【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0044話『長門の第二次改装』

 

 

 

宴会から翌日になり落ち着きを見せ始めている鎮守府だったが執務室で仕事をしていた私に大淀がなにやら電文を持って入ってきた。

その表情はどこか嬉しそうで今にも笑顔が零れそうであったと思う。

 

「大淀。そんなに急いでどうした…?」

「はい。提督、とある方の改二改装の案件が大本営から言い渡されました!」

「なに!? 本当か!」

 

大淀のその報告を聞いて私も電文を大淀から受け取って読んでみた。

 

『第二次改装案件。

対象者。戦艦長門。

各提督諸君はさらなる長門の第二次改装を施行されたし。

第二次改装にはきわめて高い練度が必要である。

なおさらに改装には改装設計図が必要である』

 

電文にはそう書かれていた。

そうか…。ついに長門が改二になるんだな。

連合艦隊旗艦としては嬉しいだろう。

うちの長門は絆も結んでいるため練度に関しては問題ないだろうし。

それでそれに付随している任務も合わせて施行するために私は長門と陸奥を執務室へと呼ぶ事にした。

そこで榛名が出て来て、

 

《提督! これで艦隊がさらに強くなりますね!》

「ああ。長門が改二になったら大和並みとはいかないだろうがかなりの強化はされるだろうしな」

《はい。ですから長門さんに早く話してあげましょう》

「そうだな」

 

それで私は受話器を取って長門と陸奥の相部屋へと電話をかける。

 

『提督か? どうした、この長門になにか用があるのか?』

「ああ。お前にとってとってもいい朗報の話だと思うよ」

『ほう…それは楽しみだな。それで私だけか? 執務室に向かうのは…』

「いや、できれば陸奥も連れて来てくれ」

『わかった。それではすぐに向わせてもらうぞ』

「ああ、きっと長門が驚くことだから楽しみにしていてくれ」

『そう言われるとなにやら今すぐ聞きたいところだが…わかった。では執務室に向かわせてもらおう』

 

そう言って長門と通話を切る。

 

「ふふ。長門さん、かなり驚くでしょうね」

「そうだな、大淀。それじゃ大淀、勲章を改装設計図にする手配を頼む」

「わかりました。すぐに準備いたしますね」

 

そう言って大淀は改装設計図の準備のために執務室を出ていった。

それからしばらくして長門と陸奥が執務室へと入ってきた。

 

「提督よ。来てやったぞ」

「ふふ。提督、長門に何の用なの…?」

 

長門が普段通りの勇ましい風格を漂わせながら入ってきて、陸奥はお姉さん気質を前面に出して私にそう聞いてきた。

しかし姉妹なのにこうも性格が違うとはな。

まぁそこも二人の魅力でもあるんだけどな。

 

「ああ。大本営から電文が届いたんだけどな。長門、お前に第二次改装の話が入ってきた」

「なに!? それは本当か提督!?」

「長門、やったじゃない! おめでとう!」

 

陸奥が素直に長門の事を褒めていて長門は驚きから両手を私の机へと置いてグイッと私に顔を寄せてきた。

その表情から伺えるのは歓喜と困惑、そして嘘を吐いたら許さないと言った感じが読み取れた。

 

「ああ。その前に落ち着け長門」

「あ、ああ。そうだな…」

 

それで長門は一回大きく息を吐いて調子を整えている。

かなり嬉しかったのだろう何度も胸に手を添えて息継ぎを繰り返していた。

小声で「落ち着け…この長門、舞い上がっては艦隊に示しがつかないだろう…」とブツブツと言っている。

しばらく時間が経って、

 

