ヒッキーが原作での希望進路は私立文系だったけどはるのんをちょこっと出したかったので国立に変更。
今さらだけど連載が向いていないかもしれないと思ってしまった。
あらすじにもありますがヒッキーが国立文系にいるって設定です。
冬も明け、少し暖かくなった風、ひらひらと散っていく桜の花びら、そして新入生たちのこれからの大きな期待と少しばかりの不安な表情。
この季節ならではの独特な空気のなか俺こと比企谷八幡は2年目となるキャンパスを歩いていた。
先程入学式も無事に終わり、会場の片付けのため、馬車馬のごとく働かされていた俺は報酬としてもらったお茶のペットボトルを片手に持ち、あとは荷物をとって帰るだけだなと新入生の勧誘で騒がしい通りを見ていた。
さて、どうするか……。荷物をおいている場所はあの通りを突っ切ったらすぐのところにあるため突っ切りたいところではある。しかしあの人混みの中に入るのは勘弁したい。
昨今はブラックサークルなんてものもあるらしく大学側も気を付けているらしく、強引な勧誘こそしていないが、持つのも大変なくらいの量のビラを配っていたりとどのサークルも余念がない。熱心なことで、うちとは大違いだな……。
なんていつまでも現実から目を背けていれるわけもなく、そろそろサークルの部室に行かないと4年の超怖い先輩と3年の超天使な先輩、それから由比ヶ浜にもに怒られてしまうためあの人の川を突っ切る覚悟を決めて歩き出す。
「あ、すみません。……おっと、ごめんなさい」
いや、ほんとなんでこんなに人が多いのん?さっきから結構人に当たっちゃって謝りまくってるからね俺。なんなら当たりすぎてもう当たってない人にまで謝ってるまである。
「もうちょい…………っと。はぁ、「やっと抜け出せた。ってえ?」」
被っちゃったよ台詞。なんかこうゆう時って何故かその相手の方向いちゃうよねうん。ってことでつい興味が湧いてしまい隣へと顔を向けると──
「あれ?先輩?」
──そこにはどういうことだかスーツに身を包んだ高校時代の後輩。一色いろはがポカンとした表情で首を傾げていた。
「一色?」
見間違え、または他人の空似という可能性もあるため呼び掛けるつもりだったがどうやら先を越されてしまったらしい。俺のことを『先輩』と呼ぶのは一色いろは以外にはいないため目の前の少女は紛れもなく一色いろはであると確信した。
……やだ、俺の知り合い少な過ぎ……。
「先輩じゃないですかー‼お久しぶりです‼あなたの唯一の後輩、一色いろはです‼」
首を少しだけ傾げ、片目を瞑り、可愛らしく敬礼するその姿は自分の知る一色いろはそのものであった。
「おう、久し振りだな。その格好と髪だからちょっとわかんなかったわ」
そう、俺の知る一色いろはの服装は大体が少しだけ着崩した制服か何回かだけ見たことのある私服だけだったのでスーツというのは少しばかり分かりにくいのだ。
それになによりも髪型である。亜麻色というのは変わっていないが、肩までだったのが背中辺りまで伸びている。
「あぁ、そうですね。去年は全然会ってなかったので先輩知らないんでしたっけ?わたし、今髪の毛伸ばしてみてるんです。似合いますか?」
「まぁ、いいんじゃねぇの?ちょっと見慣れない感じはするけど。じゃあ俺こっちだから」
やっぱり女の子は髪型1つ変わると大分印象変わるもんなんだなぁ。なんて考えながら歩き出すとなせだか一色も着いてきた。
「なんだよ?帰り道がわかんねぇの?それならあっちを真っ直ぐ行ったらすぐだぞ」
やだ、八幡超親切。決して去年自分が初日から道に迷ったから覚えてる訳ではない。そう、決して。
「いやいやいや、あり得なくないですか?だって1年ぶりですよ?去年1年間会えなかったんですよ?積もる話とか超あるんじゃないですか?
……はっ‼なんですか口説いてるんですか?お前のことはわざわざ聞かなくても理解できてるとかちょっと嬉しいですけどわたしは話したいこと沢山あるので無理です。ごめんなさい」
「なんだよ、やっぱり振られちゃうのかよ」
っていうか俺は1度たりとも告白したことないんですけどね。なんなら万が一気になっていてもあらかじめ振られてるから一瞬で失恋しちゃうまである。
「いや、でも、ほら、俺はこれからサークルあるし、お前も自分のサークル選びとかあるんじゃねぇの?」
「えっ?先輩サークル入ってるんですか?あの先輩がですか?マジですか?今度は誰に強制入部させられたんですか?」
ちょっと一色さん?距離詰めすぎですことよ?近いからねあと近い。あと、小町にも言われたけど俺のことなんだと思ってんのこの子ら?
まぁ、確かに強制入部みたいなものだったけどね?
これは一色いろは超能力者説が微粒子レベルで存在するな。
近づきかれぎてちょっと懐かしいアナスイのいい匂いがしてきたので身を引いて離れ、またトコトコと歩くと部室前に着いたので一応紹介しておくことにした。
「ほら、ここだ。このサークルだよ」
「は?『万事部』なんですか?これ?」
安心しろ。俺もよくわからん。この1年。活動らしきことは特になく、大体が陽乃さんの思い付きで動いてたからなぁ。
一色は陽乃さんともめぐり先輩とも面識あるだろうし、由比ヶ浜も久し振りに可愛がっていた後輩に会えたら喜ぶだろうしちょっと入れてやるか。
「入れよ。大したことは出来んが紅茶くらいなら淹れてやる」
「えっ?あっ、はい。まぁ、入りますけど」
胡散臭げな表情で俺の後ろに着いてくる一色に少しばかり懐かしいものを感じつつ部室のドアを開ける。
───新たな春の訪れは懐かしさと新鮮さの混じったアナスイの香水と新品の服の匂いがした──
ありがとうございました。
メインの「妹さえいればいい」とのクロスオーバーも見てくれると嬉しいです。
あ、あと続かないです。これ。