地球防衛軍~怪獣王の系譜~(リメイク)   作:東部雲

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前回から時間を置かずに投稿です。今回はストーリーの都合上出したいと思っているの兵器を出してみました。では、どうぞ。


第6話 第2教育大隊整備科

 俺達は会議室で一通りの課程を終えたあと、敷地内に存在する施設のひとつ『第2格納庫』に向かっていた。

 

 アカデミーでは二個ある教育大隊にそれぞれ兵器を格納、整備する格納庫が割り当てられ整備科の教官や候補生、各兵科の候補生が活動するひとつの拠点として機能するらしい。

 

 そして俺達は、今年入学した第6期生の拠点のひとつである第2教育大隊格納庫に向かっている。目的は、同じ大隊の整備科と顔合わせするためだ。

 

 敷地内に舗装された道路上をしばらく歩いていると、目的の建物が見えた。

 

 形状はグレーで三角形に近い外見をしていて、防ぎきれてないのか、内部からは騒音が漏れ聞こえてくる。

 

 

「へぇ、あれが私達が利用する格納庫なんだ。思ってたより大きいね」

 

「確かにな」

 

 話しかけてきたアヤの言葉に、俺は同意した。アヤの言う通り目の前の建物は以外と大きく、高さは20㍍前後と言ったところだ。

 

 そのまま俺達は建物の開閉扉から屋内に入る。

 

 

「これが今開発中の新型戦車ですか!? 装甲材は何を使ってるんですか! 主砲の口径は120㍉のようですけどっ、砲弾は何を使うんですか!?」

 

「一度に聞くな、こっちは忙しいんだ! 新兵器見て興奮したのは分かったからとりあえず落ち着け!」

 

 建物に入ったのと同時に屋内の一角から作業時の騒音に消されないためだろう、声量の大きい会話が響いてくる。

 

 声の響いてくる方には緑色のツナギを着た二人の男女がおり、どちらも戦車と思われる車両の近くにいて、男性は戦車の側面に屈んで作業に没頭していた。

 

 

「失礼します! ここが第2教育大隊の格納庫で間違いないですか!?」

 

 俺も騒音に消されないよう声を張り上げて叫んだ。

 

 すると向こうもこちらに気づいたらしく、男性は作業の手を止めてレンチを肩に担いでこちらに近寄り、女性の方もついていくようにこちらに来た。

 

 

「お前達かッ、今年入ったって言う士官候補生は! 話は聞いてるぞッ、取り敢えず向こうで話そう! ここじゃ落ち着いて話ができないからなッ、三浦候補生! 他の整備科の同期を集めてこいッ、予定していた顔合わせをするぞ!」

 

「わかりましたッ、師匠!」

 

「師匠言うなッ、さっさと行ってこい!」

 

 そのやり取りを見ている間、ルミナスを始め他の同期達は格納庫内の喧騒や整備科の勢いに飲まれ、立ち尽くしていた。

 

 格納庫内は先程の戦車だけでなく、戦闘機やヘリ、装甲車やハンヴィーを格納しているようだ。更にそれらを整備科が整備する際にかなりの騒音が出るため、整備科の教官や候補生はその音に消されないよう声を張り上げて作業している。

 

 

「取り敢えず着いてきてくれッ、向こうのスペースで話をしよう!」

 

 

 緑色のツナギの男性に案内されたのは建物の一角に壁で区切られた部屋で、室内にはパイプ椅子が数十個以上用意されていた。

 

 

「ここは本来第2格納庫で活動する整備科や、各兵科のパイロットや戦車兵の候補生が休憩する場所なんだ。今回は整備科を含む各兵科の教官達が機体の整備をしてるから、ここで顔合わせをするぞ」

 

 それから数分した後にさっき会った女性と他の整備科の候補生が入室してきた。

 

 

「"中條(ちゅうじょう)"教官! 言われた通り皆を連れてきました!」

 

「ご苦労さん、取り敢えず皆! その辺の椅子を立てて座ってくれ」

 

 入室した女性に中條と呼ばれた男性は椅子に座るよう指示して、皆が椅子に座り始めて俺も席についた。

 

 

