妖虎の漢花道物語   作:貧弱戦士

16 / 19
第十三喰

火星へと向かう宇宙船。『バグズ二号』という宇宙船が地球から旅立ってはや一週間は経つ

 

船員たちは常に注意をおこたらず、清き生活、勇ましいトレーニングを積みながら火星の準備を進める

 

オレも隊長という役職なので、皆に怠らずそのような生活をしている。隊長としての威厳を保ち、決してナメられないように

 

そんなオレの部下に、気に喰わない野郎が居る。それはオレと同じくらいの体格で、オレと同じくらいのリーダーシップ

 

だが……性格はオレ以上に『酷い』

 

 

 

「貴様ッ!!! 今日もグウタラやるのか!!!」

 

「俺は指図されるのが嫌なんだ。構うな、寄るな、言葉をかけるなアメリカ人」

 

 

 

奴はそんな俺にこういう態度を取る。手のひらを振り、近づくなという意志が伝わる

 

白峰 虎之助。日本人のような名前であるが、本人は否定している意味不明な男。そもそも詳細も知られてなく、謎で包まれている

 

まるで履歴書に写真だけ貼られ、詳細も書いているのに黒く塗りつぶされた感じだ

 

 

 

「白峰 虎之助。貴様は何故ダラッとしている。オレ達の使命を忘れているのか? バカなのか?」

 

「ハッ。愚問にも程があるぞアメリカ人。俺はどこぞの愚僧ではない……すなわち、貴様が言いたいのは『群れに属せ』だ。皆やっている事を皆やるとは限らんぞ、アメリカ人。貴様がバカだ」

 

「規律を保ち、チームワークが鍵となるこの任務で、貴様はそれをやらないのか? とんだバカだな。いいや、貴様は頭がイッている大バカだ」

 

「なら、あえて言おう。俺には必要などない、何故なら『最強』。俺には意味がない、何故なら『最強』。正直貴様等には期待の『き』の字すら期待していないので、心配すんなバカ。おぉっと、バカにバカと言って失礼したな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ブッチン』

 

 

 

食堂でまるで糸が切れた音が鳴り響いた。周りにいる船員たちは固まり出し、一人がスプーンを落とした瞬間――――

 

 

 

「「やンのかテメェ!!!!」」

 

 

 

お互いの口調が乱れ出し、ついには本音を言ってしまった

オレと白峰はお互い胸倉をつかみ、勢いよく引き寄せる。額と額がくっつくまで引き寄せ、その間に口論の嵐が吹いた

 

他の船員等は個性が出るほど慌てている。一人はオロオロと迷い、一人は止めようともオレ等の顔を見て止められず、一人は行儀悪くゲラゲラ高笑いしている

 

 

 

「もともと貴様なぞ、初っ端から気に入らなかったのだ!!! なんだ、その顔は!? 何処かの大統領でも殺して来たのか! まるで悪人面だな!」

 

「はぁ!? 貴様に言われたくねぇんだよ!! 一著前にリーダー気取りしやがって、ぜってぇ死ぬタイプだわ!! ぜってぇフラグ立てて死ぬタイプだわ! なんなら、俺が殺してやろうか!」

 

「やってみるがいい、悪人面!! むしろ返り討ちにしてくれよう!! 心配すんな、半殺しにしてやるから。一割生かして、九割殺すから!!!」

 

「ほぼ死んでんじゃねぇか、アァン!? 妄想はほどほどにしろと、言われなかったか死亡フラグメーカー!」

 

「「ンだと貴様「止めねぇか!!!」『ガン!!!』ごふっ」」

 

 

 

後頭部を誰かに掴まれ、そのまま急速に顔がテーブルに近づき衝突した。それは白峰も同じことをやられ、顔が埋もれる

 

一瞬の静寂が、食堂に訪れた

 

 

 

「おい隊長さんに、虎之助。テメェら、ここは食堂だぞ。静かに喰えもしないのか、このバカ共」

 

