【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。

今日はこんな時間にすみませんでした。
一日一回投稿は守っていますよー。


0247話『多摩の改二改装と寝坊』

 

 

 

 

 

《…………とく……》

「………ん……」

 

なんだろう……? 少し頭がぼんやりしながらもどこからか声が聞こえてくる……。

それで私は少しずつ頭に響いてくる声に耳を傾けていき、

 

《提督! もう朝の演習時間が終わっちゃいますよ! 早く起きてください!》

「えっ……?」

 

その榛名のはっきりとした声に私はすぐに覚醒をするとともに少し、いやかなり顔がさーっと青くなっていくのを感じる。

見れば目覚まし時計がかなり遠くに飛んでいる……? もしかして一回止めて遠くにやってしまった後にまた寝てしまったのか……?

 

「やばい!?」

《提督、やっと起きましたか……今日は多摩さんの改二への改装の日ですのに提督ったらなかなか起きませんでしたから……》

「すまない、すぐに着替える!」

《わかりました。急ぎましょう》

「そうだな!」

 

それで私は部屋を出る前に一回執務室にいるだろう大淀に連絡を入れる。

少しして、

 

『提督ですか? どうしたのですか? そろそろ呼びに行こうかと多摩さん達と話していたんですよ?』

「すまない、寝坊してしまった。すぐにいくからもう少し待っていてくれ」

『わかりました。でもそんなに急がなくて大丈夫ですよ。もうこちらでいつもの演習メンバーから提督だけを抜いて遂行しておきましたから』

「仕事が早くて嬉しいなー、私は思わず泣きそうだよ……」

『ですのでまずは身支度と朝食を済ませてから来てくださって結構です。それまで皆さんを引き留めておきますので』

「わかった……」

 

大淀の配慮に感謝しながらもそれで少し落ち着けたのか溜息を吐いた後に、

 

《ですが……提督がこの世界に来てからお寝坊をするなんて初めてですね》

「本当にすまなかった。昨日はみんなに明日に響かないようにって言っておいたのに私がさっそく響いていたなんて……限定作戦が終わって疲れていたんだな」

《あはは……。ですが安心しました》

「なんで?」

《提督も普通に失敗はするんだなって。今までこの世界に来てから初めてやる事がいっぱいあったのに提督は頑張って失敗しないでいましたから》

「それは、まぁ……みんなにかっこ悪いところは見せたくなかったからな。まぁ、それじゃ少し急いで朝食を食べにでも行くか」

《はい。あ、提督、髪がまだ少しだけはねていますよ。落ち着いていきましょう》

「そうだな」

 

それから少し急ぎ足で朝食を済ませて執務室へと向かった。間宮さんにも寝坊した事を驚かれたから今まで気づかないところでかなり気を張っていたんだな……。

 

 

 

 

 

「提督! 遅いにゃ!」

 

執務室に入るなり多摩に怒られてしまった。

 

「すまない」

「まぁ、反省しているようだし限定作戦明けだから許してやるにゃ……」

「クマー……それにしても提督が寝坊をするなんて珍しいクマね?」

「そうだねー。いっつも早起きしていたからねー」

「そうですね北上さん」

「まぁ、提督もやっぱり人の子だったんだな。少し安心したよ。いっつもやる事は早めに済ませていたから俺達は必要ないんじゃないかって思った事もあるからな」

 

なんか、みんなに散々な事を言われているような……。特に木曾がひどい。

 

「そんなに……私はみんなの前では肩筋張っていたイメージだったのか……?」

「まぁ、真面目だよねー。最初の頃なんかアタシ等が快適に過ごせるために色んな人に相談していたからさー。感謝しているんだよ?」

「まぁ、北上さんのいう通りです。私も、感謝していますよ?」

「珍しく大井がデレてるにゃ」

「た、多摩姉さん、そんなんじゃないです!」

「クマー」

 

そんな感じで多摩がみんなをからかい、球磨はお姉ちゃん故なのかそんなみんなを見守っている感じで無言で笑みを浮かべている。

そして、

 

