ?着衣水泳って難しいんだぞ!しかも武器を抱えてる!それに武器はただ持ってりゃいいワケじゃない、泳ぎながら振り回して戦わなきゃならねぇ!んなの出来るか!第一素潜りでそんなに長く息が続くもんかよ、無理だ!溺れちまうぜ!」
長々と続く天龍と球磨の口論。
しかし天龍の煮え切らない態度に元練習艦として腹が立ったのか、それとも長いやりとりにイライラが募ったのか、ギリッという歯ぎしりの音と共に再びこの女の機嫌が低下する。
「さっきから黙って聞いていれば、無理とか無茶とか出来ないとか言い訳ばかり……。やってもいないのに出来ないってどうして分かるの?出来ること全部やって、それでも出来なかったときに初めて出来ないって言いなさい!無理というのは嘘吐きの言葉なのよ、つまりあんたは嘘吐きなの!!いい?ここは一般的な物理法則の常識が通用しないカリュード諸島、そして私達は艦娘の常識が通用しない狩娘よ。あんたの頭の中の常識が通用するとは思わないで!それに球磨姉さんだって出来もしないことをやれとは言わないわ!分かったらさっさとやる!いや、やれッ!!やりなさい!!!」
「わーっ!わーっ!大井は教官気質だから狩りの際につまらない不手際があると烈火の如く怒るクマ!さっきの魚雷の件で大井は既に機嫌が悪いクマ!これ以上火に油を注ぐようなマネするなクマ!この状態の大井は球磨でも怖いクマ!」
「ハ、ハヒィ!!モグリマスモグリマス!!!」
「それじゃ海に潜るワケだし、まずは準備体操から……。」
「そんな悠長なことをしている暇はないわ!さっさと潜る!」
「行くクマ!」
「ガゥ!」
「えっ?えっ?」
天龍が戸惑っている間に二人と一匹はその場でジャンプして、そのまま頭から海中にダイブしてしまった。
「マジかよ……。クッソー、やるしかねぇ!!」
一人取り残された天龍も腹をくくり、決死のダイブを敢行する。
ブクブクブクブク……。
(やってみれば意外と何ということはねぇな……。思い出してみればオレが建造されてから水中に潜るのはこれが初めてだが、思った以上に自由に泳げてるし息も続く。魚になったみてーだ。)
(なっ、だから問題ないと言ったクマ!)
ゴボッ!?(こいつ直接脳内に……!?)
(ファミチキください……じゃなくて、別に驚くことじゃないクマ。なんたって球磨達は狩娘!潜るのだって、相手の脳内に声を送るのだって朝飯前クマ!)
(いやその理屈はおかしい。)
海に潜った天龍は早速球磨達と合流するが、そこで球磨が当たり前のようにテレパシーで話しかけてきたことで驚き、口から泡を吐き出す。
お陰で酸素ゲージが少し減ったが、当の本人は気付いていない。
(そうは言っても天龍だって既に無意識のうちにやってるクマ。球磨が特別なんじゃなくて狩娘なら誰でも出来るクマ。)
(マジで!?)
(えぇ、本当よ。水中でも円滑にコミュニケーションを取るための狩娘特有の特殊技能、通称:チャット機能ね。)
(ゲーッ!?大井まで!?)
(誰でも出来るって言ったでしょ?そんなに驚かないで。当たり前だけど水中じゃ喋れない、だからこのチャット機能で周囲の狩娘と意思疎通を図るの。水中限定の能力だから今まで気付かなくても無理はないわ。)
(……待てよ?水中限定とはいえテレパシーが使えるなら水張った洗面器に顔突っ込んでチャット使えば実質携帯電話の代わりになるんじゃ?)
(誰かに聞かせるつもりないの単なる独り言でも、そのまま周囲に伝達されるからあまりくだらないことは考えない方がいいわよ?それといくら何でも洗面器やお風呂くらいで使えるワケないでしょ?常識的に考えなさい。それに電話みたいに遠くまでチャットは届かない、いいわね。)
ゴボボッ!?(き、聞かれくぁwせdrftgyふじこlp!?)
(うっせークマ、頭に直接響くんだからあんまり大声出すなクマ。そんなことよりさっきもだけど、今も口から泡を吐いたクマ。そんなに酸素を消費して息苦しくないクマ?)
(うん、ちょっとキツくなってきた。)
(それじゃ下を見るクマ。海底の岩の亀裂から気泡が出ているのが見えるクマ?)
