それでは22話どうぞ!
俺達は部屋に残された後、第一声を出したのは渉だった
「なんで清隆だけ、そんなに羨ましいことばっかなんだよ」
「う、羨ましいのか?」
あまりの必死さに一度声を裏返してしまう
「当たり前だろ!?女子と同じ部屋に寝れるだけでなく、同じベッドでだと?」
「で、でも、一緒に寝れるからとはいえ快適にとはいかないんだぞ?」
「そんなものは我慢だ。人間、1日や2日眠らなくても生きていける」
俺は渉と話しても意味がないと思い、義之に助け舟を求めることにした
「な、なあ義之」
「ん?なんだよ」
「お前、音姫さんとは昔からの仲だろ?なら、一緒に寝ても大丈夫だろ?」
「無理に決まってるだろ。幾らなんでも無理だわ」
…むぅ、最後の砦である義之にも見放されてしまった
俺達がお互いに言葉で言い争っていると急に部屋のドアが開いた
「清隆に音姫。もうそろそろ寝るから早く部屋に来てよ」
立夏さんが追い討ちを掛けてきた
「り、立夏さん!?」
「どうしたのよ」
「お、俺は男ですよ。男と一緒の部屋で寝るのは流石に嫌ですよね」
「私は清隆なら良いわよ。それに王様ゲームでのルールよ」
「…ですよね…」
王様の命令は絶対。今回は罰ゲームなどを決めていなかったから無視することも考えたが、後で先輩や杉並に何をされるか考えたくも無い
俺は諦めて部屋に行くことを決意した
「……分かりました」
「じゃあ、音姫もいい?」
「う、うん」
俺と音姫さんは立夏さんの後を付いていくことにした
俺達が部屋を出て行く前に渉が俺に携帯で一つ言葉を残してくれた
『お前なんて居なくなれば良いのに』
俺は携帯を開いて確認したが直ぐに削除することにした
俺達が部屋の前に着くと、立夏さんが入るように促してきた
「ほ、本当に寝るんですか?俺が良くても音姫さんが嫌かもしれませんし」
決意したものの流石に最後の抵抗はしたくて音姫さんの意見を聞くことにした
「わ、私は清隆君なら大丈夫だよ」
何が大丈夫なのでしょうか?
俺の最後の抵抗は虚しくも意味を成すことがなかった
俺は諦めて部屋に入ることにした
「あっ、清隆君だ。本当に来るとはね」
若干、この状況を楽しんでいるような顔をしているななかが出迎えてくれた
「俺も抵抗はしたが無理だったんだよ」
「そっかぁ…まあ、ルールだもんん。一日ぐらいなら大丈夫でしょ」
……ん?
立夏さんと音姫さんが良くても同じ部屋のななかが嫌なら俺は戻れるのではないか?
俺は一度考えたことを聞いてみることにした
「ななかは俺と同じ部屋で寝るのは大丈夫なのか?」
「ん?大丈夫だよ。だって清隆君だもん」
笑顔で言い切られてしまった
「そうですか…」
結局、俺は音姫さんと一緒に寝ることになってしまった
「じゃあ、電気消すわよ」
立夏さんがそう言うと部屋の電気を消す
俺は音姫さんと背中合わせで寝ているので目の前にあるのは部屋の壁だ
俺はこの状況どうすればいいのだろうか
携帯を開き義之にアドバイスを聞くことにした
『from義之
現在俺は音姫さんと背中合わせで寝ているのだが、それを気にしないで寝る方法は何か無いのか?』
俺がメールを送ると暫くした後、返信が帰ってきた
『from清隆
すまないな。俺の考えではベタな羊を数えるしか出ない』
羊を数えるか…
俺は物は試しとやってみることにした
羊が一匹、二匹、三匹…
俺が頭の中で数え始めると隣のベッドで寝ている立夏さんの寝息が聞こえてくる
……これだと寝れそうに無いな
俺は羊を数えるのを止めて他にアイディアは無いかと渉に尋ねることにした
『from渉
先程、義之に言われた羊を数えるをしたのだが寝れそうにない他に何か無いか?』
俺がメールを送ると暫くした後、直ぐに返信が帰ってきた
『from清隆
お前に俺の何が分かる!?俺の気持ちを分かった上で聞いて来い』
渉に意味も無く怒られてしまった
お前の気持ちは分からないが俺の事も分かってくれよ
女子と寝るのは良いものかもしれないが、実際は生き地獄だぞ
髪の毛とかからのシャンプーのいい匂いに寝息、この中で寝るとか無理な話だろ?
