では第19話始まります
夏休みが始まって2日目の昼頃
俺達は義之の家に集まっていた
「で、今日もしくは明日は何する?」
勿論、夏休みの予定のため
今日の議論は、今日か明日の予定を決めることだ
「ふむ。ならば今回は普通に祭りにでも行くか?」
今回は杉並もきっちりと居た
誘ってもいなかったのに朝に何食わぬ顔で家の前で立っていたのは驚きだ
「あら?杉並にしてはまともな意見ね」
「今年の夏休みの始まりとしては普通にいこうと思ってな」
普通に祭りって事は、それ以外の遊びはどうなるんだ
俺が内心冷や冷やしていると
「んじゃ~。今日は夏祭りに行くって事で決まりー」
渉が決定したことを口にする
「じゃあ、夜にまた此処に集合だな」
そう言って友人達は準備のために家へと帰っていく
「俺達は何する?」
「ん?特に無いしな…」
「じゃあ、俺暇だし外に行ってくる」
「いってら~」
俺は義之に伝えると家を出る
さて、外に出ても行く場所が決まっていないな
先に夏祭りの行われる場所にでも行ってみるか
そう考えた俺は、祭りの開催場所である胡ノ宮神社へ足を向けた
胡ノ宮神社は今夜の祭りに向けてたくさんの屋台が準備をしていた
「いや~凄いな~」
思わず口にしてしまうほどの数だ
って、ここに居てもしょうがない
俺は商店街へと歩み始めた
商店街に着くと見慣れた人物が居た
「よお、ななか」
「あれ?清隆君?」
「おう。何してるんだ?」
「ん~、夜まで暇だから商店街に来たの」
「俺と一緒だな。じゃあ俺も一緒に見て回っていいか?」
「うん。」
俺とななかは肩を並べて商店街を歩く
「このアクセサリー可愛いよね」
「だな」
ななかはアクセサリーショップに入り星型のヘアアクセサリーを見ていた
「ん~、どうしよっかな」
「気に入ったのか?」
「ちょっとね…どうしようか」
「欲しいなら買ってやろうか?」
「えっ?大丈夫だよ~何より買ってもらう理由が無いもん」
「部活に入って一緒に活動してくれてるお礼ってのはどう?」
「…迷惑じゃなきゃ」
「決まりだな。すいませーんこれください」
俺は近くに居た店員を呼ぶ
レジで会計を済ますと外で待っているななかの所へ向かう
「ほれ」
「ん、ありがとう」
ななかは嬉しそうにアクセサリーの入った袋を抱きしめる
「さてと、お次はどこへ行きますか」
「ん~、疲れたし近くのカフェにでも入らない?」
「そうだな」
時刻はちょうどおやつの頃
俺達は近くの行きつけのカフェに入るといつもの注文をした
因みに俺はコーヒーでななかはカフェオレである
「ななかは一度、家に帰るのか」
「うん。着替えをしなきゃいけないし」
「着替え?」
「小恋たちが浴衣で行こうって言うからさ」
浴衣…俺は暫く着てないなー
「そっか。じゃあ現地集合だな」
「うん」
その後、暫く話をして時間を過ごした後お互い家に帰った
家に帰った頃には祭りが始まる時間だったので
「義之~。さっさと行こうぜ」
おそらく部屋に居るであろう同居人を呼び出す
「おう。ちょっと待ってくれ」
少し音がした後、2階から降りてくる
「待たせたな。さて、行こうか」
俺達が神社前に着くと周りに友人が居るか探す
探していると後ろから声を掛けられた
「ほう、二人にしては早いではないか」
「っ!?その声は…「杉並!?」」
俺と義之の声が被る
俺がこっちの世界に来てからもっとも時間を共に過ごしてきたので息が合う
「その通り」
杉並は腕を組んで神社前で仁王立ちしてた
なんで目立つのに気が付かなかった
「で、お前以外の奴らは?」
「まだだ…っと、どうやら板橋たちのご登場だ」
杉並が指を刺すと俺達はそちらのほうを向く
向いた方向には友人たちが話しながら来ていた
「わりぃ。待たせたか?」
「いや、時間ピッタリだ」
「それより、ここじゃ人の迷惑になるから早く入ろうぜ」
「そうだな」
俺達は並んで祭りの中へと入ってゆく
「この人数だと迷惑になるから、二組に分かれて行動するか」
「二組にって、どう分けるんだ」
俺達は現在10人だ
「そうだな…まあ、好きに組むのは…時間がかかるし…グッパーだな」
男子と女子で一旦別れてグッパーをする
グッパーの結果…
俺と杉並がグーで義之と渉がパーだった
「俺達は決まったけどそっちはどうだ?」
結果が出たので向こうでグッパーをしている女子たちに声を掛ける
「ん~決まった~」
花咲がそう言ってきたので皆で集まる