「早速だが自己紹介させてもらうな、俺の名前は中條 義人(ちゅうじょう よしと)。以前はEDF日本支部八王子駐屯地に所属していて、現在はここアカデミーで教官として着任してる。階級は少尉だ」

 

「今回この第2格納庫では、整備科第6期候補生との顔合わせと格納庫の説明だ。君達機龍科にとっては本命と言える九式も、ここにある」

 

 俺達の前で自己紹介する男性───中條教官の言葉に室内がざわめく。

 

 

「取り敢えず、整備科から自己紹介をしてもらおうか。そこの君、自己紹介を」

 

「はい、教官!」

 

 中條教官に指名された女性は元気に返事をした。短めに切り揃えたショートの髪型もあって、快活な印象を受ける。

 

 

「あたしの名前は三浦 桐子(みうら きりこ)! 日本の関東の出身で、ここに入る前は自転車店でバイトしてました! 趣味は機械いじりです、よろしく!」

 

 桐子と名乗った女性を最初に、整備科の候補生が自己紹介していく。俺達機龍科も順番に自己紹介して行って、全員の自己紹介が終わった頃に中條教官が話を進めた。

 

 

「自己紹介は終わったな? では次に、この施設の説明の為に格納庫を見て回る。その途中気になることがあれば、質問は受け付ける」

 

 そう言って退室する中條教官に俺達も続いて退室して、今もなお騒音が鳴り響く格納庫の整備区画へと足を踏み入れていった。

 

 

 先導する中條教官に案内されたのは、ここに来て最初に見た開発中だと言う戦車の置かれた区画だった。

 

 戦車の周りは無造作に床に置かれた工具箱と、その中身が散乱していた。それに開発中の戦車以外にも、ヘリコプターやどこか近未来的な外見の乗り物も置いてあった。

 

 

「悪いな、こいつは今俺が一人で弄ってるもんだからあまり片付けは出来てないんだ。さて、取り敢えずこの区画の説明だけするぞ」

 

「この区画は通常の整備区画と異なり、開発中の新兵器を整備する実験整備区画だ。その際、データを取るための機材も置いてある」

 

 中條教官の言う通りこの区画は色んな機器があるので、ただの整備区画ではないのは分かった。

 

 

「中條教官! さっきの質問の続きですがッ、あの新型戦車の装甲材は何を使ってるんですか! 主砲の口径は!? それに向こうに置いてある近未来的なデザインの乗り物は何ですか!?」

 

「だから一度に聞くな! 今回はその事については説明しない! この区画の説明だけだ!」

 

 突然早口で質問を並び立てた三浦に中條教官が突き放して、彼女はシュンとするが中條教官はそれを無視して次の区画に案内した。

 

 

「こっちが整備区画だ! 実験機を扱う実験整備区画と違って、色んな兵科で扱う兵器を置いてる! 多分だが、ここが格納庫で一番うるさいだろう!」

 

 そう説明しながら戦車やヘリ、戦闘機等が置かれた整備区画を歩いてる間、整備科の候補生には興味深そうに眺める人も何人かいた。

 

 それから少し歩くうちに、あるものが目についた。

それは、俺がここに入学する目的のひとつと言えるものだった。

 

 

「あそこに駐機姿勢をとってるのがEDFの主力兵器であり、アカデミーの最強戦力と言える、アカデミー仕様九式機龍二型だ! バックパックや本来両腕に装備する武装は取り付けていない! だがお前達機龍科の候補生にとってはッ、この格納庫で一番大きな意味を持っているだろう!」

 

 格納庫に広がる騒音に負けない大声で叫ぶ中條教官の声を耳に入れながらも、俺は思わず表情が緩んだ。

 

 ついに目の前に着いた。俺が追い掛けてきた、かつて俺を救ってくれた存在の目の前に。

 

 

「ここで俺からサプライズをしようッ! そこで駐機している九式に順番でコクピットに入れてやる!」

 

 おおお!と機龍科の候補生達が歓声を上げた。見ると会議室で複雑な表情を浮かべていたルミナスも、表情を明るくして歓声を上げていた。

 

 

「神山候補生!」

 

「ッ?!」

 

「まずお前から九式のコクピットに入れてやる! ついてこい!」

 

 いきなり中條教官に指名された。まさか最初に俺が入れるとは。

 

 

「はい!」

 

