僕が読みたいと思う二次創作『インフィニット・ストラトス』   作:那由他01

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番外:筋トレの話しと少女の相談×2

【筋トレの話し】

 

「ああ、今日もいいペンキ(いい天気)

 

 窓の外を眺めながら、冷たい緑茶を一杯。シャルロットも他の部屋に移って、一人部屋の楽さを感じている。彼女も彼女なりに気を使って部屋を共有していたわけだが、年頃の女の子だったので俺の方が多く気を使っていただろう。

 今日は晴天、日差しからは肌を焦がす熱を感じる。日本の夏は海外に比べると酷く熱く感じるらしい。東南アジアの赤道直下の国と同じように夏が来ると非常に湿度が高くなり、汗が出にくく、体に熱がこもりやすくなる。四季がある国でこれは比較的珍しいのではないだろうか?

 行ったことがないのに語らせてもらうが、海外の夏は日本と真逆でカラッとした暑さをしているらしい。砂漠などは湿度が極端に低く、日光からの照り返しで非常に高温になるが、汗は出やすく、体感はそこまで熱く感じないとか? まあ、普通の日本人が砂漠に行ったら暑いに決まっているか。

 

「よし、鍛えるか!」

 

 Bluetoothのイヤフォンを両耳に装着し、いつものストレッチを開始する。体を鍛えるなら体の柔らかさから。体を柔らかすると怪我のリスクも減り、間違った体の動かし方を抑制する効果がある。一流スポーツ選手達が相手のラフプレー以外での負傷は基本的に柔軟性の不足か疲労による筋肉や骨、関節の炎症によるものだと言われている。多分。

 柔軟性は何度も説明するように体の間違った動かし方を軽減するので怪我を抑制する。体の動かし方が上手いと言われる人間は確実に体の柔軟性を高めているからだろう。だが、筋肉や骨、関節の炎症はどうすることもできない。野球の投手が肩や肘を壊すのは、数日前の試合からの疲労が抜けきれていないという可能性が高い。その疲労を軽減するのも柔軟体操、ストレッチになる。

 

「1234、5678」

 

 強張っていた体の筋達が柔らかくなり、少しツンとした気持ちよさが伝わってくる。この次はスクワットだ。人間は二足歩行で歩いている。足に伝わる重さは他の動物に比べて非常に高い。だが、それを発達した筋力で賄っている。足は非常に重要だ。特にふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれる程に重要な部分、足に伝わる血液をふくらはぎが心臓と同じように循環させているとも言われている。

 心地の良い汗が流れ落ちる、足に疲労感が溜まるが、これはこれで気持ちがいい。

 

「スクワット300終了」

 

 次は腹筋だ。体を鍛えると言われれば、真っ先に思い浮かぶのは腹筋だろう。だが、腹筋だけでは綺麗な筋肉は発達しないことをご存知だろうか? 腹筋を鍛える時、何を思い描くのが最適か? それは筋肉の繊維を千切るというものだろう。筋肉が発達するのは筋肉繊維が切れ、それを修復する過程で繊維が太くなっていくからだ。この太くなった筋肉繊維は丈夫になり、高い耐久性を身につける。格闘家が体を鍛えるのはこの高い耐久性を手に入れる為だ。

 プロボクサーのパンチを鍛えていない人間が受ければ、その人は内臓にダメージが入る可能性が高い。だが、プロボクサー達は内臓にダメージが入るような攻撃を何十、何百と受けきっている。これは筋肉の耐久性と高い柔軟性が威力軽減を起こす。だから、プロボクサー達は非常に完成度の高い筋肉をしている。

 じゃあ、どうしたら筋肉繊維が切れやすくなるのか? それは腹筋を一セット行った後に背筋を鍛えることにある。背筋は胸や肩の筋肉を発達させるトレーニングなのだが、腹筋にも効果がある。そして、腹筋運動を行った後に背筋をすると逆方向への筋肉負荷がかかり、筋肉繊維が効率よく千切れ、修復される。それに付け加えて、腹筋、背筋の後に体を捻ることによって全体的に効率よく筋肉繊維が千切れる。

 

「よしよし、次は腕立て」

 

