DigimonX ~黄金の煌き~   作:ユヅキ

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注意この作品は2017/04/09の午前0時頃に急に思い付いた作品ですので色々雑なところがあります。


プロローグ

何もない空間が果てしなく続く『イグドラシル』そこで黄金の輝きを纏ったデジモンー電子(デジタル)生命体、デジタルモンスターの略ーは、自分の君主から呼び出されイグドラシルの奥底に来ていた。

 

そして、呼び出されたデジモンーーマグナモンは、イグドラシルに言い渡される。

 

『マグナモン、お前を呼び出したのは他でもない。お前にある任務を頼むためだ。』

「自分にですか?」

『そう、お前にはこの一帯のX抗体を持つデジモンの掃討を任せたい。』

「・・・わかりました」

 

そう返事をするとマグナモンはその場を立ち去り、ここ最近の出来事を思い返していた。

 

『プロジェクトアーク』

イグドラシルによって発達されたもので、デジタルハザードによってデジタルワールド崩壊の危機を防ぐために実行され、旧デジタルワールドを捨て、ロイヤルナイツや一部のデジモンのみ新世界へ転送された。そして、旧デジタルワールドのデジモンをデジモン削除プログラムXプログラムで消去するというものである。

 

しかし、この計画によって使用されたXプログラムにただ汚染されるデジモン達じゃなかった。Xプログラムに対応するいや、耐性を持ったデジモン達が現れたのだ。それがX抗体、X抗体を持ったデジモン達は、行き場所を求め、新世界に逃げ込んできた。そのデジモン達を掃討する為、マグナモンを初めとする13のデジモン達で構成された集団、ロイヤルナイツに命令が下った。しかし、マグナモンはここ最近、自分の行いが間違っているような気がして仕方がなかった。

 

イグドラシルは絶対、それは揺るがない、だが、しかしと考えそうになる頭を振って思考を打ち切る。

 

そして、マグナモンはイグドラシルに言い渡された地に着いた。途中、青い狼のXデジモン・・・ガルルモンXに襲われたが一瞬で終わらせた。

目的の地でマグナモンが見たのはまだ生まれたばかりの幼年期デジモン達の世話をする通常種デジモンと・・・

 

 

・・・Xデジモンの姿だった。

 

その姿にマグナモンはしばらく放心していた。何故なら今までXデジモンと通常のデジモン達が何体か集まれば直ぐに殺し合い、又はX抗体の奪い合いが始まると思っていたからだ。Xデジモンはその身にX抗体を宿していると言え、その中にはXプログラムが存在しているのだ。その為、X抗体をより強くするためにXデジモン達は、お互いのX抗体を奪い合うものだと思っていたのだが・・・

 

目の前の光景に呆然としたマグナモンは、丁度いいとばかりに疑問を晴らすべく、実際にXデジモンと真正面から向き合うことにした。そうする事で何かが判りそうな気がしたからだ。

しかし、このままの状態では、Xデジモン達の前に飛び出した瞬間に攻撃されてしまうため、マグナモンは自分の身に宿す黄金のデジメンタルとのリンクを消した。すると、みるみる黄金の輝きが消えて行き、成長期の青い小竜型デジモン、ブイモンに退化した。

 

マグナモン改め、ブイモンは念の為に自分の体を近くの小川で確認すると、デジモンの群れの中に向かって行く。

 

「すま・・・おーい!ここにいるデジモン達は?」

 

念には念を入れて、いつもよりずっと砕けた口調でXデジモン・・・ガルダモンXに尋ねると、直ぐにガルダモンXは厳しい顔つきになった。

まさか、自分がロイヤルナイツだとばれたか?攻撃してくるなら、容赦はしないと、いつでもマグナモンに進化できるように構えていたブイモンだったが、それは杞憂に終わる。

何故なら、ガルダモンXはブイモンを見た後、、周りを見回し、辺りに何もいないことを確認すると、

 

「大丈夫かい?!よくここまでこれたね!偉いよ坊や!」

 

と、ブイモンを腕に抱えて喜びだしたからだ。その反応は予想外だったブイモンは、思わず変な声が出そうになるが、いくらなんでも、マグナモンとしてのプライドが許さず、ぐっとこらえる。

周りを見てみると、通常種デジモン達だけでなく、Xデジモン達も無邪気に声を上げ、両手を上げて喜んでる。

 

「いっ・・・何がそんなにうれしいんだ?」

 