 勿論それを断る道理などなく、言われるがままついていった。

 

 

「ここがコクピットだ。少し狭いがその分シートは良好な物だからエコノミークラスになる心配は少ない。取り敢えずそこに座ってみてくれ」

 

 今俺はコクピットの正面にいた。格納庫内で使用されている金属製の梯子を登り、内部を覗き込むと少し薄暗い。内部はところ狭しと電子機器を配置していて、座席の左右に操縦桿がある。

 

 

「よっ、と。」

 

 座席に足から飛び込むように座ってみると、

 

 

「おおぉ~!」

 

 意外なことに沈むような低反発のシートだった。それにいざコクピットの内部に入ってみると、細かいが使い込まれた形跡があるので、それなりに使用されているのかも知れなかった。

 

 

「九式の乗り心地はどうだ?」

 

「思ってたより快適です。それに大分使い込まれてますね」

 

「ははは! そうだろう? 何せ2年前にアカデミーで導入されて以来、ずっと使い続けてるからな!」

 

 俺の返事に中條教官は豪快な笑い声を上げた。すると、バイザーの付いたヘルメットらしきものを持ち上げて俺に手渡してきた。

 

 

「試しにそれを被ってみろ。もっと驚くだろうから」

 

 言われた通りに被ってみる。頭に被った感触は意外ときつくなくて、こちらも工夫されてるかもしれない。

 

 次に中條教官がコクピットの電子機器を操作すると、コクピット全体に光が宿った。それと同時に視界に幾つかの記号や文字、数字が浮かび上がる。

 

 

「ヘルメットのバイザーに色々浮かんできたな? それは九式の操縦システムとリンクしてる状態に入ってる、それに応じて情報が表示されるんだ」

 

「すごい・・・・・・!」

 

 正直、本当に凄いと思う。これなら状況の把握には困らない。

 

 

「さぁ、そろそろ降りようか。他の機龍科の連中も早く乗ってみたいようだからな!」

 

 

 

「これで一通りの説明は終わったな! 今は16:54(ヒトロクゴーヨン)時ッ、17:30(ヒトナナサンマル)時の夕食時には間に合うようにしろよ! そんじゃ解散!」

 

 格納庫で鳴り響く騒音に負けない大声で最後を締めくくる挨拶を済ませた中條教官は、肩にレンチを担いだまま歩き去っていった。

 

 あれから無事に機龍科全員の試乗が終わって、気付けば今日の課程はほぼ消化して、後は夕食と他に風呂と就寝を残すのみとなった。

 

 その後俺達は今日の疲れを取るため、明日に備えるため学生寮に戻った。

 

 

 

 あの後俺は夕食を済ませ、今日一日の汗を流すために風呂にも入った。そして歯磨きを済ませて寝ようと思ったときに、持参していた携帯電話が着信音を鳴らした。

 

 

「はい、神山ですが」

 

『俺だ、"源太"だ』

 

「えっ、おじさん!?」

 

 つい裏返った声でアヤがこちらに振り返ったのが見えたが、取り敢えず片手で制した。

 

 

『あぁ、俺だ。どうだ? そっちでの士官候補生としての生活は」

 

「何とかやっています。初日から騒ぎを起こしてしまいましたが」

 

 何とか平静を装った口調で行ってみせるが、既に俺は背中に冷や汗を流していた。

 

 何を隠そう今電話している相手はアヤの実の父親、小林 源太(こばやし げんた)だった。元陸上自衛隊の出身で強面の偉丈夫と表現すべきその風貌は、かなり高圧的だが実際には、

 

 

『所でお前、初日でうちの娘に手を出してないだろうな! いくらお前が昔から娘と仲がいいからといって、それは許さんからな!?」

 

 かなりの親バカだった。それを抜きにすれば元陸自の隊員と言うこともあって威厳に満ちてるはずなのに、そこだけが残念なポイントだった。

 

 その直後、電話の向こうから物音が一瞬してから再び声が聞こえてきた。

 

 

『もしも~し、勝ちゃんかしら~?』

 

 さっき話していた源太おじさんと違い、どこかのんびりした女性の声だった。

 

 

「"友理"おばさん?」

 

『そうよ~? さっきまでの源ちゃんとの会話からすると、元気そうで何よりだわ~』

 

