クロックリターン・プラネット 作:機械系ヒロインバンザイ
この調子で増えると良いな。
ちなみに毎回言っているが、この話は妄想とノリと趣味によって書かれている。だから整合性とかは求めちゃいけない。OK?
ーーーなんだ、これは?
マリーは硬直した。
ナオトが自宅がわりに寝泊まりしている漫画喫茶の一室。電波の通信があったので逆探知させようと来てみれば、なんだかとてもカオスな光景が広がっていた。
まず、テーブルの上には見たことのない
ーーーまあ、そこはまだ問題ない。問題は次だ。
「…ナオトさま、いくら獣欲を抑えきれないからと言って、…そんなに、強く……」
「いやいや誤解だって!確かに興奮してるのは事実だけど、さすがにアンクルちゃんの前じゃ……」
「……ではわたしを辱めるこの行いは……」
「分かってて言ってますよねリューズさん⁉︎マジでギリギリだから!これ以上興奮させないで!抑えきれなくなる!」
ーーーなんかとてつもなくヤバイ光景が広がっていた。
いやだって、ヤバイとしか表現できないだろう。具体的に言うならば、少年が全裸の少女を押し倒し(マリー主観)、その上に覆いかぶさるようにして(マリー主観)、少年がいやらしい手つきで(マリー主観)、少女の腹部や脚部や胸部を撫で回したりまさぐったり揉みしだいたりしている(マリー主観)。そしてなんだかんだ言いつつも少女は抵抗など一切せず、時折喘ぐだけでされるがままになっている(マリー主観)。
ーーーなんだ、このモラルの崩壊したカオスな空間は?
というか、思い切り扉を蹴破ったのになぜ2人とも気づかない?特にそこの
2人が侵入してきたマリーに気づいて硬直したのは、それから数秒後のことだった。
ーーーなお、面倒なことになると予想したハルターは部屋には入らず、完全に気配を消して空気に徹していた。要はマリーを見捨てたのである。
「……まさかマリーさまが空気も読めずに他人の部屋にズカズカと踏み入り、プライベートを覗き見するほど愚かな方だとは思いませんでした。マリーさまの評価をノミレベルからノミのフンレベルに格下げさせて頂きます」
「うっさい!それを言うなら人としての一線を越えたこのド変態はどうなるのよ!」
「ただの肉の塊でしかないノミ以下の人間様よりも、造形も性能も完璧なわたしに惹かれるナオトさまのご慧眼には恐れ入りますが、何か?そもそもマリーさまごときが人類を超越なさったナオトさまを測れるとでもお思いで?」
ああ言えばこう言う。そうだった、この自動人形はナオトに完全に心酔していて、こちらの話なんてまともに聞きやしない。
ちなみに言っておくと、全てはマリーの勘違いだった。
確かにナオトはリューズを心から愛していて、理性崩壊寸前だったのもそれを堪えていたのも事実だが、ナオトがリューズにしていたのは人工皮膚の補修だった。アンクルとの戦闘で人工皮膚を構成する
リューズの裂傷そのものは人工皮膚の形状記憶で治ったが、そもそも高速で床に擦り付けられたため、皮膚の素材そのものがすり減っていた。衣類はリューズが自分で一晩で直したようだが、さすがに人工皮膚の補修までは手が回らない。皮膚の細かい粗を目敏く見つけたナオトは、アンクルを助けたその帰りに買い物をし、皮膚の粗のある部分を観察するためにリューズを寝かせていたというわけである。つまり照明の光の関係上立ったままより寝かせた方が良かっただけであって、決して押し倒した訳ではない。……補修の際の手つきがいやらしかったのは紛れも無い事実だが。
「そもそも、何があったのよ。なんで人工皮膚の補修なんかが必要になって、どういう経緯で自動人形が増えてるわけ?」
「ああ、それはだなーーー」
ナオトは語った。なんやかんやで三重にリューズの妹のアンクルちゃんがいることが分かったから夜中に三重に潜入して、アンクルちゃんと戦って連れ帰ってきた、と。あまりにも雑な説明だった。
「………いや、何やってんのアンタ」
リューズだけでは飽き足らず、その妹にまで手を出そうというのだろうか、この変態は。そもそも、いいのか?稼働している自動人形を勝手に持ち出して?
