妖虎の漢花道物語   作:貧弱戦士

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外伝喰 進撃の白虎

 

 

 

人類は弱い

 

そう、それは生まれた時から分かっていたのだ。いや、世界がそう決めた。人類はなにもなく、取り柄もないただの生命体である

 

頭が少しいいだけ

 

筋肉が少し発達しているだけ

 

それ『だけ』である。決して、人類は高みを目指してはいけない。されば、必ずもその代償は来る

 

それがどのように返ってくるのかは、未知である……が、この世界での残酷は、どうやらコイツ等らしい

 

 

 

「母さん!!!! 早く!! 早く逃げようよ!!!?」

 

「ダメよエレン! 言う事聞きなさい!! ミカサ!! エレンを、エレンをお願い!!?」

 

「やだ…!! また、家族を失うのはもう……!」

 

 

 

ここに、一つの『悲劇』な家族がいる。まるで物語に描かれているような家族。一人は根が強そうな男の子、一人は過去を背負っている女の子、一人はそんな二人の安全を願う母親

 

泣ける物語であろうが、それ以上なのだ。今の現状を上手く伝えれば、瓦礫に挟まっている母親を、子供たちが非力な力で助け出そうとしている

 

なんともまぁ、無謀な作戦。されど、時間は『無い』。いや、別にそんな意味ではない

 

この程度なら死なないだろうし、きっと応援が来るだろう…………だが、『世界』は残酷で無謀の連鎖であるのだから

 

よく考えてみよう

 

何故、この三人は焦っているのか? 洪水が迫ってる? 炎がくる? 地震? 神の天罰? 

 

いいや……―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

       巨人だ

 

 

 

『ドシン、ドシン』

 

「この……足音は………」

 

「くっ! ミカサァ!! もっと力入れろ!!!! もうすぐだ母さん、もうすぐで……!!」

 

「お願い! もう逃げて!! 巨人が近づいてくるわ!!」

 

「嫌だよ!? 俺は……俺は……!!! 絶対嫌だぁぁぁああああああ!!!!!!!!!」

 

 

 

 

少年の哀れな方向は、この一体を飲み込んだ。最大の拒絶はなにを産むか? 絶望、増悪、狂気……いいや

 

『最強』を産む

 

 

 

「少年少女!! 一体、貴様らは何を望む」

 

「え………?」

 

 

 

いつの間にか、二人の後ろに座っていたのだ。三人は目をテンにし、その『最強』を再度見直す

 

落ち着いた表情・あぐらをかいている脚・目線だけを『人類』に写している。もう一度見直す

 

この余裕はどこから出るのかと、思う。今現在進行形で、この近くに『巨人』が近づいてくるのだから

 

まるで―――――

 

 

 

「久方に見たぞ、その染まり過ぎた『表情』・『感情』を。そんな貴様らに、質問だ。何を望む?」

 

「な、なんだコイツ……頭が可笑しいのか」

 

「す、すみません!!! 勝手ながら、この子達を連れて逃げてくれませんか!!?」

 

 

 

母親は子を思う。まさしく、美しく思う瞬間だ。その声は『最強』の耳に入り、魂に響いた

 

一息つき、立ち上がる

 

 

 

「この俺という『最強』に逃げろなんて………なんともまぁ、面白き虚言よ! だが、それは出来ない事。俺にもやる事があるので、ありがたく受け取ろう」

 

「何を言っているのですか!? すぐ近くに巨人が来るのですよ!! このままじゃ、アナタやエレンたちも「案ずるな、正気を保て女。まずは俺の用件からだ」」

 

 

 

『最強』は一歩一歩踏み込み、母親の上に乗っかっている瓦礫に手をかけた。その動作を終え、再度口を開く

 

子供二人は、その姿に唖然する。自分たちより身長が高く、体格もよく飲んでいる兵士よりガタイが良いと

 

いつの間にか子供は『最強』に取り込まれていた

 

 

 

「さぁ、もう一度貴様らが思ったことを『世界』に叫べ。一時一句、綺麗に!! 激しく!! 大きく!! ちゃんと息を吸い!!」

 

