ハリー・ポッターと魔法石の創作少女   作:ひょうたんZero

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ハリポタ愛。これに限る。(`・ω・´)ふぉおぉおお


HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE
1.魔法使いの訪問者


窓からは暖かい朝日が差し込み、心地良い鳥のさえずりが聞こえる。目を覚ました私は小さく屈身をしてベッドから降りる。少し大きめのネグリジェが肩からずり落ちないように片手で押さえながら、クローゼットの前で立ち止まると、飼っている黒猫のシャーロットが足に擦り寄ってきた。

 

「おはよう、シャーロット。いい朝ね」

 

私はそう声を掛けてからクローゼットを開き、お気に入りの白いワンピースを取り出す。シンプルなデザインだが、腰には赤いリボンがかけてあり、私はこれがとても好きだ。

ワンピースを着てからドレッサーの前に行き、櫛で背中の中心程まであるストレートヘアの金髪を丁寧にとかしてゆく。横の髪を少しすくって細やかな刺繍を施してある茶色のバレッタで後ろに留めた。

 

「──よし」

 

鏡に映る私は微笑を浮かべている。母親譲りの金髪は朝日に照らされて輝いており、父親譲りのバイオレットの瞳も鏡の中で揺れている。

ママが亡くなってからはこれが日課だ。寝室から出る前に、鏡の前で笑顔を浮かべる。今日も一日、笑顔で過ごせるようにと言うおまじない。

 

私は寝室から出て顔を洗ってからキッチンへ向かい、朝食作りに取り掛かった。今日の朝食はサンドイッチと紅茶だ。と言っても、毎日メニューは同じである。サンドイッチの具は日替わりにしているため、飽きることは無い。今日の具はハムにレタス、マヨネーズを挟んだ簡単なもの。紅茶はダージリンにした。

窓際に設置してある小さなテーブルに朝食を運び、シャーロットの分の猫缶も床に置く。するとシャーロットは尻尾をピンと立てて小走りでこちらに来て、にゃごにゃご言いながら食べ始めた。それを見て微笑んでから、私も席についた。

サンドイッチを一口食べ、紅茶を飲んで一息つく。サンドイッチを完食してから、近くに置いてあった本を手に取って開く。私は大の本好きで、ママには本の虫って言われていた程だ。多彩なジャンルの本を読むが、今読んでいるのは小説である。

しばらく読みふけっていたようで、気付けば紅茶はすっかり冷たくなっていた。いけないと思い本を閉じようとしたのだが、シャーロットが膝の上に乗ってきて、ころんと丸くなってしまった。

 

「もう、シャーロットったら。参ったわね、これじゃあ動けないじゃない」

 

私はクスッと笑ってシャーロットを撫でる。するとゴロゴロと喉を鳴らし、私の手に頭を擦り寄せてきた。

 

私、アリッサ・インダールベーシーが住んでいるのは、イギリス──それも、いわゆる"マグル"の世界である。と言っても、誰も近づかないような山奥で、家には認識阻害の魔法がかかっている。

何故そんなことをする必要があるのかは、まあ色々理由があって、話すと少々長くなってしまうのだが──

 

「──ん?」

 

すると、シャーロットが丸くなっていた姿勢からいきなり顔を上げて耳をピンと立て、窓の外を見た。何事かと思ってシャーロットを抱き上げて席を立ち、窓に近づく。そっと様子を伺ってみるが、そこにはいつもと何ら変わらず森の中の風景があるだけである。

 

「シャーロット、どうしたの?何かあるの?」

 

シャーロットを見ると、彼女の視線は下に向けられていた。ヴーッ、と威嚇するような鳴き声まであげている。私も同じように下を見ると、そこには虎模様の猫がちょこんと座っていた。

 

「こんな山奥なのに──野生の猫?……珍しいわね」

 

そんなことを呟いた私だが、次の瞬間私はある光景を目にして、確信した。

 

──この猫は普通ではない、と。

 

虎模様の猫はまるでそれが普通であるように、ひょいと二本の前足を上げた。そして地図を取り出し、前足で持ち──見ている。

 

「何となく予想はついたけど……やっぱり姿ぐらいは見せるべきよね」

 

