超能力でいく!僕のヒーローアカデミア   作:羽柴光秀

2 / 12
入試 ※1

 ここは雄英高校、正門前。

 会場でじっと待つのが嫌で家を遅めに出たから只今の時刻は8時10分。時間的には結構ぎりぎりだね。もしかしたら主人公に会えるかもしれないなぁ。

 

 キョロキョロするのはなんか格好悪いかなと、気になるけど前を見て校舎の方に歩いていく。

 

 うわぁ学校でか!見た目テレビ局のビルみたいだし、高校の校舎には全く見えないな。

 

「どけデク!!」

「かっちゃん!」

 

 おっ主人公と爆発君じゃん。いい具合に確執ってるねぇ。青春、青春。

 

 爆発君の荒々しい声で二人を発見した。流石にここでは喧嘩を吹っ掛けたりしないみたいだ。あと主人公ビビり過ぎな。足ガクガクになってる。

 

 あっこけ……なかった。見てて心臓に悪いねぇ。そしてうらちゃん優しい。

 

「お互い頑張ろう!……あっひとよおはよー!なんか緊張するね!」

 

「うらちゃんおはよ。こんな時こそ平常心だぜ、平常心」

 

「だぜって!ひとよも変になってるよ」

 

「うっぷす、これは失敗」

 

 うん、うらちゃんこと麗日お茶子ちゃんとは幼馴染みです、どやぁ。ご近所さんで幼稚園からの親友なんだよ。初顔合わせの時に名前を聞いて驚いたね。まさかの原作ヒロイン!?まじか!って大分テンション上がったから、最初は不思議がられてたなぁ。

 

「今日はしゅうちゃんと一緒じゃないの?」

 

「やーさんは遅れるの嫌だからって早めに出たんだよ」

 

 うらちゃんが言ったしゅうちゃんとは、フルネームで降屋宿人。うらちゃんがファースト幼馴染みだとすると、セカンド幼馴染みにあたる奴だ。そして同じ転生者でもある。

 初対面でうらちゃんにアタフタしてたから、これは!ってすぐに分かったね。ちなみに原作を変えたくない!ってフェードアウトするつもりだったのを、うらちゃん自慢で雄英受験に巻き込みました。いやだって子供のうらちゃん可愛すぎてさ、過保護一直線になるしかないじゃん。

 

 

 

 雄英高校 講堂

 

「今日は俺のライヴにようこそー!!!エヴィバディヘイセイ!!!」

 

「ヨーコソー!」

 

「リスナーは受験番号2498番だけかあ!?こいつあシヴィー!

 受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?」

 

「イェヤー!」

 

「2498番はレスポンスサンキューだぜ!さて、入試要項通り!リスナーにはこの後!10分間の“模擬市街地演習”を行おこなってもらうぜ!!持ち込みは自由!プレゼン後は各自指定の演習会場へ向かってくれよな!!オーケー!?」

 

「オーケー!」

 

 ふっこれでミッションは終わりだな。

 

「終わってねぇよ!俺の横で目立つな!!」

 

 この男こそやーさんこと、降屋宿人。目立つのが大嫌いなシャイボーイである。

 

「心読むなよー。仕方ないだろ、プレゼント・マイクのライヴだったんだから」

 

「あほ!ライヴの前にこれは入試ガイダンスなんだよ!真面目にやれ!」

 

「まあまあプレゼント・マイクさんも嬉しそうにしてるし、しゅうちゃん落ち着いて」

 

「……分かったよ」

 

「真面目にやりまーす」

 

 これは転生者だからこそノるべきだったのにさぁ。つまんなーい。

 

「やっぱり会場は離れるのか」

 

「受験番号連番だからねぇ」

 

「少しガックリだね」

 

「うらちゃん……!私もうらちゃんと一緒がよかったよ!」

 

「だから真面目にやれと」

 

「はーい」

 

 いいじゃん、自分もうらちゃんと一緒の方が良かった癖に。目が笑ってないの自覚しろよなー。

 

 小声でわちゃわちゃしていると、我らが飯田委員長が質問する場面だった。真っ直ぐに伸びる手が眩しいねぇ。

 

「質問よろしいでしょうか!」

 

「!」

 

「プリントには()()の敵ヴィランが記載されております!誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!!我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!!」

 

 おまっまじか!仮にもプロヒーローに対してその言い方はないだろうに。初期飯田まじやべぇ。

 

 紙面で見てたらさらっと流してしまうけど、現実に教師でもあるプレゼント・マイクにあの言い方は失礼極まりない。

 

「ついでにそこの縮毛の君!先程からボソボソと……気が散る!!物見遊山のつもりなら即刻雄英ここから去りたまえ!受験番号2498番の君も!入試説明では静かにしたまえ!」

 

 えっ私もかよ!原作と違うくね!?

 

 原作通り主人公が注意―――いちゃもんに近い気もするが、されたと思ったら私も注意された。

 

「そうそうに原作と違ってくるなんて……やっぱりミスったか」

 

「もう今更でしょ、それより初期飯田ムカつくわー」

 

 腹立つけど(のち)を考えると悪印象を与えることは出来ないし。モヤモヤする!

 

 やーさんの後悔は時すでに遅し、うらちゃんと一緒に高校生活を送りたい私たちにはわざと落ちるなど出来はしない。それよりも初期飯田は全方位に喧嘩売ってるよね!ムッかー!

 

「オーケーオーケー!受験番号7111くんナイスなお便りサンキューな!四種目の(ヴィラン)(ゼロ)(ポイント)!そいつは言わばお邪魔虫!スーパー◯リオブラザーズやったことあるか?レトロゲーの。あれのドッスンみたいなもんさ!各会場に一体!所狭しと大暴れしている“ギミック”よ!」

 

「なるほど、避けて通るステージギミックか」

「まんまゲームみたいな話だぜ、こりゃ」

 

「有難う御座います。失礼致しました!」

 

 スパマリがレトロゲー扱いかぁ。こういう時に世界が違うって実感するな……

 

 なんとなく複雑な気持ちになっていると、隣のやーさんが肩にポンっと手を置いてきた。

 

「感傷に浸ってる暇なんてないぞ」

 

「……分かってるよ、ありがとやーさん」

 

 転生してきたのが自分一人じゃなくて良かった。久しぶりにそう実感した。

 

 

「―――俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校"校訓"をプレゼントしよう」

 

「「「!」」」

 

「かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!!」

 

「"Plus(更に) Ultra(向こうへ)"!!」

 

「それでは皆良い受難を!!」

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。