【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0240話『第一潜水隊、揃いました!』

 

 

 

 

伊401……こと、しおいです。

ついにしおんお姉ちゃんが来てくれたので救出してくれた提督やみんなには感謝してもしきれないよ……。

だから今日もお姉ちゃんと一緒に出歩いてるんだー。

 

「えへへー」

「どうしたんですか、しおい?」

「うん。お姉ちゃんと一緒に出歩くことが出来るだけで嬉しいんだー」

「そうですか。私も一緒出来て嬉しいわよ、しおい」

「うん!」

 

それでついつい嬉しくなってお姉ちゃんの腕に私の腕を組ませちゃうんだー。

これぞ妹の特権だよねー。

そんな事を思っていると、

 

「あー、しおんさんだ!」

「こんにちは……しおいさんにしおんさん……」

「あ、イヨさんにヒトミさん」

「イヨちゃんにヒトミちゃん!」

 

私とお姉ちゃんとでイヨちゃんとヒトミちゃんの事を呼ぶ。

でもやっぱりお姉ちゃんは礼儀正しいなー。誰にでもさん付けで呼ぶから。

そこがお姉ちゃんの魅力なんだよねー。

 

「えへへー……しおんさんが来たって事はついに第一潜水隊が揃ったって事だね!」

「そうだね、イヨちゃん……少し、嬉しいかも……」

 

それでヒトミちゃんとイヨちゃんが嬉しそうに頬を緩めている。

お姉ちゃんもそれで笑顔になっているし……。

確かにそうだったー。

私としたことがお姉ちゃんのことで頭がいっぱいになっていてこの件を忘れているなんてほんとうに抜けてるなー。

あの運河にいく予定だった第一潜水隊がこれで揃ったって事だね。

イヨちゃん、思い出させてくれてありがとう!

 

「それじゃこれからみんなでどこかにいこうよ! みんなで遊ぶのはかなり夢だったかもしれないしね」

「しおいさん、ナイスアイディア!」

「とても、いいと思います……」

「しおい、いい提案だと思うわ」

 

よし! 三人にも了承を得たのでこれからどこにいこうかなー?

鎮守府内をお散歩するのもいいよね?

四人で遊ぶならまたお姉ちゃんとは違って格別な事になりそうだしね。

 

「でも……」

 

そこでヒトミちゃんが少し表情を曇らせる。

どうしたんだろう……?

 

「ヒトミ達だけ、浮かれていてもいいのかとたまに思います……ゴーヤさんや他にもいっぱいいる潜水艦の皆さんに少し悪い気がしまして……」

「もう! 姉貴は心配性だなー。大丈夫だよ、だってただでさえゴーヤちゃん、イクちゃん、はっちゃん、イムヤちゃんのみんなは自分自身が会わせて六人もいるんだから寂しいなんて思いはしていないだろうしごーちゃんとかも今もイタリアの艦のみんなと楽しんでいるしろーちゃんもドイツ艦と楽しんでいるしね。

うちの潜水艦の子達はただでさえ数が多いんだから今更気にする事ないって……!」

「た、確かにそうだね、イヨちゃん……」

 

それで改めてヒトミちゃんはうちの艦隊の潜水艦の子達の数を思い出して汗を垂らしている。

その気持ちは分かるよー。

私も同型艦は合わせて四人もいるから他人事じゃないし。

あー、今のところはただ一人だけオンリーワンの子達は逆に羨ましいとも感じちゃうしね。

今のところでお姉ちゃんの取り合いにならないのは偏に時間割とか決めているところもあるしね。

みんなは私と思考パターンはだいたい同じだけどケッコン艦は私だけだからね、だから少し気持ちの余裕もあるしね。

いざってなれば提督のところにいけばいいしね。これぞケッコン艦の特権って奴……?

……そうだね。

 

「それじゃ今から提督のところにでもいこっか! 今の時間は任務も終わらせて残っている書類整理とかしているとおもうし」

「しおいさん、ナイスアイディア♪ それじゃさっそく行ってみよう! いざという時は夜まで付き合わせてお酒に弱い提督をべろんべろんにして食べちゃうのもありだよね! イヒヒ♪」

 

おおっと! イヨちゃんが妖艶な笑みを浮かべているね。

これは提督をガードしないとすぐに食べられちゃいそうだね。イヨちゃんはお酒飲みのグループの中でもかなり飲む方だから。

この間なんて朝まで隼鷹さんとかと酒飲み比べしていてヒトミちゃんが必死に「イヨちゃん……もう飲むのは、やめて……!」と涙目で必死に説得していたしね。あれは見ていて酷かった……。

そして案の定、

 

「……イヨちゃん……」

「ヒッ! あ、姉貴!?」

 

ヒトミちゃんがかなりの低音からの声を出してイヨちゃんを睨んでいた。

これは説教modeだね。

そんな二人の光景を見ていてお姉ちゃんが少し引きながら話しかけてきた。

 

「し、しおい……? ヒトミさんの様子がおかしいわね?」

「あー、大丈夫だよお姉ちゃん。これはいつもの事だから。お姉ちゃんもそのうち慣れるよ」

「そうなの……あまりなれるのも怖いわね……」

 

そんな感じで騒ぎながらも執務室へと向かう私達。

そして扉をノックすると中から榛名さん声の提督の声で『入っていいよ』と返ってきたので、

 

「それじゃ入ります!」

 

私達は中に入らせてもらった。

そして、

 

「おお、みんなか。見れば第一潜水隊の揃い踏みか……なかなかいいものだな。みんなが揃うのは」

「えっ? 提督も私達の編成を知っていたの?」

 

イヨちゃんがそれで驚いていた。

声には出さないけど私も驚いた。

提督も博識だねー。

あまり目立たなかった私達潜水隊の編成も知っているなんて。

 

「当然だ。この世界に来てよりいっそう勉強したからな」

《ふふふ……提督は頑張りましたからね。仮初めの提督じゃ嫌だって言っていて……》

 

榛名さんもどこか自分の事のように嬉しい表情を浮かべている。

そういえば、

 

「お姉ちゃんは提督と榛名さんの関係はもう教えてもらったの……?」

「はい、しっかりと。驚きました……提督は異世界の人だったというのは……でもいい人だというのはもう感じ取れていますから私ももう納得していますから安心してください」

「うん! 提督はとってもいい人なんだよ!」

「そうだねー。姉貴を必死になって見つけてくれたから感謝しているんだ」

「はい……それにとても気遣いがうまいですから……ヒトミも嬉しいです……」

 

私達は提督をそう言って褒める。

それに提督は顔を赤くしながらも、

 

「嬉しい事を言ってくれるな。それじゃお礼になにか奢るとしようかな?」

「「「わーい!」」」

 

それから私達は提督に間宮で甘味を奢ってもらったんだ。

やっぱり提督って優しいよね。

そう思った日でした。

 

 

 




オチは四人でオリョクルですかねー(腹黒感。



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