一瞬、素の口調で一体と言おうとしたが、直ぐに言い直す。

 

「あれま?坊やは知らないのかい?ここら辺には血も涙もない恐ろしいXデジモンのガルルモンがいるって」

 

ガルダモンXは子供に怖い話をする様な声のトーンで語るが、ブイモンは既に襲われて消滅させた後だなんて口が裂けても言えないな・・・と心の中で苦笑した。

 

「へ、へぇ~。おっ、襲われなくて良かった~」

「そうだろそうだろ!そうだ!あんたここで何してたんだ?」

 

ガルダモンXに尋ねられて、少し返答に困った挙句、プライドを捨てて迷子と説明した。

それに対してガルダモンXは、大変だったね。と、頭を撫でてきた。余りの恥ずかしさに手を払ったブイモンだが、それに対してガルダモンXは怒った素振りを少しも見せず、行くとこ無いならここで皆と暮らしな。と言ってきた。一応形だけは頷いておき、ブイモンはこれからどうするか考えていた。

 

ハッキリ言って上手く行き過ぎなのである。最初は怪しまれると思っていたブイモンだったが何も疑われずにすんなりと事が済んだからだ。

ブイモンはそのことを怪しんでいると、隣のサーバーで激しい爆発が起きた。その音にブイモンは聞き覚えがあった。同じロイヤルナイツのオメガモン。その右腕から放たれるキャノン砲だ。そう言えば、朝にアンドロモンからXデジモンが会合を開く為に○○サーバーに呼び出したと通報があったなと思い出す。

 

すると、先程まで騒がしかったガルダモンXが静かな事に気付き、顔を見てみると、まるで半身を失ったかのように顔面を蒼白にさせ、今にも泣き出しそうだ。

近くにいたエレキモンに理由を尋ねると、どうやらガルダモンXの双子の様なものとして一緒に育ってきたガルダモンXが今爆発が起きたサーバーへ、行っていたそうだ。

 

しかし、ガルダモンXは幼年期デジモン達を不安にしない為か、取り繕った笑顔を見せる。

その笑顔はひどく歪で、幼年期デジモン達以外のデジモン達は皆顔を曇らせた。

そんな時だ。隣のサーバーから逃げて来たのだろう。Xデジモン達が大量にこちらに向かってきた。

 

Xデジモン達は皆必至だ。必至でオメガモンと言う死から逃れて来たのだ。だからなのだろう、ここにいるXデジモン達を倒して、X抗体を奪おうとするのは半端仕方ないのかもしれない。様々な死から逃れたいのだ。(オメガモン)からも(Xプログラム)からも。

 

さて、と、ブイモンはどうするかを見極めることにした。ここでXデジモン達が己の保身のためだけに通常種デジモン達を見捨てて逃げるのならば身に秘めた力を開放し、Xデジモンにかかわったもの事、ここら一帯を焼き払わなけれなば行けない。

しかし、そんなブイモンの心中とは真逆に、Xデジモン達は通常種デジモン達に逃げるようにと伝えると、真っ向からXデジモン達に向かって行った。

 

その姿にブイモンは驚愕した。数の差が何10倍もあるのに向かって行ったからだ。はっきり言って無謀なのだ。

通常種デジモン達も、泣きながら応援している。何故?と言いたくなる。それは彼がXデジモンと通常種デジモンは絶対に相いれない存在、水と油の様なものと考えていたからだ。

 

だが、現実は残酷なものだ。立ち向かていったXデジモン達は次々と(デリート)されていく。それはガルダモンXも例外ではない。ブイモンの目の前にボロボロのガルダモンXが落ちてくる。その雄々しい翼は根元から焼き尽き、もう飛べないことを如実に表していた。

 

「・・・何故だ?まだ、飛べば逃げられたかもしれないだろ!」

 

ブイモンは怒りからか素の口調でガルダモンXに質問を投げかける。それにガルダモンXは微笑むと、

 

「もし、あのままだったらどの道Xプログラムによって死んでいたでしょう」

「なら!「でも!」?!」

「少しでもあの子たちが逃げれたなら、時間稼ぎになったなら。それでいい」

「!?」

 

ブイモンは分からなかった。今までのXデジモンとは違うからだ。必死に生きようとするのではなく、必死に次の世代に命を繋ごうとしている。その姿にブイモンは思い出せないほど昔の誰かの面影を思い出し、その誰かと、ガルダモンXが重なった。