「それじゃ提督。さっそく改装室に行くにゃ! もう待てないにゃ!」

 

多摩が私の手を引っ張って改装室へといこうと言っている。うん、やっぱり楽しみにしていたんだな。本当にすまない。

 

「少し待ってくれ。大淀、多摩の改装に必要な練度と改装設計図の有無は?」

「はい。多摩さんは練度は70以上で改装設計図は必要だという事です」

「それなら安心だな。多摩はもう練度90もあるからな」

「そうにゃ!」

「それじゃ改装設計図の準備を頼んでもいいか?」

「そこら辺はもう抜かりはありません。すでに準備は終えて明石に渡してきてありますから」

 

さすが大淀、出来る女は違うね。

そこに感謝しておきながらも、

 

「それじゃ改装室へと向かおうか」

「「「はーい」」」

 

それで球磨型のみんなと一緒に改装室へと向かうと明石も私の顔を見て開口一番に、

 

「聞きましたよー。提督がお寝坊をするなんて珍しいですねー」

「それはもういいよ。反省しているから」

「あはは。でも、提督が寝過ごした事はもう鎮守府中で話題になっていますから覚悟しておいてくださいね?」

「うえー……マジか」

《諦めましょうか、提督》

 

榛名に慰められながらも、

 

「それじゃさっそくだけど多摩の改装をお願いしてもいいか?」

「わかりましたー。それじゃ多摩さん、改装室に入ってください」

「わかったにゃ。楽しみだにゃ……♪」

 

多摩は笑みを浮かべながら改装室に入っていった。

それを確認してか球磨がある事を言ってきた。

 

「それにしても……情報によると多摩は雷巡にはならないそうだクマね。少し残念クマよー」

「またどうして……?」

「そうクマね。もしこれで多摩も雷巡になっていたなら球磨の雷巡化も決まっていたようなものだから雷巡で戦隊が組めると思ったクマ……」

 

それで残念がる球磨。

だから私は少し想像してみた。

ちょっと子供のイメージ感覚も取り入れてみて、

 

『球磨レッド!』

『多摩ブルー!』

『北上イエロー!』

『大井ピンク!』

『木曾グリーン!』

『『『五人そろって球磨型戦隊! 雷巡ジャー!!』』』

 

そして最後に爆発音。

 

……とか、アホな事を妄想してみた。

うん、ないな……。

 

「そうか、それは残念だったな……」

 

そんなあほな事を考えつつ球磨の頭を撫でて慰める。

 

「……提督? なんか変な事を考えなかったクマ?」

「気のせいだ」

「そうかクマ……?」

 

察しのいい球磨に少し戦慄しながらもそこで明石から「改装ボタン、どうぞー!」と言う声が聞こえてきたので私はボタンを押す。

改装室から光が漏れてきてしばらくした後に、

 

「いい感じにゃ……!」

 

そこには北方迷彩柄の服を着て少し成長していた多摩の姿があった。

それを見て球磨型のみんなから「おー!」と声があがる。

 

「多摩、改装終了にゃ!」

「いやー、かっこよくなったクマね! 胸も……うぅー、成長しているクマ……お姉ちゃんは少し悲しいクマ……」

「にゃ!? なんで悲しまれなきゃいけないにゃ!?」

 

違うんだよ多摩。きっと球磨は仲間がいなくなって悲しんでいるんだ。

球磨もいずれは改二になって成長できるといいな。

とにかく、

 

「それじゃ多摩。これからも頑張ってくれ!」

「了解にゃ!」

 

そんな感じで多摩の改装は終了したあとに少し遅れて任務などに手を付けようと考えていたのだった。

 

 

 




今日の出来事も話に加えていく方針。
まぁ、七時に起きたから寝坊でもないんですけど……。いつもなら5時から6時の間に起きて書いていますから。おのれ目覚まし……。
そして18時前に帰ってきて一時間の早業でー、な感じで書きました。
これから明日の分も書かないといけないからツラい……(自業自得)。

とにかく多摩の改装話でした。



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