僕が読みたいと思う二次創作『インフィニット・ストラトス』   作:那由他01

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32:早朝

 人間というものは七時間以上の睡眠が必要である。午前零時に就寝し、午前七時に起床するのが一番健康的だと言われている。だが、早朝の人が少ない時間帯というのは涼しく空気が澄んでいるため運動にはもってこいの時間だ。だから俺は午後十時に就寝し、午前五時に起床する。これを心がけることによって、二時間くらいの運動が出来るのだ。

 筋肉は嘘をつかない。この言葉は運動が好きな俺には忘れられない言葉だ。体を健康な状態に維持するのはとても重要で、万が一の怪我も筋肉の丈夫さによって軽減される。本当の意味で筋肉は自分を裏切らないのだ。

 だだっ広いグラウンドは運動するのに最適だ。この広いグランドを数週したら気分はフルマラソンと言ったところだろう。長崎に居た頃は筋肉をつけるトレーニングばかりを行っていたが、ISに乗るようになって精神面での持久力も必要だということを改めて感じられた。

 何故、マラソンランナーは走ることを嫌わないのか? それは走ることに馴れてしまっているからだ。馴れ、それは非常に人間らしい現象だ。学業も馴れ、仕事も馴れ、運転も馴れ、色々な行為に馴れが必要になってくる。その馴れを積み重ねるには、まず疲れることへの恐怖を取っ払うことにある。疲れるから嫌、それは誰だって思うことだ。だが、この肉体的負担が大きいランニングという行為、最も初歩的な疲れへの恐怖を取り除くのに莫大な貢献を果たす。

 

「人間は疲れるから嫌がるんだ。これに馴れたら何でも受け入れられる」

 

 グラウンドを走っていると見知った顔が合流してくる。ラウラだ。運動しやすいようにジャージを着ていて、髪の毛も邪魔にならないようにポニーテールにしている。

 

「礼遇も鍛錬か」

「ああ、走らないと持久力がつかないからな」

「いい心がけだ。私も微力ながら手伝おう」

 

 男、それも身長が二十センチ以上違う大柄である俺と同じペースを守って追走するラウラという存在は恐るべしとしか言いようがない。軍人というものは愛国心だけではなく、肉体の完成度も必要になる。彼女がISの操縦技術一本で専用機を与えられた存在ではないことを再確認する。

 いい感じに体が馴れ始めてきたので、声を出す。

 

「いちに、いちに……」

「そうだ、ランニングをする時に声を発すると肺活量を上げるメニューになる。私も声を出そう」

 

 ラウラも母国の言葉で数えながらランニングを続ける。そう、ラウラが言うように肺活量を上げるトレーニングになる。何故なら、運動している時に人間は酸素を多く消費する。それに付け加えて声を出すという行動は脳からの司令によって、行われる。人間の体で一番酸素を多く使用するのは脳だ。ランニングを作業的に行っていたら必然的に酸素の消費量も少なくなる。考えてではなく、慢性的に運動をしているからだ。これでは少しずつしか効果が現れない。逆に頭を使いながら運動をすると酸素の供給が滞り、肉体に大きな負荷がかかる。そうさ、筋トレの基本は体に負荷をかける事、負荷をかけない筋トレは意味をあまりなさない。

 

「ほう、こんな早朝からランニングとはいい心がけだ」

「織斑先生も運動ですか?」

「ああ、体が鈍ると生徒に示しがつかない」

「織斑先生と走るのも久しぶりです!」

 

 ラウラと同じようにジャージを着込んだ織斑先生が合流してくる。ラウラも久しぶりの師と呼べる存在との運動で笑みを溢していた。さて、二人の女性に囲まれて同じペースを続けるというのも男らしくない。俺は男だ、生物学的には、女よりも体の耐久性は高い。一丁、男らしく先導しますか!

 俺は少しだけペースを上げて二人の前を走る。ラウラはスリップストリームを行い、自分の空気抵抗を俺の体で軽減する。織斑先生は新一年生に負けてたまるかという意地を感じさせ、俺と並走する。

 

 最初に息を上げたのはラウラだった。小さい体で俺と同じペースで走っていたらこうなるのも頷ける。織斑先生の方は顔色一つ変えず、凛々しく立っているが、額からは汗が流れている。俺の方も着ていたTシャツが汗でピッチリと張り付いているくらいには汗を流していた。

 

「ラウラ、先生、水を飲まないと熱中症になるので」

 

 俺はポカリスエットを木陰から取り出し、紙コップに注いで二人に差し出す。ラウラは一気に飲み干して、溜息を一つ吐き出す。織斑先生の方は余裕を見せるためか、チビチビと飲んでいった。俺も紙コップにポカリを注いで一気に飲み干す。

 その後は疲労した筋肉を労るようにストレッチを開始し、二人も軽い柔軟体操を開始した。

 

「誰かと走るっていいですね!」

 

 爽やかな汗をタオルで拭う。

 

「まあ、私は鈍らない程度に走るさ」

「一番最初に音を上げたのが悔しい。今度は負けないぞ!」

 

 時刻は良い時間だ。シャワーを浴びよう。

 

 

 シャワーを浴びた。体中の汗がサッと消えていく感覚は運動をやめられない麻薬みたいなものだ。この快感を求めて運動をしている節が少しだけある。バスタオルで荒く水分を拭き取ったらビタミン剤を一粒服用する。クラス代表をやらせてもらっている身だ。体の健康には誰よりも気を使わなくてはならない。俺が休めばクラスに迷惑がかかる。風邪なんかは絶対にひいてはいけない。