「「はぁ……はぁ……」」

 

「叫べ!!!!」

 

 

 

 

 

 

「「世界は…………残酷だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

 

 

 

 

まるでここまでを誘導されていたようだが、最後は自らの意思で『世界』に訴えた少年少女

 

その姿をみて、『最強』は笑い出す。そして、瓦礫を掴んでいる手が徐々に上がりだす

 

 

 

「いいものを聴かせてもらったぁ!!! なら、その報酬として『最強』からのプレゼントだぁぁ!!!!」

 

『ググ………ビュン!!!』

 

「え………?」

 

「う……そ………」

 

「なん……だ、これ」

 

 

 

またも驚く。それはそうだ……自分より重い瓦礫を、この『最強』が軽々持ち上げたわけではなく飛ばしたのだから

 

『最強』は手首をゴリゴリ回し、辺りを確認する。すぐそこに自分よりデカい生命体一体が近づいてきている

 

右手をパー、左手をグーにする

 

 

 

『ドォン!!!』

 

 

 

刹那、一瞬でそれはくっ付いた。それは開戦の合図とも言えようか。少年少女は母親を担ぎ、一目さんに逃げ出そうとする

 

 

 

「お、おい!? テメェは逃げないのかよ!?」

 

「そうだよ! そのままじゃ食べられちゃうよ!」

 

「はははっ!! 食べられるのならそれも『運命』だ! だが、それは無い。絶対ない! 宇宙無い! スーパーハイパースペシャル無い! 『最強』に敗北は許されない。だから、早く行け!! 少年少女とその母親よ!!」

 

 

 

巨人の前に立ちふさがり、武器もないくせに何故か拳を構える。その行動で、三人はまたも仰天した

 

だが、戻れない。足先をゆっくりだが避難場所に進み、顔だけは後ろで『守っている』男に向ける

 

 

 

「あ、それと少年少女!!! その煮え切った思いは決して忘れるな!! 心に刻みつけ、新たなる進撃の火蓋となるのは確実だから、決して忘れるな!! 今こそ、お前らみたいなのが『世界』に『復讐』するときなのだ!! ははははは!!!」

 

「は、はぁ!? 意味わかんねぇよ!!! つか………俺はエレン・イェーガだ!!」

 

「私はミカサ・アッカーマン。少女ではない」

 

「覚えといてやる!!! ちなみに……俺こと『最強』の名前は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          白峰 虎之助だ!!!!」

 

『ドォン!!!!!』

 

 

 

この光景は決して信じてもらえないだろう。なぜなら、目の前でただ一人の人間が、大砲も持ってないくせに拳だけで巨人の頭をふっとばしたのだから

 

これが、人類の『進撃』への一歩―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、ミカサ。今日急遽入った訓練兵が来るらしいぜ」

 

「私たちの入団式が昨日なのに、変な話。まぁ、誰でもいいけど……」

 

「あはは、ミカサは気にならないんだね。エレンは?」

 

「俺は気になるな。どんな奴かなって」

 

「女なら、注意しなきゃね」

 

「なんのだよ」

 

「エレンは関係あるけど、関係ない。ので、早く食堂に行こう」

 

「と、いつの間にか着いたみたいだね。えぇと、新しく入ったのは……」

 

 

 

「えぇ、趣味は残滅です。いや、撲滅か? とりあえず、兵になるために訓練兵になるから、そこんとこはよろしくと言っておこう。よし、飯だ」

 

「へぇ~……つか、僕たちと同い年ではないよね? ねぇエレン、ミカ……二人とも、なんでそんな希望に満ちた顔してるの?」

 

「また会えた………おいミカサ!!!」

 

「えぇ! 今度こそ捕まえなきゃ!」

 

「え!? なにを!? ちょ、二人とも!!?」

 

「ん? なんだお前ら、俺のファンぐほっ!?」エレンミカサタックル

 

「うわぁぁぁああああ!?!?! 腹に決まったーーー!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、この立体起動装置ってなんだ? ようは、二次元というのを三次元に変換する機会か?」

 

「ある意味活気的だな。つか、お前ベルトルトより身長高いんだな……いや、同じぐらいか?」

 

