人間は愚かである。人間は『それ以下』を望まない、『それ以上』をこよなく欲する生命体
願望と欲望が交じり合ったとき、そこに何が起こるかは予測が出来ない。だが……決して、それは良い方向とは……考えられない
人間は『悪い事』しか、実験できなからだ―――――
「なるほど………素晴らしい」
「博士…!? これは、全部『奴』が……!!」
老人とは思えない威厳な顔のニュートン博士と、その横に博士より小さい助手が強化ガラス越しから『奴』を見下ろす
それはまるで歴戦の証ともいえる、魅了する肉体。獣のような立ち方で、人外であると思える異様さ
『奴』と言われた存在は、ドームの中でひっそりと、ただ静かに立っている。目をあけ、微塵も動かず静かにと
「これは新たな発見だ。やはり、『奴』は唯一
「しかし、これはどうみても危険なのでは!? このまま野放しにしたら、破壊されまずぞ!?!」
助手の視線はすぐさま『奴』に向けた。それでも、視線を感じても微塵を顔を動かしてみようとしない
ただ腕を組んでいる。仁王立ちしているように見えるが、どうも可笑しい現象に思える
『………………』
真っ直ぐ、何もない壁をただずっと見つめる
「『奴等』は死に間際に卵を産む習性がある。そこから気持ち悪いのが出てくるが、ただそれだけの機能ではない。どうやって死んだか? どう対策取るか? どう子孫をさらに強くするか? そう――奴らは変化と進化を遂げる。殺虫剤で殺せば、その免疫ができて物で叩かれたらより俊敏に進化する。だが…興味深いのが……―――――
『最強』に殺されたら、どうなるか」
博士はそう説明し、ドームの中をまた改めて見る。それは、鉄球が砕かれ瓦の山が木端微塵に特別の壁が破壊され地面にはまるで擦ったような跡……これは走った時の摩擦
そう、この事が出来るのは『最強』だけではなかった
「はぁ? 俺と戦いたい奴がいるって?」
「あぁ、そうなのだよ虎之助くん」
急にいつの間にかそんな事を言われて、正直驚いた。別に急にとかじゃない……ただ、俺と戦いたいって悲願してきたことだ
「どうも『奴』は君の存在を深く興味をさしてね……どうも、融通が利かなくて困ってたんだ」
「だが、俺はこの後も一郎に稽古を「その件に関しては、戦ったあとでもいいじゃないか?」……そうだな」
本当にこの後一郎とともに稽古をしようとしていたが、どうもこのニュートン博士の笑みが気になる
先ほどからニコニコして、どこか不気味と感じるかそれもまたいいだろう。俺は一張羅のパーカーをきて、自分の部屋から出た
そして、物好きがいる所まで案内されることとなった。さてと、本当に様子が可笑しいが、まぁどうにでもなるか
ようは悪い方向なら、この『力』で捻じ伏せることは可能だろう。そう思い込み、足取りを進める
「ここが、君と『奴』の決闘場所だ。かなり費用がかかっているが、存分に暴れてくれ」
「たく、またドームかよ……前もドームであんたに騙されたから、どうも釈然としないな」
階段を下り、ドアを開ける。………可笑しい。何故、『開ける』んだ? 普通なら、こんな最新設備の場合は自動ドアが定番
勿論、この施設のほとんどは自動ドアである……一部を除いては。固く重いドアを開け、ドームの中に入る
爺はそのまま逆に上にあがり、あの強化ガラスから俺を見下ろしているだろう。ムカつく
しっかし………
「なにもな『じょうじ』!?!?!?」
『バッ!!!!』
『なにもない』。そう呟こうとしたら、突然後ろから声が聞こえた。俺は顔でもわかるように驚き、すぐさま距離をとる
『最強が驚いた』……これは、数年ぶりの感じだ。俺の場合は『奇想天外』、『摩訶不思議』なのだが、まさにこの現象はそうだ
このドームで感じていた匂い、跡、生命体は密かに感じていたが、何時の間に俺の後ろに現れたんだ
「なぁ………害虫さんよぉ!」
『じょうじ!!!』
それは一見、俺が何回も喰らったあの害虫にソックリだが……何処か違う。これは、異様か? それとも、目で見えるものか
例えば体型だ。これは一目でわからないであろうが、筋肉がギッシリと引き締まっている。鍛えているのか?