「…落ち着いたか?」

「ああ。もう大丈夫だ。無様な姿を見せたな提督」

「いや、大丈夫だよ。誰だって第二次改装は嬉しいものさ。それは長門も例外じゃない」

「そうか。提督の心遣いに感謝しよう」

「うん。それじゃ早速だけど明石がいる工廠へと向かおうか。今、大淀に改装設計図を用意してもらっているから」

「なに…? 私の第二次改装に改装設計図が必要になってくるのか…?」

「うん。最近の大本営は方針が高めなんだろうけど改装設計図は必須な傾向が見られるからな」

 

それでこの世界の現在の私の鎮守府以外での最高練度の艦娘は横須賀鎮守府にいる練度90の長門という話を思い出す。

この世界ではそこまで上り詰めるのはそうとう時間をかけるんだろうけど美味い練度上げの方法を知らない節があるからな。

久保提督に話を聞いたがキス島やリランカ島、サーモン海域とかでの効率のいい練度上げを海軍学校では習わなかったという。

それで試しに柳葉大将に私の今までの積み上げてきた練度上げの方法を教えてみると、

 

『そんな方法があったのか…』

 

と、素直に驚いていたりしたから効率が悪い方法ばかりをやっているんだろうなと思った。

それはともかく、

 

「それじゃ行こうか」

「ああ」

「ええ」

 

それで工廠へと向かわせてもらうと大淀に話を聞いていたのだろう明石と大淀が待っていた。

 

「提督。待ってましたよ。それじゃ長門さん、改装設計図を持ってさっそく改装室へと入ってください」

「わかった」

 

明石に改装設計図を渡された長門は促されながら改装室へと入っていった。

そこに明石が私にある事をいってきた。

 

「提督? おそらく戦艦の第二次改装ですから大型建造以上の消費資材を要求されると思います。

ですから今後も見据えて計画的に資材を使っていってくださいね」

「わかった」

 

それでしばらくして使うであろう資材がパネルに映された。

その資材量はなるほど確かに多いと頷かせるには十分の量だった。

 

「それじゃもう後戻りはできませんよ。いいですね?」

「ああ、頼む」

「はい」

 

それで明石は改装ボタンを押した。

すると改装室から光が漏れだしてきていてしばらく経過した。

そして時間が経ち、改装室の扉が開かれた。

そこから姿が変わった長門が出てきた。

派手という訳でもないけど勇壮さはさらに磨きがかかり歴戦の風格をさらに纏っている。

試製41㎝三連装砲がその力強さを体現している。

 

「第二次改装されたこの長門…さらに提督の役に立って見せよう」

 

長門が力拳を握って笑みを浮かべた。

その笑みもとても力強い印象を受ける。

 

「長門! かっこうよくなったわね!」

 

陸奥がそれで長門へと近寄っていき抱き着いていた。

そして明石が長門へと近寄っていって、

 

「それじゃ長門さん。少し検査をしますからドッグへと向かってください」

「わかった」

 

それで長門はドッグへと向かっていった。

そして驚く結果が判明する。

火力に関しては大和達には及ばないもののアイオワと匹敵するような数値を叩きだしていた。

特に驚いたのが大発や特二式内火艇などを装備できるようになっている事だ。

 

「これから長門は陸上型深海棲艦に活用できるかもしれないな」

「そうですね」

 

それで長門が戻ってきて、明石から結果を渡されてまた驚いていた。

 

「…そうか。大発を装備できるか」

「思いつくことはあるか…?」

「おそらく私の逸話をもとにしているのだろうな。かの関東大震災で私は様々な物資を運ぶために奮闘したからな」

「なるほど…そうだったな。とにかく長門、第二次改装おめでとう」

「ああ、ありがとう提督。それで私に付随する任務もあるのだろう? 見事果たしてみせるさ」

「ああ、期待している」

 

それで私達は笑みを浮かべあった。

 

 

 




イベントが終わったと同時に長門が改二がきましたね。
練度88+改装設計図。
弾薬8800、鋼材9200必要。

かなりお高い代償でしたがそれに見合った力を手にしました。
任務内容は明日の更新で触れていこうかと。



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