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ゆうみもです

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あなたの背中

 私は初めてあったときから友奈ちゃんの背中が好きだった。

懐かしい感じで掴んでないと何処かへ行ってしまうような感覚、そんな背中をずっと見ていた。

友奈ちゃんの背中の既視感は何なのだろうとずっと疑問に思っていた。

 

 神樹様から返してもらった記憶の供物に既視感の正体はあった。

それは今は亡き友の背中だった。

今もまだ全部は思い出せてはいないけど、あの最後に見た笑顔は忘れられない。

私たちを守ってくれたあの優しい笑顔。

 

 私は一人有明浜で黄昏れる、あのときの記憶を思い出しながら。

一人で歩けるようになってからは行動範囲は広がった。

一人、砂浜を歩く、まだ許可は出ていないが走ることもできるだろう。

 

「あ」

 

 私の目の前に見慣れた背中があった。

私の好きな友奈ちゃんの背中だ。

友奈ちゃんもこっちに気づき、満面の笑顔を見せてくれる。

この笑顔も大好きだ。

 

「東郷さん、こんなところで何してるの?」

 

「私は散歩してただけよ、友奈ちゃんは?」

 

「私も」

 

 友奈ちゃんが白い歯を見せてにひひと笑う。

 

「一緒に歩こ!」

 

 私の手を取り、手を繋いだまま有明浜を歩く。

海は嫌なことも一時的に忘れさせてくれる素敵な場所だ。

友奈ちゃんと一緒に見る海はもっと特別に見えた。

 

 お互い無言のまま歩く。

その沈黙がむず痒くもあり、気持ちいい

 

「ね」

 

 友奈ちゃんが口を開く。

 

「私、東郷さんに言いたいことがあるの」

 

 こっちを向いた友奈ちゃんの顔が真剣そのもので、ドキッとしてしまう。

やっぱり私は友奈ちゃんが好きだ、背中でも、顔でもなく、

結城友奈本人に私は同性ながら異性と見ており大好きなのだ。

 

「私ね、これは言うかどうか迷ったんだけど・・・言うね」

 

 もしやあの壁を壊した件についてだろうか。

私はパニックを起こし、みんなを傷つけてしまった、あの。

しかし、友奈ちゃんは予想の斜め上を行くことを言った。

 

「大好き、東郷さん、東郷さんが欲しい」

 

 私はまたパニックを起こしそうになった。

私が欲しいそう友奈ちゃんは言った。

どどどどどういうことなのだろうか。

 

「え、ええ」

 

 私はあろうことか、困惑の言葉を出してしまった。

 

「あっ・・・ごめんね、やっぱり駄目だよね・・・ごめんね」

 

 友奈ちゃんが手を離す、そして背中を向ける。

待って、待って。

そんな言葉が頭のなかに浮かび上がるがうまく言葉にできない。

 

「あ」

 

 手をのばす、私の大好きなあの背中に。

だけど届かない、友奈ちゃんに言わなきゃ私も大好きだって。

言わなきゃ、私もあなたが欲しいって。

 

 その時私の背中が押されたように、前に進む。

ちらりと後ろを見ると昔の、いやずっと親友の笑顔が見えた。

 

「行って来い須美」

 

 親指を立てた親友が私の背中を押してくれた。

 

(ありがとう、銀)

 

 もう私の中には迷いはない。

友奈ちゃんは私が、違う形で幸せにする。

 

「友奈ちゃん!」

 

 あなたの背中に私は飛び込む。


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