第十一喰
「貴様らにここに集まったのはほかでもない!!!! 今日、我々はこの世界の大義を抱え火星へと向かう事となった!!!! いいか!!!! 火星は我々にも予想できない世界となっているかもしれない!!! なら、まずは――――」
「おいおい、長いな。小学校の校長先生のスピーチかよ」
「仕方ないでしょ。つか、耳元で喋るな臭い」
『火星』
そう、500年前人類が送り出したゴキブリの回収でもありこれからの先が決まる重大な場所
火星に人は住めるのか? 火星で生活できるのか?
その疑問をはらすべく、今日この場に居る全15人の乗組員たちが『バグズ二号』に乗ることとなった
つか、このゴリラぁ……!!!
「誰の息が臭いって!? 俺はまだピチピチジョイ並の消臭の効果もある息だわ」
「黙れよ、ゴリラ。野生に帰ってメスゴリラとヤッてろゴリラ」
「あっ!? 今ゴリラって二回言った。ゴリラはお前の方だろ、マウンテンゴリラ。略してマンゴリ!」
「誰がマンゴリだゴラァ! どうみてもアンタのその図体が、ゴリラに近いんだよ!! なに? 動物園から逃げたのか? 食事のバナナが気に食わなかったのか!!?」
「んだと、この「うるさいぞ、そこの二人ッ!!!」」
いつの間にか声の音量が激しくなり、それがあの船長に聞こえてしまった。怒られた様子を他に見られ、クスクス肩が震えている奴らもいる
一旦言い合いをやめて、お互いそっぽを向く。だが、それでも視線は向ける。隊長は整えるよう、咳をしだす
「ゴホン―――すなわち、危険があるかもしれないのだ。だから、皆お互い協調しチームワークを保つように。いいな」
『はいっ!!!!』
全員デカい声で返事をし、これから宇宙に飛び立つという覚悟を決めている。全員の視線が一瞬、空に向けていた
俺と奈々緒――――
だが…………
「いやだなぁ………」
そう、一言が俺の口から出てきた。実際火星には大量のゴキブリが居るだろうし、それを捕まえたり駆除するのはなぁ
唾を『ゴクン』と飲み込み、俺も最後の覚悟を決める。もう俺の命は、この組織に買われたんだ
死ぬも生きるのも……勝手ではないんだな
拳を硬く握り、目を鋭くする。そして、いつの間にか目の前には『あの』博士が船長の隣に立っていた
「諸君、今日はいい日だな。死ぬにはうってつけの日だ」
急に背筋が凍った
『死ぬ』という単語は今になって怖くなったのか、俺は身震いを起こしだした
「火星にいけば何があるのかわからない。そう、命の危険性もありえるかもしれないのだ」
「君らは私たちの買われた『道具』でもある。別に死のうが生きようが、どうでもいい」
何人かは思ったはずだ。『こいつは性格が悪いと』。奈々緒の目つきがいつもより鋭くなっている
俺はそれをみて、同じように奴を睨む
アレクサンドル・グスタフ・ニュートン。この『バグズ2号』の指揮官であり最高責任者みたいな人だ
そして、俺たちの体を弄った張本人
「だが――――そんな君らに朗報だ。実にすばらしい情報を教えてやろう」
「は? なんだ、急に。ついにボケたか」
「テメェもたまに独り言いうのは、軽いボケだと思うよ」
「お前に聞いてんだよ。急に朗報と言われたも、まさにすでに俺たちは『奴隷』だろ? 解放か?」
「さぁ? けど、あの博士……さらに口が笑ってるわよ」
博士は不適な笑みを浮かべ、そのまま横に移動した。それにより、俺たちも横に体を向けたらそこには………
「この中に、『最強』がいる」
まるで試着室と同じ奴で、博士がいうにはこのカーテンの向こうに『最強』が居るらしい
「博士!? そんなの聞いてませんよ!?」
「ドナテロ・K・デイヴスくん。世の中には『予定変更』というのがよくあることだよ。さぁ、とくとその姿を拝みたまえ!!!」
『バサッ!!!!』
カーテンを掴み、思い切り外した。博士は取ったときも密かに笑い、俺たちは驚きだした
全員が
何故なら―――――
「え? いないんですけど」
「なにっ!?」
そう、人っ子一人もいない。見えるとしたら、ただの空間がそこに残っているだけ
博士は箱の中に入り、くまなく『何か』を探し出す。どうなってんだ? 予想も出来ない……
「あのバカ……!!!」
「うそ、トラ……」
「はぁ………」
「すまん、待ったか」
声が聞こえた。まるで『俺の声を聴け!!!』といわんばかりの存在の声が、俺たちに届いた
目立つ声の元に、顔を向けると……
「ちょっと食事中だったから」
何故かすでに死んでいるサーベルタイガー……みたいなのを、口でくわえてこちらに走ってきているからだ
予想もなにも、すでに都市伝説並の出てきたんですけどぉぉぉぉぉおおおおお!?!?!?