そして、あの動作。まるで獣と同じだ。ご存じのように肉食動物は『ぬきあし』が得意である
何故か? 得物を狩るために決まっている
『ボォン!!!!』
「おっと………上から……鉄球?」
何故かは知らないが、上から鉄球が落ちてきた。衝撃がドームに響く渡り、揺れだしている
この鉄球……何処かで
『じょうじ!』
『ガシッ……………メシシシ』
害虫は声を発するとともに、片手を鉄球に当てた。と……次の瞬間に指だけを食い込ませ、そのまま持ち上げた
これって…………おいおいおいおい、嘘だろ
『じょ!』
『ガァン!!!』
そして、砕けた
容易く、まるでビー玉を扱うように。どういうことだ………。俺はこの行動はよく覚えている
そして次に瓦の山や特別の壁やらを破壊し、俺に見せびらかすように顔をこちらに向ける
「どういうことだ爺!!!!」
「気づいたかね、虎之助くん。そうまさに、このテラフォーマーは『君』自身にそっくりなのだよ。こいつは『君』を選んだんだ」
「テメェ……!!!! 勝手に俺のDNAをこいつ等に仕組ませたな!!?」
「それは誤解だ」
博士は丁寧に返す
「たしかにそれも考えたが、第一君は血を流したことがないじゃないか? おまけに刃物はささらない、お手上げ状態」
「なら、目の前のこいつは一体なんなんだ!!!」
「そいつは通称『T―23』。君がドームを破壊したときに、唯一生き残った害虫だよ」
「なっ………!!!」
絶句してしまった。どう言葉を探すのが、この数秒で思いつかなかったのだ。あの時たしかに『言動』を放った
だが、それを止められた
「その生き残った害虫はすぐさま卵を産み、生まれた。そして、学習したのだよ……『虎之助と戦うな』と」
「どういうこと『ドガッ!!!!!』」
ふいに、顔面に打撃をくらってしまった。確かに、痛いと一瞬だが感じてしまった
だが、それでも俺は『倒れない』。『痛がらない』。『屈しない』。それが俺に与えられた『最強』だから
爺は様子をうかがったが、それでもその口は閉じない
「そして、君と戦うとき最初の子孫はすぐさま『隠れた』。君の食事から生き残った………次に、虎之助という存在を研究しようとしたのだ。やがて子孫を強くするように何回もソイツの先祖は卵を産み続けた」
『ドォン!!! ドォン!!!』
『じょうじ』
博士がわざわざマイクで話しているのに、コイツは興味も示せずただ俺を殴り続けている
顔、首、溝、脇、脚……そしてまた顔と、順番に殴りまるで『人間』と戦っているような感じだ
一発一発が重いともいえる
「そして……いわば、ソイツは23代目ということだ。これが、私の研究成果だよ」
「なるほどな。つまりコイツは…………
俺のために生まれたもんだよなぁ!!!!」
『ドォオン!!!!!』
呆気ない幕切れとは、こういうことを差すのか
俺はただやり返すように、奴の顔面に思い切り拳を当てた
ただ、それだけで……………………奴の頭は跡形もなく吹っ飛んだ。『最強』に耐えられなかったのだ
「ッ!!!」
「おい、博士。『バグズ計画』まで、あと半年……俺はこんな人工と遊ぶのは飽きたんだよ。すでに……本場のしか興味はねぇ」
俺はそう言い残し、この場を去って行った。あと半年で、あのクローンより強い奴と出会える
一年前からそのことで頭が一杯で、食欲も進む。そう………もうすぐで
ドームの中を洗浄するよう、機材を持った人たちが中に入りだす。テラフォーマーの死体を掴み、その現状を見て気持ち悪いと全員思った
だが…………
「ん? なんだ、この黒いのは?」
まだ、『奴等』は生き残っていた
えぇ~、とりあえず次回から『バグズ二号』編が始まります!!!
とりあえず、感想どしどし送ってください!! 最近、創作意識が激しく上下してて……