 腕の筋肉を発達させるのに一番有名なのは腕立て伏せだろう。この腕立て伏せも腹筋の要領で筋肉繊維を切る必要がある。だが、それは腹筋より簡単で、腕を伸ばしたり広げたりすることだけだ。筋肉の収縮と膨張、これが筋トレにとって一番重要な部分、筋肉が発達する理屈だ。

 熱くなって上着を脱ぎ捨てる、体中から汗が滲みてて、熱がこもる。だが、これが非常に爽快なのだ。筋肉疲労は痛い辛いという特性以外にも、体を動かしたという達成感と独特の気持ちよさを感じる。マッサージなどをされて気持ちがいいのは、揉まれたり叩かれたりして筋肉が収縮と膨張を短い間隔で繰り返すからだ。これによって血行がよくなり、気持ちよく感じる。

 

「よし、仕上がってきたぞ……さあ、俺のトレーニングはここからだ!」

 

 ガチャリと扉が開かれる。

 

「キャンセルが出てアリーナと打鉄が借りれたんだ! 一緒にれんしゅ……」

 

 吉村さんが目を点にして、俺の体に熱い視線をぶつけてくる。さて、特別ヤバイ状態ではない。決してない。女の子を襲っていたり、陰部を見せているわけではない。だが、吉村さんの真っ赤なトマトのような顔を見せられると流石にこちらも恥ずかしくなる。

 

「わたしも混ぜさせて……おお、いい筋肉」

「なになに?」

 

 高垣さんと広瀬さんもひょっこりと顔を出す。高垣さんは人間の筋肉も機械と通ずる部分もあると頬を緩め。広瀬さんの方は吉村さんと同じように顔を真っ赤にして、目を手のひらで隠している。だが、隙間から熱い視線が降り注いでいるのはわかった。

 

「……あはは」

 

 妙に恥ずかしくなって乾いた笑い声しか出てこなかった。

 

 

【少女の相談1】

 

 私、ラウラ・ボーデヴィッヒはとある重大な局面に立たされていた。とある男と遊びたいという最近芽生えた感情が爆発しそうになっている。学生であり、軍人である私は学業と国益を優先しなくてはならないということを把握している。だが、あの正義の味方ごっこという遊び以来、どうしても宮本礼遇と遊びたいという気持ちが爆発寸前なのだ。

 さて、どうしたものか……私と礼遇はクラスが違う。だが、私と礼遇は友達という関係性に位置している筈だ。友達なら遊ぶのは当然だ。それでも、クラスが違うというのは高い障害になる。何故なら、クラスで会話することが出来ない! そうだ、あれ以来、何度か昼食を共にしたが、遊ぶことの誘いが出来ない!

 礼遇は一年三組のクラス代表を任されている。それに付け加えて面倒見がよく、クラスメイトがISを借りたなら、一声かければ練習に付き合うようなお人好しの一面も持ち合わせている。何が言いたいのかと言えば、彼は一年三組の生徒達をとても大切にしている。一組に在籍している私に遊んでもらえる可能性は低いのだ!?

 

「……礼遇と鬼ごっこしてみたい」

 

 遊びの初歩と呼ばれる鬼ごっこ、軍で鍛えた私だが、しかし、私は女だ。鬼ごっこをした場合、礼遇の身体能力に負ける。男性と女性の体の利点欠点は軍人なら理解している。男性の方が生物的に長時間の運動に耐えられる。それに付け加えて身長の差によって脚力も大幅に変わってくる。だが、鬼ごっこは体を動かすことが好きな私にとっては最高の遊びなのではないか? それを友達の礼遇と一緒にやる、それはとても意味がある。

 

「さて、どう誘えばいい……」

 

 そうだ、携帯電話を使用すればいい! 顔を合わせて会話をしたら恥ずかしさを感じて何も言えなくなるかもしれないが、文章を使用したらその恥ずかしさが消えるかもしれない。それに、近代的な人間たるもの携帯電話の一つや二つ使いこなせないでどうする。さて、携帯電話を使ってみよう!

