【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0242話『対馬の不思議探し』

 

 

 

 

対馬は自分でも思いますけど少し不思議な性格をしているんだと思うんです……。

不思議な事には敏感でなにかと鎮守府の不思議を探しているところがあるからです。

今日も対潜任務が終了したから後は一日どう過ごそうかと考えて、やっぱり解明しないといけない不思議がこの鎮守府にある事に気づきました。

それは司令のこと……。

司令は異世界の人だって聞きましたから対馬の不思議センサーにすぐに引っかかりました。

でも、なんともうしますか特に司令は何かを隠しているとかそんなそぶりは一切ないんですよね……。

自然体で対馬たちと接していると言いますか。

だから特に司令の隠し事を暴こうとかそう言うのはないですかね……?

ただ、やっぱり榛名さんの身体に入っているというのが不思議でたまりません。

これはぜひ解明したい案件です。

 

「……と言うわけで、明石さん。あなたなら色々と司令のことは知っていると思いますから教えてもらえませんか……?」

「突然来たねー。提督のなんの事を知りたいの?」

「はい。いまだに司令と榛名さんが一緒に行動出来ているのが不思議でならないんです……司令は男性で榛名さんは女性です。ですから必ずどこかでズレが生じて然るべきなんだと思うんですけど……」

「うーん……対馬ちゃんはなかなか科学とか哲学方面の方で力が発揮できそうだね。うちの艦娘のみんなはもう自然と受け入れちゃっているからそういう考えを持っている対馬ちゃんの思いは無駄にしちゃいけないと思うんだ」

「ありがとうございます」

 

うふふ……褒められました。

対馬は不思議な事があったら解明しないと気が済まない性分ですから。

 

「でも、提督と榛名さんはあれはあれでたまに喧嘩する事もあるんだよ?」

「えっ……? あんなに仲が良いのにですか……?」

「うん。二人っきりになる時とかでどちらかが少しでも話が合わないと言い争いになる事もあるとか……」

「そうなんですか……それはいい事を聞きました」

「でもね。あの二人は基本性格は温厚な方だからすぐに仲直りしちゃうんだよね」

「そうなのですか……?」

「うん。基本は提督は榛名さんの身体を借りているわけだから申し訳ない気持ちの方が上回っているし、榛名さんの方もこっちはこっちで面倒で少しでも提督と離れ離れになると不安で涙目になっちゃうもんだから」

 

驚きました。

結構なほどの共依存しているんですね、提督と榛名さんは。

 

「それに前に一日だけ二人が分離した事があったんだけどその時なんか榛名さんは酷かったよ……? 提督が他の場所に少しだけ行っている間にすでに意気消沈していたから。それだけ榛名さんの方が提督に対しての依存度は高いかな……?」

「分離した……ですか。それはどういう事情だったんですか……?」

「うん。それはケッコン指輪にも関係してくるんだけど提督と榛名さんがケッコンカッコカリした日だけ限定して二人は分離できるみたいなんだ」

「それはまた……不思議ですね」

「でしょう? それでその日はもういつも以上に二人はべったりしちゃっていたしね」

 

それで明石さんはごそごそと引き出しの中を漁っていて、取り出したのは何かの写真でしょうか……?

それを見せてもらって驚きました。

 

「司令と榛名さんが二人でキスをしていますね……」

「うん。青葉ちゃん渾身のショットなんだけどその後にすぐに次の日になった瞬間に榛名さんは消えちゃったの」

「司令の身体に戻った、という感じですか……?」

「そう言う事……だから私も提督と榛名さんが一年中分離できるように妖精さん達と話し合って今も薬を開発中なんだけどなかなかうまくいっていなくてね」

 

あははーと笑う明石さんだけど、そんなものを普通に開発しようとしている明石さんの腕が異常だと捉えるべきでしょうか……?

対馬の中でまた不思議な事が追加されました……。

 

「ま、そんなわけで提督と榛名さんは結局のところ両想いだから今の関係が保てている感じかな? 対馬ちゃんも想像してみてよ? 好きでもない相手と同じ体を共有するとかそんなの嫌でしょ……?」

「確かにそれはとっても嫌……ですね」

 

そう考えるとなるほど、今の司令と榛名さんは好き合っているから同じ体でも不満はないわけなんですね。納得しました。

一つ不思議が解明できたかもしれませんね。

まぁ、それでもまた増えるんでしょうけどね……ふふふ。

私の探求心はなくなりませんよ。

そんな事を思っている時でした。

 

「明石、ちょっといいか……?」

 

そこにひょっこりと司令が工廠の部屋へと入っていきました。

 

「あ、はい。なんでしょうか?」

「ちょっと相談したい事があるんだけどいいか?」

「わかりました! それじゃ対馬ちゃん、ちょうどいいって言うのもなんだけどお話はまた今度ね?」

「ふふ……わかりました」

「対馬は何の話を明石としていたんだ……?」

「ふふふ……提督には内緒の話ですよ」

「? そうか」

 

司令が納得しかけていた時でした。

 

《あー!?》

 

突然榛名さんが顔を出してきて顔を真っ赤にさせながら叫んでいました。

 

「ど、どうした榛名……?」

《あ、明石さん……その写真は何ですか!?》

「え? あ、やべ……」

 

それで司令も気づいたのか写真を取り上げながら、

 

「これを撮ったのは誰かなー?」

《榛名は大丈夫じゃありません!》

「い、いえー……その、青葉さんです……」

 

あっさり青葉さんが売られてしまいました。

明石さんも自分の命が大事ですからね、分かります。

 

「そうか……あとで青葉を捻らないとな」

《許せません! 断罪です!》

 

榛名さんもさすがにオコなのか普段の温厚ぶりから少し外れていますね。

まぁ仕方がないんですね……。

青葉さん、あなたの無事を祈っています。

私はそれで十字を切っておきました。

 

 

 




対馬が新規艦のなかで一番難しい子だと思うんですけど……時報もないから。
だからうちではこんな子にしてみました。



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