球磨に言われて見てみれば、確かに海底からコポコポと泡が立ち昇っているのが確認出来る。
(理由は分からないけど、この海は海底から酸素が噴き出しているポイントがところどころにあるクマ。これもきっとアタリハンテイ力学の影響クマ。もし我慢出来なくなったらそこから酸素を補給するといいクマ。)
(ジョジョの逆に考えた結果かよ!?気泡から酸素を補給するなんて漫画の世界だけだって!そんなの無理!)
(は?今無理って言いました?)
(イイエ、イッテマセン…。)
またしても大井に気圧される天龍。
ちなみに天龍本人は気付いてないが、度重なる大井の剣幕により既に大井に逆らえなくなっていたがどうでもいいことである。
(それとこれは一番大事な話なんだけど、モガの海は流れが緩やかで透明度も高いクマ。何よりここ一帯は水中にもアタリハンテイ力学の影響が大きく出ているクマ。だからこうやって狩娘が潜って行動出来るクマ。あくまでモガの海だからこそ出来る話クマ。適当な海で真似して溺れても知らんクマ。)
(いやしねぇって!)
(ならいいクマ。狩娘は艦娘とは勝手が違うクマ。潜水艦の狩娘だって適当な海じゃ自由には潜れんクマ。そこんところをよーく覚えておくクマ!)
(さぁて、前置きが長くなったけどそろそろ狩りを再開するクマ。イクゾークマ!)
海底に佇むソ級目掛けてグングン潜っていく天龍達。
対するソ級は目を赤く光らせながらググッと艤装の口を大きく開き、口腔内のヒトガタが露わとなった。
ヒトガタの表情は最初に見たときとは比べ物にならない程険悪なものとなっており瞳もギラギラと輝いている、そして………………。
『プワオオオオオォォォォォンンンンン!!!!!!』
水中にいるにも関わらずビリビリと全身を震わせるような咆哮を放つヒトガタ。
その大音量は信じがたいことに艤装ではなくヒトガタの口から直接放たれていた。
(コイツ、やっぱり怒り状態になってるクマ!)
艤装の大口を開けて突進してくるソ級、その迫力はサメが襲い掛かるパニック映画さながら。
全員が突進に合わせてそれぞれ散開することで回避に成功したが、ソ級が通過したことで発生した激しい水流が発生し、流されないようにその場で踏ん張らざるを得ない。
(分かっているとは思うけど、怒り状態になったソ級はパワーもスピードも段違いよ!ましてやこっちは水中で動きが制限されている。相手のホームグラウンドで戦うワケだから普段以上に気を付けなさい!)
(だけどこれはチャンスでもあるクマ!怒り状態のソ級は肉質の柔らかい本体が剥き出しだから、そこを狙えば大ダメージを与えられるクマ!それに水中だと冷凍液の射出口が凍り付いてしまうみたいで、冷気攻撃をしてこなくなるクマ!ピンチはチャンス、攻めるクマ!)
ソ級と戦う球磨達から少し離れた場所にいる天龍は、戦わずにじっとソ級の様子を見る。
寄生行為ではない。水中戦が初めての天龍のために、敢えてソ級の動きのクセを見切れるようになるまで離れているように指示されたのだ。
ソ級は球磨の言った通り冷気を使用した遠距離攻撃は行わず、突進や噛み付きに引っ掻きといった肉弾戦中心の戦法をとっている。
その攻撃は破壊力こそあるものの全てが大振りであり、各行動の終わりごとに明確な付け入る隙があった。
(そうか、そういうことか!分かったぜ、戦い方が!)
(よし!天龍も戦えるようになったみたいだし、こっから球磨達も本気出すクマ!)
(沈みなさいっ!)
(ガウゥ!!)
ソ級の観察を終え戦場に舞い戻った天龍も攻撃に参加する。
天龍の観察のために敢えて手加減して戦っていた球磨達の攻撃も激しさを増す。
敵が3人から4人に増え、更に容赦のない本気の攻撃を繰り出されては、もはやソ級に勝ち目は無かった。
(うおぉぉぉ!気刃斬り!!)
(狩技ブレイドダンス!!)
『パオォォォ!?』
天龍と大井の連続攻撃で完全に動きの止まったソ級、そこを見逃す程球磨と木曾は愚図ではない。
(今クマ!木曾、全力ベアークロー!!)
(グルオォォ!!)
木曾の残像さえ見える鋭く素早いアッパーカットがソ級のヒトガタの顎を直撃、大きくのけぞったソ級はアッパーの勢いで高速浮上し海面まで吹き飛ばされた。
(ウソだろ?冗談みたいなパワーだ。)
(まだまだこっからクマ!これが球磨と木曾の全力クマ!!)