「男子の結果は俺と芳乃がグーで板橋と桜内がパーだ」
杉並が結果報告をする
「女子のほうはねグーが私と白河さんと杏ちゃんとパーは立夏に音姫さんに小恋ちゃんだね」
花咲が女子の結果を報告する
「これで決まりだな。じゃあ集合時間はどうする?」
「取り合えず全部見たらでいいだろ。それか花火が始まる前までだな」
義之がそう言う
ここ胡ノ宮神社では一般的な神社と同じで少し遅い時間に花火を打ち上げることになっているのでそれを見るために来る人も少なくは無い
「じゃあ、また後で」
俺達は一度別れた
「ふむ。偶にはこういうのどかなのもいいな」
杉並が隣を歩いて言う
「じゃあ普段からそうしたらいいだろ」
「偶にだからこそいいのだ!よって今の意見は聞き入れられない」
なんて奴だ
と杉並とくだらない会話をしているとななかがチラチラとこちらを見ていたので声を掛けてみる
「ん?どうしたななか?俺の顔に何か付いてるか?」
「ううん、何でもないよ」
ん?じゃあさっきから何で見てるのだろう
そう疑問に思っていると背後で
「芳乃も鈍感ね」
「ね~」
と言っている二人が居た
「おいおい、さすがに鈍感は関係ないだろう」
「…鈍感だけでなく馬鹿だったわね」
「余計酷くないか!?」
鈍感で馬鹿って…救いようが無いではないか
後ろの二人を見て考える
ん?鈍感?ななか?……此処に来る前に何か聞いた覚えが…
確か『小恋たちが浴衣で行こうって言うからさ』
浴衣…あっ!?そういう事か
「ごめんななか」
俺は手を合わせてななかに謝る
「え?えっと…何かあった?」
「先に言っておくことがあったなと、その浴衣似合ってるよ」
「っ!?…あ、ありがとう」
ななかは急に顔を赤くした
「芳乃は鈍感で馬鹿だけではなかったわね」
「うんうん」
「鈍感で馬鹿で女たらしだったわね」
「だねー」
と後ろで聞こえたのは無かったことにした
「お二人方、そんな風に立っていると他の客に迷惑になるぞ」
杉並が俺達に注意をしてくる
「そ、そうだな」
「う、うん」
俺達はさっきよりも間を空けて歩く
「じゃあ何見てく?」
このままだと何も進まないので話を皆に振る
「あら?話を変えてきたわね…まあいいわ、このまま真っ直ぐ歩いて行きましょ」
「そうだな。じゃあ何か見たいものがあったら言ってくれ」
俺達は人ごみが少し多いところへと足を踏み入れた
Side 義之
清隆たちが人ごみの中に足を踏み入れた頃
清隆たちと一度別れた俺達はまだ入り口で話をしていた
「っと、話し込んでも迷惑になるだけだからそろそろ行こうか」
「うん。そうだね」
「うっし。じゃあ行くぞー」
俺達は屋台が並んでいるところに入っていく
早速俺達の目の前で気になった店があった
それは『ロシアンたこやき』という看板があるお店だ
「なあ、渉。これは一体?」
「俺にも分からねえ。だが一つだけ分かることがある」
「分かること?」
「それは…食べてみたいという興味心があるということだ」
「そうだな…」
俺と渉はお店の方に歩もうとする
「あっ?弟君?どうしたの」
「音姉、止めないでくれ。俺達にはしなければならないことがあるんだ」
「止めはしないけど…そのお店は…ね」
「私も興味がわいてきたわ」
「おっ?立夏さんも興味を持ったですかい?俺らと食べてみましょうよ」
遠くで渉が喋っていた
俺達は一度、この『ロシアンたこやき』となるものを買い人があまり居ないとこに座る
「まず誰が逝く…」
渉が神妙な顔でそう呟く
「言いだしっぺの渉だろ」
俺はそう答える
「ちょっ!義之ちゃんは俺がどうなっても言い訳!?」
「渉の一人や二人ぐらい問題は無い」
「俺は1人しか居ないけど!?」
「まあいいや、とりあえず食べろ」
俺はそう言うとたこやきを渉の口へ入れる
「熱い!」
どうやら熱かったようだ
しかし、この様子だと…
「熱かったけど美味かった」
あたりではないようだ
「じゃあ、俺は残り物で良いって事で、小恋や音姉、立夏さんで先に食べてください」
女子よりも先に食べるのは気がひけるので
「おい、義之。さてはお前、逃げようとしてないか」
渉が失礼な事を言う
「んなわけないだろ。ただ、女子より先に食べるのは気がひけるからとな。
ってことで音姉達で先に食べていいよ」
「そっか、じゃあ先にもらうね」
音姉達は一人ずつ食べていく
さて、最後の一つになった
そして皆があたりを引いていない
すなわち、分かるな?