「くっ………ゴッド・リー。これはお互いの感性を高める特殊特訓の一つだ。だからこれには貴様は関係ないはずだ、なぁ白峰 虎之助」

 

「おうよ……これは俺と隊長さんとの喧……ではなく、特殊訓練。争いなど、『弱者』の行為。だから邪魔するな、リー」

 

 

 

視線だけをリーだけに写す。白峰も同意してくれて、この場の雰囲気がよくなったのは事実

 

しかし、リーと他の奴らは呆れたように顔を手で覆う

 

 

 

「なら、なんでそんな顔近づけてガン飛ばしているんだ!!?」

 

「大丈夫だ。人間、聞こえれば会話成立とよく言うだろ!」

 

「視線だけ向けてやっているのに、なんて強情な奴だリー!」

 

「片目だけな?! アンタら、器用にもう片方を俺に、もう片方をガンの投げ合いすんな!」

 

「「コイツが先に止めたらやめる!!」」

 

「子供かっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数時間の時がたち、あの場は収まった。あの後他の船員たちがオレたちの間に割り込み、そのまま遠くに移動させられた

 

それにしても、不愉快だ。あの白峰 虎之助という男はなぜあそこまで性根が腐った男なのだ……。奴の言葉は適切という範囲を超えて、オレをイラつかせる。まるで天才だな

 

拳を見つめ、なお強く握りしめる。だが、それでもこのイライラは解消されない。むしろ、だんだんと積りだす

 

今まで喧嘩や争い事は、この『拳』で静めてきた。全てオレの思い通りだった……しかし、叶わないこともあった

 

どんな暴力をやっても、どんな喧嘩をしても、オレが勝ち取ったのは空しいものばかりであった

 

だが、唯一俺が今持ってて『価値』があるのは、『バグズ二号』という艦長という役職だけ

 

そして、夢も叶った。宇宙という広い所に、オレという人間が行けた事。そして、未知なる世界に行けることだ

 

『地球は青かった』――――オレもそのような名言を産み出したいと思った。宇宙に行けて、宇宙が夢というオレは幸せものだ………

 

 

 

だが

 

 

 

とても空しい

 

 

 

先ほどの船員たちのように、俺は夢が叶って宇宙に行く。しかし、アイツ等はどうなのか?

 

アイツ等は夢どころか、命もかけているのだから。奴等の場合、『夢を失い生きるために宇宙に行く』と一緒だ

 

最初はどうでもよかった。人間、自分だけ幸せになれば後の奴など、どうでもいい。けれど、オレは弱かった

 

あのバカ共は、優しいからだ………!!!!!

 

金を貰って喜ぶ奴等かと思いきや、人間がよく出来ている清くて勇敢な奴等だった

それぞれ不幸な思いしながらも、明日を諦めないために必死になっている

 

………気が迷ったのか、オレは何故か『守る』という単語が生まれちまった。コイツ等に笑ってほしいと願ってしまった

 

そのまま移動し、部屋の前に着いた。だが、入ろうともしぜ額を扉にくっつける。そして、思い悩むまま目を閉じる

 

―――――犠牲になるのは、オレだけで十分だ。だから、オレはあいつが気に入らない!!!

 

 

 

「ん…なにしてんだ、ドアにこんにちはか?」

 

「白峰……」

 

 

 

いつの間にかジュースを片手に、部屋に戻ろうとする嫌な野郎と出会ってしまった

 

リーダーでないくせに、艦長でもない。しかし、奴は何故かオレ等を束ねようとしている

 

何故だ? いや、そんなの初めからわかっているはずだ。俺もコイツも―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なに見つめてんだ。キモイ」

 

「………白峰、一つ質問があるんだが」

 

 

 

体を振り返り、今度こそ奴と向き合う。すると、白峰も目を鋭くさせ、オレと視線が合う

 

 

 

「お前から見てオレは………どう見える」

 

 

 

我ながら、コンマ一秒で意味不明な事を聞いてしまった気がした。途端、恥ずかしくなる

 

なんだ、この質問。バカなのか、オレは!?