 

「……連絡先を聞いていなかった」

 

 そうだ、私は礼遇の連絡先を知らない。知っていそうな奴と言えば同じクラスの篠ノ之くらいだろう。だが、彼女との接点は私が一方的に負けたということくらい。連絡先を聞いても自分から聞けと言われそうで少し不安だ。そうなるとこの携帯電話の価値は著しく下がる。

 これは困った。いや、待て? そう言えば礼遇と同じクラスの奴が居るじゃないか!

 

「デュノア、礼遇の連絡先を教えてくれないか?」

「え、礼遇の? うん、待ってね」

 

 ルームメイトのデュノアが携帯電話を取り出して、礼遇の携帯番号を教えてくれた。流石は同じクラスで同じ部屋に住んでいた間柄だ。この程度の情報は普通に取得している。さて、礼遇の電話番号を入手したのだ。いや、待て? 電話番号ではメールは送れない。電話するしかないのだろうか?

 ポチポチと電話を弄るとメッセージを送信というものを発見する。これは電話番号でメールを送ると見た! よし、早速だが、メールを送ってみよう。

 

【SNS】

 

(私だ)

 

(どうやって俺の電話番号を入手したのか知りませんが、会社の方に色々と止められているので着信拒否にさせてもらいます)五分後

 

「なんでだ!」

 

 どうして着信拒否にされる! 会社に止められている? それならデュノアはどうなるのだ!? 普通に連絡先を知っていて、連絡もしているではないか! ああ、なんで私だけ……もしや、礼遇は私のことを友達だとは思っていないのだろうか?

 そうか、礼遇は私を友達だとは思っていない。そうなのか、なら、友達になれる努力をしなくてはならないだろう。だが、友達とはどうやったら出来るのだろうか?

 そうだ、日本人に詳しい専門家が部隊に一人居るではないか!? そうだ、彼女に相談すれば、この問題は解決されるだろう。

 

「こちらラウラ・ボーデヴィッヒ」

『隊長、お久しぶりです』

「単刀直入で悪いが、クラリッサ……友達の作り方を教えてくれ」

『友達ですか? そうですね……まず最初は殴り合いましょう』

「もう殴り合っている!」

『なんと!? なら、もう強い友情が芽生えている筈では……』

「殴り合い方が悪いのだろうか?」

『どのくらい殴り合ったのですか』

「互いに気絶するまでだ」

『隊長を気絶させるまで殴り合えるって凄いですね!』

 

 確かに、訓練された私を気絶させる程の鍛錬を積んだ男というのも珍しい。大柄で立派な軍人を何人も倒してきた私だが、気負ってた部分もある。それでも倒されたのは非常に珍しい。さて、どうしたらいい、また殴り合えば解決するのだろうか?

 

『隊長、その方を友達にしたいのですか?』

「ああ、私の全力を真正面から受け入れてくれる奴だ」

『うむ、それなら……遊びに誘えば?』

「誘ってみたら着信拒否にされた……」

『その人、めっちゃ酷いっすね』

 

 クラリッサは長い沈黙をとる。そして、画期的な方法を作り上げた!

 

『こういう場合は糸電話を使うべきです!』

「糸電話だと……それは何だ?」

『糸と紙コップで作った電話です』

「そんな物で電話が出来るのか?」

『作り方はネット検索してくださいとしか言えませんが、従来の電話が使えないなら糸電話を使いましょう。ジャパニーズ萌も含んだ最高の電話です!!』

 

 よし、糸電話を作るぞ!

 

「クラリッサ感謝する。友達が出来たら連絡を入れる」

『隊長、ご武運を』

 

 よし、紙コップと糸を調達するぞ!!

