【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0192話『終わる秋刀魚漁』

 

 

 

 

 

今日で秋刀魚漁が終了する。

これで今年の行事がまた一つ終わった事に関して思う所もあるけど、まぁ、

 

「それなりに楽しかったよな」

「そうですね、司令官」

 

私の隣で朝潮がそう言っていた。

秋刀魚漁の任務で主に活躍していた子が朝潮だったこともあって今日は朝潮が秘書官についていた。

なにかとやっぱり優秀な子だから助かっているんだよな。

 

「司令官。今回の秋刀魚漁が終われば次の行事は秋の限定作戦になりますね」

「そうだな。でもその前に満潮の改二改装の案件もあるかな」

「そうでしたね。この朝潮、とても嬉しく思います」

 

笑みを浮かべている朝潮の姿を見て本当に喜んでいるんだなと感じる。

なんせこれで朝潮型は改二が五人目になるから喜びも一塩だろうなって。

 

「満潮はどんなふうに改二になるんだろうな……?」

「きっと私達に引けを取らないくらいの強化を為されると思います。それでも私は改二になると言うだけで嬉しくも思いますが」

「そうだな」

「まぁまだ朝雲と山雲の可能性も無きにしも非ずですが確率は低いと思いますね。この大漁旗から大本営の意思というものが感じ取れます」

 

そう言って大漁旗を見る私達。

やっぱり、みんなも感じる事なんだよな。

 

「やっぱり違和感があってしかるべきだよな」

「はい。満潮だけ改のままだなんて可哀想です」

 

それで少し怒り顔の朝潮。

私もその気持ちは分からなくもない。

どうせなら改二の姿で書いてほしかったものだもんな。

 

「まぁ、大本営への愚痴はこの辺にしておいて……今日の秋刀魚漁が終了するという事で今夜になにか新たな任務が来るかもしれないから控えておかないとな」

「大丈夫ですよ。この朝潮、どんな任務だろうと必ず司令官のお役に立ちます」

「ははは。頼もしいなほんとうに」

 

私は思わず朝潮の頭を撫でてあげる。

 

「あ、司令官。その……あんまり子ども扱いも、その……」

「ん? 嫌か……?」

「いえ、大丈夫です」

「それならよかった」

 

しばらくそれで朝潮の頭を撫でてやっていた。

朝潮も言葉ではああはいうけど気持ちよさそうにしているので嫌がっていないというのは分かるしな。

少しして、

 

「さて、それじゃこれからどうしておこうか。秋刀魚漁が終わるって事はしばらくは備蓄期間に入るわけだけど……」

「でしたらさらなるみなさんの練度の向上を図るべきではないかと思います」

「そうだな。こういう時に溜まっている資材は使わないとだもんな」

「はい!」

 

元気よく腕を上げる朝潮を見て思う。

そっかー……。もう今年も後少しなんだなと。

炬燵の準備もしないといけないしな。

今年から入った海外勢も炬燵の魔力に負けてしまうものかというある意味見ものだな。

あ、そうだ。

 

「そういえば今月のサーモン海域北方のEOをまだやっていなかったよな?」

「そうですね。ですが司令官はおそらく故意にやっていないと私は思っていたのですが……?」

「まぁそれもある。改二改装で発生する任務でまた高難易度の任務が発生すると思うから控えていたんだよな」

「やっぱりですね。最近の大本営は難しい任務ばかりを提示してきますからね」

「ああ、困ったものだ」

 

それで朝潮と一緒に溜息を吐く。

それだけまた高難易度を設定してくるのは予想してしかるべきだからな。

どこのエリアを指定されるのか今から考えていても仕方のない事だけど必ず南方海域か中部海域のどこかしらに任務は発生すると思うからな。

だからいつも駆け足で月末近くに攻略を開始していて地獄を見ていると言っても過言ではない。

 

「今から考えていてもお腹が痛くなるだけだからもっと平和的な話をしようか。今日は朝潮と他に誰かを連れて町へと視察に行こうと思っている」

「秋刀魚漁終了のお祝いみたいなものですか……?」

「そんな感じだ。町の人と協力して新鮮な秋刀魚をたくさん取れてわけだから労いに行かないとダメだろうと思うしな」

「わかりました。私もしっかりとお供しますね」

「頼んだ」

「はい、了解です」

「そして視察から帰ってきたらみんなで一気に炬燵やら暖房器具を出し始めようか」

「それはいいですね。もうそんな季節に入っていくんですね……」

 

どこか思いを滾らせている朝潮。

やっぱりもう寒いと感じていたんだろうね。

 

「朝潮も厚着の服を用意しておかないとな。朝潮に限らずみんなもそろそろ暖かい格好をしないと海に出て風邪でも引いたら大変だからな」

「わかりました。みんなにもその旨を伝えておきますね」

 

これであらかた伝える事は伝えたと思う。

 

「後は……そうだな。榛名?」

《はい、なんでしょうか提督?》

 

私と朝潮が会話をしていたためか会話に入ってこなかった榛名だけど一緒に話せないのも悲しいので会話に誘う。

 

「榛名はどう思う……? この激動の毎日を感じてみて」

《そうですね……提督がいつも一緒にいますし毎日がとても楽しく感じられています。ですから榛名的には大丈夫です》

 

榛名はそう言って元気そうに笑顔を作るんだけど、

 

「榛名さん? あんまり無理はしないでくださいね? 榛名さんだって本当ならもっと司令官のお役に立ちたいと思っているでしょうし……」

《お気遣いありがとうございます、朝潮ちゃん……》

 

それから榛名と朝潮は何口か会話をしているのであった。

うん、榛名ももっと他のみんなと会話をした方がいいと思うんだよな。

私とばかりいつも一緒にいても退屈だろうしな。

そして私はふと時計を見て、

 

「よし。それじゃ朝潮に榛名。そろそろ町の視察へと行くとするか」

「わかりました」

《はい!》

 

私はそれで少し厚着の恰好をしてもう一人誰かを見繕って町へと出かける事にした。

町の人達も秋刀魚以外にも大量に魚が取れたので結構賑わっているだろうしな。

最近の私はそんな喜んでいる人たちの顔を見るのがお気に入りになっているのかもしれないなと朝潮たちと向かいながらも思っていたのであった。

 

 

 




今日で秋刀魚漁も終わりですね。
今日はそんなに任務はこなそうですけど新たに陽炎型とかの限定秋modeがあるそうですから楽しみにしておきましょうか。



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