【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


-追記-

12/12分の更新については活動報告に詳しく事情が書いてありますのでよろしくお願いします。


0246話『レイテ沖海戦、前篇終了、冬に備えての宴』

 

 

この世界に来て三度目の大規模作戦も終わりの日を迎えた。

主に西村艦隊の悲願が達成できたことも大きくみんなして海峡夜棲姫や防空埋護姫を倒せたことに大いに喜んでいたのは記憶に新しい。

まぁ、その分海峡夜棲姫に対する複雑な思いもあったみたいだけどもうなんとか落ち着きを見せていた山城たちだった。

だからというわけでもないんだけど、

 

「それでは、また作戦終了の宴を開こうと思う。みんな、静かに聞いてくれないか?」

「「「はーい!」」」

 

宴会場でみんなが集まって私の言葉に耳を傾けてくれる。

こういうのは何度体験しても気持ちのいいものだよな。

それはともかくとして、

 

「それじゃみんな。こうしてまたみんなで無事に作戦の終了を迎えられて私も嬉しく思う。まだ来年のレイテ沖海戦、後篇の作戦に向けてより一層励んでもらいたいと思っている」

「あの……その件なんだけど、ちょっと物申してもいいかしら……?」

 

そこに朝雲が手を上げてなにかを言いたげだ。

だから発言を許した。

 

「確かに司令の指示のおかげもあって西村艦隊七人でスリガオ海峡を突破できたのは私も嬉しいんだけど……司令ってまだ山雲に謝らないといけないんじゃないかな……?」

「えー? 朝雲姉、なんのこと~?」

「山雲はもう気にしていないのか忘れちゃっているかもしれないけど司令……今回の第三艦隊での七人編成での件で一回危うく山雲を轟沈させちゃったかもしれない事態があったじゃない?」

「あぁ……その件か。それに関しては本当にすまないと思っている。うっかりと言えば軽い言葉になってしまうが出撃する時に一番後ろにいた山雲の状態をチェックし忘れて危うく大破状態のまま出撃してしまったからな……。なんとかすぐに私が追いかけて引き返したからよかったとは思うけど私もあの時は心臓が破裂するかもしれないと思ったからな……。山雲、ここで言わせてくれ、すまなかったな」

 

私は素直に朝雲の言い分を受け入れて山雲に対して頭を下げた。

すると山雲は「あははー」と笑いながら、

 

「大丈夫よ~。山雲は今もこうして生きているんだからもう気にしていないわ~。でも、朝雲姉を悲しませることだけはもうしないでね~?」

「ああ。肝に銘じておく」

「だったらもういいわ~。それと朝雲姉も山雲のために言ってくれてありがたいけどわざわざこの場で司令さんに謝らせるのは酷いと思うのー。みんなが見ているんだからー」

「あっ……そ、そうね。ごめんなさい、司令……別の機会でもよかったんだけどつい我を忘れていたわ……」

「いや、こうして謝る機会を作ってくれたことを感謝しているから朝雲も気にしないでくれ」

 

私の素直な気持ちも伝えられたのか聞いていたみんなも素直に受け入れてくれたのか、

 

「朝雲はよく言った!」とか「提督のその素直さも美徳よ」とか「これで心のもやもやもやっと晴れたねー」とか色々と言葉が飛び交っていた。

よかった、みんなに嫌われないで……。

それで私は気を取り直して、

 

「それじゃ少し変な空気になっちゃったけど、今回新たに仲間になった四人の自己紹介を改めてやろうと思う。みんな、待たせてしまってごめんな。上がってきてくれ」

「「「わかりました」」」

 

私の言葉を合図に壇上へと上がってくる佐渡、対馬、しおん、涼月の四人。

 

「最初は、そうだな。佐渡、君から行ってもらってもいいか?」

「おっ、最初は佐渡様かい? いいよー。最初をビシッと決めてやるぜ!」

 

ニシシッ!と笑みを浮かべながら佐渡がマイクを取ってみんなに向かって宣言する。

 

「あたしは択捉型海防艦三番艦の佐渡様だー! この鎮守府にはすでにえととまつがいるからあたしの性能はもう大体わかると思うけど対潜掃討で活躍するから期待してくれなー! よろしくー!」

 

そう言ってビシッと決める佐渡はカッコいいと思う。

外野の深雪から「この深雪様とキャラが被ってるぞー!」とかヤジが飛んできたり「やんちゃっ子も素晴らしいな……」という長門の囁きが聞こえてきたり。

 

