地球防衛軍~怪獣王の系譜~(リメイク)   作:東部雲

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前回から一ヶ月後の更新です。

今回は今後のアカデミーで行われる行事の解説、後は主人公がタイトル通りの目に遭うだけですね。

では、どうぞ!

※タイトルがないことに後から気付いて訂正しました。ご迷惑をお掛けしてすみませんでした。


第17話 俺が実行委員長!?

「今から一ヶ月後、5月に日本の天皇・皇后両陛下がここアカデミーに訪問されることが先週総司令部に打診され、要求を受け入れることが決まったわ」

 

 突然告げられた言葉を、俺はすぐに理解できなかった。思わず隣に顔を向けるとアヤと視線が合う。

 

 更に視線を巡らせると、講堂にいる候補生達が壇上の家城教官へと視線を集中させていた。

 

 

「いきなりでごめんなさいね。取り敢えず順を追って説明するわ」

 

 傍らで控えた教官の一人が何枚かの紙を家城教官に渡した。

 

 

「今から約1週間前に、天皇・皇后両陛下がアカデミーを訪問するために政府から総司令部へと打診があったのよ。

総司令部は日本の外交官との会談で要求を受け入れることで合意。

正式にアカデミーを訪問されることが決まったわ」

 

 そういえばさっきも言ってたな。それにしても一週間前なら最近の話だ。

 ちょうど俺達第6期生が入学して間もない時期で、ギャオスの発生でハバロフスクに大きな被害も出ていた。何故、こんな微妙な時期にアカデミーを訪れるのだろうか。

 

 

「天皇・皇后両陛下がアカデミーを訪問される目的は、在学する超能力者達を視察することだそうよ。

国の象徴として活動する行事の一環として、世界各地で発見され国連に保護された少年少女を訪ねると言うのが向こうの名目ね」

 

 なるほど、目的はそれか。

 

 とある時期を境に世界中で存在が確認された、超常的な力を振るうことが可能な少年少女達。

 

 現在は先日のような操縦訓練で途中から参加した麻里みたいに、何人かの超能力者が既に実戦を経験している。

 そんなEDFの事情を各国がどこまで知っているかは分からない。だが少なくとも、つい最近まで一般人だった士官候補生よりは情報を多く所持しているはずだ。

 

 

「本来なら天皇・皇后両陛下が訪問されるだけで済めば良かったんだけど、ちょっと困った状況に発展したのよ。

 

両陛下の訪問されるという情報を取得した国連主要3か国。アメリカ、ロシア、イギリスが便乗するように視察団をアカデミーに派遣するとの声明を出し、他の加盟国でもメディアが記者団を送ることを検討。

 

この状況に対し総司令部は、各国の要人、メディアをアカデミーに受け入れる可能性を考慮。警備強化の為に増援を送ると通達があった。

 

今朝早くにも正式に受け入れを決める方針を固め、当校にその準備をするようにと辞令が下ったわ」

 

「……は?」

 

 今この教官はなんと言ったんだ?

そう思った直後、頭で完全に理解した途端頭を抱えたくなってくる。

 

 要約すると両陛下はアカデミーの超能力者を視察するために訪問するから、

それに便乗して各国の要人や記者団が来日する可能性が濃厚で、

それに対応する準備をしろと言うのが上層部の指示なんだろう。

 

 

「そのため、当校では毎年秋の季節になると開催している防衛祭(ディフェンスフェスタ)を季節外れになるけど開催することが決まったわ。

 

今からそれを説明すると、要はよその学校なんかで開いてる学園祭みたいなものよ。

EDFも諸外国や企業の支援で活動しているから、対外アピールも兼ねてこういったイベントが実施される。

 

因みに今回は通例として士官候補生の関係者、家族や友人等が来れるよう一般解放されることになっているわ」

 

 学園祭みたいなもの、か。となるとやっぱりあれを決めるんだろうな、今から嫌な予感がしてきた。

 

 

「以上が防衛祭の内容ね。でもこれはあくまで天皇・皇后両陛下、それに便乗する各国の要人とメディアを対象とした対外アピールを目的としているので、今から実行委員を決めるわ。

 

まず決めたいのがその代表だけどそれは多数決で決めます。

自薦他薦は問わないので、今から配布するプリントに同期なら誰でも良いから記入するように。母国語で構わないから、各自で決めて頂戴」

 

 続いて出た言葉はほぼ俺の予想した通りだった。と言うか自薦他薦問わずって、自分の名前でも良いって事か。

 

 そして待機していた教官達がプリントを兵科別に配り、しばらくして俺にも回ってきた用紙を見て少し考える。

 

 この場合誰を推すべきだろうか。こう言うのはしっかりした性格の方が合っていると思う。多分書類とかややこしい手続きがあるだろうし。

 

