【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0283話『大本営の発表を待ちきれない天龍型姉妹』

 

 

 

 

今日を持って正月の任務が終了する。

中にはやっていない提督もいるだろうけどせめて雷電だけでも取っておいて損はないと思うのは私だけではないはずだ。なにより択捉達海防艦の筆初めの家具が貰えるのは今回限定だから今回を逃したら手に入る可能性は零に等しい……。

だから、

 

「任務は適度にやっておいて損はないんだよな」

「そうですね、提督」

 

私の思いを察してくれたのか大淀も合わせるように答えてくれる。

さて、再度言うけど今日で正月の任務が終了するとともにおそらく改二関連の任務がやってくるだろうと私は思っている。

もう大本営はこんな直前でヒントは出してくれないけどもう龍田が改二になるのは分かっているから後で天龍を慰めておかないとな。

 

「今夜に大本営が発表する報告でなにかしらの改二の情報は来るだろうけど、果たして改二の予告がされている龍田と村雨は二人とも同時に改二になるのかが教えてほしいところだよな」

「二人の同時第二次改装というのは記録によれば過去に例はないのでどうなるか分かりませんね。ですが大本営は二人の事を同時にたびたび告知していましたからもしかしたら初の同時第二次改装はあるかもしれませんね」

「そうだな。だけど、扶桑と山城みたいに少しだけ期間を開けて実装ということになるかもしれないと予想している。……まぁ今夜が楽しみだという事だけだな」

「ふふふ。そうですね」

 

大淀と二人で笑いあっている時だった。

 

《ですが提督。もし二人が同時に改二になったらそれはそれで夢が広がりませんか? こういうパターンを作っておくことで今後も二人が改二になる可能性という事例が確立しますし》

 

榛名の言う通りである。

今まで一人を改二にするのがやっとという事が多かったからそれならそれで嬉しい事だし。

……そのぶん、二人分の任務があって大変そうだけどな。

 

「そうだな。まぁ今夜を待とう。話はそれからだ」

《はい、そうですね》

 

とにかく今は現在の事をやっていこうか。

それで任務表を開くんだけど、いつも通りの任務で特に変わりはなかったから「うーん……」と悩む。

大本営の発表が行われた後にでも出来る内容だしな。

それでもいくつかの出撃任務はやっておいてもいいとは思っている。

いざ大本営の発表が行われた後に任務欄を見てもやっていなくて新任務が出ていないという事が今まで多々あったからな。

 

「とりあえず出撃任務はやっておくか」

「そうですね。それでは艦隊を動かしましょうか」

 

それで無線で待機している艦隊を動かして出撃してもらう。

 

「これにて一応は様子見かな」

「そうですね。これにて―――……」

 

大淀がなにかを言おうとしている時だった。

 

『あ、あの~天龍ちゃん……待って……』

『まぁそう言うなって龍田。今夜にお前が改二になるんだから提督に顔出しをしておくのも悪くはないだろう……?』

『そうだけど~……』

 

そんな天龍と龍田のセリフが聞こえてきた。

ドアが少しだけ開いているのか丸聞こえである。

それでまた笑みを浮かべながらも、

 

「天龍に龍田。入ってきていいぞ?」

『へ!? なんでオレ達がいるってわかったんだ!?』

『天龍ちゃん、少しドアが開いているわよ~?』

『マジか! 恥ずかしいなおい!』

 

そんな声が聞こえてきた後に二人はしぶしぶと言った感じで中に入ってきた。

 

「よ、よう提督。元気か?」

「提督、ごきげんよう~」

「二人とも待ちきれなかったのか……?」

「まぁ天龍ちゃんが張り切っちゃって~」

「あっ!? 龍田、裏切ったな!? お前だってかなりそわそわしていたじゃねーか!」

「そうだったかしら~?」

 

龍田はそう言ってはぐらかそうとしているんだけど、見ている分にはとても分かりやすい。

なんでかって龍田の頭の上の円盤型の艤装がぎゅるぎゅると高速で回転しているのだから。

 

「龍田もやっぱり嬉しいんだな。頭の艤装が回転しているぞ」

「っ!? あらあら~。私としたことが……恥ずかしいわね」

 

赤く染まった頬に手を添えながらもなんとか体裁を保とうとする龍田に、天龍はいたずら心が刺激されたのか分からないがガシッと艤装を掴むと、

 

「ほーら。やっぱり嬉しいんじゃねーか龍田ー? おらおら!」

「天龍ちゃん、やーめーてー!」

 

姉妹のそんなやり取りに和んでいる私達だった。

それからしばらくしてようやく二人が落ち着いたのか、(龍田が力技で天龍を黙らしたとも)私の方へと向いてきて、

 

「それで提督。今日は本当に私が改二になるのでしょうか……?」

「おそらくな。だから覚悟だけはしておいてくれ」

「わかりました~。でも、それだと村雨ちゃんはどうなるのかしら~?」

「村雨か。それに関しては私達も話し合っていたんだ。まさかの同時に第二次改装をするんじゃないかって」

「あら。それだったら嬉しいんじゃないですか~? 今まで二人が同時に改装をするというのはなかったですから~」

「そうだな、龍田。もし本当だったら新しいパターンができるんじゃね?」

 

天龍と龍田は私達と同じ感想を漏らしていたので考える事は一緒かと納得する始末であった。

 

「私の方でも一応村雨の方に声かけをしておくけど少なくとも龍田の第二次改装だけは今日に行うだろうからそういうことでよろしくな」

「わかりました~。うふふー……今夜が楽しみね」

「龍田がどんな成長をするのか姉としては楽しみだぜ。瑞鶴みたいに身長が伸びるかもな」

「うふふー。天龍ちゃんに負けない強さを手に入れるのは確実よね~」

「うぐっ……それは、少し悔しいな。あー、オレも早く改二になりたいもんだぜ」

「いつか来るさ。だから期待はしておいてもいいんじゃないか?」

「ま、そだな」

 

そんな感じで今夜に発表されるまで私達は各自で待機をしているのであった。

本当に楽しみである。

 

 

 




果たして同時に第二次改装があるのかないのか楽しみにしながら今夜を待ちましょう。
現在の公式のアイコンが龍田ですから一人は確実でしょうけどね。




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