火星へと向かう宇宙船。『バグズ二号』という宇宙船が地球から旅立ってはや一週間は経つ
船員たちは常に注意をおこたらず、清き生活、勇ましいトレーニングを積みながら火星の準備を進める
オレも隊長という役職なので、皆に怠らずそのような生活をしている。隊長としての威厳を保ち、決してナメられないように
そんなオレの部下に、気に喰わない野郎が居る。それはオレと同じくらいの体格で、オレと同じくらいのリーダーシップ
だが……性格はオレ以上に『酷い』
「貴様ッ!!! 今日もグウタラやるのか!!!」
「俺は指図されるのが嫌なんだ。構うな、寄るな、言葉をかけるなアメリカ人」
奴はそんな俺にこういう態度を取る。手のひらを振り、近づくなという意志が伝わる
白峰 虎之助。日本人のような名前であるが、本人は否定している意味不明な男。そもそも詳細も知られてなく、謎で包まれている
まるで履歴書に写真だけ貼られ、詳細も書いているのに黒く塗りつぶされた感じだ
「白峰 虎之助。貴様は何故ダラッとしている。オレ達の使命を忘れているのか? バカなのか?」
「ハッ。愚問にも程があるぞアメリカ人。俺はどこぞの愚僧ではない……すなわち、貴様が言いたいのは『群れに属せ』だ。皆やっている事を皆やるとは限らんぞ、アメリカ人。貴様がバカだ」
「規律を保ち、チームワークが鍵となるこの任務で、貴様はそれをやらないのか? とんだバカだな。いいや、貴様は頭がイッている大バカだ」
「なら、あえて言おう。俺には必要などない、何故なら『最強』。俺には意味がない、何故なら『最強』。正直貴様等には期待の『き』の字すら期待していないので、心配すんなバカ。おぉっと、バカにバカと言って失礼したな」
『ブッチン』
食堂でまるで糸が切れた音が鳴り響いた。周りにいる船員たちは固まり出し、一人がスプーンを落とした瞬間――――
「「やンのかテメェ!!!!」」
お互いの口調が乱れ出し、ついには本音を言ってしまった
オレと白峰はお互い胸倉をつかみ、勢いよく引き寄せる。額と額がくっつくまで引き寄せ、その間に口論の嵐が吹いた
他の船員等は個性が出るほど慌てている。一人はオロオロと迷い、一人は止めようともオレ等の顔を見て止められず、一人は行儀悪くゲラゲラ高笑いしている
「もともと貴様なぞ、初っ端から気に入らなかったのだ!!! なんだ、その顔は!? 何処かの大統領でも殺して来たのか! まるで悪人面だな!」
「はぁ!? 貴様に言われたくねぇんだよ!! 一著前にリーダー気取りしやがって、ぜってぇ死ぬタイプだわ!! ぜってぇフラグ立てて死ぬタイプだわ! なんなら、俺が殺してやろうか!」
「やってみるがいい、悪人面!! むしろ返り討ちにしてくれよう!! 心配すんな、半殺しにしてやるから。一割生かして、九割殺すから!!!」
「ほぼ死んでんじゃねぇか、アァン!? 妄想はほどほどにしろと、言われなかったか死亡フラグメーカー!」
「「ンだと貴様「止めねぇか!!!」『ガン!!!』ごふっ」」
後頭部を誰かに掴まれ、そのまま急速に顔がテーブルに近づき衝突した。それは白峰も同じことをやられ、顔が埋もれる
一瞬の静寂が、食堂に訪れた
「おい隊長さんに、虎之助。テメェら、ここは食堂だぞ。静かに喰えもしないのか、このバカ共」
「くっ………ゴッド・リー。これはお互いの感性を高める特殊特訓の一つだ。だからこれには貴様は関係ないはずだ、なぁ白峰 虎之助」
「おうよ……これは俺と隊長さんとの喧……ではなく、特殊訓練。争いなど、『弱者』の行為。だから邪魔するな、リー」
視線だけをリーだけに写す。白峰も同意してくれて、この場の雰囲気がよくなったのは事実
しかし、リーと他の奴らは呆れたように顔を手で覆う
「なら、なんでそんな顔近づけてガン飛ばしているんだ!!?」
「大丈夫だ。人間、聞こえれば会話成立とよく言うだろ!」
「視線だけ向けてやっているのに、なんて強情な奴だリー!」
「片目だけな?! アンタら、器用にもう片方を俺に、もう片方をガンの投げ合いすんな!」
「「コイツが先に止めたらやめる!!」」
「子供かっ!!!」
あれから数時間の時がたち、あの場は収まった。あの後他の船員たちがオレたちの間に割り込み、そのまま遠くに移動させられた
それにしても、不愉快だ。あの白峰 虎之助という男はなぜあそこまで性根が腐った男なのだ……。奴の言葉は適切という範囲を超えて、オレをイラつかせる。まるで天才だな
拳を見つめ、なお強く握りしめる。だが、それでもこのイライラは解消されない。むしろ、だんだんと積りだす
今まで喧嘩や争い事は、この『拳』で静めてきた。全てオレの思い通りだった……しかし、叶わないこともあった
どんな暴力をやっても、どんな喧嘩をしても、オレが勝ち取ったのは空しいものばかりであった
だが、唯一俺が今持ってて『価値』があるのは、『バグズ二号』という艦長という役職だけ
そして、夢も叶った。宇宙という広い所に、オレという人間が行けた事。そして、未知なる世界に行けることだ
『地球は青かった』――――オレもそのような名言を産み出したいと思った。宇宙に行けて、宇宙が夢というオレは幸せものだ………
だが
とても空しい
先ほどの船員たちのように、俺は夢が叶って宇宙に行く。しかし、アイツ等はどうなのか?
