Final Fantasy XV 〈Salvation〉   作:日鏡 夜幻

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第一章 女神エクレール

 どこまでも闇が続くと思っていた。

 

 

 これが無なのか……と、死にゆく意識の中で、消えながらもノクトは虚空を見つめていた。

 

 全てやりきった、というのが彼の今の心情だった。アーデン・イズニアを倒し、真の王の力を解放することによって世界を救済した。元々決められた運命なのだ、それなら失敗せず全て成し遂げた自分を褒めても誰も文句はないだろう。

 

 親父だって、これから行く先で頷いて待ってるはずさ。

 

 

 

 

 

 ただ、心残りがあるとすれば。

 

 

 

「もう少し……みんなといたかった……てところか」

 

 

 

 

 それはもう叶わぬ願い。

 

 

 ただ、自身の辛いという想いを伝えたノクトは、やっと親友達と心のそこから繋がりあえたと思った。

 

 もう一度彼らと会えるなら。もう一度彼らと旅ができるのなら。そんな事ばかり虚空の中で考えてしまう。

 

 頭に浮かぶのはレガリアに乗ってガーディナへ向かうあの早朝。延々と続く道路を、動かなくなったレガリアを押して進むハンマーヘッドへの道。

 

 グラディオとの剣の修行、イグニスの料理、プロンプトが撮ってくれる写真……どれをとっても最高の思い出だ。

 

 もう一度この輝かしい思い出を、続けることができていたのならば。

 

 

 

 

 

 そして、そこにルーナも一緒にいられたなら。

 

 

 

 

悔やんでも仕方のないことだ、と頭では分かっているのだが、心が納得をしてくれない。

 

神凪としての務めを完遂し、命を燃やした彼女は死ぬまで自身の役目に忠実だった。でも、だからこそ、彼女自身の気持ちは本当のところどうだったのか。

 

俺達が交わしていた手帳のやり取りには刻まれることのなかった彼女の想いがあったのではないのだろうか。それに俺が気付いてあげられなかっただけじゃないのだろうか。

 

そんな風なことが頭をよぎるだけで、胸が苦しくなってくる。

 

 

こんな時にみんながいれば……と、らしくもなく心細くなる。いや、俺はどんな時も王としてあり続けなければならない、と虚勢を張っていたのかもしれない。心の底ではいつも周りの人の助けを求めていたんだ。

 

でもそれは何も間違ったことじゃない。王とは一人で道を切り拓く者でもあり、民に、周囲に支えてもらいながら有り続ける者である。

 

 

グラディオがいたなら今の俺を叱咤するだろうか?

 

イグニスならそうだな……冷静に解決策を考えてくれるかもしれない。ま、おそらく何も言わずに肩を叩いてくれるだろうが。

 

プロンプトは明るく元気付けるようなことをするだろうな。

 

 

ったく、こんな時でも思い出すのはみんなのことばっかりだ……

 

 

ノクティスの瞳が閉じられる。

 

 

 

 

永遠に続く闇に身を任せる為にーーーー

 

 

 

 

 

 

だが、

 

 

 

 

 

 

 

「真の王よ……目覚めの時だ」

 

 

 

 

 

 

 闇に光が射した。

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