僕が読みたいと思う二次創作『インフィニット・ストラトス』   作:那由他01

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 体調が回復しましたので、遅くなりましたが投稿させてもらいます。毎日楽しみにしていた方々、本当に申し訳ありません。


12:三綾重工

 三綾から自社で開発した武装の説明会を行うから、企業代表としてテストパイロットになってくれという一本の連絡があった。その連絡は高垣さんと一緒に打鉄の整備を行っていた時に入ったため、彼女の期待の眼差しに押し負けて、彼女も説明会に連れていくことになってしまった。まあ、彼女は将来的には、パイロットとしてではなく、ISを開発したりする方に進みたいと思っているのだ、こういう経験は積んでおきたいのだろう。

 三綾の黒塗りの高級車に乗っている高垣さんは終始興奮気味で、どんな武装が発表されるのだろう。三綾の武装は物凄く実用的で無骨で、それでいて信頼性が高いから本当に世界的に評価が高いんだよね、なんて、ぶつぶつと苦笑いしか見せられないような話を永遠に続けている。まあ、俺も三綾の装備は信頼性が高くて使い勝手もいい。結構気に入っている。いや、俺は三綾の所属なのだから、三綾の製品を使用するのは当たり前なのだが……。

 

「到着しました」

「送ってくれてありがとうございます」

「ありがとうございます!」

「いえいえ、では、楽しんできてください」

 

 三綾重工の東京支部。三綾重工は東京に本社を置かず、長崎に本社を置いている大企業として有名だ。だが、立地的な面において、新規に開発した武装などの発表はこの東京支部で行われている。重工から送られてきた入門許可証を高垣さんに手渡し、自分も首からぶら下げる。

 警備員さんに許可証を見せて、東京支部の門を潜る。すると多くのマスコミ陣が集まっており、国籍も幅広い。俺のことを見つけてボイスレコーダーを差し向けて、情報を得ようとしているが、話すことは何もないので、と、その場を後にする。流石に一人一人の話に耳を傾けていたら数日はかかってしまう。

 

「お、硝煙の改良版だ。何々、『硝煙ヘビー:マガジンキャッチの部分を補強し、六十発のバナナマガジンを装弾することが出来るようになった硝煙です』……これは持って帰る必要がありそうだ」

「おお、これは素晴らしい。やっぱり四十発じゃあ、頻繁にリロードを挟んじゃうからね」

 

 二十発も装弾数が増えたら弾幕も張りやすく、撃てる弾も百発増える。こういうのを開発しているなら連絡してくださいよ社長さん……。

 次のコーナーに向かうとこれまた魅力的な武装が展示されている。

 

「お、これは……『雷閃:センサーによって起爆するセンサー爆弾です。搭乗する機体とリンクすることによって、相手の機体だけに起爆します』よし、これも持って帰ろう」

「普通の爆弾にスモークもあるんだ。大会の相手は近接戦を主にした人が多いから、これも有効だねぇ」

 

 初手に数個設置して、低空で戦うように誘導したら非常に優秀な武装になる。容量も単純なものだからあまり食べない。高垣さんが言っているように、一夏と凰さんを相手にするなら、これ以上強い味方はない。俺だけ安地で戦えて、相手は地雷原、爆発物が好きというわけじゃないが、これは素直に欲しい。

 

「次は……『空閃:雷閃の浮遊型です。空中戦を主にする場合は、こちらの商品をお求めください』これもいいけど、容量が多過ぎる。これ一個でハンドガン一丁と同等だ」

「浮遊停滞にISが浮遊できる原理を搭載しているからね……ラファールだったらそれなりに装備できるだろうけど、打鉄となるとこれは見なかったことにした方がいいかな、後ろ髪を引かれるけど……」

 

 うーむ、やっぱりISは空で戦うもの、設置式よりは、浮遊式の方が引っかかってくれる可能性が高いのだが、流石にハンドガン一丁の領域を犠牲にして、これ一個を装備するのはダメだ。大会では、グレネードや硝煙の追加マガジンをハンドガンを降ろして装備する予定だし、拡張領域はギリギリまで節約だ。それでも、後ろ髪を引かれるんだよな……。

 

「お、なんかかっこいいのもある『叢雨:近接戦闘用ブレードと荷電粒子砲を組み合わせた近中距離戦闘用武装です』これいいな……って、ラファール専用かよ……」

「ラファールを採用している国が多いし、どうしても専用の武装も製造しちゃうよね」

 

 左腕に篭手のように装備する。三段階のブレード位置調整が出来、通常の剣のように振るう上段、鎌のように振り払う中段、攻撃を受け流したりする場合に使う下段といったところだろうか? 荷電粒子砲は手の甲に設置されていて、スコープなどの照準器があしらっていないので、狙いをつけるのは熟練度を必要とするな……。