大型深海棲艦を海面まで吹き飛ばすアッパーの馬鹿げた威力に慄く天龍だが、このくらいでは終わらないとばかりに球磨は眩い光を放つ左手の絆石を高々と掲げた。
(ライドオン!!)
その一声と共に球磨は木曾に騎乗。
絆石の輝きはとどまるところを知らず、球磨と木曾はその光に後押しされるかのようにジェット噴射のように高速で海面へ浮上していく。
そのまま勢いよく海面から飛び出し、イルカのような大ジャンプを見せた球磨と木曾。
空を舞う一人と一匹の口には何故かピチピチと跳ねる新鮮なシャケが咥えられていた。
『パゥ!?』
「これが球磨と木曾の絆技!!シャケハントクロオオオォォォ!!!!!!」
そのまま両腕の爪を振りかざして開きっぱなしのソ級の口腔内目掛けてダイブする木曾。
顎にアッパーを受けた影響でグロッキーになっていたソ級のヒトガタは慌てて迎撃に移ろうとするもののもう遅い。
絆石の輝きが収まった後に残されたのは胸元にXの傷跡を残したソ級と、その目の前で油断なくソ級を見据える球磨と木曾。
やがてソ級は目が光を失い、呻き声一つ上げることなく静かにくずおれた。
「やったクマ、勝ったクマ!木曾、お前のお陰クマ!よくやってくれたクマ~!お前は最高のオトモンクマ~!」
「グルルル♪」
勝利の喜びを噛み締め、抱き合って喜びを分かち合う球磨と木曾。
遅れて大井と天龍も浮上する。
「ふぅ、美味しい所を盗られてしまったわ。とはいえ流石ね球磨姉さん。」
「プハァ!何だ今の!?これも狩技か?」
「ノンノン、これは絆技クマ。」
「絆技?」
「そうクマ。絆技とは乗娘とオトモンの絆が最高潮になったときだけ使える必殺技クマ!乗娘とオトモンは共に戦うことで絆が深まり、その絆を感じ取った絆石は輝きを増すクマ。絆が最大限に高まることで息の合った最高の一撃を繰り出せるクマ。だから連発は効かないけど、その代わりに威力は折り紙付きクマ!相手にもよるけど、ちょっとした深海棲艦ならイチコロクマ!」
「すげぇ……。」
「はしゃぐのもいいけどそろそろ剥ぎ取りをしたら?剥ぎ取る前にタクシーに乗りたくないでしょ?」
こうしてモガの海での狩りは成功に終わった。
大局には全く影響を及ぼさない小さな島での小さな勝利、しかしこの戦いを無意味と切って捨てるのは野暮だろう。
共に戦うことによって築かれるお互いの絆は、狩娘にとっても乗娘にとっても何ものにも代え難い素晴らしいものなのだから……。
孤島を舞台に海と陸の共震をBGMとして流しながら、戦うのはチャナガブルもどきのソ級。
ラギアクルス「訴訟も辞さない。」
おまけ:球磨ちゃんの装備
武器:青熊斧
頭:アシラヘルム
胴:アシラメイル
腕:アシラアーム
腰:アシラフォールド
脚:アシラグリーブ
護石:闘士の護石
スキル:防御力UP【中】、体力回復量UP、盗み無効
見ての通りのアシラ一式、スキル構成はMH3G仕様。
青熊斧には毒ビンが搭載されているが、毒の描写が面倒だったのでキャンセルだ。
ちなみに素材をどうやって集めたのかというと、木曾の新陳代謝で抜けた体毛や剥がれ落ちた甲殻を使用している。
装備を作成するためにアオアシラ狩りに励む球磨ちゃんなんかいなかった。いいね?
大井っちの装備
武器:居眠り加古
頭:二眼のピアス
胴:北上メイル
腕:北上アーム
腰:北上スカート
脚:北上グリーブ
護石:騎士の護石
スキル:ボマー、状態異常攻撃+1、砥石使用高速化
雷巡の適性があるからなのか、睡眠爆殺を行うためのスキルが揃った優秀な装備。
しかし武器の居眠り加古の性能は低めの属性値と安定した攻撃力と斬れ味が特徴というスケイルソードを彷彿とさせるスペックをしており、一回の狩りで1~2回眠らせられればいいところである。
二眼のピアスはMHP3にしか登場しない超絶マイナー防具。
デザインを気にしないのであれば別の2スロット頭防具を装備した方がいいという、何のために存在しているのかよく分からない装備。