 今俺が話しているのはアヤの実の母親小林 友理(こばやし ゆり)で、強面の源太おじさんと対照的にかなりのんびりした口調で話すが、実際には笑顔ではあるがそこから表情が変化しないために掴み所の無い人だった。

 

 

「わざわざ電話かけてくれるとはすみません。暇を見つけてこちらからも電話するべきでした」

 

『別に良いわよ~。勝ちゃんが真面目なのは私も分かってるし、また今度でも構わないわよ~? あぁそれと~、私は勝ちゃんとアヤちゃんの仲に付いては特になにも言わないわ~。でもね~、』

 

 そこで区切った瞬間、相手は電話の向こうのはずなのに、何故か部屋の空気が変わったような気がした。

 

 

『泣かせたら、いくら勝ちゃんでも許さないから~。その辺りは覚悟してね~?』

 

「了解しましたァ!」

 

 俺は思わず必死に返事をした。アヤが俺の返事にびっくりしたようだが、俺は今それどころではなかった。

 

 

『宜しい。取り敢えず、それだけ聞ければ今は安心できるわ~。じゃあまた今度電話するわね~、それじゃあ~』

 

 その言葉を最後に通話は終わった。俺はいつの間にか緊張していた肩の力を抜いて息を吐いた。

 

 二人とも相変わらず親バカなようだ。

 

 とは言え源太おじさんは強面でも面倒見が良く、愚痴を言いながらも相談に乗ってくれる。

 

 友理おばさんにしてもポーカーフェイスであるが、よく気配りしてくれる人で優しいところもある。

 

 初日の終わり頃にわざわざ電話してまで気に掛けてくれる二人に、まだまだ頭が上がらないと俺は思いながら部屋の明かりを消して眠りに就いた。




~あとがきのコーナー~

主「今回もやって参りました、あとがきのコーナーです。今回はゲストをお呼びしています!」

義人「中條だ、よろしく。」

勝一「今回は中條教官に簡単に自分の説明だけしてもらうのか?」

主「えぇ、他にも登場した整備科の候補生桐子さんや格納庫に置いてある九式機龍二型、更に話の後ろで登場する彩音さんの両親についてです。では、中條さんどうぞ。」

義人「そうだな、俺は・・・・・・9年前に"機龍"がゴジラと共に日本海溝に沈んでからは、しばらくは戦後の後始末をしていた。機龍を整備した設備は、もう必要なかったからな。」

主「既に機龍が役目を終えた以上、復興にあれだけ大掛かりな設備は要らないですからね。」

義人「あぁ、だが品川区はほぼ更地だったから復興は当分難しいとされてた。そこに来ての特自のEDFへの併合、品川区の国連への譲渡だったからな。俺はあの後新たな機龍の開発に動員されて、今はアカデミーの教官になったからな。人生何が起こるかわからない。」

主「ありがとうごさいます。次は今回の話に登場した桐子さんについてです。」

主「この方は中條さんのようにメカフェチと言うよりミリオタで、更に自転車店にいたから機械いじりが趣味と言う変わった人です。それに常にテンションが高めな人ですので、中條さんにとっては苦労するでしょうね。」

義人「全くだよ。いくら格納庫がいつもうるさいからって、一度に聞かれちゃ困れんだけどな。」

主「そうですね。では次に勝一さん、今度は九式に乗った感想をどうぞ。」

勝一「あぁ、まず九式が駐機姿勢を取っているのが第一印象として強いな。それに電子機器はハイテクだから使いやすそうだ。」

主「確かにそうでしょうね。もっとも、九式の真価は他にあるんでけどね。では最後に彩音さん、貴女の両親についての説明をお願いします。」

彩音「えっとそうだね、まずお父さんについてだけどね、普段は強面だけど不器用だけど優しい性格をしてて、お母さんについてはいつもニコニコしてて、お父さんとの力関係はお母さんの方が上みたい。」

勝一「おじさんは口ではおばさんに叶わないからな。おじさんも頭が上がらないらしいし。」

主「ありがとうごさいます。ではそろそろ締めましょうか。このあとは艦これの方も書いていきたいですから。では次回も、


また見ていって(くれ(ね)ください!」
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