私は床にシャーロットを降ろし、玄関へと急いだ。ドアを開ける前に徐ろに首に手をやる。そこには透明の石で出来た首輪がある。私にとっては、もう何年も付けっぱなしのため特に違和感は無くなっていた。

──だけどこれは普通の首輪ではない。そもそも、人間が首輪を付けること自体がおかしいのだが、私には人とは違う事情があるのだ。そしてこれにはママによる、ある"特別な"魔法がかかっている。

 

「大丈夫、大丈夫」

 

私は首輪を押さえながらそう唱えた後、一思いに重い扉を開けた。

私は先程の虎模様の猫を探す。そして入り組んだ木々の間へ入っていこうとする後ろ姿を見つけて、声をかけた。

 

「あの、すみません」

 

すると、その猫はこちらを見た。──いや、"振り返った"。それを見て私は再び口を開く。

 

「──もしかして、ホグワーツ魔法魔術学校の方じゃないですか?……違ってたら申し訳ないです」

 

いや、違うことはないと思うが、でも万一のことがあるのでそう付け足しておく。

なんでそう分かるのかと言うと、生前のママにホグワーツの存在は聞いていたし、もうすぐ十一歳になるこの時期に、滅多に来ない客が来るとすればそれしかありえないからだ。

すると、その猫は──思った通り、人間の姿になった。厳格な雰囲気を放つその老婆は、エメラルド色のローブを着ていて、黒髪を後ろでまとめており、眼鏡をかけていた。

 

「……よくお分かりになりましたね」

 

「いえ、普通の猫は地図を見ませんからね」

 

そう言ってドアの隙間から外へ出てきたシャーロットを抱き上げて老婆に見えるように腕の中へ収める。シャーロットは未だに威嚇していたが、私は頭を撫でてそれを宥めた。

 

「…そうでしょうね。……しかし、貴女をやっと見つけることが出来ました。まさかこんな山奥に…しかもマグルの世界にいるなんて」

 

「迷惑をかけてしまって申し訳ありません…でも、それには深い事情があるんです。話せば長くなるので──どうぞ、中へ」

 

すると、その老婆は驚いたような顔をして私の後ろを凝視する。それもそのはず、この人には今まで私の家は見えていなかったのだ。只の森の中に二人きりと言う風に見えていたはずである。認識阻害の魔法は家全体を覆っており、これは生前のママがかけた魔法なのだが、便利なことに、私がいいと合図すればその対象には見えるようになっているのである。

 

「……どうりで、なかなか見つからなかったはずです。認識阻害の魔法がかかった家なんて」

 

女性は肩をすくめ、苦笑を浮かべて私に近寄り、右手を差し出してくる。

 

「私は、貴方が言う通りホグワーツ魔法魔術学校で副校長兼変身術の教師の、ミネルバ・マクゴナガルです」

 

「私はアリッサ・インダールベーシーと言います」

 

私達は握手を交わしてから、私はマクゴナガル先生を家へと招き入れた。

 

 

 

 

「それにしても、母親のエリザベッタにそっくりですね。ええ、瓜二つです。でも、瞳は父親譲りですね」

 

紅茶とお茶菓子を用意してテーブルへ行くと、マクゴナガル先生はそんなことを言った。

私としては、似ていると言われるのは嬉しいことだ。私には両親だけでなく、もう親戚も誰一人といなくなってしまった。インダールベーシー家の最後の遺伝子である私にそういった面影があると言うことは、確かに一家が存在していたことを示しているようで嬉しいのだ。

 

「ありがとうございます。もう二人ともこの世にはいませんが、とても嬉しいです」

 

私はそう軽く答えて、席に着く。マクゴナガル先生の反応は見なくても分かる。両親が死んだことを知らないはずだからだ。

 

「二人とも……ニックもエリザベッタも死んだと言うのですか!?」

 

「はい、父は私が生まれてすぐだったと聞いています。母は三年前に亡くなりました」

 

「なんてこと……!」

 

マクゴナガル先生は口元を手で押さえ、言葉を失ったようで暫く何も言わなかった。

私は先生が口を開くのを待ち、それが訪れたのは数分後だった。

 

「一体何が…何が原因で……」

 

「父は"例のあの人"に……この話は確か私と同い年のハリー・ポッターが有名ですが、彼の両親と共に私の父も亡くなったのです。最も、私はその時まだ一歳そこそこで記憶が無いので、母から聞いた話ですが」