 それで思い浮かぶのはロシアから来日したルミナスだが、彼は俺を毛嫌いしているし、俺が票を入れたことを知れば言い顔をしないだろう。

 

 来日候補生で一番最初に知り合ったクレアは人見知りのようだから除外。

 

 クララはあまり会話したこともあまりないから保留。デイヴィッドは勤勉だから良いかもな。

 

 桐子は以前レポートを書こうとして詰まりそうだったのを覚えてるので除外。

 

 淳也は体力が並外れているしいつも余裕を崩さないが、同じ理由で除外。

 

 俺にとっての幼なじみであるアヤは快活な性格が長所で、ぐいぐい引っ張るタイプだが彼女も同じ理由で除外。

 

 残るのはドイツ出身のマックスだ。彼は普段冷静な態度を崩さないし、レポートを書いてるときに問題なく講義の内容と考察を纏めていた。

 

 ……マックスにするか。判断を下し用紙に記入すると、「そこまで!」と教官の一人が声を上げてプリントは回収されていく。

 

 次に回収されたプリントの束を持った教官数人が集まり話し込む。多分プリントに書いた名前を見て計算しているんだろう。

 

 それが終わると一人は教壇の家城教官にファイルを渡して戻っていく。

 

 

「待たせたわね。投票結果が出たけど投票数の多い候補者は大きく分けて3人いるので下から順に発表するわ」

 

 家城教官によれば票数は上位者が3人居るらしい。となれば第5位は誰になるのか。

 

 

「まず第3位は第6期生221名のうち投票数37名……クララ・ヴォルフ」

 

 5位はクララか。彼女はこれまでの訓練で射撃技術が高いことが分かったし、

コミュニケーション能力は不足してなさそうだから別段不思議なことでもない。

 

 

「続いては第2位、投票数51名……マックス・レーゲン」

 

 マックスが2位か。となると次に名前を呼ばれた同期の誰かが実行委員と言うことになるな。

 

 

「そして第1位は、投票数86名……神山勝一」

 

「…………え?」

 

 聞いて直ぐには理解できなかった。だが間もなくして頭がそれに追い付くと肩を落とした。

 

 つまり俺は今回の季節外れの防衛祭で実行委員に選ばれてしまったわけだ。

各方面から要人やメディアを招く以上どの程度まで規模が大きくなるか分からない現状で選ばれてしまったのだ。

 

 

「因みに防衛祭は毎年先任の候補生、現在アカデミーで活動する第1教育大隊が各兵科毎に兵器の実演、儀仗隊を組織して栄誉礼を実施するので私達第2教育大隊はそれ以外をやっていくわ」

 

 どうやら防衛祭に限っては在学中の先輩達が色々やってくれるらしい。

 実際錬成途上の俺たちには難しい事もあるのでその辺りは助かる。

 

 

「それと私達は外部の候補生関係者向けにエリア毎に屋台を設置、それを営業する班と各エリアを巡回警備する班に分かれて貰うわ」

 

 先輩達が担うのは軍隊によくある儀礼的なものだったが、俺達が担うのは巷の大学で行われる学園祭お馴染みのものだ。と言うか内容は同じだな。

 

 

「全体の説明は以上だけど、実行委員長として既に決定している神山候補生は各兵科毎に一人ずつ実行委員を選ぶ事ができるわ。

 

期限は2日後までだからそれまでに決めるように。現時刻14:01(ヒトヨンマルヒト)。第3教育棟2階集会室で第5期生、あなた達の先輩にあたる候補生と交流の場を設けてあるわ。

 

交流会開始は14:30(ヒトヨンサンマル)、それまでに移動するように。神山候補生はここに残りなさい。

 

では分かれなさい!」

 

 家城教官の号令で最初と同じ動作を経て出入り口に近い同期生から講堂を退室していく。

 

 その人並みの中でアヤが一瞬だけこちらに視線を向けて「また後で」という意思を伝えてくる。

 

 直ぐに俺も視線で答えるとそのまま講堂から出ていった。

 

 

「さて、貴方に残ってもらったのにはもちろん理由があるわ。一緒に来てほしい場所があるのよ」

 

「それは、どこでありますか」

 

 家城教官に促してと返事を待った。

 

 

「アカデミー第3区画、そこにある特別管理棟。そこには超能力者の子達が居るから、彼らに会って貰うわ」




次回からは超能力を用いる少年少女と本格的に関わっていくことになります。

執筆中の番外編、外伝も書き終わり次第投稿します。

では、次回予告です!


~次回予告~

実行委員長就任が決まった勝一は家城茜の案内でアカデミーの隔離された第3区画に赴き、そこで超能力者の現実を目の当たりにする。

第18話 第3区画

次回もよろしくお願いします
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