私、アリッサ・インダールベーシーは一家の一人娘として育った。父のニックは優しくおおらかで、いつも微笑んでいるような人だったらしい。世にも珍しいバイオレットの瞳を持つ彼は、かなりハムサムな男性だったそうだ。あくまでも聞いた母から聞いた話なので、細部までは本当かどうか分からない。何しろ自分が愛していた人だし、少しぐらい話を盛ってしまっても何らおかしくないと思う。
インダールベーシー家は、聖28一族とまではいかないが、代々続く純血の家系らしい。母の方の家系も、由緒正しい純血と聞いている。
先程マクゴナガル先生に言ったように、私の父は"例のあの人"に殺された。父はかの有名なハリー・ポッターの父親と仲が良かったらしく、同年代だったそうだ。その日の晩も、ポッター家と夕食を共にしていて、そのまま"例のあの人"に襲われた、と言うのが魔法で過去を見た母の、私への説明だった。
その頃、私はまだ魔法界に住んでいた。インダールベーシー家のお屋敷で、十三人の屋敷妖精と何人かの使用人と、両親とだ。何故こんなにも屋敷妖精が多いかと言うと、母は前の主人にかなり酷いことをされた屋敷妖精を保護していたからだ。中には片腕がない者もいた。
慈悲深い父はこれに賛成していたし、そういう所でも父と母は価値観の似た夫妻だったのかもしれない。うちの屋敷妖精は『こんなにも素晴らしい主人に仕えることが出来て幸せだ』とよく言った。
父が亡くなった時、私は記憶が全くないが、そのままインダールベーシー家のお屋敷に住んでいたと言う。
──しかし、私が三歳の時、運命は大きく変わることになる。
私の魔力が暴走し始めたのだ。暴走と言うか、だんだん強くなって抑えられなくなった。最高峰の魔女と謳われる母以外、つまりうちにいた屋敷妖精と使用人は、全員私の魔力によって失神し、倒れていった。意識不明の重体にまでなった使用人もいた。
流石にこの事は私もよく覚えている。
『ママ、からだのまんなかがあつくて、くるしいの、たすけて……!!』
こう言ったことも鮮明に覚えている。
母は私にこう言った。
『大丈夫、ママがついてる。でも、今すぐここから立ち去る必要があるわ』
そう言って、母は魔法で私を眠らせた。次に目が覚めた時には、今住んでいる家──マグルの世界にいた。今日からここが家よ、と母が言った。
それからは、本格的にママと私の二人暮らしが始まった。誰も近づかないような森の中なので、人には殆ど会わなかった。必要なものは、前からインダールベーシー家で使用人をしていた者が持ってきてくれたので何も不便はない。
私が四歳になった頃、母は首輪を完成させた。それは透明の石で出来ていて、ずっしりと重かった。それは母の魔法によって作られたもので、石は特殊なもの。勿論マグルの世界にはない物質である。首輪は、私が五歳になるまでの一年間で少なくとも五十回は改良を重ねられた。
『それを付ければ貴女の魔力は制御されるわ。でも、まだ試作品だから外に出るのは凄く危険なの。だからアリッサ、ママと一緒にここで生きていきましょう。大丈夫、ママが貴女を必ず守るから。』
そう言われた私は幾らか安心した覚えがある。そして、それと同時に私は危険なんだ、と思った。
私は母から簡単な魔法を学び、裁縫、料理、洗濯などの家事も教わった。それが五歳~八歳の頃。『私にはもう時間が無い』と言うのが母の口癖になったのは、ちょうどその頃からだった。
ちなみに今住んでいる家では、魔法が使えるようになっている。よっぽどのことがない限り、マグルの世界では魔法を使ってはいけないことになっているが、母は昔魔法省に務めていたのもあって許可が下りたらしい。
そして十二月二十四日、三年前のクリスマスイブ。──母は死んだ。
それからは、私はずっと一人でこの家に住んでいた。まだ当時八歳で幼すぎるように思われがちだが、母に日常生活における必要最低限のことは教えこまれていたし、同い年の他の子と比べてもしっかりしてる方だと思う。飼い猫のシャーロットもいたから寂しくなかった。
つまり、私が言いたいのは、私の魔力は今のところ首輪で制御されているが、それがいつまでもつのか分からない。しかも私の魔力は今もなお成長し続けている。もし魔力が解放されてしまえば、それこそ人が死ぬ可能性も無くはないのだ。
───私は危険。
だから、ホグワーツには行かない。
───"行けない"のだ。
あまりにも短いので両親の紹介でも(`・ω・´)
エリザベッタ・インダールベーシー
アリッサの母。金髪碧眼の美人。髪は腰あたりまでのストレート。アリッサは母親似です。
ホグワーツ時代ではスリザリン出身、最高峰の魔女と呼ばれる。ダンブルドアと同じぐらいの力量。
死因は今の所不明としか言えません。
ニック・インダールベーシー
アリッサの父。ハリーの父親の一つ歳上という設定。グリフィンドールの先輩として仲が良かったようです。
ヴォルデモートにやられました。