 

「なんと……なんてこと……」

 

「世間にこの話が広まっていないのは、父の遺体はすぐに消えてしまったからです。母は生前、優しい彼のことだから、死ぬ間際かそれ以前に自分が消滅する魔法でもかけたのでは、と言っていました。父は私達に心配をかけたくなかったのでしょうね……でも結局は母の魔法で原因が分かってしまった訳なのですが」

 

「……彼らしいと言えば彼らしいですが…では、エリザベッタは…?」

 

「母は私が三歳になった頃から、よく『私にはもう時間がない』と言っていました。未だに何故そんなことを言っていたのかは分からないままです。けれど、事故や病気では無いことは確かです」

 

「エリザベッタは何も言わなかったのですか?」

 

「はい。私は何度も問いただしました。何故そんなことを言うのか、と。いなくならないでとも言いました。でも、母は何も教えてくれなかった。私が八歳になったばかりの頃、三年前の十二月二十四日日のクリスマスイブに母は亡くなりました。朝、寝室から出てこないので様子を見に行ったら既に……」

 

「……そうでしたか」

 

マクゴナガル先生はまた口を紡いでしまう。だが、さっきとは違って再び話し出すのにそう時間はかからなかった。

 

「嫌なことを思い出させてしまいましたね。ごめんなさい。私が貴女を探していたのには理由があります。大体察しがついているかと思いますが──ホグワーツ魔法魔術学校への招待状を渡すべく参りました」

 

そう言ったマクゴナガル先生は、黄色味がかかった封筒を取り出した。そこには確かにエメラルドの文字で私の名前が書かれてある。

 

「本来はふくろう便で届けるのですが、貴女の元にふくろうは辿り着けなかったのです。何度送っても同じだったので、直接お渡ししようと貴女を探していました」

 

「迷惑をかけてしまって本当に申し訳ありません。あの、開封しても?」

 

「ええ、どうぞ」

 

マクゴナガル先生に許可を得てから、私はテーブルの上に差し出された手紙に手を伸ばし、封を切ってから中身を取り出す。そして、手紙の内容に目を通していった。

最も、読まなくても内容は大体分かるのだが。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ホグワーツ魔法魔術学校

 

校長 アルバス・ダンブルドア

 

マーリン勲章、勲一等、大魔法使い、魔法戦士隊長、最上級独立魔法使い、国際魔法使い連盟会員

 

 

親愛なるインダールベーシー殿

 

このたびホグワーツ魔法魔術学校にめでたく入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。教科書並びに必要な教材のリストを同封いたします。

 

新学期は九月一日に始まります。七月三十一日必着でふくろう便にてのお返事をお待ちしております。

 

敬具

 

副校長 ミネルバ・マクゴナガル

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「七月三十一日って……とっくに過ぎてしまってますね。すみません…」

 

「その件については大丈夫ですよ。そもそもふくろう便も使えないですし、その手紙の差出人は私ですから、私がいいと言えば全く問題無いのです」

 

そう言えば、差出人の名前に"ミネルバ・マクゴナガル"と書いてあったな、と思い出す。

 

「……けれど、実のところは出来るだけ早く返事を頂きたいですね」

 

「それなら問題ありません。私は───

 

 

────私は、ホグワーツに行くつもりはありませんから」

 

 

すると、マクゴナガル先生はふぅ、と小さく息を吐いてテーブルの上で手を組む。

まるで私がなんて答えるか分かっていたように感じられるが、開心術でも使われたのだろうか?私はまだ開心術は使えないので可能性はある。それともただ単に落ち着いているだけなのだろうか。

 

「どうしてか、理由を教えて頂けますか?」

 

「……はい。……少々長くなりますが、よろしいですか?」

 

「構いません」

 

先生がそう答えるのを確認してから、私は覚悟を決めて、話し出す。

 

 

私がホグワーツに行かない理由、そして私の過去を───




主人公は金髪紫眼の美少女。綺麗と言うより可愛い。

それにしてもマクゴナガル先生を『女性』と言うか『老婆』と言うか悩みました。
そしておいアリッサ、そもそもホグワーツに行かなかったら話にならないんだぞ?
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