すいません
それでは最終話どうぞ!
さくらさんを前に俺達は桜の木の木へと急いだ
桜の木に着くと、桜は何時もどおりに花を咲かせていた
「見た目だけは、普通の桜と変わらないんだがな……」
俺は桜を見上げながら言う
「でも、魔法の桜の木……なんだよね」
隣に居る立夏さんがしみじみと呟く
「さて、ボク達は今からこの木を枯らすけど、この時代で思い残す事は無いよね?」
さくらさんがこちらに振り返りながら言う
「「「はい」」」
あれ?さっきのさくらさんの話を思い出していると可笑しな点が一つあった
確か、義之の正体って……
「さくらさん。よしゆ「さくらさん!!」
俺の声にかぶせて後ろから音姫さんが大声で叫んできた
「音姫ちゃん……」
「白河さんから聞きました。桜を枯らすんですよね?でも、それをしたら弟君が……」
音姫さんが顔を少し青ざめながら喋っていると、後ろから義之とななかが遅れてやってきた
「……うん。でも、それしか方法がなかったんだよ」
「じゃあ、弟君は……」
「だから、義之君には本当のことを話さなければいけないね」
「本当のこと?」
義之が少し疑問に思いながら尋ねる
「うん。義之君の正体。少し話が長くなるかもしれないけど聞いてくれるかな?」
さくらさんはそう言うと、自分の昔話を始めた
自分がアメリカに行っている間に、皆が幸せになり自分だけが残された事
寂しくなり、頼ってはいけない桜の木に願いをしてしまった事
その結果、義之がこの世界に誕生した事
「ごめんね。ボクの我が侭のせいで、こんな思いをさせてしまって」
さくらさんは俯きながら呟いた
「良かった……」
義之が少しホッとしながら声を出す
「え?」
「俺にはさくらさんと出会ってから、自分の両親を見た事が無かった。だから、捨てられたのかなって思ってたけど、こんなにも近くに自分の母親が居たなんて思ってもなかったから」
「義之君……」
「だからさ、“母さん”謝らなくていいよ。確かに俺は、本来存在しなかったかもしれない
だけど、“母さん”の願いで短い時間だったけど、存在する事が出来た
それだけでも、俺は満足だよ」
「……よしゆ、き君」
さくらさんは目尻に涙を浮かべ始めた
「それに、この初音島に住む人々が辛い思いをするのは俺も嫌だ。だから、俺の事はいいから……木を枯らそう?」
義之はどこか満足したような顔で話し掛ける
「……うん。分かった……この木を枯らそう」
「ねぇねぇ。枯らすのは分かったけど、どうやって枯らすの?」
今まで黙っていたななかが声を出す
「皆で桜の幹に手を付いて、桜が枯れるように祈るだけだよ」
さくらさんが涙を拭きながら呟く
「じゃあ、早く始めようか」
義之がそう言いながら、一番に幹に手を付く
「そうだな」
俺達も次々に手を当てていく
「義之。俺はお前と出会えて楽しかったぜ」
俺は隣に立っている義之に声を掛ける
「俺もだ……大切な人たちを守る為にも成功させるしかないな」
俺達は少し笑いながら雑談をする
「帰ったら、シャルルになんて言われるかしらね」
立夏さんが少しかったるそうに言う
「まぁ、最初に泣き着かれるでしょうね」
姫乃が苦笑いを浮かべながら諦めた声で言う
「ふっ、これでまた公式新聞部と張り合えるのか」
少し嬉しそうな声を出しながら、先輩が言う
「私達が勝つんだからね。覚悟しときなさい」
「それでこそ、我が好敵手だ」
皆が思い思いに最後の言葉を言っていく
「じゃあ、音姫さん、ななか今日までありがとう
俺達が居なくなった事を渉達に伝えておいてくれると嬉しいかな?」
「……うん、伝えておくよ」
「次会えるとしたら未来でかな?」
「そうだな。未来であったら宜しく」
俺達は笑いながら最後の時を待った
「さて、枯らそうか……」
さくらさんの言葉に皆が無言で頷く
俺は桜の木に手を当てながら、元の時代の皆の事を考えていた
るる姉には心配かけたなぁ
音姫さんみたいだから、ちゃんと謝らなきゃな
さらと葵ちゃんにもたくさん心配かけたなぁ
帰ったら何処かで奢ってあげなきゃな
俺達が祈り始めてから数分が経つと桜の木が輝き始めた
「「「今日まで世話になりました」」」
俺達は声を揃えてさくらさんに礼を言う
「ボクも君達には世話になったよ。これからも頑張ってね?」
「「「はい」」」
桜の木の輝きがどんどん増していく
輝きが最大になった時、俺の意識はそこで途切れた
これにて、D.C.Ⅱでの清隆達の物語は終わります
続編であるD.C.Ⅲ(ロンドン編)の方も書いていくので見に来ていただければ嬉しいです
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