「ライナーと同じくらい屈強なんだね。羨ましいよ」

 

「おぉ、ライナーにベルトルトじゃんか。なに、テメェらも二次元に興味あるのか? 二次元はいいぞ、まさにパソコンでよく使う三大言語でもある」

 

「なんだそのパソコンって? つか、お前立体起動知らないのか?」

 

「最近ではショタとかロリが増えているらしいが、どうも俺はああいうのは苦手でな。元より、か弱いのが苦手なのだよ。しかし、か弱い=可愛いというのは納得する自分が怖い……」

 

「話きけよ!? つか、お前の考えがマジで怖いわ」

 

「ホモというワードもあったな」

 

「お前とは仲良くできそうだ☆」

 

「ライナー!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お腹すきましたーー!!! トラノ~~、ご飯作ってくださいよ~~!」

 

「俺も腹減ったぜ~~~。よく頭使うからか?」

 

「自我自尊とは、この事だなコニー。というか貴様ら……!!! 俺の肩に乗っかるな!? わずらわしい!! めんどくさい!!」

 

「いいじゃないですか~~、昨日はあんなにめちゃくちゃにしたくせに」

 

「それは食糧庫をめちゃくちゃにした話だな。主語つけたら完璧だぞサシャ」

 

「俺も昨日トラノにめちゃくちゃにされて~、超疲れた」

 

「やっぱお前とは気が合いそうだ☆ これから俺たちはブラザーだb」

 

「ライナーぁぁあああああ!?!?!?!」

 

「全く………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アニ・レオンハート。なるほど、まるで『猫』みたいな奴だ。どんなに拒絶されても、気ままな猫のような道を歩くようだ」

 

「なに、褒めてるのそれ」

 

「褒めてるさ。尊敬の意味でもある。いやはや、にしてはジャジャ猫すぎないか。少々教育してやろうか」

 

「虎之助、俺は平気だからライナーを助けてやれよ」

 

「いや、あいつさっきから変な視線してくるからキモイし嫌だ。というわけで……」

 

「面白い!!!」

 

「「誰があいつを運ぶか勝負だ!!!」」

 

「…………はっ!? これも理不尽な暴力なのか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クリスタ、テメェさっきから俺の後ろに着いてきてひよこか」

 

「えへへ、なんか安心する所なんだ。虎之助の後ろって」

 

「おいクリスタ、あんましソイツの近くにいると獣病にかかるぞ?」

 

「そんなユミルだって、虎之助の横にいるじゃん」

 

「アタシは免疫持っているんだよ!!」

 

「わ、私だって持ってるもん!!! 此間虎之助とキスしたもん///!!!」

 

『ばきっ!!』

 

「ちょ!? アニ、なんかスプーンなのに『ばきっ』って音したんだけど!?」

 

「アルミンーーーー!?!?!!? どうした!? なんで血を吐きながら倒れた!! しかも、横に『コロス』ってなんだ!?!?」

 

「………ちょっとあの女狐は粛清が必要」

 

「(結婚したい………両方とも)」

 

「(ライナー、なんかもうアウトだよ)」

 

「(こいつ、直接脳内に!? ベルトルト、恐ろしい子……!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、ジャン。俺に立体起動教えてくれ。今なら出来そうかもしれない」

 

「お前、こないだもそう言って立体起動をぶっ壊したよな!? どんだけのパワーファイターなんだよ!? ミカサでももっとうまくやるぞ!!」

 

「それ、どういう意味ジャン?」

 

「はっ!? ミカサ!!」

 

「終わったジャン。テメェのそのドヤ顔だけは永久に忘れてやる………ちょっと、『最強』に用事が」

 

「何処いくんだいトラ。今日は一緒に特訓だろ」

 

「アニ、お前と『一緒』に特訓したいのだが、何故毎回テメェのホモダチが来るんだ!? 俺にはそんな気はない!」

 

「『一緒』って……///」

 

「…………」ムスッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エレン……………」

 

「どうした? そんな浮かない顔して」

 

「………………俺は今モテ期なのか?」

 

「しらねぇよ」

 

 




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