 まあ、左腕には雪影を握っていないといけないからこういう武装はあまり意味を成さないんだよな。これで零落白夜が発動させられるなら、本社に頼んで打鉄用も作ってもらうんだが、それは無理な話だろう。ロマンは感じるが、リアルはロマンでどうこうできる領域じゃない。

 

「これは……アサシンブレード?『アサシンブレード:中遠距離を主体にするISに最低限の近接戦闘用装備を備えたい場合、この商品をおすすめします』なるほど、腕に装備する仕込み剣のようなものか。打鉄の武装は少ないから、すべての武装を弾かれたり壊されたりしたら終わりだよな。これを一本でも積み込んでいたら一応はエネルギーが尽きるまで戦えるわけだし、試す価値はありそうだ」

「ロマン武器に見えるけど、結構使い勝手は良さそうだね」

 

 領域も全然食べない、一本でグレネード一発分だ。これは装備しない手はない。それに、初見で俺と戦う相手なら、左手に何かしらを仕込んでいるな、なんて思うだろうが、この装備が何なのかを深く詮索することはない。瞬時加速を駆使してある意味パイルバンカーのように使用したら高いダメージを与えることの可能だ。

 

「ある程度目を通したし、これでお終い……『照準:12.7×99mmNATO弾を使用するレールライフル。高いダメージソースになるでしょう』三十発のセミオートのライフルだが、硝煙より高いダメージは与えられるよな。ある意味、セシリアみたいな相手には、こういう遠距離武器も有効かもしれない」

「あって損はないと思うな。こういう射撃武器は打鉄に不足している部分だし」

 

 よしよし、十二分な収穫は得られた。正直、一応は企業代表の地位を与えてもらっているのだが、こういう武装の詳細なデータを少しは送って……いや、IS学園は安全な場所に見えるように見えるが、学生スパイが多く入学している可能性がある。それなりに高い割合でだ。そんな条件下で企業の貴重なデータをやり取りするのは、まあ、色々と弊害があるか……。

 

「久し振りだね宮本くん」

「あ、社長さん!」

 

 久方ぶりに顔を合わせた三綾重工の社長、紺野一二三さんの顔は柔らかく、まるで孫を見るようにも見えた。俺もにこやかに笑って、握手を交わし、その後にハグを交わす。

 

「いきなり誘って済まないね。私の方も君に新規開発した武装を見せたかったんだが、学園側に情報をリークするのは危険だと踏んでね」

「その点は理解しています。お気になさらず。二三、学園の方に持っていきたい武装も見つかったことですし」

「硝煙ヘビー、雷閃、アサシンブレード辺りかな? あの辺りは三綾重工機と相性が良さそうだからね」

「お見通しですか」

 

 社長さんが高垣さんの方に視線を向けて、俺の方を数回叩く。もう可愛い子を捕まえてしまったか、色男は凄いな、なんて、苦笑いを見せた。いや、まあ、高垣さんは可愛らしい子なのだが、付き合ってもいないし、ただ、守ると決めている大切な一年三組の生徒というだけだ。いや、まあ、付き合えたら嬉しいとは思うのだが……。

 

「この機会だ、武装の実演披露もお願いしていいかね?」

「ええ」

「打鉄では使えない武装も多い、今回はラファールに乗ってもらう。三綾の方では乗ったこと無かっただろうが、基本的には同じだ。緊張しないでくれ」

「わかってますよ」

 

 

 高垣さんを引き連れて、外に出る。中庭を経由して演習場に向かう。すると三綾で何度か顔を見合わせた整備士の人達も来ていて、肩を叩いてハグを交わす。

 

「数週間で精悍な顔立ちになったな。何人か食ったか?」

「はは、食ったら三綾の株価が下落しますよ」

「おっと、それはいけない。給料が下がっちまうな」

「あらあら、かわいいお嬢さんね。彼女さん?」

「い、いえ! ただの……宮本くんのクラスメイトですけど……なれるならぁ~」

 

 整備士の二人に案内されて、赤く塗装されたラファール・リヴァイヴの前に立つ。こいつも適性試験の時にいたやつだな。おまえも応えてくれるか? 俺に……。

 ラファールは頷くように俺のことを受け入れてくれた。初めて身に纏うラファールはすぐにでも飛び立ってくれと言わんばかりに元気な印象だ。目で見ることが出来るデータは打鉄をすべての面で上回っていて、浮気したいと思わせてしまう。魔性の機体だな……。

 

「最初の武装は硝煙ヘビーだ。硝煙ヘビーは四十発マガジンも六十発マガジンも装備できるから最初に四十発、次に六十発という順番でお願いするよ」

「了解」

 

