【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

125 / 306
更新します。


0125話『第一海域、新たな仲間』

 

 

 

 

 

私はさっそく第一海域を攻略するために部隊の編成を大淀と考えていた。

それでまずは深海棲艦の補給線を絶つために補給地の確保を行うための部隊を作成したので執務室へと呼び出した。

 

第一艦隊旗艦は『那珂』。

そして『リベッチオ』。『朝潮』。『朝霜』。『初霜』。『阿賀野』。

この六名でまずは補給線を確保してもらいたいということだ。

 

「提督ー! この那珂ちゃんにお任せ! キャハ☆」

「那珂ちゃん、ご機嫌だねー。阿賀野も頑張っちゃうぞー!」

 

軽巡の二人がそれで騒いでいる。

うん、この二人を組ませるとこうなるという事は分かっていたけどまぁ仕方がない。

 

「朝潮に初霜。この二人のお守りを頼んだ」

「了解しました。朝潮、一生懸命頑張らせていただきます」

「はい。初霜にお任せください」

 

「うゆー……司令、それってあたいも含まれているのかい?」

「自覚があるならあんまり迷惑はかけるなよ?」

「わかっているけどさー……那珂ちゃんさんと一緒くたにされるのはなんか嫌だなぁ……」

「まぁまぁ。リベ達も頑張ればいいじゃん!」

 

それで執務室の中では騒ぐもの、真面目に考察しているもの、静観しているものと分かれる形になっている。

 

「さて、それではみんな。聞いてくれ。この部隊は補給線の確保を目的としているために数名は深海棲艦本体を倒す部隊ではないものもいるけど、それでもしっかりと務めてもらいたい」

「わっかりましたー!」

「それとその過程で特Ⅱ型駆逐艦の狭霧が深海棲艦に捕らわれていると聞く……よって彼女の救出も最優先で頼みたい」

「わかりました。綾波さん達のためにも狭霧さんを救出しましょう!」

 

朝潮がそう言って狭霧救出のために意欲を燃やしている。

うん、やる気は十分だな。

これなら大丈夫かな?

 

「頼んだ。それではみんな、まずはリンガ泊地に寄って一度補給を行った後に作戦を開始してくれ」

「「「了解」」」

 

それで六人は戦闘へと駆り出していった。

 

 

 

 

 

 

 

提督に大事な任務を任されたんだから那珂ちゃん、一生懸命頑張るんだからね!

普段私の性格もあってか軽く見られちゃうこともあるけど水雷戦隊魂が宿っている私がいるからにはこの任務……必ず成功させちゃうんだから!

それからリンガ泊地へと到着して現地での補給を受けた私達はさっそくとばかりに出撃を開始した。

今回は普通にボスに向かってもいいというのだけどまずは狭霧ちゃん救出を最優先でということでまずは丙作戦で挑んでいる。

二度にわたる補給路を確保するのにはそう時間はかからなかった。

そして羅針盤に新たな道が表示された。

 

「みんなー! 情報によると敵深海棲艦にはPT小鬼がいるそうだから気張っていこうね!」

「わかりました。そのための索敵と機銃装備です」

「おう! このあたいに任せておきな!」

「リベも頑張るよー!」

「お任せください!」

「阿賀野は索敵に集中しているねー!」

 

それぞれ分担役割はできているようで安心した私は、

 

「それじゃ那珂ちゃん水雷戦隊、突撃ー!」

 

それで那珂ちゃん達は出現した道へと突き進んでいった。

そして出現するPT小鬼。

久しぶりの遭遇にやっぱり不気味さがすごいんだよねー。

攻撃しても『キャハハ』と笑い声を上げているだけでとてもではないけど那珂ちゃん的には精神をやられちゃうような感じだ。

ダメダメ! そんな弱気になってちゃ!

今は那珂ちゃんが旗艦なんだからいいところを見せないとね!

 

「それじゃみんなー! 攻撃開始ー!」

「「「了解」」」

 

それで那珂ちゃんを筆頭にみんなが攻撃を開始する。

それでただでさえ当たれば紙装甲のPT小鬼は瞬く間に駆逐されていった。

さっすが那珂ちゃん達だね!

このペースなら結構いい感じに周回できるのではないかな?っと思っていた。

そして何度も倒す事計三回くらいやったくらいかな……?

海面が光りだして次々と体を形成していくのを見て、

 

「那珂ちゃんさん、これは……」

「うん、そうだね。多分そういうことなんだよね」

 

そんな会話をしている間にも体の構築が終わったのかその子は名乗りを上げる。

白い髪に大人しめな感じの女の子。その子の名前は、

 

「あの、綾波型駆逐艦の狭霧と言います。よろしくお願いしますね……」

 

そう、やっぱり狭霧ちゃんだったのだ。

こんなに早く救出できるとは思っていなかったので那珂ちゃんも嬉しい!

 

「ようこそ狭霧ちゃん、私は那珂だよ。よろしくね!」

「那珂さんですか……私、綾波姉さんのもとへと会いにいけるのでしょうか……?」

「会えるよ! 那珂ちゃんが保証するから安心して。それじゃさっそくだけど鎮守府に帰って報告をしようか」

「はい……ッ!」

 

それで狭霧ちゃんは笑顔を浮かべて私達に着いてきてくれた。

うんうん、素直な子は那珂ちゃんも嬉しいよ。

それで鎮守府に帰投して、執務室へと向かい、

 

「提督ー! 報告だよー。狭霧ちゃんを仲間にできたよ!」

 

那珂ちゃんがそう報告すると提督は一瞬の驚きとともに、

 

「よくやってくれた。それで、君が狭霧でいいんだな?」

「は、はい……綾波型駆逐艦の狭霧です。提督、よろしくお願いしますね」

「ああ、よろしく。それじゃさっそくだけど綾波達に会って来なさい。積もった話があるだろうからね」

「はい!」

 

それで狭霧ちゃんも笑みを浮かべて提督の事を認めたようだ。

その後に提督に「那珂、狭霧を綾波達の所へと案内しといてくれ」と言われたので快く引き受けた。

それで向かう道中で、

 

「……それで提督の第一印象はどうだったかな?」

「とても優しそうな感じでした。よかったです……少し不安だったから」

「うん。提督は少し特殊だから後で綾波ちゃん達に提督の事情も聞いた方がいいよ。あれで提督も今は艦娘だから」

「えっ……提督が艦娘なのですか?」

 

それで狭霧ちゃんは驚いた表情をしている。

そうだよねー。知らない子からしたら驚きだもんね。

 

「うん、そうだよ。だから時には提督自身が出撃する時もあるからもしかしたら一緒になる時もあるかもね」

「そうなのですか……」

 

そんな話をしながらも綾波ちゃんの部屋に到着して、

 

「綾波ちゃん、那珂だけどちょっといいかな?」

『はい、どうぞ』

 

それで扉が開かれて中には綾波ちゃんがいた。

こちらに振り向いてすぐに狭霧ちゃんを目にしたのだろう破顔して嬉しそうな表情で、

 

「お帰りなさい、狭霧ちゃん……」

「ただいま……綾波姉さん……」

 

それで抱きつく狭霧ちゃん。

うんうん。やっぱり姉妹っていいモノだよね。

那珂ちゃんは空気を呼んで「あとはよろしくね」と言って部屋を出ていった。

さて、これで後はボスを倒すだけだよね。

もしかしたら外されちゃうかもしれないけどその時はその時だよね。

使ってもらえるだけでも嬉しいから那珂ちゃんは満足です。

 

 

 




まずは狭霧ちゃんを仲間にしました。
次回は新ボスを倒しましょう。



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。