 

 

 

「――――――ッッ!!! ハーッハッハッハッハ!!!!?!? ちょ、急に笑わすな貴様!?!? くくっ!! ハッハッハッハッ!!!」

 

 

 

そして、一瞬でコイツの顔面にグーを入れたいと思った

 

オレも変なこと聞いてしまっが、この場合はどうなのだろうか? この態度のおかげげで、ブチ切れそうなのだが

 

白峰は高笑いしながらも、オレは拳を治める。ここで暴力をふったら、オレが悪いのだから

 

そして、だんだんと声が小さくなり。笑い声がなくなりだした

 

 

 

「はぁはぁ………そうだな、その質問にはどっちが聞きたい」

 

「ど、どういう事だ。どっちも何も」

 

「率直に言えば、『艦長』の貴様か、『ドナテロ・K・デイヴス』のどっちを聞きたい。貴様が一つでいいからと言ったのだぞ」

 

 

 

白峰は人差し指と中指をたて、オレに迫ってくる。どうやら、コイツにとっても興味深いらしい

 

だが、どうすればいいか………やはり、あの二つにとって違いというのがあるのだろうか

 

思い悩んだあげく、コレを選んでしまった

 

 

 

「『ドナテロ・K・デイヴス』のほうで」

 

「屑。ウザい。死ね。以上」

 

「ちょっと待てぇぇえええええ!?!?!?」

 

 

 

オレが言い終えた瞬間に、答えやがった。なんだ、その説明不足な解説!!

 

 

 

「なんで貴様はそう答えるんだ白峰!!」

 

「だって俺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         テメェが嫌いだから(笑)」

 

「貴様ぁぁあああああああ!!!!!!!!!!」

 

 

 

今度こそコイツにグーを入れようとしたが、止まってしまった。もともと、コイツにやっても意味ないのだろう

 

オレもコイツが嫌いなわけで、別に『良い返答』を期待したけわけではない。ただの戯言の一種なのだろう

 

自分の部屋に戻ろうと、脚を進める

 

 

 

「何処行くんだ?」

 

「……貴様は部屋で休んでおれ、オレはもう寝る……」

 

 

 

自動ドアが開き、中に入ろうとした……

 

 

 

「おい、待て」

 

「……なんだ」

 

 

 

この男と居ると、さらにオレのイライラが溜まるのだが。白峰は口だけ笑い、今度はあっちから近づく

 

 

 

「さっき俺を笑わしたご褒美だ。一言答えてやる」

 

「だから、なにをだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『艦長』としてなら、すでに立派だと思う。その『守る』という意欲と責任があるのなら、すでに認めている」

 

「ッ!? 白峰――――」

 

 

 

咄嗟に後ろに振り替え、もう一度聞き出そうとしたがすでにそこに、アイツの姿が消えていた

 

…………………………………………………………あぁ、ホント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

似ているな、オレ達は

 

 

 

 

 




オマケ

「貴様!!! ふざけるのも大概にしろ!!!」

「誰がどうふざけてんだバカ!!」

「なら何故トランプする時間があるんだ、貴様は!!!」

「もうすぐでストレート勝ちだったのに、なんてことしやがるんだテメェ!!!」



「ねぇ、イチローくん」

「俺はあんなバカと知り合いじゃない」

また今度外伝やろうと思いますのでアンケートを取りたいと思います!
答える時は感想ではなく、メッセージか活動報告で答えてください

・真剣で私に恋しなさい!

・ネギま!?

・ソードアート・オンライン

・めだかボックス

・ハイスクールD×D

このどれか一つを今度の外伝にしようと思いますので、ぜひアンケートに協力してください!!
メッセージを送って、ご応募していますし
活動報告でもしているので、お待ちしております!
何回も言いますが感想では答えないでください(-_-)
※一つだけ選んでください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。