 

「ブイモン・・・」

「!?・・・なに・・・なんだ?」

 

最初は取り繕って話そうとしたブイモンだったが、それは止めにして、素の口調で答える。

そんなブイモンにガルダモンXは驚きもせず、自分の胸元に手を置くと、光の玉・・・X抗体を取り出してきた。

 

「これは・・・?」

「あんたまだX抗体を持っていないでしょう?コレ上げる。だからというわけじゃないけど・・・」

 

あの子たちをお願いね。そう言い残すと光の粒子となってガルダモンXは消えた。

ブイモンは残されたX抗体を握りしめると、自分の中に取り込む、すると、心が何かに包み込まれたように温かくなった。

しばらくその温かさに浸った後、辺りにいる気配を探った。何個かの気配はもうすでに消えている。だが、その中でまだ一つだけ自分が知っているまだ幼年期のデジモンの気配が感じ取れた。しかし、その気配の他に別の気配が2つ、追いかける様にして後ろに感じる。

 

ブイモンは直ぐ様判断し、行動に移す。

成長期とは思えないほどの速度で気配の下に向かって行く。しかし、あちらも移動しているため、中々追いつけない。更に、こんな時に限ってXデジモンに捕まってしまい、時間を取られてしまう。

 

「お前のX抗体をよこせぇえぇええ!」

「貴様らにくれてやる物など無い!!即刻消え去れ!」

「「よこせぇえぇええ!」」

 

2体同時に迫ってくるXデジモン。その2体の間を縫うように潜り抜けると、気配の下に急ぐ。

気配が近くなるにつれ、ブイモンは自分が何をしているかを考え、先月までの()()が見たら怒鳴られそうだな・・・でも、ロイヤルナイツに入ったばっかりのオレには褒められそうだな・・・と考え、自嘲気味に笑ったブイモンは、3つの気配に向かって飛び込んだ。

いきなり現れたブイモンに3体は驚くが、それを気にせずに幼年期デジモン・・・コロモンの下に行く。

 

「大丈夫か?」

「あぅう」

「?そうか、まだ上手く喋れないのか」

 

コロモンは涙目で何かを必死に伝えて来る。しかし、まだ上手く喋れないのか意味をなさない言葉だけが漏れる。

ブイモンはそんなコロモンに笑顔を向けると、頭の上に乗せて上げた。

 

「お、お前ぇぇえ!俺たちを無視するとは良い度胸だな!」

「今直ぐデリートして、吸収(ロード)してやる!」

「黙れ、オレは貴様らに発言を許可した覚えは無いぞ?」

「「っ!?」」

 

ブイモンから放たれた殺気に2体のXデジモン・・・メタルティラノモンXとライノモンXは怯んだ。

しかし、そんな3体を尻目にコロモンはブイモンの耳と耳の間にはまっており、それが落ち着いたら気に入ったのかご機嫌そうだ。

 

一度は怯んだメタルティラノモンXとライノモンXだったが、気を取り直して飛びかかって来る。

ブイモンはライノモンXの突進をジャンプして避けると、 そのままライノモンXを踏みつけメタルティラノモンXさえも飛び越し地面に着地する。

 

そして、飛び退くようにして距離を開けると、コロモンに耳打ちをする。

 

「コロモン、しばらく目を塞いでいてくれるか?」

「あうあ!」

「よしよし、良い子だ」

 

任せろとでも言っているのか自慢気に胸?を張っているコロモンの頭を撫でると、ブイモンは直ぐ様内に秘めた黄金のデジメンタルとのリンクを繋げる。

 

デジメンタルアップ。ブイモンの口から小さく呟いた言葉は、次の瞬間に黄金の輝きを放つアーマーになった。

 

メタルティラノモンX達は驚愕する。いきなりブイモンが進化したからではない。命が危険なのだ生きたいと願えば進化を果たすのかもしれない。現にメタルティラノモン達もそうやって生き残って来たのだ。しかし、ブイモンはメタルティラノモンいや、全Xデジモンから嫌われている存在と言っても過言ではないマグナモンに進化したのだ。驚きもするだろう。

「ロイヤルナイツでも、なんでも、ロードしちまえばもう怖いもんなんてねぇーんだ!あのオメガモンでさえ怖くねぇ!」

 

メタルティラノモンXは自分に言い聞かせる様に怒鳴りつけると、マグナモンに自分の必殺技、左腕からレーザーを放つ。

 