アイツ等は夢どころか、命もかけているのだから。奴等の場合、『夢を失い生きるために宇宙に行く』と一緒だ
最初はどうでもよかった。人間、自分だけ幸せになれば後の奴など、どうでもいい。けれど、オレは弱かった
あのバカ共は、優しいからだ………!!!!!
金を貰って喜ぶ奴等かと思いきや、人間がよく出来ている清くて勇敢な奴等だった
それぞれ不幸な思いしながらも、明日を諦めないために必死になっている
………気が迷ったのか、オレは何故か『守る』という単語が生まれちまった。コイツ等に笑ってほしいと願ってしまった
そのまま移動し、部屋の前に着いた。だが、入ろうともしぜ額を扉にくっつける。そして、思い悩むまま目を閉じる
―――――犠牲になるのは、オレだけで十分だ。だから、オレはあいつが気に入らない!!!
「ん…なにしてんだ、ドアにこんにちはか?」
「白峰……」
いつの間にかジュースを片手に、部屋に戻ろうとする嫌な野郎と出会ってしまった
リーダーでないくせに、艦長でもない。しかし、奴は何故かオレ等を束ねようとしている
何故だ? いや、そんなの初めからわかっているはずだ。俺もコイツも―――
「なに見つめてんだ。キモイ」
「………白峰、一つ質問があるんだが」
体を振り返り、今度こそ奴と向き合う。すると、白峰も目を鋭くさせ、オレと視線が合う
「お前から見てオレは………どう見える」
我ながら、コンマ一秒で意味不明な事を聞いてしまった気がした。途端、恥ずかしくなる
なんだ、この質問。バカなのか、オレは!?
「――――――ッッ!!! ハーッハッハッハッハ!!!!?!? ちょ、急に笑わすな貴様!?!? くくっ!! ハッハッハッハッ!!!」
そして、一瞬でコイツの顔面にグーを入れたいと思った
オレも変なこと聞いてしまっが、この場合はどうなのだろうか? この態度のおかげげで、ブチ切れそうなのだが
白峰は高笑いしながらも、オレは拳を治める。ここで暴力をふったら、オレが悪いのだから
そして、だんだんと声が小さくなり。笑い声がなくなりだした
「はぁはぁ………そうだな、その質問にはどっちが聞きたい」
「ど、どういう事だ。どっちも何も」
「率直に言えば、『艦長』の貴様か、『ドナテロ・K・デイヴス』のどっちを聞きたい。貴様が一つでいいからと言ったのだぞ」
白峰は人差し指と中指をたて、オレに迫ってくる。どうやら、コイツにとっても興味深いらしい
だが、どうすればいいか………やはり、あの二つにとって違いというのがあるのだろうか
思い悩んだあげく、コレを選んでしまった
「『ドナテロ・K・デイヴス』のほうで」
「屑。ウザい。死ね。以上」
「ちょっと待てぇぇえええええ!?!?!?」
オレが言い終えた瞬間に、答えやがった。なんだ、その説明不足な解説!!
「なんで貴様はそう答えるんだ白峰!!」
「だって俺
テメェが嫌いだから(笑)」
「貴様ぁぁあああああああ!!!!!!!!!!」
今度こそコイツにグーを入れようとしたが、止まってしまった。もともと、コイツにやっても意味ないのだろう
オレもコイツが嫌いなわけで、別に『良い返答』を期待したけわけではない。ただの戯言の一種なのだろう
自分の部屋に戻ろうと、脚を進める
「何処行くんだ?」
「……貴様は部屋で休んでおれ、オレはもう寝る……」
自動ドアが開き、中に入ろうとした……
「おい、待て」
「……なんだ」
この男と居ると、さらにオレのイライラが溜まるのだが。白峰は口だけ笑い、今度はあっちから近づく
「さっき俺を笑わしたご褒美だ。一言答えてやる」
「だから、なにをだ」
「『艦長』としてなら、すでに立派だと思う。その『守る』という意欲と責任があるのなら、すでに認めている」
「ッ!? 白峰――――」
咄嗟に後ろに振り替え、もう一度聞き出そうとしたがすでにそこに、アイツの姿が消えていた
…………………………………………………………あぁ、ホント
似ているな、オレ達は
オマケ
「貴様!!! ふざけるのも大概にしろ!!!」
「誰がどうふざけてんだバカ!!」
「なら何故トランプする時間があるんだ、貴様は!!!」
「もうすぐでストレート勝ちだったのに、なんてことしやがるんだテメェ!!!」
「ねぇ、イチローくん」
「俺はあんなバカと知り合いじゃない」
また今度外伝やろうと思いますのでアンケートを取りたいと思います!
答える時は感想ではなく、メッセージか活動報告で答えてください
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・ネギま!?
・ソードアート・オンライン
・めだかボックス
・ハイスクールD×D
このどれか一つを今度の外伝にしようと思いますので、ぜひアンケートに協力してください!!
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