絶対、先輩は楽しんでやっているだろうな
俺が1人で悩んでいると、同じベッドで寝ている音姫さんに声を掛けられた
「……清隆君。寝ちゃった?」
「いえ、この状況で寝るのは無理ですよ」
俺達は立夏さんたちを起こさないように小声で話す
「私も。男の子と寝るのは、小さい頃の弟君とだけだったから。ちょっと寝れそうにないや」
「……」
俺は音姫さんの言葉に耳を向けることにした
「男の人と一緒に寝るのは初めてなんだけど…あっ、弟君は別だよ?異性と意識するよりも弟だと思って接している自分が居るから寝れると思うから」
「……俺にも姉がいるんですよ」
「え?お姉ちゃんがいるの?」
「はい。まあ、姉といっても従妹のですがね。普段は別々の布団で寝ているんですけど、時々同じ布団で寝ることがあるんですよ。勿論、俺の意見を聞かないで一方的にですけど。その時は姉だからって、割り切ることができるんです」
「……」
音姫さんは俺の言葉に耳を向けているようだ
「だから、異性と寝るのが始めてって訳ではないんですが、今回のようなのは初めてで…」
「そっかぁ…お互い初めてなんだね」
音姫さんが小さく笑った音が聞こえた…気がした
「そうですね……しかし、この状況の中で立夏さんたちは寝れるんですね」
「みたいだね…」
俺達はその後もお喋りをしながら夜が明けるのを待つことにした
話してた内容は、ほとんど俺の話なんだけどね
音姫さんが興味が沸いたらしく聞いてくるので答えてあげていた
Side 音姫
「……俺にも姉がいるんですよ」
私が弟君と一緒に寝るのは平気というと清隆君は自分のお話を始めた
清隆君には従妹のお姉さんがいて、清隆君の意見を聞かずに時々、布団にもぐりこんでいる人らしい
私と同じで姉だからってので寝ることが出来るみたい
私はそのことを考えていると同じだなと思った
意識して異性と寝るのは初めて
これは私も清隆君も同じで、お互いに恥ずかしいって思っている
そう考えていると何故だか清隆君が可愛いなって思いはじめた
初めて会ったときから異性として感じていたのかもしれない
弟君と同じぐらいに料理の息が合って、誰とでも隔てなく接することが出来て
思えば、彼のそんな性格に私は始めから惹かれていたのかもしれない
今、私の中にあるこの感情を大切にしていきたいと感じることが出来た
そう、私は彼、芳乃清隆君に『好き』という感情を抱いたのだ
そう思うと、先程まで感じていたドキドキとは違うドキドキを感じる
さっきまでのは異性と同じベッドで寝ているからだけ、今は好きな人と同じベッドで寝ているから…そう考えて良いだろう
私はもっと清隆君のことを知りたくなって、元の時代の清隆君の生活などを質問することにした
Side Out
何時の間にか眠っていたのだろう
目が覚めると、女子の皆さんは既に着替えて起きていた
「えっと、おはようございます?」
「あ、おはよう。清隆君」
昨晩、一緒に遅くまで起きていた音姫さんが笑顔で挨拶を返してくれた
ん?何故だか昨日までの音姫さんと違うと感じたが気のせいだろう
「おはよう、清隆」
「おはよう、清隆君」
立夏さんとななかも挨拶を返してくれた
「さてと、俺はもうこの部屋に居る理由はないな」
王様ゲームで出された命令は『音姫さんと一緒に寝る』だったので朝になった今は
命令は意味を成さない
「じゃあ、昨晩はこの部屋に泊めていただきありがとうございました」
俺は3人に挨拶をすると着替えのため部屋に戻ることにした
俺が部屋に戻ると同じ部屋の住人はまだ寝ていた
俺は起こさないように着替えると、財布等の貴重品を持って部屋を出た
部屋を出て暫く歩くと後ろから声を掛けられた
「昨晩はお楽しみだったな」
「な、誰がお楽しみだよ!?」
こんな馬鹿なことを言うのは杉並しか居ない
俺は振り返って直ぐに否定を口にした
「ほう。楽しめなかったのか…もしかすると、芳乃はあっちの人間なのか?」
「……俺は普通だ。お前の言っている意味のお楽しみは無かった。生きて地獄を見ることになっただけだ」
「ん?生きて地獄をみた!?そのことについて詳しく話をしてくれないか」
杉並の興味に入ったらしくしつこく聞いてくるが面倒なので俺は無視することにした
俺は昨日食事を取った場所を待ち合わせにしているので1人早く向かう
俺が食事場につくとそこには雪村たちの姿があった
「あら、芳乃。おはよう」
「ああ、おはよう」
「どうだった?昨日は」
「満足に寝れなかったわ」
「そう。楽しめたのね」
「何処を聞いてた!?」
こいつと話していると杉並と同じぐらいに疲れる…
俺はこれからは少し、月島が弄られていたら手助けしてあげようと思った
俺が少し疲れていると皆が集まってくる
「よぉ、清隆。お前は一晩寝て、俺の気持ちを理解してくれたか?」
若干、悪の顔になりながら質問してくる渉
「あ?ああ。そういえばそんな話もしたな」
「……」
音姫さんと話したり、ドキドキしっぱなしでそんな事をすっかり忘れていた
「その…なんだ。すまない」
がっくりと肩を落としている渉を見て謝罪をしておく
俺達は遅めの朝ごはんを取ると休憩した後、チェックアウトをすませてホテルを出る
少し、町のお土産屋に寄ったりもしたが早めに帰ることにしたので来たときと同じ船に乗ることにした
俺達が船を下りると日が落ち始める時間だった
「じゃあ、ここでお別れだな」
「ああ。」
俺達は手を振り、お別れの挨拶をすると各自の帰路へと着いた
俺達が家に着くとさくらさんがお腹減ったと玄関前で待っていたのは驚きだった
安定の最後
相変わらずしたいことを終えると投げやりにする
この考えを次回からは改めたい
さて、今回のお話で音姫のフラグ立て完了!
これで残るは二人(ななか、姫乃)なので次回頃には姫乃を出したいと思う
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