ある日、私は鬼人正邪になりました。
でも下剋上は無理なので慎ましく生きようと思います。
目が覚めると「
でも幻想郷の強者相手に下剋上は無理なので弱小妖怪その一として生きようと思います。
少女移動中 NowLoading...
そんなこんなで鬼人正邪になって幾数年。
魚が釣れるということで霧の湖の周辺を根城にしたのがいけなかったのでしょう...
ある日、ボーッと水辺で遊ぶ妖精たちを眺めつつ、つい最近釣り友になった爺さんと談話しながら湖に釣糸を垂らしていると... 湖の中心にある島に異変が起こった。
薄い円を幾重にも重ねた巨大な球体の魔方陣。
中心に力の塊らしき光が集まって弾くと......窓がほとんど無い洋風の館が出現した。
「これは退散した方がよさそうだな...
嬢ちゃんも巻き込まれないうちに逃げた方がよいと思うぞ?」
そう言うと爺さんはさっさと釣具一式をしまって逃げるようにして霧の湖から去っていく。
かくいう私も爺さんに倣ってその場から立ち去る。
紅魔館が転移したということは「吸血鬼異変」が起こりうる可能性がある。
ここに留まっていると吸血鬼の手下にされたあげく、幻想郷の強者と呼ばれている連中────八雲家に幽香、鬼の四天王... といった化物に退治されかねない。
私は急いで来た方向に一目散に逃げ帰ることにした。
顔馴染みの弱小妖怪にも報せるためでもある。私は急ぎ足で彼女たちがいる方面へと足を運ぶ。幸い紅魔館がある方向とは逆であり、吸血鬼たちに見つかって捕まるような真似はないだろう。順調にいけば、このまま知り合いの妖怪たちと会えるハズだった。
「うげっ、九尾...」
その道中、導師服を着た九尾────
彼女はこちらを値踏みするように暫く観察し、それが終えると鷹揚に頷いてから私に尋ねた。
〝 八雲家の間者になって、あの紅い館に潜る気はないか? 〟──と...
本人は普通に頼んでるつもりだろうが......仮にも最強の妖獣と云われていることだけあってその妖力は凄まじく、私を恐れさせ黙らせるには十分で......気が付けば私は首をコクコクと縦に振っていた。
半ば反射的に頷いて返答した私の対応に満足したのかニッコリと両目を細める藍さま。
あれやこれやと謎空間に放り込まれ、着いた先は紅魔館。しかも門扉の前。手元には一枚の和紙。それに目を通すと...
〝 詳しいことは
──達筆した文字でそれだけが書かれていた。
それでどうしろと文句を言おうにも誰もおらず... ついでに役目を終えたと言わんばかりに手に持った和紙が突然燃えて、一瞬で灰となって地面に落ちる。
「あら? 現地の妖魔──妖怪というやつね?
早速捕まえて尋問するなり何なりしないとね?」
振り向けばコウモリの羽を生やした少女と銀髪のメイドがお出迎えしていた。
内心「ヒィィィッ!?」と穏やかな状態とは程遠いことになりつつ、頬に汗を足らしながら私は彼女たちを黙って目視していた。
やがて何処からともなく現れた緑の中華服を着た妖怪に私は首根っこを掴まれ、ズルズルと地面を足先で擦りながら紅魔館へと運ばれていく。
こうして私は紅魔館に侵入することに成功したのであった。
(´・ω・)にゃもし。
思い付き短編よ。