 静かに演習場に出る。すると多くの観覧者が席に座っており、ラファールを装備した俺の姿に拍手喝采の雨霰が降り注いでいる。メディアのカメラも大量に設置されていて、この画像がネットにアップされたら三綾の株価は信じられないくらい向上するだろう。やっぱり社長さんはやり手だ。

 

『まず最初に紹介したい商品は、我が社が製造開発している硝煙の発展型『硝煙ヘビー』になります。通常の四十発マガジンを延長、バナナマガジンにすることによって、装弾数を二十発向上させ、六十発になっております。値段は通常の硝煙と同額になり、発展型の硝煙と受け取ってもらって構いません』

 

 標的が打ち上げられる。照準を合わせ、通常の四十発マガジンで弾幕を張る。

 

『このように、従来の四十発のマガジンも使用することが出来、マガジンの不足も心配ありません』

 

 マガジンを交換、六十発のバナナマガジンを装填する。そして、標的が現れた瞬間にトリガーを引き続けて弾幕を展開する。

 

『制圧力の向上、継戦能力の向上、整備性はそのままにお届けします』

 

 使ってるだけでもわかる、弾幕を張りやすい。弾数が多ければ多いほど、弾幕を張れる時間は長くなる。弾幕は絶え間なく張り続けることによって、本来の威力を発揮する。

 

『続きましては、雷閃、空閃のご紹介になります。これは地用設置型、空中浮遊型のグレネードであり、機体とリンクすることによって相手にだけ起爆します』

 

 雷閃、空閃を設置し、その周りを大きく飛び回る。

 

『このように、リンクしている機体は起爆しません。では、起爆してみましょう』

 

 え、起爆させる? 何言ってるの司会者さ――!?

 刹那、雷閃と空閃が即座に起爆する。

 ラファールは即座に爆風に巻き込まれ、地面に叩きつけられる。

 

『意図的にリンクを解除して、起爆させました。威力は通常のグレネード二発分程度です』

 

 クソ……この企業頭おかしいだろ……。

 打鉄に愛着無かったら他の企業に移っちまうぞ……。

 

『続きましては、叢雨になります。こちらの商品は近接戦闘用ブレードと荷電粒子砲が組み込まれた装備になります。三段階の位置に固定することが出来、通常のブレイドとして使用する上段、鎌のように使用する中段、殴るように斬り裂く下段になります』

 

 上段で現れた標的を斬り、中段で突き刺し投げ飛ばし、瞬時加速を使用して下段で斬り裂く。

 

『正直な話をさせてもらえれば、上段と中段で十分なのですが、開発部が下段もロマンで取り入れたいと言い出して、下段も装備されています。上段と中段だけでいい場合は、二割安くして提供させてもらいます』

 

 いや、下段も相手の攻撃を受け流すには有効に働くと思うのだが……。

 現れた標的に叢雨を向け、荷電粒子砲を打ち込む。

 

『連射性は低いですが、高いダメージソースになります。とても素晴らしい商品です、どうぞご購入を』

 

 うむ、確かに使い勝手はいいが、ラファール専用なんだよな、少し残念だ。

 

『続きましては、アサシンブレードです。中遠距離型の機体に最低限の近接戦闘用武器をお求めの方はこちらの商品を』

 

 うわ、面白半分で作った商品だからあんまし説明しないよ。

 

『では最後に硝煙に超電磁砲の機能を取り入れた照準をご紹介します。中口径の弾薬を使用していますが、弾速が早く、ダメージも他の超電磁砲と差がありません』

 

 的が現れたので、即座に射撃、その精度を見せつける。

 

『セミオートなので、制圧力は低いですが、弾速が早いスナイパーライフルをお求めの方はこちらの商品を』

 

 すべての商品の説明が終了する。

 さてはて、雷閃と空閃の件以外はある程度丸く治まった。

 

 

「ラファールありがとう……また三綾に来た時には、乗せてもらうよ……」

 

 ラファールは悲しそうに俺のことを見つめている。ごめんな、俺の専用機は打鉄なんだ。もし、あの時、おまえが俺に答えてくれていたら、おまえを選んでいたかもしれない。本当にごめん……。

 ラファールは、頷いているようにも見えた。

 

「礼遇くん、もしかしてラファールに浮気したいの?」

「浮気ね……いや、こいつも、俺を受け入れてくれた優しい奴だって、思えてな……」

「……一期一会の関係じゃないよ。礼遇くんが三綾に居る限り、この子は離れていくことはない。だから、また会えると思って、今日は帰ろう」

「ああ、また、乗せてくれよな……」

 

 また、俺は君に乗せてもらう。そして、君も極めてみたい。




 色々な武装の提案ありがとナス! 一部取り入れさせてもらいました!!
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