なにアレ!? なに、あの男。勇ましいとか超えて、奴の周りだけ違う世界感じるんだけど!?
しかも、あの巨体のサーベルタイガー……を、口で咥えたまま来るなんてどこのターザン!? たしかに俺映画見たよ、たしかにあのサーベルもどき居たよ!?
けど、咥えてなかったよ。むしろ、漫画肉になってて調理されてたのに何生でいっちゃってんの!
「あれ? なに、その『最強』をみた顔。当たり前だよ」
「ちょっ!? 虎之助くん、なんでこの中に入ってくれなかったのかね。私メッサ恥ずかしかったよ。マジックショー失敗したみたいだったよ」
漆黒のような綺麗な黒髪で、俺のように前髪をあげている。さらに、服装は白一色である
身長もおれより高く、何より服の上からでもわかる筋肉
異質の『存在』と気づいたのは、俺だけではないようだ。あの船長や、他の隊員たちも絶句している
「いいじゃねぇーか、爺。俺はただ食事中だったわけだ。決して寝ていたわけでない」
「そうか………………なら、なんで目が半開きなんだね」
「これはアレだ? 『最強』にだけ許されたその……とりあえず、そういうことだ」
「寝てたんだよね? 君、こないだ『本場の』とか『火星にいく』とか言ってたくせに、なに遅れてきているんだね!」
「昨日はそれを考えて眠れなか………zzz~~」
「小学生か君は! って、寝るんじゃない!!」
まるで漫才を見ているようだ。博士は奴の襟をつかみ、勢いよく揺らしだす。首がガックガックなっているが、それでも寝ている
船長が二人に静かに近づく
『バン!!!』
「起きろ貴様ぁぁぁあ!!!!!」
拳が顔に入り、いい音がこの場所に鳴り響いた。確かに気持ちのいい効果音だが、さすがにやり過ぎでは
こんなんじゃ永遠にねむっちまうんじゃ――――
「なんのようだ、アホが」
「ッ!!!!」
場の雰囲気が急に変わった。まるで……何処かの獣に狙われているような…なにもない所で突っ立っているような
俺は一歩下がった。そう、反射的に
「あぁ~、お前が船長だな。知力、筋力、観察力、危機感力、超感覚。たしかに、この中ではすぐれているようだな。しかも、骨格がよく出来上がっていて血流も平常だ」
「な、なんだ貴様は………」
「俺は? 俺は白峰 虎之助。『最強』であり『強者』であり……このメンバーの一員だ」
その男は何もなかったように船長の拳を退かし、そのまま俺たちの目の前に『立ちふさがった』
すると、みんなの顔つきが変わりだす
「俺が群れに入ったからには、絶対的に『勝利』と『成功』を収めるのが義務だ。俺は無茶苦茶に動く、だからお前らは俺の背中で暴れろ。被害を受けたくなければ」
「ま、まて!? ここでの船長は俺だぞ!?」
「あぁん? 群れに入ったからに、俺が『ボス』だ。文句あんのか、三十路」
「三十路と呼ぶな、貴様ぁ!!!」
「んだとごらぁ!? 調子にのってるぞ喰うぞ!!」
俺………やっていけるかな、このメンツで。顔を奈々緒に向け、奴も顔がやつれているようだ
俺事、小町 小吉は今日―――――火星に行きます
感想をください!
おまえ
「三十路が……船で一人で動かない方がいいぞ。おもに背中に注意警報だ」
「まだ娘に『お父さん若いね』と言われたのに……!!!!」
「………すいませーん、誰か胃薬をくれないか? できればバナナ型の」