Final Fantasy XV 〈Salvation〉 作:日鏡 夜幻
「やっぱ……つれぇわ」
真の王として、星の救済、世界を救う為に命を捧げた男ーーノクティス・ルシス・チェラム。
この世に生まれ落ちたその瞬間から、運命というレールの上を歩む事を決定づけられ、父も、愛する人も失ってしまった彼は、星の救済という真の王の義務を果たして孤独に消えていった。
アーデン・イズニアの野望から世界を救い、彼の真に願っていたことさえも叶えた彼だったが、その代償は自身の望みを犠牲にすることだった。
全てを救う為に一を捨てるのは正しいことかもしれない。事実、彼のお陰で世界には夜明けが訪れた。
アーデンとの最終決戦の前日、親友達との十年ぶり、最後のキャンプで吐露した彼の心情。"つらい" ……その短くも辛辣な言葉は、彼の全てを体現していた。弱音を吐いただけではなかったのだろう。
かつて父王であるレギスが、神凪であるルナフレーナが、その責務の辛さを誰にも見せなかったことで、気付いてやれなかった周囲にどれだけの想いを負わせたのか。それを知っている彼は、親友達にそんな想いをさせたくないと、心情を吐露したのかもしれない。
でも彼はおそらく、聞かれてもこう言うだろう。
「幸せだった」
みんなと、一緒にいられて。
ーーーーこれは救済の
ーーここまでのあらすじーー
『イオス』と呼ばれるこの星では人類が世界の覇権をかけて争いあっており、特にニフルハイム帝国なる大国がその圧倒的な武力をもって世界の大半を支配していた。
対して、ルシス王国はニフルハイム帝国の侵攻に唯一抵抗していた国だった。代々ルシス王家が恩恵を受けるクリスタルと光耀の指輪の力によって魔法障壁というバリアをルシス王国に張り巡らせ、帝国の侵攻を防いできたのだ。
世界で長きにわたる戦争が繰り広げられる中、イオスではとある現象が発生し問題となってきていた。『夜が長くなっていく』というものだ。日照時間は冬になれば短くなり、夏になれば長くなるのは一般常識としてして知られているが、この世界では日に日に日照時間が短くなっていき、最終的には夜明けが来なくなるといった災厄が起こり得るのだ。
前置きはここまでとして。
ルシス王家の第一王子、ノクティス・ルシス・チェラムは、ルシス王国とニフルハイム帝国の長きにわたる戦争の停戦協定締結の証として、帝国の属国にあたるテネブレアの王女、ルナフレーナ・ノックス・フルーレとの結婚式をあげることとなった。場所は水の都オルティシエ。
ノクティスは第一王子として、グラディオス、イグニス、プロンプトと共にオルティシエへ向かって旅を始めた。その旅は、父から譲り受けた漆黒の車、レガリアに乗って順調に進んでいたが、燃料切れなどのトラブルによってハンマーヘッドに寄り道したりしつつ、目的地に向かって走り続けた。
ーーその裏で、彼らが出発した後、ルシス王国の王都インソムニアでは停戦協定の調印式が行われていた。
ルシス王国は王都インソムニア以外の領土をニフルハイム帝国へ明け渡すといった条件で停戦協定に漕ぎ着くが、その調印式の場で帝国が反旗を翻す。帝国の狙いは調印式を利用してクリスタルを奪うことだったのだ。
クリスタルをかけ、王都インソムニア内で行われた戦争は一日で終結する。
王都陥落、レギス・ルシス・チェラム 現ルシス王の崩御と共に。
そして陥落したルシス王国の王となるべく、ノクティス達は長きにわたる旅を続け、世界を脅かしていた黒幕を打ち倒すのだった。
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