 

 

 清涼飲料水の類いを買い出しに行った。帰ってきた時にラウラが神妙な顔で十六番物置の前で待っていた。さて、何かあったのだろうか? あれ、手にしているのは小さい頃に少しだけ作った糸電話というやつでは? この現代社会で糸電話を作るとは珍しい。

 

「礼遇、これを持って部屋に入ってくれ」

「あ、糸電話をか? でも、糸電話は……」

「いいから入れ!」

 

 片方の紙コップを持たされ、半ば無理矢理部屋に戻される。そしてラウラがなにか言っているのは、糸電話越しではなく、扉越しになって聞こえる。糸電話を糸をピンと張った状態で、糸に何も触れていない時にだけ電話になる。

 少しして、ラウラが扉をガチャッと乱暴に開けて、涙目になっていた。

 

「なんで返事をしてくれない……やっぱり友達ではないのか……」

「……いや、ラウラ、ちょっと待ってくれ。糸電話ってのはこうやってしか使えないんだ」

 

 糸電話をピンと伸ばして、ラウラの耳に当てさせる。

 

『何言ってるんだ。俺とラウラは友達だぞ』

「――ムグッ!?」

『で、何を言いたかったんだ? 電話越しに話してみな』

「おまえと……鬼ごっこがしたい……」

『よし、やるか!』

 

 俺は糸電話を手放して全力疾走で逃げ出した。少し離れてラウラの方を見ると放心状態になっていた。これは好機! 逃げ切ってやる!!

 その後、午前0時になるまで追いかけあったのは次の機会に説明しよう。

 

 

 

【少女の相談2】

 

 守れる存在になりたい、それが彼女の切実な願いだった。自分は弱い存在だと恥ずかしながら理解している。礼遇という少年とコンビを組んで試合に挑んだが、それは礼遇の高いポテンシャルがあってこその勝利事実。自分は結局のところ、楽な裏方作業を受け入れていただけだ。

 自分にも守れる強さが欲しい。その思いが日に日に強くなっていく。そして、行き着いた先が天災との会話というわけだ。彼女は躊躇っていた。都合のいい時だけ姉に頼るというのはどうだろうかと。だが、このままだと自分には、守れる強さは与えられない。姉に頼らなければ、自分専用の力は与えられないのだ。

 

「……礼遇に相談しようか」

 

 礼遇という少年なら優しく話しを聞いてくれる。決して否定せず、自分の考えを素直に聞いてくれる。彼は彼女を支える立場だと言ってくれた。恥ずかしながら、今回も相談という形で助けてもらうしかない。

 ピロロッと着信が入る。この時間に電話が鳴り響くことは彼女にとっては珍しく感じられた。

 

『ハロハロ~束さんだよー』

「……姉さんからかけてくるなんて珍しいですね」

『あらら、箒ちゃんも大人になったねぇ。いつもだったら切ってるのに』

 

 彼女はこの電話を切るかどうか、少し考えた。だが、どうしたものだろうか、この電話、確実に自分が望んでいるものを受け渡すということを告げる電話だろうと悟る。自分の姉は突拍子もないことを毎回のようにやっている。人一人、妹一人の感情を悟ることなんて造作も無いのだろう。

 

「姉さん、わたしは礼遇に相談してから決める……」

『なんでパラサイトなの? あんな、いっくんと箒ちゃんの間に入ったゴミムシにどうして心を許すのかな?』

「友達の侮辱はやめてください!」

 

 篠ノ之束は酷く落胆していた。自分の妹が織斑一夏より宮本礼遇の方に心を許している。確かに、一夏と同じように幼馴染という立ち位置を持ち合わせている彼に多少心を許すのは理解できるが、彼女は軽く依存しているようにも思える。

 束は理解していた、今はまだ、一夏のことを好いている箒に。だが、人間、特に女の心変わりというのは酷く早いものだ。このまま進めば、約一年後には、箒は礼遇に一夏と似た感情を芽生えさせてしまう。そして、自分が礼遇に依存していることにも気付く。これは束にとっては酷く面倒臭い。

 箒という存在は一夏に恋心を抱いていて、そして、最終的にはゴールする。これが束の求めている展開。それを邪魔されるのは虫酸が走る。だから、宮本礼遇という少年を殺そうとしているのだ。

 

『箒ちゃんが好きなのは、いっくんなんだよね?』

「……そうです」

『なら、いっくんを死ぬまで好きになってね。お姉ちゃんはそれが箒ちゃんの一番の幸せだと思うから』

 

 束はプレゼントは近いうちに渡すから、心配しないで、そう告げてきった。




 通勤ラッシュは無理でした!

 まあでも、夜じゃないから「ホモは嘘つき」には成功してますね! やりますねぇ!!
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