しかし、マグナモンは自分の纏っている黄金の気を瞬間的に解放することによってレーザーをかき消した。

 

「どうした?オレをロードするんじゃなかったのか?」

「クソッタレ!だったらこれでもう終わりだ!」

「オイラも!!」

 

メタルティラノモンXは右手からミサイルを、ライノモンXは鎧に付いた宝玉からバリアーを発生させ、突撃した。

マグナモンは最初にエクストリーム・ジハードで焼き尽くそうとしたが頭の上のコロモンがあう〜と、殺さないで〜と言っている気がして、大丈夫と呟き。

メタルティラノモンXのミサイルを鎧の隙間から小さなプラズマ弾を数発発射し撃ち落とす。

ライノモンXの突進はいくらロイヤルナイツの守りの要と言えど自分と同じクロンデジゾイドでできた鎧で突進されたら一溜まりも無い。なので、地面に腕を突き刺し、気合を入れて()()()()()

 

「なんだと!」

「ふん!」「あうん!」

「「オワァァ?!」」

 

マグナモンは上げた地盤を両手で持って、掛け声と共に空の彼方に投げ飛ばす。

コロモンはそんなメタルティラノモンX達を見て勝った!プロローグ完!と言った風にドヤ顔を披露する。それを見たマグナモンは

 

「コラ!お前途中から目開けてたろ!」

「あう〜」

 

注意をした。

いくらなんでもまだ幼い子に戦闘は良くない。だからこそ、目を閉じておくようにと言ってから戦闘を始めた訳で・・・。

 

「まぁー、お前のお陰で助かったよ」

「う〜」

 

頭の上のコロモンにお礼を言った瞬間に、殺気を感じて黄金の気をマグナモンは解放した。

頭上で何かが爆発し、すぐさま臨戦態勢に入った。

 

「マグナモン、貴様何をしている?」

「ちッ、なんだよスレイプモン」

 

マグナモンにスレイプモンと呼ばれた獣型のシルエットにレッドデジゾイドと呼ばれる鉱石を使った深紅の鎧を纏ったデジモンは、6本もの足で一瞬にしてマグナモンの背後に回り込むと、左手の聖弩をマグナモンの背中に当てる。

 

「やめろ、そんなものでオレに傷をつけることはできない」

「だろうな、だが、お前の頭にいる奴は無事では済まんだろう?」

「っ!・・・わかった、抵抗しない」

「君が賢くて助かったよ」

 

マグナモンは、デジメンタルとのリンクを解き、ブイモンの姿に戻る。

スレイプモンはそんなブイモンをみて、自分の前足で蹴りつける。その拍子にコロモンはブイモンの頭から地面に落ちた。

 

ブイモンはコロモンの下に向かおうとするが、目の前に現れたスレイプモンによって阻まれた。

 

「ブイモン、そんなにこいつが大事か?」

「・・・頼む、オレはどうなってもいいからその子を見逃してくれ・・・」

「?!」

 

ブイモンは頭を地面にこすりつける様にしてつけると、土下座をした。

その光景にスレイプモンは驚愕した、ロイヤルナイツ1、プライドが高いマグナモンが他者の為に土下座をするとは思わなかったからだ。

そんな時、ロイヤルナイツの全員に招集が下った。

スレイプモンは嫌々ながらもそれに従うべくイグドラシルえと続くゲートを開いた。ブイモンに必ず来いと告げると、スレイプモンは消えた。

 

ブイモンは、コロモンの方を向くと、お別れを言った。ここで逃げれば、反逆者としてロイヤルナイツ全員から狙われることとなるだろう。勿論彼は腐ってもロイヤルナイツ、1人だけなら逃げ切ることも可能だろう。しかし、コロモンは別だ、もしコロモンが狙われたらなす術もなくやられてしまうだろう。ならば、危険もあるがまだこちらの世界に残したほうが安全だと考え、コロモンの頭を一撫ですると、昔使っていたデジメンタルをガルダモンXに貰ったX抗体ごとコロモンのデジコアに埋め込んだ。

 

「必ず・・・帰るから。・・・またな」

「あう、うう!」

 

泣いて離れないコロモンの頭をもう一度だけ撫で、ブイモンは虚空の彼方に消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~続く?~~

 

 




最初に、あらすじで言ったようにこの作品はスランプ脱出の為に書いたものですので、更新は不定期です。

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