続きません。

何も始まりません。

誰も得しません。

ただ人生楽しんだもん勝ちだよってだけです。

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やまなしおちなし。


テンプレ神様転生っぽいもの

 

神様転生。それは人間が不幸にも大型トラックに追突されてしまい、神様に示談をして異世界に再び生まれることをいうらしい。俺の友達はそんなことを言っていた。しかも何か運が良いと特典がもらえるらしい。ちょっと待って、そもそも死んだら特典って何? 新手のキャンペーン?

 

「まぁ貴方の考えている感じで間違いないです。つまり死んじゃったんですよ」

 

「人の思考へナチュラルに返答しないでほしい。これでも俺はシャイなんだ」

 

「シャイな人がドヤ顔でそんなこと言いますか?」

 

そもそも何故神様転生について考えていたのか、それは自分が遭遇してしまったからである。突然現れたトラックが70歳くらいのお爺ちゃんを轢き、吹っ飛んできたお爺ちゃんの杖が見事に俺の頭へクリーンヒット。そのまま無事死亡。いや、これは無事ではない。

 

で、意識を失って目が覚めると、体が縮んでいた……わけもなく、羽の生えた女の人とスマブラしてる女の子が惚れそうな女の子がいました。名前は教えてもらったんだが自分の言葉では表現できなかった。そうそうこれこれ、この「人間の言語では表現できない言語」って感じ凄く神様転生っぽい。あいつそんなことまで知ってたんだな。天使っぽい女の子は何も言わずにさっさとゲーム持っていなくなっちゃったので名前もスリーサイズも聞けなかったのは残念だが何よりも女の子だったところが重要なのだ。

 

うん、ちゃんと教わってたぞ。神様転生のときは運が良けりゃ美人の女神様を土下座させられて、運が悪けりゃ爺さんみたいな神様にテヘペロされるんだろ。爺さんのテヘペロとか需要ないのでお引取りいただきたい。つまりこれは最高に運がいい。すばらしい。エクセレント。多分俺前世の運全部ここで使い果たした。

 

何てお気楽なこと考えてたら、女神様ついに話を続けていいか聞いてきた。はい、どうぞ続けてください。

 

「んんっ……では改めて。本来貴方は死ななくていい存在でした。まだ寿命は今の4倍以上存在しており、いずれはそれなりに恵まれた人生を送るはずだったんです。が、運が悪いといいますか、こっちの不手際といいますか……まさかあのお爺さんが「せめて道連れに」と持っていた杖を槍投げの如く綺麗に貴方の頭部を狙うなど思ってもみませんでしたから……これぞ、火事場の馬鹿力ですね」

 

「いや笑い事じゃねぇよ」

 

その爺さん何者だよ。助かろうとせずに誰か殺そうとする辺りてだれてねぇか? すげぇわ爺さん、その根性すげぇわ。俺尊敬する。俺も爺になったら助からないときは誰か道連れにしよ。

 

「てか、爺さんを殺そうとしてたってわけかいね」

 

「……はい、あの老人は何を隠そう前世では大量殺人を行い、今世でも同じ事をなした極悪人ですから。流石にまずいと」

 

 

なるほど、つまり俺は神の裁きの二次災害に出くわしたのか。てかお爺さん極悪人だったのか。そうか、今思い出したがあのお爺さん相当悪さしてきてそうな顔してたもんな。くっそー、あの時気づいていたのになー! 惜しかったなー! 

 

嘘です出鱈目ですでっち上げです。

 

「そうなります。本当にごめんなさい」

 

「いやいいぜ。まさか神様転生ってやつを体験できるなんて思っても見なかったからな。前の世界に未練がないかって言われたらアレだが、仕方ないで済ませることにしたぜ」

 

「……貴方、きっと大物になれましたよ」

 

「大丈夫、転生先で大物になって見せるさ」

 

どうせ元の世界に戻せとか無理な話しだし。死んだやつが蘇るとか絶対その後モルモットだぞ。ドキュメンタリーとか組まれてめちゃくちゃ装飾されて、友人気取りのただのクラスメイトが俺は親友とか言い出すぞ。僕詳しいんだ。

 

「死ぬことに関して、怖くはないのですか?」

 

「ん? んー、怖かったってのが正しいな。だって俺が死に対して恐怖してたのは「死んだら意識を失ったまま何もわからない状態になって二度と目が覚めないから」だし、今こうやって話せてるってことは俺が恐怖する必要がないってわけよ」

 

「……これがもしデマ、何かの実験の際の催眠だとしたら?」

 

「もうその時はなるようになれって感じかねぇ。だって、俺お爺さんの杖クリーンヒットで死んだし、今更喚いて何とかなるならそもそもこんな所に俺を用意しないだろ」

 

人生、楽しく考えたもん勝ちだ。あ、死んでるんだっけ。

 

「では、転生する際に何か力を授けようと思いますが、何か要望はありますか?」

 

お、運がいい。転生特典を貰えるなんてな。友達と話し合って、もしもの時にと考えた特典を貰える……やったぜ。

 

「なら、お腹壊さない体質にしてくれ」

 

「……え?」

 

「いやだから、お腹壊さない体質」

 

「それって……、つまりお腹がぐるぐるならないってことですよね?」

 

「そうそれ。可愛い言い方してるそれだよ」

 

そう、お腹を壊さない体質。これが俺とダチとで話し合った結論の答え。そもそも力手に入れてもそれを上手く行使出来る自信ないし、自分の特になり、あまりその世界でイレギュラー的なものにならないのを考えたらこれしかないね。

 

怪我しない体? 絶対就職先モルモットだろ。

 

超常的な力? 制御出来るわけないだろ。俺は人間だぞ。

 

仮に制御してどうする、完全に場違いな世界かもしれないんだぞ。

 

それならお腹壊さない体質がもっとも自分に得だと思わんか。

 

「ですが……貴方の転生先は、戦闘の多い世界ですよ?」

 

「……マジ?」

 

「マジです」

 

しばらくの沈黙。あの時考えてたこと全部無駄になった気分だ。てか転生先変えてくれよ。嫌だよ戦闘の多い世界って、ドラゴンボールかよ。

 

「……あの、転生特典変更は?」

 

「ありません。では、行ってらっしゃい」

 

「ですよねぇええええええぎゃあああああああああああ!?」

 

いつの間にか背後にいた先ほどの天使の女の子が俺を抱えて空を飛びはじめた。急上昇するもんだから言葉の途中で叫びに変わってしまったわ。やめろよ! 俺ジェットコースター苦手なんだ!

 

そんな願いも聞き入れてもらえず、天使の女の子は加速し、俺は意識を失って、気がつけば転生した。

 

二度目の人生、戦闘が多いらしい。

 

 

俺は引き篭もることを決心したのだった。




お爺ちゃんは凄腕のワル

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