「ありがとう佐渡。それじゃ次は対馬、頼んだ」

「ふふふ……わかりました」

 

対馬にマイクを渡して壇上に上がる対馬は、

 

「それでは……私は択捉型海防艦七番艦のつ・し・ま……です。よろしくお願いしますね。この鎮守府には危険がいっぱいなのかはこれからの生活で見極めさせてもらいますね、楽しみです……うふふ」

 

対馬は最後まで子供らしくない妖艶な笑みを浮かべている為に鹿島とか夕雲が戦慄の表情をしながら「あの子、侮れないわ……」と呟いていたり、他にもあまりにも子供離れしている対馬の態度に駆逐艦の子達からは「おー、大人だー」という声が複数上がっていた。

 

「あ、あはは……。対馬、ありがとう」

「いえ……司令もこれから見させてもらいますね? 不思議を探求する身としては一番の対象ですから」

「お手柔らかにな……」

「うふふ、はい」

 

やっぱり冷や汗が出そうになるな、対馬を相手にしていると。

まぁ気を取り直して、

 

「それじゃ次はしおん、君だ」

「わかりました。それではご紹介に与りました伊400こと、しおんです。妹のしおいがお世話になっているそうですがこれからは私もみなさんとお近づきになりたいですのでよろしくお願いしますね」

 

そう言ってしおんは頭を下げていた。

それに対して「しおんさーん! 今度は第一潜水隊のみんなで運河にいこうねー!」とイヨが叫んでいたり、「はっちゃん、歓迎しますね。一緒にオリョクル頑張りましょうね」と珍しくはっちゃんが勧誘していた。

 

「しおん、ありがとう。それじゃ最後を飾るのは涼月、君だ。頼んだぞ」

「わかりました。それでは最後を務めさせていただきます」

 

そういって涼月も壇上に立って、

 

「私は秋月型防空駆逐艦、その三番艦の涼月です。みなさんとこれからも海の平和を守れるように頑張りたいと思います。そして秋月姉さん達と同等に坊ノ岬組のみなさんは私の事を長い間待っていてくれたことを聞いてとても嬉しい気持ちで一杯です……。そしていつか……いつかお冬さんもこの鎮守府に来れる事を祈っています……。最後になりますがどうか、これから私の事もよろしくお願いします」

 

涼月の挨拶が終わると一番大型艦の大和が泣きながら、「涼月さん、よかったですよー……!!」と柄にもなく大声で泣いていた。それにつられてか他の坊ノ岬組のみんなも涙を流しながら涼月の着任に関して喜んでいた。

 

「よかったな、涼月。そして四人とも、これからよろしく頼む」

「了解だぜ!」

「うふふ、わかりました」

「よろしくお願いしますね」

「はい。この涼月、姉さん達に負けずに頑張らせていただきます!」

 

四人からの返事も貰えて、これで自己紹介も終わったので、

 

「それじゃみんな。まだ今回の作戦では半分しかレイテ沖海戦は終わっていないから気持ちを切り替えて次の作戦まで備えてくれ」

「「「了解!」」」

「よし、いい返事だ。それじゃ後は明日に響かないように各自飲んで食べて楽しんでくれ。さらには今夜に発表される多摩の改二も楽しみにしているぞー!」

「にゃ! 任せろにゃ!!」

 

多摩も気合のこもった返事をしてくれたので、私はグラスを持つ。

それを見てかみんなも各自でコップやグラス、瓶などを持ちながらも私の次の言葉を待っている。

焦らすのも悪いと思ったので、

 

「いくぞみんな、乾杯!」

「「「かんぱーい!!」」」

 

私のその一言を待っていたのか一斉に騒ぎ始めるみんな。

それを見ながら私は満足そうに笑みを浮かべて、

 

「それじゃ榛名。私達も楽しむとしようか」

《はい、提督》

 

榛名とともにみんなの輪の中へと入っていくのであった。

 

 

 




2017年秋の中規模(?)作戦『捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(前篇)』を参加の提督の皆さま、お疲れ様でした。
または後三時間攻略するぜ!&掘るぜ!という方は諦めずに頑張ってください。勝利を信じれば完走あるいはドロップ出来ますから。



そして多摩の改二の話は明日に書きますね。



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