「しょうがないだろ。アンクルちゃん操られてたから早く解放してあげたかったし、補習終わればリューズが『なんでもしてくれる』っていうから……」
「ブレないわねアンタ……」
ナオトらしい理由だった。というか、操られてたという情報は一体どこから得たのだ?
「ところでマリーさまはどのようなご用件で?わたしとナオトさまの時間を浪費させたのですから、さぞ重要な要件がお有りなのだと愚考いたしますが」
ーーーせっかくの2人きりのスイートタイムを邪魔しやがったんだからさっさと要件を済ませろミンチにすんぞコラ。
なぜだか口調は全然違うのに、そんな副音声が聞こえそうなくらいご立腹だった。
ーーーそうよ、そもそもわたしはハルターの受信した通信の逆探知をしてもらいに来たんだったわ。
「実は通信を逆探知して欲しいんだ。まあ電波を使った短波通信だから、いくらお前さんでも聞こえるわけねえと思うが……」
会話に割り込んだのは今まで完全に空気と化していたハルター。このままだと忘れられるとでも思ったのだろうか?
「そうそう。アンタ、なんか変な音聞こえなかった?」
「……そういえば、リューズを脱がせる前になんか変な音が聞こえたな。多分角度は75度くらい、か?」
そんな風に答えつつも、ナオトは内心で首を傾げていた。
ーーーアンクルの救出は成功している。ならば、あのベルモットが通信を送ってくるわけがない。
そもそも、電波の音が聞こえた時点でおかしいと思っていた。アンクルは助けたし、どうせ違う通信だろうとその時には思ったのだが、しかしよく考えてみると電波はこの時代では違法だ。電波による通信など、ほとんど有り得ない。
「おいおい、マジかよ……」
「…75度ね。…三角法で求めると…」
そんなナオトの心境も知らず、マリーは発信元の特定を始める。
「……全くどうでも良いことですが、その貧相な身体でナオトさまの気を引こうなどとお思いなのでしたら、さぞ滑稽ですので存分に笑って差し上げますがいかがですか?」
「……え、ちょっと待って?なんでいきなり罵倒されたのよわたし?なにか恨みでもあるの?」
突然のリューズの暴言に怒りを通り越して困惑するマリー。特定の為の計算をしていた手も止まっている。
しかしリューズは悪びれもせず堂々と毒を吐いた。
「いえ、その動物性タンパク質で構成された臀部をあろうことかわたしのナオトさまに向けて動かしていましたので、よもや獣の分際でナオトさまを誘っているのかと思いまして」
「アンタ本当に頭おかしいんじゃないの⁉︎歯車レベルで
要は、お尻をナオトに向けた状態だったのがお気に召さなかったらしい。とんだ誤解である。
お尻を突き出す格好になっていたのは単に床に紙面を広げてそこで計算する以上屈む体制になっただけであって、決してこの変態相手にどうこう考えていたわけではない。そもそもアンクルさえテーブルを占有していなければ、床に広げる必要もなかったのだ。
ーーーこの
いや、人格データが入っているのは背骨の
「…ちょっとナオト、なんか言ってやって。コイツ本当にどこかおかしい。壊れてんじゃないの?」
「あのな、リューズーーー」
ーーー良かった、と思った。どうやらいくらこの変態でも、この狂った人形を諌めるくらいには常識が残っていたらしい。
「ーーー俺はマリーみたいな肉の塊なんて興味ないから心配しなくて大丈夫」
「………違うわよそうじゃないでしょ2人して頭おかしいの⁉︎」
人工皮膚を補習したのは胸部と腹部と脚部。そしてそこを損傷したということはその部分の衣服も破れていたということである。つまり服ビリなのだな。