生徒会長……更識楯無と龍燕は、龍燕の部屋で話した。
まず手合わせは、織斑千冬を倒した龍燕の力を見てみたかったという興味から仕掛けたそうだ。
次に話というのは、今回の勝ち抜き戦で妹と組んで欲しいとの事だった。そして妹の専用機を完成させて欲しいと。
「そうか。俺は構わないが……。専用機を完成させてほしいというのは姉である楯無が手伝わないのか?」
「そ、それは……その……ね」
楯無は口ごもる。その様子からうまくいっていないのかと龍燕は気づく。
「まぁ、俺もISは仮完成でまだ未完成だからな。共に作るのはいいが……関係がうまく行っていないと言うことは、姉から云々とかは言わない方がいいのかな?」
「うんうん。そうしてもらえると助かるわ。きっと私から頼まれたと知ったら、その時点で組みたくないっていうだろうし」
龍燕は頷き、了解した。
「そういえばなぜ俺に?」
「それはね、前に模擬戦を見せてもらった時にあなたの……強化服?を見せてもらってね。妹好みかもって。それから貴方もISを改造していると聞いたから頼まれてくれないかなぁって思っていたのよ」
「そうだったのか。よし、明日の休み時間にでも聞いてみるとしよう。一様、断られても何度か聞いてみるよ」
「ありがとう」
すると楯無は龍燕に抱きついた。
「……いきなり何をする?」
「うふふ。お礼よ?ほっぺにキスしちゃおうかなぁ」
唇が龍燕の頬に近づき、龍燕は瞬間移動で距離を取った。
「……その技って抱きついていても使えるんだ」
「自分だけでも、触れた者と一緒でもできる。まぁ人数や量に限界はあるがな。今日は遅いしおやすみとし……今度は何をしている」
端で畳んであった布団を敷き始め、布団に入り始める楯無に龍燕は首を傾げる。
「今日は遅いから一緒に寝ましょ」
「お断りする」
龍燕が言い切ると同時に、武己から炎が二つ溢れ少女に変わった。
「話が終わったんだったらお帰りください」
「そうよ。そこは私達と龍燕の布団なんだから」
「えっ?なにこの子?どこから?」
楯無は突然現れた二人の少女に驚く。
「俺の武己。暁と煉だ。二人の言う通り帰ってくれ。静かに休みたい」
「わ、わかったわ。おやすみなさい」
楯無はとことこと大人しく部屋を出ていった。かなり驚いていたようだ。
「失礼する」
龍燕は昨夜楯無との約束通り、その妹である簪(カンザシ)の教室に訪れた。勿論手には申請用紙を持って。
簪の席の前に立つと、簪はモニター操作の手を止めた。
「え、えと……私に何か?」
「君が更識簪だな?君と、今回の勝ち抜き戦で組みたく来た」
「わっ私と?……理由を聞いていいですか?」
一瞬驚きの顔を見せた簪は、すぐに視線を落として龍燕に聞く。
「更識も専用機を組んでいると聞いてな、俺も専用機を組んでいるのだが……共に意見を出し合って組めれたらと思ってきたんだ」
すると更識はモニター画面を消した。
「えと……灼煉院龍燕、ですよね?わた……私でよければ……組んでほしいです!」
龍燕はありがとうと言って申請用紙に書いてもらい、すぐに職員室へ出しに行った。
申請用紙を出した後、二人は整備室へ向かった。
「ええと、更識の」
「あ、簪でいいです」
「わかった。簪の機体はどこまで出来上がっているんだ?」
「わ、私のは……」
簪はモニターに出来ている範囲のを表示した。
「機体自体はまだ手をつけてないんです。今はプログラムや大雑把なところ。それから理想的な武装を考えていたところで」
「うむ、了解。俺のはこんな感じだ。まだ仮完成で大雑把な感じだな」
「え?あれ?」
龍燕が自分の方のをモニター表示で説明していると、簪が機体を見ながら言った。
「この機体……前に見たのと違う」
「前に?」
「はい。私は前に龍燕さんが模擬戦をしているところをたまたま見てしまって……その時のは全身装甲で、服を羽織った格好いい機体でした」
ああ、と龍燕は声を漏らしながらその機体……武装兵装をモニターに表示した。
「簪が見たのはこの武装兵装だな」
「武装……兵装?」
「ああ。この機体、武装兵装はISとは全く違う」
「そ、そうだったんですか?」
簪は驚きながら振り向いた。
「うむ。俺が作りたいなと思うISは、武装兵装を取り込んだ感じにしたいんだ」
「取り込む?」
「まず見た目や装甲。それから防壁や防護など」
「ええと見た目というと、ISを全身装甲にして……服を着させるんですか?」
「まぁそんな感じかな。そうだ」
龍燕は相打ちをして簪に言った。
「簪もどうだ?全身装甲で、羽織を羽織る。勿論視界を広げるため兜は脱着式にするぞ」
「え、えと……私は……格好いいと思います!そんなIS、作ってみたいです!」
「よし、作ってみよう」
「はい!」
二人は製作に取り掛かった。