俺は神社を背にして帰ろうとした
がしかし
「義之ちゃんよーここで食べなきゃ男がすたるってモンだぜ」
「それでもいい。命は何よりも大切なんだ!」
「命を捨ててもいいと思うことあるだろ?月島!義之の口に入れてやってくれ。俺はここで奴を抑えてるから」
奴って…俺はどこぞの敵ですか
と油断しているところに
ズボッ
神様は俺に何か恨みでもあるのだろうか…
俺が立て直すのに数十分はかかった
Side Out
俺達は今のところ特に目ぼしいものが無かったので真っ直ぐ歩いていた
正確に言うと真っ直ぐではないのだが
「あれ?杏ちゃん、あそこの屋台りんご飴じゃない?」
「そうね」
「私、りんご飴食べたかったんだよねー。一緒に行かない?」
「いいわよ。じゃあ芳乃、私達は後で合流するから先に行ってて」
「ん、分かった」
ここで二人が暗闇の中へと消えていった
さて、残るは俺達3人だけど…って杉並の奴がいない!
俺は慌ててポケットに手を入れる
ポケットの中には一つの紙が入っていた
『芳乃よ、貴様がこれを読んでいるという事は、俺はもうそこに居ないのだろう』
なんで遺書の書き出しみたいになってるんだよ
『だが、安心して欲しい。花火の時間までには戻ってくる。杉並』
と書いてあった
「ななか。どうやら、俺達は2人になったようだ」
「んー。まあこのまま見て回ろうよ」
「そうだな」
その後、俺達は屋台を見て回った
射的をしてみたり、金魚すくいを楽しんだり
まあ何故か終始ななかは笑顔だったんだ
そんなに屋台が好きなのかね…
俺とななかが焼きそばを食べた後、時計を見るとそろそろ花火の時間だったので、事前に皆と待ち合わせをしていた場所へと移動する
花火の時間になると人が多いので、気をつけて歩かねば離れ離れになってしまうな
そう考えていると、俺の手を何か暖かいものが包んだ
「って、ななかさん!?」
「離れ離れにならないように?じゃあ駄目?」
何でそんなに上目ずかいなんでしょうかね…
まあ離れ離れになるのは事実だし、問題は無いだろ
しいて言うなら渉が見たら何を言われるか心配なだけだ
俺とななかは人ごみの中を手を繋いで歩いていく
なんか、恋人みたいだな
と俺が思うと隣でななかが顔を赤くしてたりする
もしかして、俺、口にしてました?
そんなハプニングもあったりしたけど待ち合わせ場所には何とか着いた
「遅いなー清隆ー」
そこには皆が既に揃っていた
「すまん。ちょっと人ごみが多くてな」
「それじゃあ仕方ないな。で、一つ聞きたいことがある」
渉が急に顔色を変える
「ん?なんだ?」
「何でお前は白河と手を繋いでいるんだー!!」
渉がそう叫ぶと、俺達はハッとなり急いで手を離す
「こ、これはだなぁー…人ごみが多かったからだよ。なあ、ななか?」
俺1人だけでは負ける気がしたのでななかに同意を求める
「う、うん。そうなんだよ」
「ふーん。怪しいな…まあいっか。それよりも時間だ。花火が上がるぞー」
俺達は皆で空を見上げた
いつの間にか隣には立夏さんが居て
「花火、綺麗ね」
「ですね」
「でも、私達がこうして花火を見ていると、あっちの世界のシャルル達は今頃何をしているのかと、思っちゃうわ」
「…まあ、るる姉達だし、無茶な行動はしていないと思うけど…」
「何よりも、早く此処に来た理由を探さなければいけないわね」
「そうですね…」
花火が終わると人は少しずつ減っていった
「さて、俺達も帰りますか」
「だな」
俺達は神社を後にする
それから暫く皆で今日のことを話していると家までの分かれ道までやって来た
「じゃあ、俺はこっちだから。じゃあなー」
渉は自分の家へと帰っていった
杉並は気が付いたら居なかった
「じゃあ、俺達はこっちだし…ってななかたちは大丈夫か?女子だけでこの時間は…」
「大丈夫だよー。小恋と私の家はすぐ近くだし、すぐそこだもん。心配性だなー清隆君はー」
ななかにそう言われたので大人しく自宅へと足を向ける
「じゃあ、またね。清隆君。ばいばーい」
ななかは笑顔で帰路へとついた
「ああ。じゃあな」
俺も帰りの挨拶を言っておく
「じゃあ私達もこっちだから」
「またねー。ばいばーい」
雪村と花咲も帰っていく
俺は義之、音姫さん、それに立夏さんと俺達の家へと帰った
俺達が家に着いたとき、居間で「お腹減ったー」と言っていた由夢ちゃんが居たのは想像がつくだろう
今回は私の小説きっての長文!
5,000文字を超えましたよー
今回のお話は夏祭りのことにさせてもらいました
お話の中で出てきた『ロシアンたこやき』分かる人は何人居るのか気になるところです
まだまだ夏休みは始まったばかり
予定にいれて欲しいものなどがありましたらご連絡ください
誤字・脱字等ありましたらお気軽にご連絡ください
感想・要望お待ちしております