 

「よし、ご飯を食べに行こう」

 

 時刻は食堂が開かれる十分前と言ったところだろうか? 運動の後はガッツリと肉、魚料理が重要だ。良質なタンパク質を補給する為には食事が一番効率がいい。食うために生きるのか、生きるために食うのか、これは人間の永遠の課題だが、俺は食うために生きている節がある。

 

「あ、礼遇さん、お早いですね」

「ああ、おはよう」

 

 食堂に向かっているとセシリアと偶然鉢合わせた。キッチリとシワのない制服を着ている。お嬢様だからな、身につけるものもちゃんと綺麗にしていると感心する。

 

「ご一緒に朝食なんてどうでしょう?」

「レディーのお誘いは蹴らないよ」

「あら、お上手ですこと」

 

 廊下を歩いているとフラフラとラフなTシャツと短パン姿の少女、それも見知った少女がバタリと倒れた。セシリアはどうしたのでしょうと驚いている。俺はまた徹夜したのかと苦笑いと同時に頭を掻いた。この少女というのは俺の打鉄を事あるごとに整備してくれている高垣さんだ。

 

「高垣さん、ここはベッドじゃないよ」

「ごめん、運んで……ご飯食べたら目が覚めるから……」

 

 仕方なく高垣さんをお姫様抱っこの形で持ち上げ、食堂に運ぶ。セシリアから妙に羨ましそうな視線が突き刺さってくるが、お姫様抱っこを人目が付く場所でやられたら恥ずかしいだろう。

 

「ゆりちゃん今日も徹夜したの?」

 

 広瀬さんもTシャツと短パン姿で登場。お姫様抱っこされている高垣さんをクスッと笑っていた。高垣さんは薄く目を開けて、臨海学校で持ってこられる追加武装の確認してたら朝になってたと乾いた声で告げる。そういえば、臨海学校が行われる。そこでは各社から届けられる武装の確認やプログラムの不備を探さなくてはならない。俺も三綾から届けられる追加武装の感想文を提出しろという通達が来ている。

 

「そうさね、わたしはクラス一のメカニック……」

「重症だね」

「一番働いているんだから仕方ないさ。俺も高垣さんに頼りっぱなしだし」

 

 セシリアの方に目をやると少しだけ寂しそうな表情になっていた。

 

「セシリア、どうしたんだよ暗い顔して」

「いえ……やっぱり、同じクラスじゃないと本当に仲良くなれないのかな、と……」

「馬鹿を言うなよ。俺とセシリアは友達だし、一緒にご飯食べたりするじゃないか。確かにクラスメイトじゃないから、同じように会話することは少ないが、友達ってことには変わりない。そう拗ねるな」

「……そうですわね! わたくしと礼遇さんはお友達ですもの」

 

 パッと明るくなって何よりだと思う。この後は吉村さんも合流して、一年三組の三人娘が揃った。

 

 

 放課後の昼下がり、今日も僕は礼遇と散歩をしていた。心地よい風が吹いて、流れる汗を乾かしてくれる。礼遇は僕のことを見て静かに微笑んだ。僕は恥ずかしくなって両手で顔を隠す。

 

「可愛い顔が見えないじゃないか、俺によく見せてくれ」

 

 礼遇は僕の手を取って、引き寄せた。顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなって、また、手で隠そうとするが、彼がそれを拒む。彼は抱きついて、そして、僕の頭を撫でるのだ。

 

「誰かが見てたら、礼遇が噂されるよ……」

「俺、ようやくわかったんだ。俺のことを誰よりも大切にしてるのはシャルロットだって」

「えっ!?」

 

 礼遇は僕の顎を上に向かせ、目を瞑らせる。そして、優しい――

 

「礼遇……僕、礼遇のことが……あれ?」

 

 目が覚めると外ではなく部屋の中だった。礼遇を探すけど、見当たらないし、ラウラは携帯電話を使用して調べ物をしている。髪が少し濡れているので、シャワーを浴びたのかな? 

 ここでようやく自分が置かれている立場に気が付く。そう、僕は夢を見ていたのだ。

 

「……そうだよね、礼遇は強引にキスするタイプじゃないし」

 

 でも、そうだよね、僕、礼遇と二回もキスしちゃったんだ。礼遇は僕のこと好きだと思うし、あと一押しで……。口元から冷たさを感じる。よだれが流れ出ていた。

 

「デュノア、どうした? 熱でもあるのか」

 

 ラウラが携帯電話を握ることをやめて、僕の方に視線を向ける。

 

「いや、あのね……いい夢を見てたんだ」

「……そうか、それはいいことだ」

「ラウラ、ルームメイトになったんだし、名前で呼び合おうよ」

「そうだな、シャルロット」

 

 僕は少し気になって、ラウラ、何を調べているの? そう尋ねてみる。するとラウラはケイドロという遊びを調べていた。何となくだけど、ラウラは礼遇と知らない遊びをするのが最近の楽しみになってるみたいだ。

 壁にかかっている時計を見ると、礼遇が朝食を食べに行く時間を少し過ぎていた。体中が冷たくなり、そして、僕は叫んだ。

 

「早く食堂に行かなきゃ!?」

 

 オリンピック種目に着替えの早さを競う競技なら、確実に選手になれる速度で着替えをして、部屋を飛び出た。




 なんか、礼遇ちゃんが身長が高い刃牙に見えてきた。

 変態糞淫夢厨投稿者のケツを叩く魔法の言葉は……。

 「毎秒投稿しろ」

 5時間以内に約四千文字が降り注ぐよ。
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